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ウイスキーバイブル2016、ワールドベストウイスキー発表 今年はカナディアンウイスキーに光!?

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さる11月19日のこと、ウイスキーバイブルにおいて今年のワールドベストウイスキーおよびいくつかのアワードが公式発表されました。
ウイスキーバイブルはライターのジムマーレイ氏が世界中のウイスキーを飲み、テイスティングやスコアをまとめて毎年発行している書籍であり、ウイスキーバイブル2016には4600種類のウイスキー(うち1000種類がニューボトル)が掲載されているそうです。
昨年発行されたウイスキーバイブル2015においては、山崎シェリーカスク2013がワールドベストウイスキーとして掲載され、日本国内が大いに沸いた(というよりブームに乗じてメディアが騒いだ)ため、ご存知の方も多いと思います。
 
あれから1年、そういやぼちぼち発表されてるんじゃないかと思い出して調べてみたところ、つい1週間ほど前にウイスキーバイブル2016の発売と、ベストウイスキー等の各タイトルが決定した旨のプレスリリースが出ていました。
今年のワールドベストウイスキーは、カナディアンウイスキー、クラウンローヤルのライウイスキー、だそうです。
重要なことなのでもう一度言います。
今年のワールドベストウイスキーは、100点満点で97.5点を獲得したカナディアンウイスキー、クラウンローヤル ノーザンハーベスト ライ だそうです。

CROWN ROYAL Northern Harvest RYE 
90% Rye Whisky 45% 750ml 

 
これはもはや事件です。
一切報道しないジャパニーズメディア各社はいつもの通りですが、海外のWEB媒体等は精力的に本件を報道。特にカナダ系メディアは相当テンション上がってる感じです。
カナディアンウイスキーと言えば、ジャパニーズウイスキーブームの中でのキリンウイスキーくらいというか、それ以上に鳴かず飛ばずで、個人的にはコーラで割るモノとかカクテルのベースくらいにしか考えておらず。
ジムマーレイ氏も「ぶっちゃけカナディアンって近年アレだから、カテゴリー無くそうかなって思ってたんだよね。」とリリース中にて語っているほど、その存在感は味同様にライトで希薄だったわけですが、それが受賞したとあれば気にならないわけがありません。
同銘柄は現時点で日本には入っていないので、キリンさん早く輸入してくれないかなー。

とはいえ、前回の受賞がそうであったように、これは影響力のある一個人による評価でしかないものです。ただでさえ海外の飲み手の好みと日本人の好みはずれているなと感じる部分が多い中で、"旨い"と感じるかは未知数です。
実際これまで飲んできた中で、カナディアンウイスキーはアルバータスプリング等オールドボトルには多少見るモノがあると思いますが、古いから良いというわけでもなく、かといって現行品はもっとアレなので、近年のWWAが迷走しているような「壮大なリップサービスじゃないか」という気持ちが無いわけでもありません。
評価される下地としてはアルコール飲料じゃ話になりませんから、認められる何かはあるんだろうなと思います。
 
Jim Murray's 2016 World Whiskies of the Year
1.Crown Royal Northern Harvest Rye (Canada) - £47 a bottle
2.Pikesville Straight Rye (USA) - £33 a bottle
3.Midleton Dair Ghaelach (Ireland) - £180 a bottle
4.William Larue Weller Bourbon (Bot.2014) (USA) - £65 a bottle
5.Suntory Yamazaki Mizunara (Bot.2014) (Japan) - £45 a bottle

以下に全カテゴリーの詳細情報が掲載されています。公式からの引用ではありませんが、ご参考まで。
Scots left reeling as Canadian whisky named world's best 

カナディアンクラブ 1940年代流通

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昨夜は帰宅後1記事書いて力尽きてしまったので、こういう時は過去記事の移設で貯金を使いますw
カナディアンウイスキーについては店頭在庫があったりやすかったりで、そこそこオールドまで飲んでいます。
現行品についてはお察しくださいレベルで、オールドであっても味の単調さから1本まるっと飲むのはツライんですが・・・この独特な甘い飲み口は、たまに飲みたくなります。


CANADIANCLUB
750ml? 40%?
1940's
評価:★★★★★(5)

"柔らかい甘さと軽やかな香り立ち、バニラ、サトウキビ、小麦やトウモロコシなどの穀類を思わせるアロマ。
口当たりは柔らかくボディはライト、全体的に緩やかで薄めた糖蜜、バニラの甘さ。
フィニッシュはウッディな苦味を感じた後、ゆっくりと後に残らず消えていく。
まさにライド&スムース。"


ラベルにキングジョージ五世の没年(1936年)表記があるので、それ以降の流通と思われるボトル。
カナディアンウイスキーのオールドは、TAXシールに蒸留年が記載されているので、流通時期含めてわかりやすいですが、このボトルはさらに古いTAXシールのためか印字がありませんでした。
カナディアンクラブの通称であるCCの表記がなく、1950年代のものとはラベルやボトルタイプが違うので1940年代流通と見るのが妥当でしょう。
今から70〜80年ほど前のボトルと言うことになります。

(キングジョージ5世の国王在任期間の表記、キングジョージ6世の没年1962年以降は、この下にキングジョージ6世の表記が入る。)

カナディアンクラブといえば、禁酒法時代前後の大躍進無くしては語れません。
特に禁酒法時代まっただ中、アルカポネが密輸するために開発させたというスキットル型のボトル(ゲートボトル)は、オールド好きならず、話を聞いた人なら一度は興味を持つのではないでしょうか。
禁酒法の時代は1920年から1933年、今回のボトルはその後のモノになりますが、時期的にまだまだバーボンは復活しておらず、アメリカ市場を席巻していたころのものです。

穀類を連続蒸留するカナディアンやバーボンは、総じて同様の蒸留方式で作られるグレーンウィスキー系の味になります。
特にカナディアンは樽が新樽縛りではないためか、バーボンに比べて樽香が柔らかいものが多く、穀類由来の香味、バニラのような甘さ、文字通りスムースでライトを地でいく酒質です。
蒸留方法の関係もあって、1980、1970、1960・・・それぞれの年代の蒸留モノを飲み比べても方向性に大きな違いは感じられません。しいて言えば1980年代は雑味が少し増えたかなあという感じ。
以上からの推測ですが、禁酒法時代のものとその香味において大きな違いは無いと考えられます。

そして、オールドで違いがないなら、現行品でも違いは少ないはず・・・なんです。
ところが現行品と、オールド(1980年代以前)のカナディアンクラブを比較するとまったく味が違います。
現行のカナディアンクラブをディスるつもりはありませんが、効率化による大量のアルコール精製は、こういう形で味に響くんだなぁと感じる、現在のウィスキーを見る上でも、ひとつの指標のようとなるように思えてくるのです。

BAR等で見かけましたら、現行品とオールドとの飲み比べをすると、面白いと思います。


※本記事は昨年2月にWhisky linkに投稿したものを、一部加筆修正したものです。

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