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OLD GROMMES
Very Very Rare
12 Years old
1980's
750ml 50.5%

グラス:SK2
量:30ml以上
場所:自宅
開封:1週間程度
評価:★★★★★★★(7)

オールドグロームスは、シカゴのオリジナルグロームス社が、ジムビーム蒸留所の長期熟成用原酒を買取ってリリースしていた銘柄。熟成場所はジムビームではなく、シカゴの熟成庫だったようです。
今回のボトルは1980年代後期、特級時代末期に流通した1本です。
3年くらい前の話になりますが、ウイスキー仲間のFさんと初めて会った持ち寄り会で飲ませてもらった事があり、極端に華やかとか、甘みが強いとかそういうタイプではなく、オーソドックスに美味しいバーボンという印象でした。

個人的に12年、1980年代流通、50%Overのボンデッド仕様とくればオールドバーボンの中でも外れないスペック代表格です。ジムビーム蒸留所はブッカーズなどハイプルーフでも良いもの出してますから、期待出来ますね。
それが近所の酒屋になぜか転がっていて、しかも手にとって見たら「特級表記」ときた。 これを買わないなんてありえねーなありえねーよ、ってことでめでたくお買い上げです。
ちょうど宅飲みしていたブッカーノーズが開いてしまったので、パンチのあるハイプルーフがほしかったというのもありました。           


状態は口開けから十分良かったですが、開封1週間でバッチリ開きました。
艶のあるカラメルソースを思わせる濃く甘い香味。セメダイン系の刺激やえぐみ、渋みの少ない上品さ。
ハイプルーフらしくコクと力強さを感じる飲み口に、果実を思わせる微かな酸味。それを追いかけてくるウッディーな苦味と鼻に抜けていくチャーオーク、穀物の甘いアロマ。それらのまとまりが良く、余韻はメローで程よくスパイシー。ほのかに焦げたような苦味が口の奥に蓄積していく。
全体的に引っかかりは少なく、余韻の残り方がそれまでの強さとは比例せずにあっさりしているようにも感じますが、その辺がらしさなのかもしれません。
味の濃さに対してウッディーな渋み、苦味の蓄積が少ないため、杯を重ねても余韻を心地よく楽しむことが出来ます。

このバーボンが真価を発揮するのは少量の加水。植物系のアロマにチェリーのシロップ漬けや瑞々しい葡萄のような香味が開き、複雑さが増してきます。
ストレートでの評価は★6後半くらいですが、加水で後一押しを加えてくれるイメージです。
ロックも悪くないですね。元々スムーズな味わいがさらに引っかかりなく飲めるだけでなく、口の中で温度が上がることで開くフレーバーが、コイツは良いバーボンだと感じさせてくれます。 

ファンの間では知られているものの、一般にはあまり認識のないこのボトル。ネット履歴を見ると5000円前後で買えた時期があったとか、なんて贅沢なんでしょう。
対して最近のバーボンの低価格帯は目を覆う惨状になりつつありますが、だからこそ眠っている良質バーボンは現行品に無いのか、そんな特集を組んでみても良いかもしれませんね。

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(オールドグロームスの1980年代(左)と1990年代(右)流通品。ラベルデザインが微妙に異なるが、最も異なるのはネック部分。味は1990年代のほうがライトでドライである。)

※8/27、蒸留所を勘違いして覚えており、記載もそのまま書いていましたので修正致しました。大変失礼いたしました。