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ブルイックラディ 1970 ディスティラリーコレクション 48.5%

カテゴリ:
BRUICHLADDICH
Distillery Collection
Distilled 1970
Bottled 2001
700ml 48.5%

グラス:木村硝子テイスティング
場所:個人宅持ち寄り会@マッスルK氏
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★★★(7-8)

香り:リッチなオーク香だがシルキーで引っかかり少なく鼻腔に広がる。甘露栗、蜂蜜や林檎のコンポート。香木、ハーブやニッキのニュアンスもほのかに感じられる。

味:とろりとリッチな口当たりで、合わせてウッディなスパイス、蜜林檎、熟した洋梨、微かにファイバーパイナップル。オーキーで品の良い甘みが合わせて広がる。
余韻は華やかなウッディネスとスパイシーなフィニッシュ。

リッチな樽感とそれを邪魔しない酒質が融合し、フルーティーでスパイシーなウイスキーへと昇華した素晴らしいカスク。使われた樽はバーボンホグスヘッドだろうか。加水はボディが負けやすいので加減が必要だが、小量であればさらにフルーティーな香味と麦芽風味を引き出せる。


ブルイックラディの当たり年とも言われる1970年蒸留の1本。といっても60年代のラディも充分美味しく、この前後5年間のビンテージに大きな違いはないようにも。強いて言えば60年代の方が柔らかく、70年の方がアタック、スパイシーさが強いボトルが多いかなと言う印象。。。なんですが、書いていて自信がなくなってきました。この辺はラディ大好きなウイスキー仲間に意見を聞きたいところ。
ボトルの話に戻ると、ピートをほとんど使わないで仕込まれた酒質よろしく、適度にボディがあってナチュラルな酒質に、樽由来の果実味、ウッディネスが融合している。テイスティングでは、その"融合した味わい"を楽しむものと感じました。

例えば、柔らかく癖のないニューメイクに、短熟で樽感をドバッとつけてリリースしたようなウイスキーであれば、今回のボトルと同じくらいの樽の濃さは実現できますし、フルーティーさも樽次第で同じ方向性にすることも出来ると思います。
しかし、長い熟成によって織り成す一体感だけは、短期熟成ではどうにもならない。そこは加水が橋渡しをするケースもあるのですが、今回のボトルのような、カスクストレングスだからこその突き抜けるような香味の勢いと合わさって、明確な違いとして感じられるのです。

今回のテイスティングでは、この時代のブルイックラディらしい酒質と樽が融合した結果、蜜感のある林檎を思わせる果実味をじっくりと堪能させてもらいました。ここにピートが多少効いても美味いのですが、それは例えば同時期のスペイサイドの蒸留所などにも結構あるスタイル。無いからこそ、スパイスなど他の要素が引き立っているのだと感じています。

ブルイックラディ 10年 陶器ボトル 1980年代流通 43%

カテゴリ:
BRUICHLADDICH
Ceramic Decanter
Aged 10 years
1980-1990's
750ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:BAR飲み@Y's Land IAN
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:林檎やかりんエキス、ほのかにレモンの香りを思わせる華やかなオーク香と、乾いた麦芽香主体のアロマ。ややドライだが少し抜けたようなくすみも感じられる。

味:口当たりは緩く水っぽさを感じるが、すぐに乾いた麦芽、りんごの蜜やコンポート。ほのかに干し草、若干の青っぽさを伴う味の広がり。
余韻は華やかで香り同様のオーク香と優しく染み込むような麦芽風味。ドライなキレも感じる。

優しく繊細な味わいのモルトで、染みるような美味しさがある。但し単に優しいだけでなく、ドライなキレも程度にあって、次の一杯にバトンを繋げてくれる1〜2杯目向きの1本。加水はNG。ハイボールやロックはやっても良いが、得るものはあまりない。


ウイスキーラバーズ名古屋2018向けボトル、先行テイスティング会@IANにて。
懐かしい陶器ボトルのブルイックラディ。同蒸留所が1994年に一時閉鎖する前の原酒ですね。
このボトルは過去何度か飲んでいるわけですが、自分世代より前から飲んでいる人であれば、なおのこと出会う機会が多かったのではないかと思います。

