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インチマリン 14年 2004-2019 Y’sカスク 静谷和典セレクト 55.1% 

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INCHMURRIN 
Y's CASK & BAR LEMON HEART 
Selected by Kazunori Shizuya 
Aged 14 years 
Distilled 2004 
Bottled 2019 
Cask type Rechard American Oak #1913 
1 of 568 Bottles 
700ml 55.1% 

グラス:テイスティング
時期:開封後2週間程度
場所:BAR 新宿ウイスキーサロン
評価:★★★★★★(6)

香り:ややハイトーンで風邪薬シロップのようなケミカルな甘いニュアンスと、微かに赤みを帯びた乳酸系の酸を伴う香り立ち。あわせてドライなウッディネスがレモンピール、干し草などの乾いた植物感も伴う。

味:香り同様にケミカルな要素と甘酸っぱくフルーティー、スパイシーな口当たり。樽由来か中間に粉っぽい舌触りがあり、シロップの甘味、グレープフルーツ等の柑橘感。
余韻にかけて微かにハーブ、スパイシーな刺激が増していくようで、ドライなフィニッシュへと繋がる。

現行インチマリン(ロッホローモンド)の酒質部分の個性がはっきりと出ている1本。開封直後はフルーティーさが足りず、スパイシーな仕上がりが強い傾向だったが、時間を置いて改めて飲んでみると、好ましい変化もあり、開封後数ヵ月単位で慣れさせると良いかもしれない。少量加水するとケミカルなニュアンスにホットケーキのような生地の甘味が加わって、スウィートで飲みやすくなる。

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今日本で最も勢いのあるバーマンの一人と言える、BAR LIVET & 新宿ウイスキーサロンの静谷氏がロッホローモンド蒸留所でセレクトしたインチマリン。
表ラベルはファミリー企画のレモンハートシリーズ仕様で、BAR LIVETのカウンターでウイスキーを飲むマスターと、静谷さんの姿が描かれています。

一方モノを扱っているのはロッホローモンドの正規代理店でもある都光で、この選定にはリカマンのスピリッツバイヤーである伊藤さんも関わっている模様。
Slected by Kazunori Shizuyaの隣には、小さく伊藤さんの名前と、上記裏ラベル(本来はこっちが表か?)にはEXCLUSIVELY For TOKO TRADING表記があり、本ボトルに関わった方々の相関図が見えるようでもあります。

それではそろそろ中身の解説を。ボトリング本数568本は約400リットル分あることと、樽由来の香味の淡さから、熟成に使われた”リチャード・アメリカンオークカスク”なる樽は、複数回使用のシェリーバットがベースであると推察。
複数回使用後であるためか、アメリカンオークといっても1stフィルのバーボン樽のような、近年のロッホローモンド蒸留所の原酒が持つフルーティーさを後押しするフレーバーは控えめで、むしろ樽由来とおぼしき酸が感じられる以外には、酒質由来のケミカルな甘味とハーブ、スパイシーな刺激が主体という構成となっています。
また、リチャーでありながら焦がした樽材由来の要素があまり感じられないのも特徴で、そこまで強く焼きを入れてないのかもしれません。どちらかといえば、サードフィルのシェリーバットという方が自然な感じのする仕上がりと言えます。

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(同じY's Caskシリーズから昨年末頃にリリースされた、バーボン樽熟成のインチマリン2002-2018。酒質のケミカルな特徴はほぼ同じだが、樽の違いでパイナップルを思わせるフルーティーさが強調されている。まさにジェネリックトロピカル。飲み比べてみるのも面白いだろう。)

そのため、開封直後の印象ではインチマリンに求めるジェネリックトロピカルというか、アイリッシュ系統のフルーティーさがあまり感じられず、ハーブや植物感のような癖と、人工的なシロップの甘味、スパイシーな刺激といった酒質由来の部分が目立っており、時間置いた方が良いと判断。
2週間ほど間を置いて改めて飲んでみると、フルーティーさが開いてきているように感じられ、テイスティングの通りポジティブな変化が見られました。

静谷氏のテイスティングコメントでは”青パパイヤ”という表現が使われていますが、大概の果実は売られている段階から少し置いて食べ頃を待ちます。つまりこのボトルもまた、熟していくのに多少時間が必要といったところでしょうか。
いっそ3本くらい同時に開けておいて時間経過後をサーブするようにしたら?なんて話をカウンター越しにしながら、半年、1年後の姿をイメージして楽しんだ1杯でした。

