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タリスカー 11年 1988-1999 OMC 50%

カテゴリ:
TALISKER
OLD MALT CASK
Aged 11 years
Distilled 1988 March
Bottled 1999 June
750ml 50%

グラス:リーデルコニャック
時期:不明
場所:BAR Sandrie
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:度数を感じさせない柔らかい香り立ち。バニラとオレンジやレモンを思わせる柑橘感、焦げた干草のような麦芽香とスモーキーさ、微かに魚介系のニュアンス。

味:出汁感のあるオイリーでコクのある口当たり。バニラ、乾いた麦芽風味、合わせてピーティーで焦げた干草を思わせるスモーキーさが鼻腔に抜ける。
余韻はピリピリとスパイシー、オイリーな要素が舌を包むように長く続く。

若いボトルだが嫌味な要素はなく、むしろ経年変化もあって柔らかくしっとりとした香り立ちと、コクのあるボディが特徴的。樽感はプレーンなタイプで、UD系のキャラクターを思わせる酒質ベースの仕上がり。少量加水するとまったりとした甘みとコクが引き立つ地味美味い系モルト。


確認したい事があってオーダーした、1980年代蒸留のタリスカー短熟ボトル。
というのも、一つはタリスカー8年がリリースされ、短熟タリスカーのキャラクターの指標に一つにしたかったこと。そしてもう一つが、"グレンブレア"という正体不明のピュアモルトを飲んだ際、その味がどうも昔のタリスカーではないかという香味で、近いビンテージのものを復習したかったから。
探していたところ、サンドリエさんにちょうど良いボトルがあったのです。

(バーンスチュワート社が1990年代初頭にリリースしたグレンブレア12年ピュアモルト。島系のスモーキーな味わいだが、当時の同社所有蒸留所にスモーキーな個性のものはなく、主要原酒は謎に包まれている。おそらくタリスカーではないかと予想。)

グレンブレアの件のついては、後日同ボトルのレビュー記事でまとめるとして。。。
このOMCのタリスカー、樽感はプレーンですが、過度な荒さはなく酒質由来の香味もわかりやすい、素性の良い短熟タイプのボトラーズです。おそらく樽出しは60%くらいだったんでしょうけど、OMC特有の50%加水が効いて、良いまとまり具合です。
先日リリースされた8年とも共通項があり、時代による差はあれど、タリスカー蒸留所の個性が安定していることを感じる指標にもなるボトルだと思います。

ちなみのOMCでタリスカーと言えば、タリスカー名義を使用することを回避するため、タクティカルというブランド名でリリースされていたことで知られています。
ところが今回のボトルはタリスカー。時期が違うのかと思いきや、このボトルとほぼ同時期の2000年リリースでタクティカル表記があり、また最近になってタリスカー表記に戻ったような感じです。

1990年代後半と2000年代で何があったんでしょうか。UDからディアジオへの切り替わりは1997年でタイミングが合わないですし、何よりGMやケイデンヘッドは普通にリリースしてるんですよねえ。
どーでも良いですが、ちょっと気になるウイスキー業界の謎なのです。

タリスカー 8年 59.4% リミテッドリリース 2018

カテゴリ:
TALISKER
Aged 8 years
Limited Relase in 2018
Cask type 1st fill American oak Bourbon Casks
700ml 59.4%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:持ち寄り会
時期:開封後1ヶ月程度
評価:★★★★★★(6)

香り:透明感があり、塩素を思わせるツンとした刺激、シトラス、フレッシュなピート香と淡い焦げ感。徐々に燻したようなニュアンスとヨードを淡く伴う。

味:ピーティーでオイリーな口当たり。奥からグレープフルーツのわた、砂糖漬けレモンピールを思わせる柑橘感をアクセント。合わせてソルティー、乾燥した麦芽、個性が際立っている。
余韻はスパイシーで焦げたようなピーティーさ、口内を刺激する軽い荒さを伴って長く続く。

