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スーパーニッカ 15年 ニッカウイスキー 43%

カテゴリ:
SUPER NIKKA
NIKKA WHISKY
Aged 15 years
2000's (2007's)
750ml 43%

グラス:国際規格テイスティング
時期:開封直後
場所:お酒の美術館 神田店
評価:★★★★★(5-6)

香り:ドライで新樽系のメローな樽香から、干しわらや乾いた穀物感に、微かにハーブにも通じる植物感、軽さを感じる要素へシフトする。奥にはシロップのような甘みも感じる。

味:香ばしくほろ苦い、スパイシーな口当たり。ドライでうっすらとキャラメルのような樽感、淡くスモーキーでビターなフィニッシュへと繋がる。

新樽を思わせる樽感が香味の最前列に感じられるが、次点にはグレーンの軽さや穀物系の甘味、あるいはソフトな内陸系のモルティーさが控えている。
加水すると軽さが目立ち、マイルドな飲み口からビターな要素のみが残る。


1996年にスーパーニッカの上位グレードとして発売され、2008〜2009年のスーパーニッカブランド大幅リニューアルの中で、人知れず終売となった銘柄。今回は2007年のロットであるため、終売間際の後期モデルということになります。
ハイボールブーム前からのニッカファンにとっては、これも懐かしい銘柄ですね。

突き抜けた旨さを求めて飲む銘柄では決してないですが、自分にとって旧スーパーニッカのデザインは心惹かれるものがあるのです。
特に15年や写真(下)のプレミアムは、スタンダードに比べて滴り落ちる雫のような自然な曲線と、シンプルながら高級感のあるデザインがツボ。ウイスキー飲み始めの頃に酒屋で15年を見かけた時は、心ときめきましたよ(笑)。
そうした背景もあってか、現行品の角ばった丸いボトルは、ネック部分を後付けしたような違和感と安っぽさで、どうも好きになれないのです。

(1990年にリリースされ、15年の前身的な位置付けとなるスーパーニッカプレミアム。マイルドでボリュームのある味わいが特徴。レビューはこちら。)

久々に15年をテイスティングしましたが、全体的にマイルドで個性がまとまっているプレミアムに比べて、15年は樽感やグレーン由来の穀物感など、ブレンドされた原酒の個性を感じやすい1本であるように思います。
特に新樽熟成原酒由来と思われる、ビターかつキャラメルのような甘みが感じられる樽香がアクセントになって、内陸系のニュアンスや香ばしさ、淡いスモーキーさを伴ってくる構成。15年熟成表記にしては荒削りな(見方を変えると値段なりな)部分があるものの、さらに上位グレードであった鶴17年との明確な違いとして整理されているようです。

思い返すと、上位グレードまで行かない中間クラスの銘柄が多数あったのが、旧世代のニッカウイスキーラインナップでした。
スーパーニッカ15年もそのうちの一つ。ブランド戦略としては、軸が定まっていないというか、ウイスキー冬の時代の暗中模索の名残だったのかもしれません。ですが、どのスタンダードを飲んでいても、この上位グレードはどんな味なんだろうとワクワクさせてくれる魅力があったと思うのは、現在の閑散としたラインナップを見るとなおのこと感じてしまいます。

スーパーニッカ プレミアム 1990年代流通 43%

カテゴリ:
NIKKA WHISKY
SUPER NIKKA
Premium
1990's
750ml 43%

グラス:テイスティンググラス
場所:お酒の美術館 神田店
時期:開封後1週間程度
評価:★★★★★(5)

香り:カステラと麦芽、メレンゲクッキー。柔らかい甘みの後から少しのアルコールとモルティーさ。ほろ苦くドライ。

味:穀物系の軽い香ばしさ、蜂蜜、カステラやカルメ焼き、スウィートでマイルドな甘みが中心で、ほのかな香ばしさも感じられる。
余韻はほろ苦く、樽感由来の甘みが張り付くように長く続く。

モルトとグレーンの比率は4:6程度だろうか。若干グレーンスピリッツ的な要素もあるが、主体は香ばしく強いモルティーさとこってりとした熟成グレーンの甘み、ジャパニーズらしいブレンド。加水すると微かに洋梨のような果実味が開く。