グレンファークラス 29年 1989 ブラックジョージ For BAR LIVET 55.43% 

カテゴリ:
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GLENFARCLAS 
BLACK GEORGE 
For BAR LIVET 
Aged 29 years 
Distilled 1989 
Bottled 2019 
Cask type 1st fill Sherry Hogshead #11194 
700ml 55.4% 

グラス:テイスティンググラス
時期:販促サンプル
場所:BAR LIVET
評価:★★★★★★★(7ー8)

香り:煮詰めたダークフルーツを思わせる甘酸っぱさと、チョコレートクッキーのような濃厚な甘いアロマ。古酒っぽさのあるシェリー感でレーズンやベリー、甘さと果実感主体でウッディネスは控えめ。奥にはかすかにフローラルなニュアンスも感じられる。

味:甘酸っぱくとろりとして濃厚な口当たり。香り同様にダークフルーツを煮込んだような濃厚さと、カラメルソースのようなほろ苦さも伴うシェリー感。じわじわとウッディな苦味も開いてくる。
余韻は長く、スパイシーな刺激とともに、アーモンドのようなほろ苦さとタンニンを伴うが、これは強くは残らない。むしろ奥には熟した黄色い果実のようなフレーバーも潜んでおり、口内に揺蕩うシェリーのふくよかな香気とあわせて陶酔感にも通じている。

ハイプルーフで余韻に繋がる酒精の強さもあるが、それを感じさせない濃厚さと甘酸っぱいフレーバーが印象的。少量加水しても香味がそのままの延びて、近年のノーマルなシーズニングシェリー樽とは異なる奥行きの深い味わい。瓶熟での成長も期待出来る。
一方、味は問題ないが、冷えているとかなり香り立ちに影響するので、4月というリリース時期は丁度いいかもしれない。

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BAR LIVETさんのオリジナルボトル。グレンファークラス1989、通称ブラックジョージ。
すでにコアユーザーから、2019年リリースで確実に期待できる1本との前評判もあるボトルですが、4月に予定されているリリースを前に、到着したばかりというボトリングサンプルをテイスティングさせていただきました。
結論から言うと、前評判通り、あるいはそれ以上に美味しいボトルに仕上がっていると思います。

ブラックジョージの企画がスタートしたのは1年前の冬のこと。蒸留所でカスクの絞り込みが行われ、候補となった5樽からサンプルが取り寄せられて最終的な選定が行われたのが昨年5月。その後はラベルや価格の調整など諸々あり、現地での選定から約1年の追熟期間を経て、ようやくリリースとなりました。
この時、取り寄せられたカスクサンプルを飲むことができた方々の情報が、上述の”前評判”に繋がっていた訳ですが。カスクサンプルとボトリングで味が違って来るのは、ボトリングあるあるの代表事例。この記事ではその変化の有無についても触れながら、レビューをまとめていきます。

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(グレンファークラスのウェアハウスでのカスク選定風景。ミリオン商事さんの協力で実現した静谷氏による選定は、蒸留所スタッフが「勘弁してくれ」と根をあげるほどの樽数と時間に渡ったという。。。ちなみにボトリングされた#11194はスタッフお気に入り、秘蔵の樽とのこと。)

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(候補となった5つのサンプル。すべて同じ1989年蒸留だが、シェリー感の濃淡、果実味の系統、サルファリーさの有無など、異なるキャラクターが感じられる。ちなみにこの5樽の中では頭ひとつ抜けた完成度だったのが、今回ボトリングされた原酒だった。)

グレンファークラスの1989と言えば、近年最も高い評価を受けたと言えるBARメインモルト、BARキャンベルタウンロッホが2016年にリリースした Cask No,13009。
そして最近のリリースからは、信濃屋の2017年詰めCask No,13049。このあたりが今回のリリースとの比較対象になると思いますが、ブラックジョージの香味は、そのどれとも異なるタイプです。

