タグ

タグ:島地勝彦

グレンファークラス 19年 1995-2015 サロンドシマジ 54.2%

カテゴリ:

GLENFARCLAS
Salon de Shimaji 5th Release
Aged 19 Years
Distilled 1995
Bottled 2015
Cask type Sherry hogshead #3781
54.2% 700ml

グラス:シュピゲラウ グランドテイスティング
量:30ml程度
場所:個人宅
時期:開封後2か月程度
暫定評価:★★★★★(5-6)

香り:ハイトーンで高い香り立ち。ツンとしたウッディさ、プルーン、ブラウンシュガー、微かにハーブ。徐々に生っぽい木のアロマが少量感じられる。 

味:口当たりは香り同様トーンが高い甘さでヒリヒリとした刺激。ブラウンシュガー、プルーン、紅茶、徐々に薄めた蜂蜜の甘さのとろりとした口当たりに。微かに植物のエグみも感じられる。
余韻は洋菓子を思わせる甘み、香り同様に生っぽい木のニュアンスと淡いタンニン、ウッディネスが長く続く。


髑髏のマークでお馴染み。島地勝彦氏が、信濃屋経由でボトリングしているオリジナルシリーズ第5弾。今回のキャッチフレーズは「言葉で飲むモルト」。
リリースが続いているのでなんとなく当たり前になってきていますが、ほぼ個人が、ボトラーズ経由ではなく半オフィシャル的な位置づけのボトルを複数リリースする。冷静に考えたらすごい事です。
同氏については以前記事にさせていただいた通りですが、本店訪問の際「ファークラスとアランは良いぞ」とオススメを頂いておりました。
その後予約合戦に出遅れて購入には至らず、発売から遅れること2か月少々、ようやくテイスティングです。

最近、それも90年代以降のグレンファークラスのシングルカスクは、選定者の努力なのか良い樽が増えてきているなと感じます。
オフィシャル普及品は大量生産の影響を感じざるを得ない味ですが、カスクモノは硫黄やえぐみ、生臭さが控えめ。限られた選択肢の中で良いものを作っていこうとする動きや工夫は、ボデガ側にもあるのかなと。

今回のボトルは、近年系のシェリーフレーバーを素直に楽しめるファークラスのひとつ。度数の高さと酒質ゆえ、ツンとした木のエッジ、ハイトーンでスパイシーなニュアンスは感じられるものの、口開けからの時間経過でそうした要素がこなれてきていて、今まさに良くなってきている最中というところ。
また約2か月でこれですから、ひと夏超えた今年の秋、シェリーのおいしい時期での活躍が期待できそうです。

【BAR訪問】サロン ド シマジ本店 @広尾

カテゴリ:

突然ですが、島地勝彦氏についてご存知でしょうか。
「もちろん」という方は特に男性陣に多いでしょう。ウイスキードリンカーであれば、髑髏マークのシングルモルト、サロン ド シマジシリーズで名前を知っている方も多いと思います。
元集英社インターナショナル代表取締役であり、週刊プレイボーイ編集長時代は同誌を100万部雑誌に育て上げるなど伝説多数。作家に転身した現在は、多くの連載を抱える文豪として活躍。これまでの経験、人脈などからファッションのみならず多彩な嗜好品に通じる、まさに男が憧れる男の一人です。
島地先生は執筆活動の傍らで、伊勢丹新宿店で自らプロデュースするサロン、サロン ド シマジに併設されたBARに立ってシェイカーを振られています。出勤日である土日のサロンは常に満員だと聞きます。
そのサロン ド シマジには、伊勢丹とは別に、特別な友人やVIPのみが招かれる"本店"と呼ばれるスペースがあります。
300本近い開栓済みのシングルモルトウイスキー、極上のシガーにアンティーク、趣味の逸品がそろう仕事場兼プライベートスペース。今回大変光栄なことに、新宿伊勢丹店の常連であっても訪問できる人は少ないという本店に、ウイスキー仲間のTさん繋がりで訪問する機会を頂きました。


