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関東地方、急に暑くなりましたね。
高温多湿、まるであんかけのような暑さ。少し前まで夜はまだ涼しかったのに、最近は気温が下がらずぬるりとした空気・・・。これからさらに暑くなるわけですから、いよいよ今年も夏がきたなーという感じがします。

こうも暑いと1日の終わりはハイボールで体の中に滞留する熱を抜いて、スッキリさっぱりしたいところ。
そんな時期にオススメしたいのが、爽やかな香気と鮮烈なスパイシーさが病みつきになる、四川山椒をトッピングした痺れるハイボール、略して"シビハイ"です。


準備するものは
・四川山椒(花椒、または藤椒)
・ミル
・ベースのウイスキー
・強炭酸の炭酸水
・ロックアイス

ベースとなるウイスキーに特段縛りはなく、普段ハイボールに使う角でもブラックニッカでもなんでも良いですが、安定して美味いのはタリスカー。
ともすると、ディアジオがプッシュしてる、タリスカーと黒胡椒のスパイシーハイボールの山椒版のようでもありますけれど、胡椒の辛味とは異なる痺れるような刺激と果実を思わせる清涼感が最大の特徴です。

他の組み合わせとしては、四川山椒の香味が強いため、ライトなウイスキーよりアイラモルトのようにピーティーで香味が強いほうが合わせやすい印象。しかし試してみると、大抵のウイスキーはマッチしてしまう不思議な汎用性も感じられます。
下の写真にあるようなオーソドックスなジャパニーズやオールドブレンデッドはもとより。一般的にハイボールに向かないとされるシェリーカスクのウイスキーでもそれなりにまとめあげてしまうのは、組み合わせを試していて面白かったです。

(地ウイスキーのハイボールでも爽やかな味わいが楽しめる。笹の川酒造963の新商品はピーティーな黒ラベルとソフトなコクのある赤ラベル、それぞれ良さを感じる味わいに。)

この"シビハイ"を自分に教えてくれたのは、目黒のBAR Gosseの油井さん。
スタッフの1人が山椒好きで、「それならハイボールにかけても面白いんじゃ」と試してどハマりしたのだとか。
自分も話題のタネにと頼んでみたわけですが、「まぁ言うても普通が一番でしょ」なんて思いながら一口飲んで、おいおいこれは面白いぞと、ミルをプッシュして追い山椒。
ピーティーでボディと淡い酸味のあるタリスカーハイボールに、独特の爽やかな香気が混じり、上唇に残るビリビリとした痺れる刺激が心地よい。しかも妙に後を引く。。。飲み終わる頃には、密林で四川山椒とミルをポチってしまいました。
また、この日はじめてシビハイを頼んだというお客さんが隣におり、そこからひたすらそれだけ8杯もおかわりしていたのは衝撃でしたね(笑)

シビハイのポイントは、日本の山椒ではなく、刺激がさらに強い中国の四川山椒を使うところにあります。
どちらも似た風味ですが、例えば麻婆豆腐に使われているのは四川山椒であるように、種類によって香味の違いと適性があります。
日本の山椒を使うハイボールといえば、サントリーが知多ハイボールのレシピとして山椒の葉をトッピングするスタイルを公開しています。しかしあちらはその特性上香りづけがメインです。 
これをもって発祥がどうとか主張するつもりはありませんが、こういう使い方もあるという、スパイスの系統として使い分けていければなと。

また、シビハイは食事との相性が抜群に良く、特にニンニクを効かせたような肉料理や中華などとは、過去経験をする限り他のウイスキーハイボールの追従を許さないと感じるほどです。
先日、友人宅での持ち寄り会兼ホームパーティに、アンガス牛のステーキとタリスカー10年のシビハイを食事パートで持参したのですが、他にもウイスキーが大量にある中で、普通のタリスカー10年が1本まるっと昇天してしまうほどでした。

四川山椒とウイスキーハイボール、この組み合わせは、より一層の刺激と共に中毒性にも似た何かがあります。
鰻重や中華料理にドバドバと山椒をかける方が居ますが、その気持ちがわかってしまうような。。。
必要なミルと四川山椒は、アマゾンで2000円程度(勿論送料無料)で購入できますので、自宅で色々チャレンジされても面白いかなと思います。
今年の夏は、是非"シビハイ"を試してみてください!