ざっくり分類すると#13009はスパニッシュオーク由来の香木を思わせる濃厚なウッディネスがあり、果実味に差はあれど山崎などで見られる樽の系統。#13049は、程よい甘みとウッディさの中にクリアでトーンの高いアタックが、1990のクリスマスボトルを思わせる系統というのが自分の中の分類です。
そしてブラックジョージのシェリー感は、テイスティングの通り序盤は黒と赤、余韻にはプレーンオークを思わせる黄色系も混じる、濃厚で凝縮したような甘酸っぱい果実味が特徴。バットとホグスヘッドでの違いもあるのか(例えば、側はスパニッシュでも、鏡板はアメリカンオークとか)、最近リリースされた中ではサイレンスバーの30周年記念の1987を濃厚にしたような構成が、系統として一番近いかなと思います。

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(サイレンスバーが同店創業30周年を記念し、リリースした1987年蒸留のホグスヘッド#3813。リフィルなので序盤のシェリー感は控えめだが、余韻にかけてのフルーティーさとバランスの良さが特徴。)

この濃厚さに繋がった要因のひとつが上記1年弱の追熟期間と考えます。(もうひとつの要因は、カスクの中身すべてを混ぜたかどうか、サンプルの段階の違いでしょう。)
昨年のカスクサンプル時点で充分濃厚ではありましたが、ボトリングされた原酒は序盤の甘酸っぱさがさらに強くなり、余韻で感じられた熟した果実のフェロモンに通じるようなフルーティーさは、少し圧殺されるような仕上がりとなっていました。

そういう意味で、このブラックジョージは前評判通りかと言われると厳密には違うのですが、”あるいはそれ以上”という前置きはこの違いのため。むしろインパクトと分かりやすさを備えただけでなく、悪落ちしなければ時間経過で妖艶さを纏い、さらに良い方向に変化することも期待出来ます。
同蒸留所の1960~70年代あたりの伝説的なボトル達と比べると、至らぬところは当然ありますが、今この瞬間これ以上はそう望めないことも事実。高い評価を受けることは間違いないと思います。

グレンファークラスは1980年代の樽の不足と樽売りの値上げから、今後のリリースレンジは2000年代蒸留に移行すると聞いています。
短熟でも良い原酒はありますが、長い時間をかけてピークを迎えたからこそ得られる艶やかでアダルトな仕上がりは得難く、本質的に異なるもの。
この時代にこのレベルの原酒をボトリングできたということが、ミリオンさんと選び手の実績の積み重ねを感じさせると共に、愛好家としては素直に羨ましくも感じるのです。

BAR LIVET発祥 ウィスクテイル(Whisktail)で新しいスタイルのカクテルを楽しむ

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いつもお世話になっている新宿3丁目のウイスキーバー、BAR LIVET。
あれは確か1年前の8月。マスターである静谷さんから是非飲んでみて欲しいと勧められたのが、「ウィスクテイル(Whisktail)」として試作中のウイスキーカクテルでした。

その直前、静谷さんは京都まで研修に出ており、何か思うところというかインスピレーションを得るものがあった模様。
「ウイスキーをもっと広めるために、ウイスキーベースのカクテルレシピを100種類開発しようと思うんです。」
僕は覚悟を決めましたと、真剣そのものの静谷さん。
100種類ってマジか、なんて思っているうちに出てきたカクテルは、タリスカーストームを使ったフローズンカクテル。
ほのかにスモーキーで柑橘系のニュアンスを伴う爽やかな味わいですが、「バランスは良いけど、らしさというかイメージ的にはストームよりスカイですよね。」なんて偉そうにもダメだししてしまったのを覚えています。 

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ですが試みは面白く、そのグラスは可能性に満ちていると感じました。
ウイスキーというのは基本的に度数が高く飲みにくいものです。 いくらウイスキー業界的には飲みやすいと言われるブレンデッドや長期熟成のウイスキーでも、慣れない人にはどうしても抵抗感があり、数字だけで敬遠されるケースもあります。
市場では、ソーダやコーラ、ジンジャーエールなどで割って度数を落として飲むという方法が、今まさにブームの一つを作り出したわけですが・・・それはウイスキー全般が受け入れられた訳ではないとも言えます。

ウイスキー本来の魅力は、その豊かな香味と個性にあります。
真の意味でウイスキーが普及していくためには、ハイボールとウイスキー単体の間にもうワンステップあってもいい。静谷さんはBARならではのツールとしてカクテルを用いてイメージを払拭し、ベースとなるウイスキーが持つ香味や個性を判りやすく、あるいは親しみやすくすることでウイスキーそのものにも関心を持って貰えるのではないかと考えたのだそうです。
また、これはバーマンがウイスキーに対して持っているイメージの発展系として味が作られる訳ですから、既にウイスキー好きを自認する方々にとっても、「成る程こういう理解なのか」と、新しい楽しみ方になるのではないかと感じました。