ブルイックラディというと、近年はヘビーピートのオクトモアから極ライトピートのラディシリーズまで、精力的に多様なリリースを展開している一方、当時のオフィシャルは後者のラディスタイル一本槍。
スペイサイドモルトを思わせる柔らかい口当たり、蜜っぽい甘さとドライなキレ。下手すると当時の内地のそれらよりピートフレーバーのない繊細な味わいが、オールドスタイルのブルイックラディの特徴です。


かつてはブレンデッド全盛の時代、ライトなウイスキーが好まれた時代でもあって、そうした嗜好に合わせてピートフレーバーをつけない原酒づくりがされていたのかもしれません。
他方で原酒の特徴から差別化もされにくく、ウイスキー業界に不況と生産縮小の流れが訪れると、こうした蒸留所の幾つかは閉鎖の憂き目にあっていました。

ブルイックラディの場合、モノが悪いわけではありません。
ピートフレーバーのバッチリ効いたウイスキーも良いですが、改めて飲むとその良さがしみじみ感じられます。

ブルイックラディ 20年 1969-1989 R.W.ダッシー 53.6%

カテゴリ:
BRUICHLADDICH 
R.W.Duthie
Islay Single Malt Whisky
Aged 20 Years
Distilled 1969
Bottled 1989
53.6% 750ml  

グラス:サントリーテイスティング
量:30ml程度
場所:個人宅(TMC T兄さん)
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★★(6→7)

香り:ツンとハイトーンで華やかな香り立ち。乾いた植物感からバニラの甘み、淡くカラメルを思わせる古酒感。徐々にリンゴやカスタードを思わせる甘みに変化する。少量加水するとさらにリンゴ系の香りが強くなる。

味:乾いた麦芽やバニラウェハースを思わせる軽やかな香ばしさ、続いて蜜入りリンゴや熟した洋ナシ、鼈甲飴を思わせるコクのある味わいから、トーン高くヒリヒリとした刺激へと変化。
余韻は乾いた木を思わせるウッディネス。ドライで洋ナシのタルトを思わせる甘みが長く続く。
加水すると香味が伸びて、さらに蜜っぽい甘みを引き出せる。


昨日ダッシー絡みのボトルを紹介したので、今回の記事はそのダッシーからブルイックラディです。
当時のブルイックラディのキャラクターというと、ノンピートでボディの線が細く、オークフレーバーがうまく馴染んだリンゴを思わせる香味が特徴。このボトルもまた例外ではなく、同様のベクトルな仕上がりとなっています。
また、ケイデンヘッドを出元とするボトルの特徴として、90年代ボトリングあたりはリフィル系統の樽感、ツンとした乾いた木のニュアンスが多く見られますが、その傾向も感じられます。
そこから察するに、ボトリング当時はもっとやんちゃでフレッシュだったものが、瓶内変化でゆっくりと馴染んできたのではないかなと思います。
実際、ヒネとまではいかないものの、瓶熟による古酒感は香味の中にあり、良い意味でまとまりに繋がっていました。

このボトルをテイスティングする機会を、今年は3回も頂いておりました。
1度目は今回とは別ボトルで、ブラインドテイスティングでほぼ口開けを飲んでおり、70年代あたりのスプリングバンクと答えて見事に撃沈。(この時はそこまで突き抜けた印象はなく、普通に美味しいくらいやなと。)
2度目はテイスティングを書いた時。タイミングの違いか、あるいは固体差か、2度目のほうが華やかさや香味の開きがありました。
また、3度目は後述するオールドブレンデッドテイスティング会でのテイスティングで、3度目のほうが美味しかったことから、時間経過で開く要素もあったと推察します。

なお、このボトルは先日のオールドブレンデッドテイスティング会にラスト2ショット分が持ち込まれており、じゃんけん大会での勝者にテイスティングの権利が!
今回、育児でイベントに参加できなかったT兄さんが、合間を縫ってボトルを届けてくださったのです。イベント本体より盛り上がった瞬間でした(笑)。
いつもありがとうございます!

