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ベンネヴィス 17年 1996年蒸留 2014年ボトリング ネクター

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BEN NEVIS 
The Nectar of the Daily Drams 
Aged 17 Years 
Distilled 1996 
Bottled 2014 
Cask type Hogshead 
700ml 49.3% 
暫定評価:★★★★★★(6) 
 
香り:青みがかった植物感を感じる、オイリーでハイトーンな香り立ち。草っぽさ、ハーブ、ドライパイナップル、若干のケミカルさのあるフルーティーさ。

味:ケーキシロップのような甘さとケミカルなフルーティーさ、お菓子のパイナップルキャンディ、青パパイヤ、植物のえぐみと紙っぽさを伴う。ボディはミディアムからライト、後半の変化もある。
余韻はスパイシーで微かなピーティーさ。紙っぽさとアイリッシュトロピカル、華やかで長く続く。


先日、ウイスキー仲間主催のイベントでのテイスティング。
フルーティー系の構成で、ドイツのボトラーらしいというか、ベンネヴィスらしいというか、いろんな意味でスペック通りの味わい、これが好みと言う方にとっては期待を裏切らない味わいだと思います。
 
ここ数年各ボトラーからリリースがあり、一気に日の目を見た感のあるベンネヴィス。
そのスタイルはこのボトルにも表れており、ライトで植物感や紙っぽさも感じる、アイリッシュにも共通するようなフルーティーフレーバー。ボトルによっては露骨なケミカル感を感じるものもありますね。
自分はこの手のフレーバーをそこまで好んでいないので、率先して飲むことはないのですが、それでもここの所飲む機会を頂くことが多く、そのたびに「あぁ、ベンネヴィスだな。」と思うわけです。
 
ベンネヴィスを所有するニッカからは加水10年モノしかリリースされていませんが、こちらは若さが強いものの、最近リリースされているボトラーズのベンネヴィスと同じベクトルにある酒質を感じます。

ブナハーブン 23年 1991年蒸留 2015年ボトリング TWA & ネクター

カテゴリ:
BUNNAHABHAIN 
THE WHISKY AGENCY & THE NECTAR 
Aged 23 years 
Distilled 1991 
Bottled 2015 
Matured in a Refill Sherry hogshead 
700ml 45.8% 

【ブラインドテイスティング(TWD方式)】
地域:ハイランド(グレンドロナック)
熟成年数:25年
度数:43%
樽:シェリーバット
評価:★★★★★★(6)(!)

香り:カラメル、ブラウンシュガー、 ほのかにベリー果実味のある充実したシェリー感。サトウキビやアロエのような植物感のある甘さ。微かに硫黄を感じるが時間経過で軽減される。

味:甘くスムーズな口当たり、シェリー感はレーズン、イチジク、 リンゴなどのドライフルーツと麦芽風味。中間からサルファリー、タンニンも感じられるがそれほどキツいものではない。 フィニッシュはほのかにスパイシーで焦がしたカラメルのほろ苦い 甘味、タンニンが舌に染み込むドライで長い余韻。

【フレーバー評価(5段階)※】
バランス:3
ボディ:3
香り:4
樽感:5
甘さ:5
複雑さ:3
熟成感:4
華やかさ:3
酸味:2
苦み:3
刺激:2
ピート:1

※テイスティングにおいて、 香味に関連するそれぞれの要素がどれだけ感じられたかを数値化し たもの。3で平均的、数値が高くなれば強く、濃く、 厚く感じられる。なおこの5段階評価は最終的な評価(★評価) には直結しない。


TWDにて、Yさんからの出題。
これは中々面白いボトルで、 解散時にYさんから強奪いたしました(笑)。
ブナハーブンは何気にシェリー系のリリースが多い蒸留所、 かつてオフィシャルからリリースされた1968等は抜群に旨いの ですが、1980年代、1990年代のシェリーカスクは、 えぐみが強いというかゴムっぽいというか・・・ 正直如何ともしがたいところ。
現在販売されているもので、 濃いシェリー系だとオフィシャル25年は閉口モノですし、 ボトラーでも突き抜けたレベルのものはなく。 やっぱりバーボン系のほうが良いんかねーという認識が固まっていました。

ところが、 このボトルは古典的なシェリーを思わせる柔らかい甘さ、 ドライフルーツの風味も感じられる、甘味、樽感の濃さ、 ともに近年モノとしては文句ないレベルです。
ただ少々硫黄感があり、ここが自分にとっては残念で、これさえなければ・・・と。しかし時間経過で軽減されるようで、昨日の夜確認のため飲んだところ、最初に飲んだ時よりずっと良くなっていました。
他のボトルで例えるなら、アランのエンジェルズリザーブや20周年記念ボトルが大丈夫ならこのボトルもまた口開けから濃厚で良いシェリー系のボトルとして楽しめると思います。

そう言えば1990年前後蒸留のシェリーホグスヘッド原酒は、他蒸留所含め味の良いモルトが増えているように感じます。
樽を組み替える際に鏡板等で何か工夫をしているのでしょうか。それとも1960年代蒸留で1990~2000年頃にかけて増えたボトラーリリースのどっかんシェリー、その樽のお古が出回り始めたのか。何れにせよこういうリリースが進化して欲しいです。


