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シガーモルト(モートラック) 19年 1997-2016 チーフタンズ 55.7%

カテゴリ:
THE CIGAR MALT
Chieftain's
Aged 19 years 
Distilled 1997
Bottled 2016
Cask type European Oak Oloroso Sherry Butt #5255
700ml 55.7%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml程度
場所:持ち寄り会@マッスルKさん
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6-7)

香り:ツンとしたアタックに、焦げた甘みとほのかな酸味を伴うリッチな香り立ち。デミグラスソースや煮詰めたベリーシロップのような濃厚さ、プルーン、徐々に香木を思わせるウッディネス。

味:とろりと濃厚、ややベタつきのある口当たりでリッチな甘み、黒蜜、プルーン、ブルーベリージャム、軽いスパイスが舌を刺激する。
余韻はウッディでドライ、リッチな甘みはそのまま、ほのかに香木を思わせるアロマを伴い、長く続く。

リッチで嫌味の少ないシェリー系ウイスキー。使われた樽のシーズニング期間の長さが伝わる、濃厚な甘みが印象的。チェイサー片手にストレートで。シガーと合わせる場合、フルボディタイプの終盤に。


蒸留所不明のシガーモルト表記、そこはかとなく匂い立つ地雷感。。。
最初はそんなイメージだったイアンマクロード・チーフタンズの同リリースですが、昨年リリースされたシガーモルト18年が良質シェリー系モルトとして話題になったのは記憶に新しいところ。
単発かなと思ったら、熟成1年増しの19年ものがリリースされ、そのクオリティが前回限りではない事を証明した形となりました。
(前作のシガーモルト18年 1997-2015 57.7% 樽番号5240)

18年と19年、どちらも同系統でリッチなシェリー感。違いを述べると、19年の方がとろりとした甘みが強く、18年の方がドライでスパニッシュオークらしい香木を思わせるニュアンス、さらにカカオのようなピートフレーバーが余韻に広がるイメージです。
双方近年のシェリー系の中ではコスパ、クオリティ共に高く、サルファリーなニュアンスもない。どっちが良いかという話もありそうですけど、両者甲乙付け難く、もはや好みの問題としか言えません。

その中身はモートラック。リッチで良質なシェリー感ゆえ、ファークラスやグレンリベットなどの銘柄予想もありましたが、ボトル輸送用の段ボールに「モートラック18年」とするシールが貼られていたことが判明し、論争は終結。
今回については前述の通り樽感がさらに強く、酒質ベースの香味は掴みづらいのものの、18年と樽番号も近いため今回もモートラックではないかと思います。(っていうか美味しければぶっちゃけどこでもw)

既に美味しいと話題になっており、店頭購入は難しそうですが、BAR等で見かけたら試す価値はある一本。
出来れば本格的に暑くなって、シェリー系が厳しい時期になる前にお試しください(笑)

(ご参考:昨年の輸送用ダンボール。蒸留所不明ではなかったのか。)

リンクウッド 24年 1991-2016 チーフタンズ 50%

カテゴリ:
LINKWOOD
Chieftain's 
Aged 24 years
Distilled 1991 Sept
Bottled 2016 June
Cask type Hogshead #10367
700ml 50%

グラス:木村硝子
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(Ambrosia)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(5-6)

香り:ツンとエッジの立った、スパイシーでドライな香り立ち。淡くイチジクのような酸味を伴う。時間経過で青みがかった植物系のフレーバー。

味:ドライでオーキー、ウッディで香り同様にエッジの立った口当たり。じわじわと青みがかった植物感、アロエのシロップ漬け、ほのかに林檎を思わせるフルーティーさも開いてくる。
余韻はオーキーで青みがかった甘み、グリーンアップルキャンディ。

近年系、花と動物タイプのリンクウッド。樽はおそらくリフィルシェリーホグスヘッドだろうか。バーボンオークのバニラ風味というより、酸味のある青っぽい香味はその系統の樽に感じられることが多い。ストレートか少量加水で。


リンクウッドの酒質はピーティーで複雑さのある古典的なタイプと、華やかで柔らかいタイプの2系統があり、近年多くリリースされているのは後者のほう。今回のボトルも後者の方ですね。
個人的に後者のリンクウッドは、特別好みでもなく嫌いでもない、という認識から積極的にボトル買いすることもないのですが、前者か後者かは飲んで見ないとわからない。
困ったことに昔と今で線引きされているわけではなく、今尚どちらのタイプもされているのです。(1984のムーンインポートや、以下の1999マネドラなどが該当。)

