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シングルモルト 駒ケ岳 小彼岸桜 ネイチャーオブ信州 52%

カテゴリ:

KOMAGATAKE
KOHIGAN SAKURA
Nature of Shinshu No,2
(No Aged)
700ml 52%

グラス:不明
量:計30ml程度
場所:個人宅
時期:開封後2ヶ月程度

【ブラインドテイスティング】
地域:日本
蒸留所:秩父
熟成年数:6年程度
樽:活性樽ベース
度数:57%
暫定評価:★★★★★(5ー6)

香り:ドライでアタックの強い、ミントやスパイスのアロマを伴うオークの華やかさ、ほのかに焦げたニュアンスもある。加水でドライパイナップルやアップルビスケットを思わせるフルーティーさ。

味:ウッディでスパイシー。ピリピリと若さを感じる荒さから、ねっとりと甘くシロップ漬けのチェリー、キャラメル、焦がしたバーボンオークに古樽のえぐみが広がる。
余韻は淡くピーティーで序盤同様に樽香を伴うハイトーンなフィニッシュ。

若さを樽由来の香味が補っているウイスキー。日本的な樽感だ。香味共に奥行きはそれほどないが、バランスは整っている。加水は崩れやすいのか量が難しい、少量までならバランスが良くなる。


先週末、ウイスキー仲間宅で開催された持ち寄りブラインドテイスティング大会で、主催者Jさん出題の1本です。
小彼岸桜は昨年末にリリースされた、マルスウイスキーのブランド、"ネイチャーオブ信州"の第2弾。自然の恵みに感謝する意味を込めて、再稼働後2013年に蒸留された3年熟成程度の原酒をベースに、その自然が育んだ信州蒸留所休止前の20年ものの原酒をバッティングした意欲作です。

このウイスキーは、昨年のウイスキーフェスで試飲して以来のテイスティング。
ノージングでジャパニーズであることはほぼ絞れていたものの、甘く強い樽香に、スパイシーでピーティーなフレーバーを主として拾い、一瞬余市蒸留所か?と連想。(活性樽と書いたあたりに名残がw)
しかしそれにしてはボディがあまり厚くなく、短熟気味なフレーバーも感じられ、マルスか、イチローかと悩んで樽由来のえぐみにそれっぽさを拾ってイチローの道へ、というのが流れです。
まあ冷静になると、淡くピーティーで短熟だけでは整えられないバランスなど、イチローのシングルモルトは除外される条件がいくつもあり、そこを拾いきれなかった経験の浅さが出てしまった結果でもありました(汗)。

前述の通り、"小彼岸桜"は、前作の"竜胆"に続き長熟原酒と短熟原酒のバッティングです。
前作の方がピーティーでしたが、この第二弾はピートフレーバーを抑え目にしつつ、その分樽を強くしてきた印象。長熟はリチャードバーボン主体、若い方はポート系の樽も使ってそう。そして両者に共通するのが、若さがありながら全体のバランスが整っていることにあります。

大手メーカーとクラフトメーカーの製品にある違いの一つに、ストックしている原酒の種類があるわけですが、特に熟成年数は製品の出来にモロに効いてきます。
近年ニューポットの段階から狙った酒質を作るノウハウが確立しつつありますが、それでも長熟と短熟の仕上がりの差を埋めるには至っていません。
つまり「長期熟成」のストックを使えるというのは、クラフトメーカーの中では大きなアドバンテージであるわけです。

個人的には竜胆の方が好みでしたが、今作は前作に比べ、ブレンドテーマがわかりやすい構成とも感じました。そのストックを使って次作は何がリリースされるのか、今後も魅力あるリリースを期待しています。

マルスウイスキー 駒ヶ岳 ネイチャー オブ 信州 竜胆

カテゴリ:
KOAMGATAKE 
Nature of Shinshu RINDO 
MARS WHISKY 
Japanese Single Malt Whisky 
Limited 8200 bottles 
700ml 52% 
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:エッジの立った香り立ち、トーストしたパンの香ばしさに、乾いた草、スモーキーさ。加水すると華やかなアロマに麦芽風味、オーク香も微かに感じられる。

味:重みのある口当たり、樽感は淡いタイプでモルティーな味わいから微かに若さを感じる酸味、ピーティーなフレーバーが開く。
余韻は心地よいピーティーさと、ドライアップルやケーキシロップを思わせる、華やかな甘みがじわりと出てくる。少量加水するとバランスが良くなる。


20年以上熟成したモルト原酒と、2012年蒸留の3年モノの若いモルト原酒をバッティングしたシングルモルトウイスキー。
前者は1992年の休止前の信州蒸留所の原酒で、後者は再稼働後のものでしょう。 やはりNAであってもブレンドにおける長熟原酒の働きというのは偉大なもので、 ここ最近リリースされたマルスのシングルモルトウイスキーの中では、レベルの高い1本に仕上がっています。

マルスウイスキーの一時閉鎖は1992年、再稼働は2011年2月。現時点でそこから4年と10か月少々しか経っていません。閉鎖前のシングルカスクを除くと現在使える原酒は若いカスクのみ 。あとは某所から買い付けたとされる、数年前までリリースされていた駒ヶ岳10年用に使っていた原酒もあるんでしょうけど、どれだけ残っているかはわかりません。
リリースされるシングルモルトやブレンデッドには当然若い原酒の風味がついて回り、奥行きや味わいの幅も狭いため、 ブレンドしても苦しい仕上がりになります。どの蒸留所にしても、稼働直後は通る道ですよね。
それでも何とか飲みやすいを商品をと、 マルスではワインカスク等の濃いフレーバーで若さを塗りつぶす方針が主流になっています。低価格でそれなりに飲めるものを提供する工夫としては、評価できるのですが、それで良いかと問われると・・・。

話が逸れてしまいましたが、今回テイスティングした駒ヶ岳 竜胆は、若い原酒に熟成した原酒を加えることで、最近のマルスにはなかったバランスのとれた味わいに仕上がっています。
多少若さが垣間見れるものの、原酒の中にピーテッドタイプが使われているためか、しゃっきりとしたピートフレーバーがプラスの作用に変えている。少量加水での開きも悪くないです。 

ネイチャーオブ信州は長野の自然をテーマとしたシリーズで、この竜胆が1stリリース。
次のリリースに期待出来る1本だと思います。

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