ブルイックラディ ベアバーレイ 2008 アンピーテッド 50%

カテゴリ:

BRUICHLADDICH
Bere Barley 2008
Unpeated Islay Single Malt
700ml 50%

【ブラインドテイスティング(TWD)】
地域:ハイランド
年数:10年未満
度数:55%程度
樽:バッティング

グラス:創吉テイスティング
量:30ml程度
場所:Bar Ambrosia
時期:比較的直近
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:白ワインのような酸味を伴う麦芽香、クッキーの甘さ、リンゴや洋梨を思わせる白いフルーティーさに、ほのかにピーティーなニュアンスも感じられる。

味:ドライアプリコットや梅っぽい酸味、濃い麦芽風味とライチのようなフルーティーさ。余韻はドライでオーク材の乾いたエッジとほのかなピートフレーバー。スパイシーで長く続く。

ブルイックラディからリリースされた、古代種の麦芽品種(ベア)で仕込まれたノンピートスタイルのシングルモルトです。
ピートの使い方にアイラ島での麦の生産、2回蒸留のみならず4回蒸留、様々な樽の使い分けまで、本当にブルイックラディはいろいろなことをやってますね。(所有企業が変わったので、今後はどうなるか分かりませんが。)

テイスティングでは、熟成期間の短さゆえかアイラっぽさはあまり感じなかったこと。ノンピートスタイルでありながら、ほのかなピートフレーバーが感じられたことが印象的でした。
麦芽系の風味が強く淡いピートフレーバーから、古典的なハイランドスタイル(北ハイランド系)を予想したのですが、バッチリやられてしまいました(笑)。

古代品種による酒質への影響については、ここ最近リリースされたグレンモーレンジやアランなどと同様に、ボディのある麦感が印象的。樽や蒸留方法の違いかフルーティーさは異なるものの、麦芽品種が原酒そのものに与える影響は無視できないのだなと改めて感じました。
約7年と若い熟成期間でありながら、多層的なニュアンスが感じられ、同時にテイスティングした他のメンバーも、多彩な風味だったり、コクのあるボディーだったり、古代品種由来と思われる要素を評価していました。

今の時点ではまだまだ粗さの残るボトルをですが、古代種原酒のバッティングに加水ハイプルーフというスペックは、後20年くらい瓶熟させて飲むと面白いことになりそうです。

グレンドロスタン NA 1970年代流通 ウイスキー特級

カテゴリ:

GLENDROSTAN
A BLEND
Spesially Bottled for Hankyu
1970's Japan TAX
760ml 43%
構成原酒:ブルイックラディ、ベンウィヴィス、タムナヴーリン、タリバーディン、ディーンストン、など。

グラス:SK2
量:30ml以上
場所:自宅
時期:開封後1ヶ月程度
評価:★★★★★(5)

香り:古酒らしいヒネ感と、クラッカーを思わせる香ばしい麦芽香、若干のえぐみ、薄めたみたらしのタレのような程よい甘みと落ち着きのあるアロマ。

味:柔らかくやや粘性のある口当たり、グラノーラのような穀類の甘みと香ばしさ、ピリピリとスパイシーな刺激にミントのフレーバーが感じられる。微かなアイラモルトっぽさを感じつつ、余韻は舌の上に残る麦芽の甘み、ほのかに焦げた木のようなほろ苦いピートフレーバーを伴う。


インヴァーゴードングループのフィンドレイター社とロングマン社が、1970年代から日本に積極展開したブランドの一つ、グレンドロスタン。ラベルに書かれた"Spesially Bottled for Hankyu"の字のごとく、日本では阪急デパートを中心に展開され、洋酒ブームの追い風を受けて順風満帆に売り上げを伸ばしたのだとか。
もちろんイギリスないし海外では1970年代以前から販売されていた銘柄でしたが、現在の知名度はそれほど高くなく、こと国内においては洋酒ブーム時代の在庫と少々マニアックな原酒構成も手伝って、比較的入手難易度の低い銘柄でもあります。

今回のボトルは阪急向けのボトルとしては最初期の時代、1970年代初頭流通に当たるもので、JAPANTAXもついています。この後はノーマルなトールボトルでリリースされ、1980年代には8年、12年と他のスコッチ同様ビンテージが拡充されていきます。
熟成年数は体感5~8年くらいと、比較的若い原酒が経年でこうなったのではないかという印象。やや単調気味な味わいですが、中には当時のブルイックラディと思しき淡いピートフレーバーもあって、古酒好きは楽しめる1本に仕上がっていると思います。
飲み方はストレートよりもハイボールがオススメ。ハイボールにすると後半のピートが引き立ち、スッキリとした飲み口からしっかり残るボディ、現行品とは違う古酒だからこその味を楽しめます。

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