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CHIANTI CLASSICO
RUFFINO
RISERVA DUCALE "GOLD"
1996
750ml 13%

経年を感じさせる微かにオレンジがかった濃い色合い、濃厚な飲み口から熟成による落ち着いたタンニン、甘酸っぱさ。角の取れた濃厚なアロマは、カシスなどの黒い果実やスパイス、ハーブが溶け込むように複雑で、スワリングするとそれらが紐解かれていく。
余韻はハーブやカシスシロップ、微かなマディラ香と金属感。タンニンが穏やかに染み込むように残る。


イタリアで作られる最も有名なワインと言えるのが、トスカーナ州キャンティ地区のワイン。主に使われる葡萄品種はこれまたミスターイタリアのサンジョベーゼ。そしてクラシコはキャンティの中でも古くからワインが造られていて、一つ上のグレードに指定された地区(町)の畑によるものだとか。
ワインにあまり縁のなかった自分でも、外食時に見かけてキャンティの名前を知っていたくらいですから、それがどんなものかはさておき知名度が高いのは間違いないのだと思います。

その味わいは、なんていうか王道的な赤ワインのひとつと言いますか、ボディの有無は銘柄によりけりですが酸味もタンニンもしっかりあって辛口で。。。いかにも赤ワインの味わいという印象。子供の頃、ワインはぶどうジュースの延長みたいに思っていて、大人になって飲んだら「アレッ?」って言うあの感じ。
特に新しいビンテージのそれは自分にとってデイリーに飲むには強すぎて、ちょっと敬遠してしまうワインでもありました。

ですが「ボディがあって酸味もタンニンもある」という構成なら、言い換えれば熟成に耐える可能性でもあり。会社の飲み会で名前も知らないキャンティを飲み、一度長期熟成のそれを飲んでみたいなと思うに至り。。。その入門として今回飲んでみたのが、キャンティクラシコの代表的銘柄とGoogle先生にお勧め頂いた"ルフィーノ・リゼルヴァ・ドゥカーレ"の上級品、ゴールドラベルの1996年です。


ルフィーノ・リゼルヴァ・ドゥカーレは、パーカーおじさんからも熟成後の品質が高く評価されており、銘柄の知名度としても評価としても、熟成キャンティ初挑戦にはお墨付き。
1996年はトスカーナ全体があまり良い年ではなかったようですが、その分価格が手頃なだけでなく、いい年のキャンティ・クラシコなら飲み頃は30年後という指標からも、逆に今飲むにはちょうど良いビンテージといえそうです。 
(こういう考え方は仲間からの受け売りなんですけどねw)

濃い色合いの液体に溶け込む複雑さが、グラスの中でじっくり時間をかけて味わえる。これは確かに熟成に耐えうるというか、経年がしっくりきて美味しいワインです。
特に自分のように熟成した蒸留酒を主体に飲んできた飲み手には、新しいビンテージの溌剌とした味わいより、熟成を経たものの方が馴染みがあるのかもしれません。
ウイスキーに例えるなら、いくつかの要素は近年のシーズニングシェリーに共通するようなニュアンスも感じ取れます。

ちなみにこの時、妻が食事に用意したのがクリームシチューと冷しゃぶ風サラダ。
クリームシチューがトマト系の煮込みだったら話は違っていたのでしょうけれど、どちらともこのワインは本当に合わない。特に冷しゃぶ風のサラダとの相性が最悪で、合わせて飲むと青臭さというか肉の脂の嫌な味というか、ネガティヴ要素が際立ってしまう。
せっかくのワインでしたが、とんでもないミスマッチも合わせて経験してしまいました。