樽感は比較的プレーンで、フレッシュな香味を邪魔しない程度。それでいてニューポッティーな印象はなく、若い原酒の勢いと個性がまとまっている、作りの上手さを感じる1本。
少量加水すると程よいこなれ具合、ハイボールは微かな柑橘感のある酸味、焦げたようなピーティーさでこれもまた楽しめる。


毎年恒例、ディアジオのリミテッド、スペシャルリリース。日本では例年翌年の4月にMHDからまとめてお披露目されますが、イギリスでは銘柄毎に順次リリースされています。
今年はここ数年必ずラインナップに組み込まれていたポートエレンやブローラが無いなど、価格的な派手さは控え目。
ですが、そのラインナップのうちコアドリンカーの注目を集め、既に話題になっているのがこのタリスカー8年です。


リリースそのものは、昨年ラガヴーリン8年がリリースされたように、NA化やヤングエイジ化という近年のスコッチに見られる傾向の一つ。しかし、ことタリスカーで言えば、8年熟成は1980年代までのリリースで高い評価を受けたオフィシャルスタンダードを連想するスペックであるだけでなく。ヤングエイジで初のカスクストレングス仕様という点も合わせて、その筋の愛好家から興味関心を集めるには充分すぎると言えます。

一方、ハイプルーフで若いオフィシャルと言えば、タリスカーノース57%あたりと香味の重複があるんじゃないかと思いきや、そこは流石のリミテッドです。
ノースは若く荒々しい味わいに、樽香も強目な作りですが、この8年は樽香はあくまで自然に、淡く柑橘感とコクを後押ししている程度。無難と言えばそうなのですが、若い酒質由来のフレッシュな香味が嫌味少なく楽しめるあたりが、これまでのスペシャルリリース路線から外れない丁寧さを感じる構成であり、違いとも言えます。

かつてのTD ラベル時代のタリスカー8年とは構成から違うので、比較するようなモノでもありませんが、これはこれで好まれる味わいなのではないでしょうか。
先述の通り話題性も抜群。価格も現地を見る限りそれほどでもないですし、国内入荷の暁にはちょっとした争奪戦になるんじゃないかと思います。

タリスカー ネイストポイント 45.8% 免税向け並行品

カテゴリ:
TALISKER 
NEIST POINT
For Travel retail
700ml 45.8%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封後1週間程度
場所:BAR飲みなど
評価:★★★★★★(6)(!)

香り:燻したスモーキーさ、キャラメル、杏ジャムや微かに梅干しを思わせる甘みと酸味。サラミ、胡椒を思わせるアロマ、塩素系のツンとしたニュアンスも感じられる。

味:スムーズでコクがある。燻したピーティーさとオレンジママレード、合わせてスパイシーで焦げたようなオークのニュアンス。
余韻はピリピリとスパイシーな刺激に加え、塩気と染み込むようなピートが長く続く。

タリスカーのオフィシャルらしさを、若さ由来の勢いのある個性と熟成した原酒のコクで全体のバランスとして整えている。これはこれで完成度が高いというか、面白さのあるシングルモルト。
ハイボールはすっきりとした飲み口だが、ややパンチというかボディに欠ける印象もある。ストレートで蒸留所の個性を楽しみたい。


免税店向けにリリースされていた、タリスカーのノンエイジ仕様。Neist pointはスカイ島の最西端にある岬の名前で、スカイ島を象徴する名所の一つのようですね。ラベルにはその緯度経度が書かれています。
リリースは約3年前、日本には2年ほど前から並行品が入ってきていました。自分も何度かテイスティングし、オフィシャル18年とは異なるベクトルで面白さのあるリリースと感じたことから、対抗馬として紹介していたところです。

一方、最近はオフィシャル18年が値上がりしただけでなく、熟成感が減ったというかボディの薄さが目立つようになってきたこと。何より、1万円を下回る並行品(最安税込7k台)が今年の夏頃から某酒販に入ったこともあり、2つの理由でオススメと言えるボトルになってきました。