1990年にリリースされ、その後スーパーニッカ15年に移行する形でフェードアウトした、スーパーニッカの上位グレード。個人的に統一感というか高級感のあるデザインがツボで、オールドにハマりはじめの頃、3本くらい購入した記憶があります。
キャップの部分までガラスがコーティングされており、初期のスーパーニッカ・カガミクリスタルボトルを思わせるデザインがグッときちゃったのです(笑)。

もっとも、味は当時のジャパニーズの枠の中というか、特筆して複雑さがあるわけではありません。
マイルドで甘く香ばしい、そして香味にボリュームがあるという感じ。様々なフレーバーが混ざり合うスコッチとは異なる、ワインで言う新世界系のわかりやすさ。
こうした香味は、多少なり水が加わるロックや水割りで飲まれるようなスタイルを想定していたようにも感じられます。

ちなみに先に触れたように、スーパーニッカプレミアムは、2006〜2007年ごろにスーパーニッカ15年にシフトする形で市場から姿を消す訳ですが、プレミアムの方がマイルド、15年の方が樽香含めて香味のメリハリが効いていて、ブレンドの方向性の違いを感じることが出来ます。
少なくともニッカの売りと言える新樽系のニュアンスは、15年の方が感じやすい印象です。

結果、ストレートで飲むなら15年。ノスタルジーな雰囲気を感じたいならプレミアムをロックで。。。後者は思い出と共に飲みたいウイスキーかな、なんてクサいことを思うのです。

ニッカウイスキー スーパーニッカ 1970年代流通 特級表記 43%

カテゴリ:
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NIKKA WHISKY
SUPER NIKKA
1970~1972's
180ml(760ml) 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封後1週間程度
評価:★★★★(4)

香り:乾いた穀物系のアロマ、ハッカのようにスーッとする香り立ち。ほのかにレモングラスやオイルのようなアクセント。あわせて若いモルトを思わせるモルティーさ、香ばしい麦芽香も感じる。

味:スムーズなお口当たり、そこから広がるソーピーなフレーバーが口内から鼻腔に抜けていく。奥には薄めた蜂蜜、徐々に香ばしい麦芽風味。余韻にかけてはソーピーさがおさまり、蜂蜜レモンや軽やかな穀物感、ピーティーなほろ苦さが染み込むように残り、心地よいフィニッシュへと繋がる。

香り立ちは芳醇とはいえないが、味わいにはしっかりとしたモルティーさが感じられ、余韻もこの時代にしては悪くない。一方、口当たりで感じられるソーピーなパフュームに衝撃を受ける。少量加水すると香りが開くが、香味とも主体はレモン石鹸のようなソーピーさに。


1962年、竹鶴政孝が亡き最愛の妻への想いを込め、ニッカウイスキーの貯蔵原酒において考えうる様々な組み合わせを試し、竹鶴威氏と共に作り上げたという「初代スーパーニッカ」のことは、ご存知の方も多いと思います。
この初代スーパーニッカは、カガミクリスタル製の手吹きボトルが使われていて、替え栓も一つ一つ異なるなど、内外ともこだわりぬいた1本だったわけですが、その後1970年にリニューアルしたスーパーニッカが、今回のテイスティングアイテムです。(年代情報はニッカウヰスキーデータベースを参照。)

スーパーニッカはブレンデッドウイスキー区分であるものの、レシピ開発が行われた当時のニッカには連続式蒸留機がなく、どの程度グレーンが使われていたのかは判りません。実際に飲んだことが無いので判定もできませんが、主体はモルトウイスキーだったのではないかと思われます。
その後、ニッカは1963年に念願の連続式蒸留機"カフェスチル"を導入するわけですが、カフェグレーンがスーパーニッカに本格的に使われるようになったのは、このラベルチェンジからという説もあります。
また、1969年に操業した宮城峡の原酒は流石に使われてないと思いますが、1973年にもスーパーニッカはリニューアルを行っているため、タイミングで考えるなら次のボトルからと整理するのが自然です。



