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モートラック 1982-2002 ジェームズマッカーサー 55.2%

カテゴリ:
MORTLACH
James Mac Arthur
"OLD MASTERS"
Distilled 1982
Bottled 2002
Cask type Sherry #4174
700ml 55.2%

グラス:木村硝子テイスティング
場所:自宅@借り物
時期:開封後半年程度
評価:★★★★★★(6)(!)

香り:強い香り立ち。やや青みがかったニュアンスを伴うハイトーンで乾いたウッディネス。合わせてエステリーで林檎のコンポート、蜂蜜、微かにカカオ。奥には木材の燃えかすのようなスモーキーさも伴う。

味:スパイシーでフルボディな口当たり。香り同様ハイトーンでヒリヒリとした刺激があるが、蜂蜜を思わせるコクのある甘み、香ばしくスモーキーな麦芽風味が淡いシェリー感やほのかな古酒感と共に広がってくる。
余韻はピーティーでビター。微かに青みがかった樽香を伴いパワフルで長く続く。

モートラックらしい強さと個性のある酒質に淡いシェリー感。口開け直後に比べ、柔らかくなってきた印象もあるが、ストレートでは未だパワフルな印象は拭えない。少量加水すると好ましい変化があり、特にピーティーさが際立つ。

普通に美味しいモートラック。持ち主曰く、怒りのモートラック(笑)。テイスティングの通り酒質の"らしさ"が感じられ、ハイプルーフボトリングも手伝って香味に勢いがある。ジェームズマッカーサーのこのリリースは、これまで何本か飲んできたものの詰めたてが硬かったろうなってボトルが多い印象で、今回の1本も同様な構成です。

それでも15年程度の経年に、熟成年数20年程度と、樽に染まりきらないバランス型の熟成感は通好みであるだけでなく、真価を発揮するのは少量加水から。ハイトーンなアタックが落ち着き、程よい甘みを残してピートと林檎系の果実味が香ばしい麦芽風味と共に開くのが好印象です。
こういう古典的なスタイルの内陸系モルトは好みなんですよねえ。余韻の引き締めるような苦味がたまらんです。

ただ、あえて言えば裏ラベル。モートラック蒸留所のハウススタイルと思しき内容が解説されていて、このボトルを飲んで納得できる要素が多い反面、ストロングシェリーというにはさすがに樽感淡すぎという印象も。。。
香味の系統からすると、シェリー樽が不足し始め、シーズニングも今ほど一般的でなかっと思われるこの時期のアメリカンオークのリフィルシェリーだと思います。こういうもんだと思って飲めば良いんですが、シェリーだと思って飲むと「あれ?」という感じなのです。
冒頭書いた持ち主の怒りは、ここに起因しています。

それでも、近年増えてきたわかりやすくもやや露骨な樽づかいから見れば、こういうかつてのケイデンヘッドとかにありがちなタイプの樽づかいは貴重になったとも言えます。
期待したシェリー感とは違いましたが、これはこれで楽しめる味わいでした。

ダルモア ミレニアム 1964年蒸留 ジェームスマッカーサー

カテゴリ:


JAMES MACARTHURS 
DALMORE 
Millennium 
Distilled 1964 
Bottled 2000 
700ml 50%  
暫定評価:★★★★★★★★(8)

香り:ベリージャムを思わせる甘酸っぱい濃厚なシェリー香、レーズンチョコ、フランボワーズ、カラメルソース、微かにハーブのニュアンスも感じられる。 
まるでフランス料理のデザート。香りの芯は非常に強く、時間経過でどんどんアロマが立ってくる。

味:濃厚でとろりとした口当たり、カラメル、ベリージャム、黄桃のシロップ漬け、濃く出した紅茶、微かなシナモン。
シェリー感に嫌味なところはなく、濃厚でありながら華やか。
余韻は長く、チョコチップクッキーの香ばしくも甘い香味を残しながら、ウッディーでタンニンが舌に染みこむ。かすかなピートも感じられる。

 
WL最古参会でのテイスティングボトル、自分が持ち込んだ1本です。
2000年頃にリリースの多かった、1960年代蒸留を象徴するようなオールドスタイルのシェリー系ウイスキーのひとつで、所謂どっかんシェリー。もともと強くないダルモアの個性は見事に圧殺されています。
しかし漂ってくるアロマは実に素晴らしく、開いてきた今であってもまだまだ先があるような…終わりの見えないウイスキーの世界に引き込まれる、悪魔的な魅力を感じます。

会の時点では堅さがあり余韻の渋みも強く、飲み頃はまだ先にある印象でしたが、それでも時間をかけてじっくり飲み進めればそのポテンシャルを感じることが出来ました。 
通常のテイスティンググラスでは、時間をかけて飲んでいくというよりグラスに入れたまま1時間近く放置するか、リーデル ブルゴーニュ ソムリエのような大ぶりなグラスで空気に触れさせて一気に開かせるか。
開いてくればさらに上の評価も出来るであろうポテンシャル、今後飲み進めるのが非常に楽しみです。
このボトルは日を置いてまたテイスティングをまとめたいと思います。
 
テイスティング:開封から2ヶ月
使用グラス:リーデル ブルゴーニュ グランクリュ ソムリエ  及び 浅草創吉 SK2

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