原酒の構成はNA仕様らしく、若い原酒から熟成したものまで、比較的幅広く使われている印象で、樽構成はオフィシャルスタンダードと同系統。
若いタリスカーのスパイシーさや、存在感のあるピートフレーバーが感じられる一方、それらをコーティングするようにマイルドな酸味、熟成した味わいもある。おそらく、10年弱あたりから20年くらいの間でバッティングされている銘柄なのではないかと推察しています。


先日とあるイベントで、2018年ロットの18年とネイストポイントを改めて飲み比べましたが、ベクトルは違えど見劣りするような構成ではありません。
一方、海外のレビューを見ると結構辛口な評価が目立ちます。
こんなんだったら10年で充分だとか、18年が素晴らしいからそっちをお勧めするとか・・・。先に書いたように、熟成したニュアンスだけでなく、10年程度の熟成を思わせる若さ(といってもニューポッティーなものではなく、香味の勢いや刺激的な意味)も感じられるため、熟成して一体感のある味わいか、様々な要素が主張するキャラクターか、人によって好みが分かれるということなのだと思います。

これが例えばマッカランのようにスムーズな飲み口をキャラクターとする銘柄なら、確かに一体感に欠ける点は弱点であると言えます。しかしタリスカーは荒々しさや、黒胡椒を思わせるスパイシーさをキャラクターとする蒸留所であり、その点を感じさせつつ熟成した香味も備わっているネイストポイントは、自分としては楽しめる要素の多いリリースであると改めて感じました。


タリスカー 25年 2017年ボトリング 45.8%

カテゴリ:
TALISKER
Aged 25 years
Bottled 2017
700ml 45.8%

グラス:オープンナップスピリッツ アンビアント
場所:BAR ハリーズ高岡
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:焦げた木材のスモーキーさとほのかに塩素、梅やドライアプリコットを思わせる甘酸っぱいアロマ、奥にはエステリーな要素もある。まとまりがある香り立ち。

味:口当たりはマイルドで、焚き木を思わせるピートの苦味、杏やママレードジャムを塗ったトーストの甘酸っぱさ。魚介系のアクセント、焦げたようなオークフレーバーも。余韻はピーティードライ。ほろ苦く長く続く。

タリスカーらしい酸味を伴うピーティーさ、熟成感があるマイルドで柔らかい香味を感じさせるが、逆に穏やかすぎるというかボディが軽くなってしまった印象。ただしオフィシャルのハイエンドとしては納得できるバランスである。


毎年ロット違いでリリースされているタリスカー25年。最近飲んでなかったというか、あまり見かけてなかったのですが、最新のロットに遭遇したので久々に注文してみました。

以前タリスカー25年はスペシャルリリースとしてカスクストレングスで50%後半仕様、香味の傾向としては濃縮した魚介系のニュアンスとパワフルでスモーキーな個性を持つボトルだったところ。
それが2013年ごろのロット(2012年ボトリング)から加水仕様になり、同じ度数で飲むとしてもカスクストレングスから加水で調整することで瞬間的にブーストされるような香味の開きと一体感がなくなってしまった事は寂しくあります。
まあこれはこれでバランスが良いとも感じ、ちゃっかりハイボールで飲んだりもしていたのですが。


そして久々に飲んだ最新ロットのキャラクターは、ブレることなくオフィシャル10年や18年の延長線上。樽構成はプレーンオーク系統を主体に、リチャーのニュアンスも多少混じっているように感じます。
しかし熟成された香味が以前に比べ穏やかすぎるというか、パンチが弱いというか。良く言えばバランスが良いオフィシャルらしい作りから、若干の物足りなさは否めないというのが率直な感想でした。

価格は高騰気味ですが、周囲の同じ熟成年数の島系スコッチモルトに比べたら、先日発表された改定後の価格で税込3万円しない正規価格は良心的と言って良いように見えてしまうのが。。。現状が当たり前と認識し始めた証拠である一方、無い袖は触れないので手は出せない。こういうボトルを家飲みでグイグイ飲めたら幸せなんですけどね。

