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MACKINLAY'S
LEGACY
21 Years Old
Blended Scotch Whisky
1990's
750ml 43%

グラス:テイスティンググラス
時期:開封後1週間程度
場所:お酒の美術館 神田店
評価:★★★★★★(6)

香り:熟成したグレーンを思わせる色の濃い甘い蜂蜜や乾いた穀物のアロマ。キャラメルビスケット、カラメルソースにオレンジピールを思わせる甘い香りとビターなウッディネス。ほのかに腐葉土や粘土のような癖。グラスの中でスワリングしていると、とろりとした甘いアロマと奥にあるスモーキーさが一体となってくる。

味:角の取れた丸みのある口当たり。直後にウッディさとピートの苦味を強く感じるが、これも徐々にこなれてきてカラメル系のシェリー感とアーモンド、穀物由来の甘み。中間から余韻にかけて程よいコクを伴うようになる。フィニッシュは強いウッディネスとピート、その奥にはりんごのカラメル煮のようなフルーティーさも潜んでいる。

注がれた直後は苦味が強く、グレーン感も目立っていて、飲み口と余韻までの香味を繋ぐ要素が開ききっていないようなチグハグな印象を受けたが、徐々にこなれてきて長熟ブレンドらしいコクのある甘み、熟成感が感じられるようになってくる。少量加水してもいいが、ストレートでじっくりと楽しみたい。

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かつては南極探検隊のウイスキーとして、そしてブレンドの名門として知られたマッキンレー社。
1980年代後半から1990年代にかけ、スコッチウイスキーメーカー各社がリリース戦略を見直し、イメージ向上などのため12年表記をつけたり、あるいは15年、20年熟成以上の長期熟成レンジのリリースに舵を切る中で、マッキンレーブランドからリリースされたのがハイエンドとなる今回の21年です。(該当するレンジでは、ほかにレガシー12年や17年もリリースされていました。)

当時のマッキンレー社はインバーゴードン傘下にあったことから、構成原酒はグレーンがインバーゴードン。モルトはすでに閉鎖されてはいたもののグレンモールとグレンアルビン、そして1963年に再稼動したジュラの最長期熟成原酒に、ダルモアなどでしょうか。比較的グレーンが目立っており、比率はグレーンが5~6割くらいという印象でもありますが、そこにモルトの個性としてしっかりとした熟成感と内陸系のピーティーさがあり、これが構成原酒を紐解くヒントになりそうです。

たとえば、ピーティーさとあわせて粘土っぽい癖がジュラに通じるところですし、ダルモアやグレンモールら内陸の原酒も、控えめですが存在感のあるピートフレーバーを感じられるモルトです。
古いマッキンレーズのブレンドは中々に通好みな組み合わせで知られますが、熟成したそれは贅沢とも感じます。

このボトルがリリースされていた当時、日本での販売価格は2万円(洋酒辞典1991年)だったそうです。現地での価格がどうだったかは、今となっては知る由もありませんが、この時期のハイエンドブレンドも今の市場ではそれなりに手の届く価格のものが多く。経年劣化も少ないため、普段飲みに使いやすいなとも思います。