まずは広尾のイタリアンレストラン、オステリア・ルッカで食事を兼ねて島地先生と待ち合わせ。
このレストランにはオリジナルメニューである"シマジコース"とランチメニューの"シマジスペシャル"があり、先生は3日と開けずに通われているとか。
店で焼いているという塩パンは、きめの細かい生地のふわりと柔らかくなめらかな舌触りに、カリっと香ばしい外側の焼き目、そこに塩のうまみが加わってこれだけで食べていける。オリーブオイルとの相性も抜群でおかわり自由が嬉しい。
コースはうまみのしっかりあるフランス産の鴨のカルパッチョから始まり、土の香りと野菜そのものの新鮮な味わいが、体を中から綺麗にしてくれるような採りたて野菜のサラダ、削ったカラスミが贅沢にかかったアスパラのパスタは後述する食中酒との相性抜群。デザートには、クリームのように柔らかいバニラアイスとフルーツの盛り合わせ。
食中酒はタリスカーと山崎プレミアムソーダのハイボール、黒胡椒を専用ミルで3プッシュするタリソーペッパー。食後の紅茶はもちろんサロン ド シマジ、オリジナルブランドです。
若干緊張してしまいましたが、Tさんの合いの手もあって、しっかりと堪能させていただきました。

レストランやメニューの詳細※は、こちらで詳しい特集がされています。
日経レストラン オステリア・ルッカ 「百年の店、百年の言葉」
http://nr.nikkeibp.co.jp/hyakunen/20120606/index.html
※今回のメニューとは若干異なっています。


食事を終えた後はいよいよ本店へ。
店から徒歩5分程度のところにあるマンションの一室。
正直、これまで趣味に生きる方々の部屋を多少なり見てきた経験から、よほどのことでは驚かないのですが、これは感嘆の声が漏れてしまいました。
ボトルの本数もさることながら、そこかしこに置かれているモノの質ですね。良いもの、評価されるようなものはそれだけでオーラを纏うのですが、内装・小物に拘るBARのそれと同じ空気を感じます。


早速、今回ご招待いただいたお礼もかねて、お土産のボトルを進呈。
先日ブログでも記事にさせていただいた、白洲次郎の個人輸入、ストラフォード伯爵からの贈り物。オリジナルラベル付きのブラックボトル1960年代流通です。

ご参考:ブラックボトル1960-1970年代流通 "白洲次郎氏が愛したウイスキー"

http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1034229730.html


島地先生はシングルモルト愛好家で、サロン ド シマジ本店には基本的にブレンデッドウイスキーは無いそうですが、今回あえてお持ちしたのはレアリティもさることながら、ボトルが持つバックストーリーゆえ。
事前連絡の中で「楽しみにしている」と言われていた手前、状態だけが心配でしたが、見た目同様にバッチリで、当時のブレンドらしいコクのあるまろやかな風味が堪能できました。ピート香はそれほどでもなく、やはりブナハーブンとハイランドモルト主体だなと。開封時でこれなら今後はさらに開いていくと思います。
おそらく今後来店されるであろう方々の中には白洲次郎ゆかりの方もいらっしゃるでしょうし、このボトルはこの場所で飲まれてこそ光るのではないか、そのために自分の手元に来たのではないかとすら感じています。

この他、いただいたシガー、ポールララナガ・アジアパシフィック向けを燻らせ、柔らかく上質な煙を楽しみつつ、惜しげもなく出てくる銘酒の数々と、男の趣味な会話を堪能しました。
「知る悲しみだよな」なんて名言も飛び出して、やはり男の人生の彩りは、趣味あってこそですね。
シングルモルトはダンカンテイラー・タンタロスシリーズのポートエレン30年やリミテッドエディションのブローラ35年、日本未発売というタリスカー34年が平然と出てきてテンションが上がります。
そのほか、マッカラン1946、1949のデキャンタセットも圧巻でした。自分の好きなクラガンモア21年リミテッドエディションがあったのも嬉しかったですね。水はもちろん母なる水、スペイサイドウォーターです。
この辺りは個別に記事にまとめていきたいと思います。
楽しい時間はすぐに過ぎるもので、話を堪能しながら飲み進めてあっという間に解散時間となってしまいました。
いろいろお聞きしたいこともあったのですが、考えていたことの半分以上消化しきれなかった感はあります。しかし次回のお話もいただくなど、大変光栄な機会を満喫しました。
男たるもの、こういうカッコイイ歳の重ね方をしていきたいものです
自分が将来こうあれるか、多くの方が魅力を感じ、惚れ込む理由の一端を見たように思います。

余談ですが、サロン ド シマジ シリーズのモルトウイスキーは、今後、グレンファークラス、トマーティン、バルブレアがリリースされるそうで、ウイスキーラヴァーとしてはこのリリースも今から楽しみです。
島地先生およびTさん、ご一緒したKさん、Sさん、本当にありがとうございました!


このページのトップヘ

見出し画像
×