タリスカー 10年 マップラベル 45.8%  ブラインド

カテゴリ:
TALISKER
Aged 10 years
1980-1990's
750ml 45.8%

【ブラインドテイスティング】
地域:島系地域中心
蒸留所:アードベッグ、ラガヴーリン、タリスカーあたりが使われてそう。 
年数:10〜25年程度あるいはごく少量それ以上を含む
度数:45%程度 
樽:複数樽、リフィルシェリー樽を含む 仕様:加水、バッテッドモルト

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:不明
場所:自宅@ドーノックH氏出題
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:しっかりとスモーキー、フレッシュな塩気と少し焦げたようなピート香。合わせて色の濃い蜂蜜、ほのかに洋梨のタルトを思わせる甘いアロマと熟成感。古酒っぽいニュアンスが混じる。

味:とろりと粘性のある口当たりは、ピーティーでナッツや乾いた麦芽を思わせる軽い香ばしさ、塩気に通じるピリピリとした刺激も伴う。香り同様の島系モルトのニュアンスや、黒土系のピートフレーバー。余韻はスモーキーだがマイルド、ほのかに粘性とヨード伴って長く続く。

ベースとなる島系のニュアンスとオールドの熟成感、こなれた味わいが混在する熟成の広いレンジを使用している印象。ピートと塩気が強く、多彩で主張のしっかりした良質なウイスキー。


クラシックモルトシリーズのタリスカー10年、1990年代に流通したと思われる通称マップラベルをブラインドテイスティング。
第一印象は「若さとこなれた感じを併せ持つ」「島系のスモーキーさ」「複数タイプの樽が混じっている」で、塩気やヨードもしっかり感じられたことから、タリスカーやアードベッグなどの古酒を候補としてイメージしていました。

ただ次第に、これは熟成感なのか、経年と加水によって角が取れた香味なのか、考えすぎてその区別がつかなくなってきて、下は10年くらいだが上は20年を超える原酒まで含まれている、複数蒸留所のバッテッドモルトなのではないかという結論に。。。
白状すると、過去に今回の出題者から出題されたボトルが、8〜9割ブレンデッドやバッテッドだったことから、邪推してしまった感も否定できません(汗)。

今改めてコメントや内容を見ると、経年変化のあった、タリスカー10年のオフィシャルボトルという結論にもたどり着けたであろう片鱗が残っているのが非常に悔しいですね。
香味以外の要素を条件にして、深読みすると迷走する、ブラインドのお約束に見事ハマってしまいました。


クラシックモルトシリーズのタリスカーマップラベルは、親会社がUD社に切り替わった1980年代後半(1988年説有力)にリリース。初期はグリーンカラーでしたが、1990年代に入ってブラウンカラーボトルに変わったようです。
蒸留所の時期としては、モルティングをグレンオードに移行した頃からの仕込みで、原酒としては1970年台後半から1980年あたりが中心だと思われます。

マップラベルは最近ご無沙汰で久々に飲みましたが、しっかりした香味と個性のあるボトルだなと、改めて実感できました。
それもただ強いだけではなく、厚みと存在感がある香味の広がり方が印象的。TDやジョニーウォーカーラベル時代に比べると、島系の個性に対してモルトそのものの香味が少し弱い印象もありますが、70年代あたりはピーティーな原酒が不足気味だったという説もあり、個性の強い仕上がりはその当時の影響もあるのかもしれません。


今回のブラインドは、いつもお世話になっている酒販ショップ・ドーノックの店長Hさんから頂きました。
先日同店でサンプルをいくつか購入したところ、ついでにと小瓶が同封されてきたわけです。昨年はブラインドサンプルを定期的に発注していたものの、今年はサボっておりました(汗)。
絞りきれないだけでなく、雑な結果に反省です・・・。

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