さて、この2代目スーパーニッカの特徴は、金属的な質感を思わせるラベルもさることながら、なんといってもボトルの肩部分にある突起。女性的なデザインがウリのスーパーニッカにあって、このボトルだけ男性的な趣きがあります。
機会があれば飲んでみたいと思っていたボトルだったのですが、このスーパーニッカが生産されたのは僅か3年余り。中々オークションへの出物もなく、BARでの出会いもなく、しかもウイスキーブーム&マッサン放送で高騰・・・。すっかり高嶺の花になってあきらめていたところに、今回たまたま180mlボトルを入手することが出来ました。
正直これで充分。味も見れるし、むしろスキットル代わりにも使えて最高じゃんって。

前置きすると、この時代のジャパニーズウイスキーはまだまだ黎明期です。
香り立ちについてはあまり良くないものが多く、味も同様。まあある種のロマンみたいなものだから・・・と口に含んで噴出しそうになりました。
口の中で一気に広がるパフューム、それもソーピーなタイプ。そういえば初代スーパーニッカはパフューミーだったという話を聞いたことがありますが、これはまさにです。「言うてもこの時代のニッカでまさか・・・」と半分どころかほとんど信じていなかったのですが、これを飲まされたら信じざるを得ません。

冒頭でも触れたように、竹鶴政孝は亡き妻リタへの想いと愛を込めてこのスーパーニッカを作ったという記録が残っています。
当時の日本人はともかく、イギリス人であるリタが使っていてもおかしくないコロンの類にブレンドの方向性を見出した・・・なんてこともあるんでしょうか。
っていうかそもそもこの時代の余市はパフューミーだった?あるいは輸入していた原酒の系統なのか。冷静にブレンドそのものとしてみてみると、当時のブレンデッドにありがちなブレンドアルコールのような香味べたべたでない、モルティーさにメーカーの気合いを感じる造りではありますが、それ以上に多くの謎が残ってしまいました。



ちなみに話は変りますが、この時代のスーパーニッカのラベル、何かに似てるなと思ったら、ジョニーウォーカースイングですね。
並べてみるとかな~り似てる。ボトル形状が近いというのもありますが、書体も含めてそっくりです(笑)。
今こんなのリリースしたらひと騒動起きちゃいそうですが、これもまた時代を感じる要素です。


【雑談】
クリスマスを挟んで、更新をしばらくお休みしてしまいました。
ここ1ヶ月間、虫垂炎が治ってこれで今年はもう無いだろうと思っていたところ、腸の調子が戻りきらないところで息子の胃腸風邪を貰ってしまい、またしても1週間食事すらままならぬ断酒の日々。まあネタは大量にあるので更新は問題なかったのですが、体調不良にかまけて年賀状作成と、毎年作っている1年間分の家族の写真整理&アルバム作業が滞り、それを集中的にやっていたわけです。おかげでなんとか間に合わせることができました(笑)。
とりあえずこれで年内にやるべき作業は完了。後はブログ、こちらも更新待ち記事にブラインドサンプルもたまってきた。。。ラストスパートをかけていきますよ!

ニッカウイスキー スーパーニッカ原酒 1990年代流通 55.5%

カテゴリ:
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NIKKA WHISKY
SUPER NIKKA
VATTED PURE MALT
1990's
500ml 55.5%

グラス:グレンケアン
量:30ml程度
場所:自宅(持ち寄り会@Xさん)
時期:開封1ヶ月程度
評価:★★★★★(5)

香り:ツンとしたアルコール感にカラメルを思わせる甘いアロマ、プレーンでのっぺりとしているが、徐々にエステリーでスモーキー、燻した麦芽、微かにウッディー。

味:粘性のあるボディと荒さの残る口当たり。薄めたカラメルソースの甘みに焦げた木や松の樹皮、ほのかなピート。度数にしては味の広がりが少なくプレーン。
余韻はスパイシーで淡いウッディネス。


今となっては懐かしい、ニッカの"尖ったリリース"の一角を占めていた、スーパーニッカのピュアモルトウイスキー。
40%や43%のウイスキーが多い中、原酒という名称に、50%を越えるハイプルーフ仕様がスーパーニッカにある。面白いコンセプトですし、その点にどこか尖ったような魅力がありました。

