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JOHNNIE WALKER
BLUE LABEL
Blended Scotch Whisky
1000ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:不明
場所:BAR飲み@エクリプス
評価:★★★★★★(6)

香り:ややえぐみのある樽香、熟成感に通じるアプリコットなどのドライフルーツを思わせる酸味と果実香。合わせてアーモンドやモルトスナックの香ばしさ。ほのかな塩気。奥にはスモーキーさもしっかりと感じられる。

味:スムーズでモルティな口当たり。燻した麦芽のような香ばしくほろ苦い麦芽風味が、蜂蜜やドライフルーツを思わせる甘酸っぱさと共に広がる。
余韻はピーティーでほろ苦く、ソルティーなコクと共にスモーキーフレーバーが心地よく残る。

複雑でありながら香味にまとまりのあるウイスキー。ジョニーウォーカーブランドに共通する、らしい樽感や酸味を伴うモルティーさが特徴的で、そこにしっかりとピーティーな原酒がブレンドのベクトルを表している。


今回は久々にジョニーブランドから、現行品のテイスティングレビューです。
ここ最近バランタイン30年、シーバスリーガル25年とテイスティングする機会があったので、じゃあジョニ青も書きますかと言う感じ。
ブルーラベルは、ジョニーウォーカーの最高峰に位置付けられているフラグシップブランド。キングアレキサンダーや、免税向けのカスクストレングスなど、さらなる上位グレードもリリースされてきましたが、それらを含めてジョニーウォーカーの中で最上位に位置付けられているのがブルーラベル・シリーズです。

ブルーラベルの元となった前進のブランドは、1986年にリリースされた、ジョニーウォーカー・オールデストということは、もはや説明不要でしょうか。これは熟成年数表記にAged 15 to 60 years表記のある最初期品から、NASとなった1990年のラインナップ含めて3ロットリリースされた後、1992年にジョニーウォーカー・ブルーラベルにリニューアルしています。

(ジョニーウォーカーオールデスト、初期ボトルと、NASとなった後期ボトル。)
(ジョニーウォーカー・ブルーラベル2000年代流通。1990年代とはほとんど見た目が変わらないが、外箱のデザインか、下側のラベルに書かれた紳士が左右どちらに書かれているかで区別出来る。)

基本的なコンセプトはジョニーウォーカーが保有する様々な長期熟成原酒から、ミドルエイジ程度の原酒までを幅広く組み合わせた、同社のブレンドの理想を追求するもの。ただ、時代と共に原酒の構成も変化しており、特に近年のロットはその変化が顕著です。

オールデスト時代は熟成したスペイサイドモルト、ハイランドモルトを思わせる香味が主体で、モートラックやロイヤルロッホナガーの長期熟成原酒が使われているとも噂されていました。ブルーラベル表記になるとこの辺りのグレードが落ちた印象があり、2000年代は特にそうした内陸の良質な原酒の確保が難しくなったのか、少々どっちつかずな構成に・・・。
一方、2013年頃にラベルチェンジした現行品のブルーラベルは、熟成感こそ減ったものの、カリラやタリスカーなどを思わせる島系の個性が主体的になって、それらの荒々しさを内陸系の原酒がまとめ上げる複雑さとバランスの良さ。リニューアルして、逆に良くなったのではないかと感じたくらいでした。

このブレンドの傾向は、他社のハイエンド商品と比較しても面白いですね。
ガラス細工のように繊細で華やかなバランタイン30年。スペイサイドモルトを主体にエステリーな熟成感が味わえるシーバスリーガル25年。そして、しっかりとピーティーでモルトの風味を楽しめるジョニーウォーカーブルーラベル。
それぞれが高い次元でまとめられている中で、最も華やかでも最もスムーズでもありませんが、一番強い個性と飲みごたえがあるのはジョニ青だと思います。
ブレンデッドウイスキーは、ウイスキーを長く飲んでいる人が改めて飲むと、色々な気づきがあって面白いので、この辺りも普段飲みに試して欲しいですね。

ちなみにこのブルーラベルはハイボールが美味しいのですが、注文すると「え?」という反応が返ってくるのは、単に意外なだけか、または認知されていないのか。ロックや加水で飲むよりはオススメしたいスタイルです。