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CASA VINIRONIA
APPASSIMENTO 
2015
Edixione Oro
750ml 14.5%

香り:柔らかいタンニン、削り出した杉材のようなアロマと微かに燻したニュアンス。スワリングすると奥からクランベリーや皮付きぶどうのような甘酸っぱさ。時間経過でさらに甘みが開いてくる。

味:コクがあってまろやかな口当たり。ブルーベリーやクランベリーのソース、ドライプルーン、果実味豊富で甘み豊か。鼻に抜けるウッディな香り。徐々にタンニン。

余韻:レーズンチョコやブルーベリージャムを思わせる甘酸っぱさが盛り上がる。フルボディなワインだがタンニンは穏やかで、胡椒のような少しの刺激を伴い負担なく消えていく。

非常に濃厚で、フルボディ。言わば「たっぷり」としたワイン。最初から最後まで濃厚で起伏には乏しいものの、甘くまろやかな口当たりに、酸味とタンニンは程よく感じられる。濃厚だが意外と使い易いボトルであり、少し開かせると香りに果実香が開いて真価を発揮する。

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今日は気分を変えてワインの紹介。自分の生活は基本ウイスキーな日々ですが、1ヶ月に1本くらい、ワインも開けて飲んでます。
今回紹介するのは、1000円代のデイリーワインの中で、自分的に優秀だなと感じている1本、カーサ・ヴィニロニア・アパッシメント
イタリアはプーリア州で作られるフルボディで甘く濃厚なワイン。ここまで濃厚だとよくわからないので品種の説明は省略しますが、ウイスキー好きの中で濃厚民族、特にどシェリー系が好みの人ならストライクゾーンに入るのではという印象です。

同ワインは遅摘み葡萄、つまり収穫時期をあえてずらし、葡萄をある程度乾燥させて糖分を凝縮させることを製造時の特徴の一つとしています。要するに枝付きレーズンみたいな状態にして、そこから収穫して発酵させているわけです。
これはイタリアワインで有名なアマローネと共通する、「アパッシメント製法」の一種で、乾燥させて糖度が高まった葡萄を使うことで、生産量は下がってしまうものの、香味が強調されて官能的でフルボディなワインが出来るとされています。


カーサ・ヴィニロニア・アパッシメントの遅摘み葡萄。画像引用:

一般的にアパッシメント製法は「収穫した葡萄を陰干しして乾燥させる方法」という理解が広まっているようですが、どうやら乾燥のさせ方に一度収穫してある必要は必ずしもないようです。
アマローネはそれ以外に地域や品種などの条件があるプレミアムグレードのワインですが、カーサ・ヴィニロニアはデイリーワイン。。。品種やその他製法の違いに加え、仕上がりも共通点こそあれど必ずしも全く同じではないので一概には言えませんが、陰干しの手間を省くことでコスト削減に繋がっているのかもしれません。

と、ワインについてはほとんど知識がないので浅い考察はこれくらいにさせて頂いて。。。
自分の中でデイリーワインの基準は、まろやかであること、そして酸味や渋みが穏やかであること。若いフルボディタイプによくあるガッチガチのワインは、熟成のポテンシャルはあるかもしれないけど、飲んでて疲れてしまう。
かと言って水のようにシャバシャバなワインはなんのために飲んでるのかわからず、ある程度の飲みごたえが欲しい。
その基準の中で考えると、このワインは実に優秀。甘みにわざとらしさは多少ありますが、価格を考えれば充分な完成度と感じています。

テイスティングの通りフルボディでたっぷりとした味わい、不思議と飲めてしまうまろやかな口当たりに甘酸っぱさとタンニンのアクセント。
ちょっと開かせるとこれらが一体化してくるだけでなく、バキュバン保管で2日目でも甘みと酸味のバランスが保たれているのもデイリーワイン向きの特性と言えます。
合わせる料理は鶏肉の煮込みなど濃厚系で、普通なら酸味が強くなるチョコレートも悪くなかったですね。
WEB通販以外にビックカメラ酒販や信濃屋などでも扱いのあるボトル。ウイスキー愛好家の皆様、目先を変える意味でもたまにはワインなんていかがでしょう。