原酒と銘打たれた55%のハイプルーフ仕様ではありますが、普及価格帯ブレンデッドで強い個性の無いスーパーニッカの原酒という位置づけのためか、同時期にリリースされていたピュアモルト竹鶴12年のようにモルティーで様々なフレーバーが広がるという感じではなく、若さの残る度数なりの強さと荒さのある口当たり。意外とプレーンで中庸な構成です。
もちろん、余市モルトを思わせる焦げたような樽感、無骨な味わいも感じられ、熟成感も最近のニッカ製品に比べれば妙な酸味もなく断然良いですが、そこは内外における原酒の色々があるんでしょう。
昔飲んでいたときは余市の個性なんて良くわからず飲んでましたが、経験を詰んだ今飲むと、それ以外にもわかってくることがありますね。
普及価格帯と割り切るなら、まさに手頃に原酒の個性を感じられる1本だと思います。

スーパーニッカ原酒はボトルデザインが大きく分けて2種類あり、初期のころはコルクキャップ、後期となるアサヒビール時代はスクリューキャップが採用されています。今回テイスティングしたボトルはコルクキャップで比較的初期のデザインのもの。
今回のボトルはウイスキー仲間が対最近、新宿の酒屋で大量に出土させたうちの1本でしたが、ラベルも日に焼けておらず、きっと倉庫の中でダンボールの中に入りっぱなしだったのだとおもいます。
店頭放置が多いこの銘柄のオールドボトルにあって、素晴らしいコンディションでした。

ニッカウイスキー9月1日以降の商品リスト改訂版、ハイニッカとスーパーニッカのリニューアルについて

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先日公開しました終売のリスト。色々なところで活用いただいているようです。
ベタ打ち版のほうは翻訳されて香港系メディアの記事ソースになり、海外のウイスキーブログでも活用され・・・。
まぁ凄いのは自分じゃ無いんですけどね。このネタが衝撃的なのであって、自分は共有してもらった「お知らせ」を見やすく転記しただけに過ぎません。ただ、ソース元としてリンクいただいたために、極東の落書きが世界に向けて発信されている状況でもあります。
このアクセス数は中々心臓に悪い(笑)

リストといえば、こちらはTwitter、某掲示板やまとめサイトを中心に展開されている、9月1日以降のニッカウイスキー製品リスト。先日記事にしました余市・宮城峡の情報、公式発表も出ましたし反映させて頂きました。(度数の項目も加えています。)
あとは限定品がちらほらという感じなのですが、とりあえずは通常ラインナップのリストとして活用ください。

2015年9月1日のニッカ製品通常販売品リスト(6月12日時点)

さて、 リストにも記載した9月1日以降も販売が継続する商品ですが、 一部商品はただの値上げではなく、リニューアルが同時に行われるという情報も入ってきています。
以下の画像は2ちゃんねるでの拾いものですが、 9月1日にリニューアルするスーパーニッカとハイニッカです。
この画像は手元に届いていませんでしたので、引用させて頂きます。



画像引用:2ちゃんねる【買い溜め転売】ニッカウヰスキーに貢ぐ part52 
http://peace.2ch.net/test/read.cgi/sake/1434027679/

スーパーニッカのデザインは旧ボトルを意識した感じになってます。
個人的な好みですが、どうもこの現行のボトル形状に違和感があり、 スーパーニッカはやっぱり旧ボトルのスタイルが、 初代に通じるモノがあって良いよなぁと思ってしまいます。 なんでボトル変えちゃったんだろう。

ハイニッカはスタイリッシュなラベル、かっこいいですね。
一目見てF1でおなじみ、 マムのシャンパンを連想した人も少なくないのでは。
これからも家呑み、 居酒屋飲みの肩肘張らないシーンで活躍してほしいボトルです。

なぜこれほど大規模な動きとなったのか、 継続商品のラベルチェンジで中身替えまで行われるのか、 残りのラインナップはどうなるのか。
これらについては現在情報取りまとめ中ですので、 追って記事に出来ればと考えています。


ここまで書いて、リストにリニューアル情報もわかるようにすれば良かったなあと思ったり。
というか、リニューアル=対象商品現行品終売とカウントすると、既存ラインナップはほとんど終売ってことなんじゃ…(今更

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