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SUNTORY WHISKY
TOKUKAKU
Aged 10 years
60th Anniversary 
1996-1997's
700ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:萌木の村
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(5-6)

香り:香木香漂うフルーティーで軽やかな香り立ち。杏子や洋梨、品のいい果実香から干草、木材のような乾いた香りも感じられる。

味:スムーズでマイルドな口当たり。熟成感を感じるモルティさ。全体的に軽やかでバニラ、林檎のコンポート、クラッカー、奥には軽やかな穀物風味、微かに甲類アルコール感。
余韻はドライ、染み込みようなウッディネスを伴いあっさりとしている。

やや前時代的な香味も引きずっているが、ミズナラ由来の香木香、オーキーな熟成香も備わってサントリーのブレンデッドらしさがある。少量加水すると香りの一体感は増すが味が少し水っぽくなってしまう。ストレートでイケる角瓶。


1996年から1997年、角瓶発売の60周年を記念してリリースされた懸賞向けの角瓶。10年後の70周年では角瓶誕生年である1937年にちなんだ本数分の特角が懸賞となったようですが、この60周年ではノーマル角瓶製品を飲んでポイントを貯めると全員貰える懸賞品だったようです。
もっともそのポイント設定がえげつなく、個人より下町の酒屋が保有しているケースの方が多かったように思います。(そのポイントどこから持ってきたという疑問はさておき。)

そのため、ウイスキーブームが来る前は酒屋の棚に飾られていることが珍しくありませんでしたが、最近はすっかり見られなくなった銘柄でもあります。
あれは8年くらい前か、横浜山手駅近くの酒屋か八百屋っぽい店頭にあって、交渉したけど売って貰えなかったんだよなあ。。。
オークションで狙っても良かったんですが、そこまでしなくてもと思ってるうちにブーム到来。高嶺の花へ。
そんな縁のなかったボトルに出会えたのは、先日訪問した萌木の村。懐かしさを感じながらのテイスティングとなりました。

この角瓶の特徴は、あくまで角瓶でありながら、ワンランク以上上位のグレードにあるモルティさ、そして香木系の香味を備えていることにあります。
ブレンドの方向性は、響系統というよりリザーブとローヤル系統の中間という印象。ミズナラ系の原酒がトップドレッシングにあり、ベース部分は樽感の淡いグレーン、バーボンバレルの白州モルト、あとはなんか色々といったところでしょうか。
高級感あるのに、どこか角瓶臭さを感じる。当時だから作れた角瓶であり、今ではもう作れないだろうなという味わいは、なんとなく商品の位置付けが、ブラックニッカブレンダーズスピリットと被るようにも感じました。(味は全然違いますが。)

そう言えば、この流れでいくと昨年2017年って角瓶誕生80周年だったんですね。
特に認識してなかったのですが、なんかリリースされてたっけと調べると、記念イベントとタンブラーですか。
特角が作られなかった事に時代を感じてしまいます。