そのため良さそうだなと感じたものはBAR飲みし、様子を見ていきます。
今回は自分の好みなリンクウッドではなく、華やかなでピートが主張しない花と動物系統のリンクウッド。まさに春の水辺に浮かぶ白鳥のようなウイスキーで、決して悪くはないんですが、これじゃないんだよなー。
(リンクウッド12年 1999年蒸留 マネージャーズドラム。ピーティーで厚みのある麦芽風味、近年蒸留でありながら古典的なリンクウッドの味わい。)

過去の記事でも書きましたが、リンクウッドのキャラクターの違いは、1970年代あたりから出始めます。
ちょうどこの時期、リンクウッドは新しい蒸留設備一式を建築しており、これが1971年にリンクウッドBとして稼働。
古い設備はリンクウッドAとして、1年の中で限定的に稼働。1985年から1999年まで一時的に休止していましたが、それ以外の時代はどちらの設備ででもウイスキーづくりが行われています。

酒質の違い、ピートレベルの違いはここから来ているのではないかと考えています。
海外情報ではリンクウッドではピーテッドモルトとアンピーテッドモルトを使い分け、あるいは組み合わせた蒸留が行われているとのこと。リンクウッドAではピーテッドモルト、リンクウッドBではアンピーテッドモルトを使い、状況に応じてそれらは単独で樽詰めされたり、混ぜ合わせて様々なバリエーションを作り出し、樽詰めされているのではと推察しています。

あくまで推察でしかありませんが、そう考えるとこの2つの設備を使う蒸留方法は、いちいち麦芽から変えなくても良いので非常に効率的な作り方でもあります。
ただ、先も書いたように自分の好みなスタイルが詰められているか、飲んでみるまでわからないのは困った要素です。

アイルオブジュラ 19年 1996-2016 チーフタンズ 50%

カテゴリ:
ISLE OF JURA
Chieftain's
Aged 19 Years
Distilled 1996
Bottled 2016
Cask type Bourbon Barrel
700ml 50%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml程度
場所:個人宅(持ち寄り会@マッスルKさん)
時期:開封後1週間程度
暫定評価:★★★★★★(6)(!)

香り:クリーンで透明感のある香り立ち、徐々にオーキーでカスタードやバナナを思わせる甘いアロマ、乾いた麦芽。淡いスモーキーさも感じる。

味:ややドライな口当たりから徐々にスパイシー、バタークッキーやワッフルを思わせる甘み。じわじわと灰っぽさのあるピートが、若干の草っぽさと煮た林檎などのオーキーなフルーティーさと合わせて余韻にかけて盛り上がってくる。
ボディはミディアムから少し軽め、フィニッシュは甘みが長く残る。

非常に優等生で、良い意味で近年のジュラらしくない綺麗なジュラ。バーボンバレルだがホグスヘッドのように樽感に引っかかりがなく、度数以上にスイスイ飲める柔らかさからストレートで十分楽しめる。他方、加水するとボディが嘘のように弱くなる一面も。


「このジュラは美味しかった、どこで飲んだか覚えてないけど試してみれくれよ。」
などと意味不明な供述で推薦を受けたボトルであり、当然「何を言ってるのかわからんw」と返していたところ、「ボトルで買っておいたぜ!」とマッスル氏の男気を見せられました(笑)。

とは言えジュラか・・・近年モノだとオフィシャルベースなら荒さもありそうだし、バーボン樽って事はフルーティーでもドライで仕上がりは単調気味でだろうな。。。と、先入観増し増しで、様子見のハーフショットだったのですが、一口飲んで「!」となり、「も、もうちょっともらって良い?」と1ショットに切り替える、という家飲みならではのやりとりもありました。
樽の質はもとより、度数50%という仕様や味わいから少量の加水が行われていると推察。それがバーボン樽のフレーバーを整え、酒質と絶妙なバランスが取れた結果ではないかと考えます。

個人的にジュラは好きな蒸留所の一つです。
オフィシャルのオールドや、ボトラーズの長期熟成品はウイスキー好きのツボにくるモノがあると思っています。スティルマンズやOMCなど魅力的なボトルも結構ありました。
ただ近年のモノはボディが軽くなり、草っぽさや酸味が強く、ピートもパッとしない、そんな印象があった中で上手く仕上がったボトルに出会うと嬉しくなりますね。

今回のボトル以外で最近「おっ」と思ったボトルを合わせて紹介すると、それはシグナトリーのジュラ1989ヘビリーピーテッド。一昨年は25年、去年末には写真の26年がリリースされており、どちらもパワフルでエステリーなフルーティーさと強いピートが一体となって、ほのかに感じられる草っぽさも良いアクセントになっています。
ジュラのオフィシャルでもヘビーピートはリリースされていますが、それとは違うボトラーズだからこその楽しみと完成度。
チーフタンズ1996とは対極にある構成が、これもジュラの魅力の一つとして楽しめると思います。

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