そしてあれから1年。。。試作を重ねて静谷さんは本当に100種類のウィスクテイルを開発。次いでBar Private pod 、エソラデザイニングとの業務提携により、それぞれが得意分野を活かす形でWhisktail.tokyoを立ち上げ、レシピの順次公開にも着手。当時考えていた自らの理想に向けてまい進しています。 



今回、上記動画として公開されたのがWhisktail.tokyo第一弾、グレンリベット12年をベースとしたレシピ「GREEN QUIET」。早速BAR LIVETで飲んできました。 

グレンリベット12年に感じられる個性といえば、林檎を思わせる品の良いフルーティーさ、バーボンオーク由来のオークフレーバーとほのかに乾いた植物のようなニュアンス。。。あたりが上げられるわけですが、このレシピはカクテルとしてベースのそれらの香味を強調したような、クリーミーな林檎系のフルーティーさがしっかりと感じられる。作り上げようとした味わいが、メッセージが明確に伝わってきます。


自分はこの1年でウィスクテイルをだいたい10レシピ弱くらいしか試せてないのですが、GREEN QUITEのように穏やかで飲みやすいレシピもあれば、バーボンベースの王道的なものや、中には下の写真のようにスモークチップで燻香を上乗せし、スパイスなどで共通する香味を増した実に個性的なレシピも有ります。
これは。。。中々衝撃的な味わいでした(笑)。
これら全てのレシピは今後専門サイトを開設して公開されていくとのことで、それこそ全国展開、あるいはさらなるアレンジが加わることも。今後どのような広がりを見せてくれるのか楽しみです。

さて、このウィスクテイルですが、先日は新宿ビックロでのイベントで提供されるなど、メーカーからも注目されて徐々に認知度が上がってきているところ。今週末7月28日(土)には、京都で開催されるリカマン主催のウイビアメッセ in Kyoto 2018においても、Whisktail.tokyoとしてブース出展があります。 
京都研修でインスピレーションを得た活動の凱旋、と言うのは過剰でしょうか。
当日は、上記動画にもあるGREEN QUITEに加え、計3種類のウィスクテイルが提供されるそうです。

リカマン ウイビアメッセ in Kyoto 2018

Whisktail.tokyo ブース紹介

Whisktail.tokyoに関する公式発表

ちなみに、イベントには自分も一般枠で参加する予定です。
普段中々遠方のイベントには参加できないのですが、前日夜にたまたま福井の友人宅に居るので「あれ?いけるんじゃね?これ」と、急遽参加決定(笑)。
当日はブースの様子と、バーマンとしての活躍をしっかり見てこようと思います!

【BAR訪問記】 BAR LIVET(リベット)@新宿3丁目

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プロとはなんでしょうか。
考え方は様々であれど、飲食業であれば出してくるものが美味しいのは当たり前、そこから先にもう一つ何かがあるのがプロの仕事。それは喜びだったり、感動だったり、雰囲気だったり・・・あるいはそこでしか得られない知識、体験だったり・・・その何かがお店の魅力となり、我々はお金を払うのだと思うのです。

今回紹介するBARリベットのマスターである静谷さんは、プロの仕事をストイックに追求している若手バーマンの1人。
なんてことを書くと堅苦しい生真面目な方を連想するかもしれませんが、非常にフレンドリーで肩の力を抜くのが上手い、愛され要素溢れる方です。
プライベートでは何度か交流があったのですが、実はお店に伺ったことはなく。先日、同店が3周年を迎えられたとのことで、良いきっかけだと新宿三丁目まで脚を運んでみました。

BAR LIVET
営業時間:19時00分〜27時00分
定休日:不定休
住所:東京都新宿区新宿3-6-3 ISビル4F
TEL:03ー6273ー2655
アプリ:ハイドアウトクラブで最新情報を発信中

通い慣れた人なら、新宿三丁目駅から徒歩1分かかるかどうか。大通りから一つ路地を入った、いかにもという場所にお店があります。
エレベーターで4Fへ上がると、ドアが開いた瞬間そこはもう店内、初めて来た方は無機質なエレベーターの自動ドアからいきなり変わるその雰囲気に驚くかもしれません。
ただ、そこにあるのはまごうこと無きオーセンティックなBAR空間です。