TWDの活動で使っているテイスティングシートが多少形になってきたので、今回は写真ではなく文字で起こしてみました。一般的なウイスキーのテイスティングノートは、点数と香り、味、の3項目(あるいは味がフィニッシュと分かれて4項目)ですが、結局ボディがどれくらい厚いのか、樽の強さなどは文字ではわかりにくい部分も多く。
記載は長くなってしまいますが、こういうまとめ方はどうかなと試験的に使ってみました。
テイスティングコメントは極力フレーバーの抽出のみにして、各要素の強さは5段階評価にしたという感じです。
これも何回か使ってみて、伝わりやすいテイスティングフォームの工夫をしていきたいですね。

インペリアル 16年 1995年蒸留 2011年ボトリング ザ・ネクター

カテゴリ:

IMPERIAL 
The NECTAR of the daily drams 
16 years old 
Distilled 1995 
Bottled 2011 
Bottling with La maison du whisky 
700ml 46.6% 

【ブラインドテイスティング】
地域:ハイランド(モーレンジあたり?)
熟成年数:15年程度
度数:46%前後
熟成樽:ワインフィニッシュ(前はバーボンホグスのイメージ)
評価:★★★★★★(6)

香り:レモンクリームやマンゴー味のグミ、マシュマロ、ココナッツ、人工的なフレーバーを思わせる甘い香り立ち。続いて溶剤を思わせる刺激、草っぽさ、オーク香と麦芽風味。

味:コクのある甘さと麦芽風味主体の口当たり。オークフレーバー、白葡萄、ミルク入りの紅茶。
徐々に蜂蜜を思わせるような粘性のある甘さと麦感が盛り上がってくる。
フィニッシュはレモンピールや樽材由来の渋みとピリッとしたキレのいいスパイス、中間から続く甘みは長く続く。


TWDでのテイスティング。
メンバーのAさん持参のサンプルで、ハイランドらしい酒質に通常のオークフレーバー、さらにリキュールや貴腐ワインのような作為的な甘さが印象的でした。
そうした樽での違和感を除けば、自分のテイスティングでは地域、度数、熟成年数とも印象の通りというか特に意外性のあるものではなく、感じたの通りそのままであったように思います。
メンバーのテイスティングを見ると樽感(あるいは甘さのとらえ方)で大きく意見が分かれ、それが地域にも付随した印象。コメントにおいて樽での重複がなく、さらには地域の重複もない、非常に面白いテイスティングとなりました。


出題者以外がテイスティングで記載した地域と樽の組み合わせ。
(アイルランド、バーボン樽)
(スペイサイド、シェリーホグスヘッド)
(日本、ミズナラ)
(ハイランド、ワインフィニッシュ)

各要素を見ると、甘さと複雑さは平均以上で、特に甘みが強いという評価。
ボディも厚みがある部類であり、その厚みはフレーバーとしてはクリーミーな舌触りや麦芽風味、蜂蜜として評価されています。
要素単位で切り出せば、インペリアルのここ数年のボトリングで出ていた、フルーティーさや麦芽風味などはしっかりあるボトルとも言えるのですが、らしいととるか、そうでないととるか、人によって分かれるボトルと言えそうです。

特徴的だった"甘さ"については、香りのファーストからミドルで通常のホグスヘッドでは記載されないようなフレーバーが見られます。「香水」「グミ」「ストロベリーゼリー」「ココナッツプリン」「マシュマロ」など。では酒質由来かというとそれとも異なる…。
これはボトルを見て「あぁ」と思ったのが、最近の黒ケイデンなどの一部ボトラーから感じられる、通常の熟成香とは異なる不自然なフレーバーの存在です。
古くはピアレス香等と言われたモノが走りですが、ピアレスが似たような華やかでフルーティーなボトリングを連発したのは、単にダンカンテイラー社の立ち上がりがアメリカであったことから、へレスよりケンタッキーとの結びつきが容易で、1950年代、60年代としては数がまだ少ないバーボンホグス樽を大量に保有したためだというのが自分の仮説です。
では最近はというと、技術革新の結果か、往年のそれとはまた違う露骨というか作為的なもの、ってかそもそもオーク香じゃないだろっていうレベルのフレーバーがダンカンテイラーに限らずTWEやケイデン等で増えているように思います。

これに対する明確な答えは不明です。そもそも自分の考えすぎかもしれないし、熟成環境の影響かもしれない、ホグスヘッド樽を作った時の処理や交換した鏡板によるものかもしれないし、あるいはボトリングの際の"事故"かもしれない。
まぁ仮に何かがあったとしても、美味しければ結局のところは良いとも言える。それがボトラーのキャラクターだとも割り切れるし評価もできるので、逆にボトラーズ各社はどんどんいろいろやってほしいですね。

※ブラインド用に小瓶での持ち込みだったため、画像はキンコーさんからお借りしました。
http://www.yousyu-kinko.jp/smp/item/109685.html

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