前置きが長くなってしまいました。いい加減お酒の話に移りましょう(笑)
静谷さんはペルノリカール社が認定するグレンリベットブランドのアンバサダーであることから、BARリベットでは同社が展開するグレンリベットとアベラワー、この2銘柄の品揃えが豊富。特にグレンリベットはゲール語の"静かな谷"という意味から、ご自身の苗字とも掛けており、特別な思い入れがあるそうです。

勿論それ以外にも様々な銘柄を揃えていますが、折角ですから最初の1杯はハウスウイスキーの一つとなるアベラワー。同銘柄の12年を詰めたミニ樽から直接注ぐ、樽出しをハイボールで。
スムーズで柔らかい飲み口のアベラワーに、使い古されたミニ樽から適度な木香が追加され、バランスよく飲み易い1杯です。
2杯目はグレンリベットのハウスウイスキーで、オフィシャル18年をベースに計5種類のグレンリベットでブレンドした、オリジナルシングルモルト。これもミニ樽からの樽出しで、程よくシェリー系の樽感が効いた甘い香味に、近年のリベットらしくスパイシーな刺激が追いかけて来ます。

(おつまみにはグレンリベットを使ったお手製の生チョコ。今後はウイスキーに合うチョコレートとして、新しいメニューを検討中とのこと。)

ハウスウイスキーの2杯を飲んだところで「折角"リベット"に来られたのですから、くりりんさんこれ飲みましょうよ」と、静谷さんが出して来たのは蒸留所限定のハンドフィルボトル。
蒸留所を訪問された際に直接ボトリングされてたもので、写真左側はバーボン樽の18年モノ、蜂蜜やリンゴを思わせる爽やかな甘みとコクのある味わい。右側の逆さラベルはシェリー樽で、プルーン、チョコレートを思わせる深い甘みが広がる、王道的な構成です。

バーボン樽やシェリー樽のグレンリベットというと、ナデューラとしてリリースされているものが有名ですが、どちらもそこから頭一つ抜けた完成度で、流石ハンドフィル、良いもの出してるなあと月並みなことを感じてしまいます。

(この日は開店3周年の翌日。お客さんらと差し入れのシャンパンで乾杯することに。お祝い攻勢でマスターは既にほろ酔い気味?)

記事の前置きで「プロとは」なんて大層なことを語ってしまいましたが、こうして少ないながらBARを巡っていると、バーマンの皆様は様々な形で努力され、プロの仕事をされようとしているのが伝わって来ます。
静谷さんについて少し書くと、ウイスキーBARを名乗る以上、関連する知識はあって当然。その下積みとして、ウイスキー文化研究所主催の検定1級、2級、3級、を全受験者中1位で合格。シングルモルト級は唯一1位を逃し2位だったそうですが、この他にもソムリエ、ウイスキーコニサーなどの資格も有しています。
また、知識だけでなくテイスティング能力の向上にも余念がなく、相当訓練を積まれており、その上で、自分としてさらに何か出来るのか、今年は考えていきたいとのこと。
これだけのバックホーンですから、我々客側もまさに"勉強"させて貰えそうですね。

この日は開店直後から来店していたのですが、気がつけば週末でもないのにお店は満席。常連と思われる方々の雰囲気もまた良く、相乗効果でお店の空間を作り上げています。
眠らない街新宿で4年目のスタートを切った静谷さんとBARリベット、そこからどのようなプロの仕事が生まれ、個性ある空間を作っていくのか、愛好家の1人として今から楽しみです。

(写真上:グレンリベットベストアンバサダーに選ばれた記念品、ファウンダーズリザーブ21年。シェリー樽の香味にオークのフルーティーさが余韻にかけて広がる。)
(写真下:カクテルで締めの1杯と言うオーダーで出て来た、あまおうとグレンリベットを使ったフローズンカクテル。ふわりとした口当たりにイチゴミルク、微かにオーク、春の味。甘党の自分にはぴったり(笑))

追記:静谷さんは資生堂のWEBマガジンTreatment & Grooming At Shimaji Salonで島地勝彦氏による取材を受けており、記事は3月にも公開される予定。
当ブログの記事を読んで同店に興味を持って下さった方、常連の皆様。プロのライター、カメラマンが写すBARリベットとマスターの姿は要チェックです!

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