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アラン 21年 ロックランザキャッスル エクスプローラーシリーズ 2nd 47.2%

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THE ARRAN MALT 
LOCHRANZA CATSLE 
THE EXPLORERS SERIES 
VOLUME TWO 
Aged 21 years 
Cask type Sherry hogsheads 
Amontillado Sherry Cask Finish 
700ml 47.2% 

グラス:グレンケアン 
時期:不明 
場所:BAR Eclipse 
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ドライで甘酸っぱく、発酵したような酸がトップノートに感じられる。淡くシェリーのニュアンスから干し草とオーク香。ブラウンシュガー、ドライイチジク、微かにハーブ。奥行きのあるアロマが広がる。

味:口当たりはウッディでややタンニンを感じる。合わせて甘酸っぱさのあるイチジクの甘露煮、薄めたカラメルシロップ、カカオ粉末。序盤はシェリー系のフレーバーがメインだが、余韻にかけてオーキーな黄色系のフルーティーさの戻りが複雑さを加えており、広がるように長く続く。

アランらしい素直で癖の少ない、樽由来のフレーバーとの馴染みの良いボトル。
香味のメインは、シェリー系の要素とアメリカンオークのフルーティーさが合わさった構成。香りのトップノートで多少酸が感じられるのが、フィニッシュに使われたアモンティリャード樽由来なのかもしれない。違和感はあまりなく、オフィシャルらしい完成度の高さも伺える。6回3失点以内のモルト。


リフィルシェリーホグスヘッドで熟成された原酒をバッティングし、アモンティリャードシェリーカスクでフィニッシュしたカスクストレングスのリミテッドエディション。9000本の限定生産。
このエクスプローラーシリーズは、スコットランドのミニチュアと呼ばれるアラン島(知らなかった。。。)の美しい風景を、ウイスキーと共に味わってもらうというコンセプトのリリースです。

今回レビューする第2弾はロックランザ城、昨年リリースされた第1弾は20年熟成のブロディック・ベイ。ブロディックはアラン島を代表する集落のひとつであり、港町であることから、まるで島の玄関口から続く旅のようなイメージですね。

ファーストリリースは以前イベントでちょっと飲みましたが、フルーティーで中々纏まりが良く、安定しているなという印象。
というか、アランからリリースが多い20年前後熟成のリミテッドは、大多数がまさに熟成のピークと言える、安心安定のアラン味(アメリカンオーク由来の黄色系フルーティーさと、適度な熟成感が備わった柔らかいボディ)に仕上がっていることが多く、今回の1本にしてもユーザーの好みから大きく外さない点が魅力と言えます。

その安定感と言ったら、最近リリースされた通常ラインナップの21年が、良い原酒をリミテッドに回して、その残りを使っているのかと思えるほどでもあるのです。
また不思議なことに、アランのリミテッドリリースでは、シェリー樽熟成のみの原酒からも、バーボン系の樽の熟成によって得られるオーキーなフルーティーさが感じられることが多く。使われている樽がアメリカンオークのシーズニングシェリー樽なのか、あるいは鏡板部分をアメリカンオークにしてあるのか。(恐らく前者)
何れにせよ、近年のシェリー味一辺倒にならない仕上がりは、好感が持てる構成なのです。


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今日のオマケ:サッポロ黒ラベル 東北ホップ100% & じゃがりこ 激辛インドカレー味

仕事のみならず帰省も含め、東北に足を運ぶことが比較的多い自分ですが、サッポロから東北地区限定で所謂"とれたてホップ"系のビールがリリースされているとは知りませんでした。2009年から発売されててもう10周年を越えてるんですね。
瑞々しくさっぱりとした味わいは、単に苦味がないとか、味が薄いというわけではなく。ぐいぐい飲めるけど、ビール飲んだっていう満足感があるのが特徴。これは美味しい缶ビールです。

で、問題だったのが隣にある激辛インドカレー味のじゃがりこ。キヨスクに陳列されていたので何も知らずに買ってしまいましたが、とんでもない辛さです。激辛系のお菓子の代表格、暴君ハバネロやカラムーチョなんて比較にならない。刺すような辛さから痺れ、スパイスの香りと駄菓子にありがちなチキン系のうまみ成分で食べ続けることは出来るのですが。。。1パック食べると、専門店で辛口以上のカレーを食べた後のように、胃の中が煮えたぎるスパイス感が持続する。
カルビーさん、これはせめて18才以上限定とか注意書きしないとダメでしょうw

なお余談ですがポテトチップスのジャンルには本当に「18才未満禁止」を宣言している激辛カレー味ポテチが存在します。
それはもうこのじゃがりこをさらに凌ぐ辛さで、屈強な肉体をもつ業界きってのマッスラー達が、たった1枚でひいひい言わされます(笑)。
ウイスキーのアテになるとはお世辞にも思えませんが、興味がある方は是非。

アラン 18年 オフィシャル 46%

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The ARRAN Malt  
SINGEL MALT WHISKY 
Aged 18 years 
700ml  46% 

グラス:テイスティンググラス
時期:不明 
場所:BAR Eclipse 
評価:★★★★★★(6)(!)

香り:華やかでスウィート、ウッディ。洋梨のタルト、加熱した白系の果実からやや焦がしたオレンジママレード。角のとれた柔らかいオーク系のフルーティーさに、ほのかにカラメルソースを思わせる要素も混じる。

味:スウィートでややドライだが同時にとろりとした口当たり。洋梨、ファイバーパイナップル。徐々にシュガートーストを思わせるドライな甘味と軽い香ばしさ。ボディが適度にあってバランスの良い熟成感。
余韻はオーキーで華やか、心地よいウッディさと近年寄りのトロピカルなフルーティーさが染み込むように長く続く。

癖の少ない適度な厚みのあるハイランドタイプの酒質に、アメリカンオーク主体のフレーバーが合わさって、万人ウケするフルーティーな味わい。シェリー系の原酒が繋ぎとなって、良いアクセントになっている。
リリース直後よりまとまりが良く感じたのは、使われている原酒のロット差だろうか。。。まさに進化し続けるオフィシャルモルト。


2015~16年頃にリニューアルしたアランのスタンダード18年。シェリーオークとバーボンオーク樽熟成の原酒のバッティング。最初に飲んだ時は昔のボトルよりシェリー感が薄くなり、ドライな感じになったなという印象がありましたが、久々に飲んで充分バランスが良いというか、フルーティーでありつつまとまりが良いと感じました。

メインの樽はアメリカンオークと思われる香味構成。それだけだとドライでギスギスしがちなウッディネスが、シェリー樽由来と思われるとろりとした甘味でコーティングされ、オーキーなフルーティーさを味わいやすくなっています。
香味から推察する比率はシェリー系が2~3割、バーボン系(アメリカンオーク系)が7~8割程度といったところ。
アランの酒質はスペイサイドとハイランドを足して2で割ったような構成であり、熟成によって得られるモルティーさとフルーティーさ、アメリカンオークとの相性は間違いないものです。

まとまりが良くなった要因としては、かつて使われていた創業直後の原酒(今はオフィシャル21年に使われているそれ)が、ロットが切り替わって製造ノウハウを確立してきた安定期の原酒となったこともあるのではないかと。
正直、アランは創業直後から3年くらいは、特にシェリー樽で苦労してる感じがするんですよね。。。

リリース以来、徐々に味を良くしてきたアランのオフィシャルブランド。
アランに限らずキルホーマンといい、キルケランといい、ウィスク・イーさん取り扱いのオフィシャル銘柄は、近年味が良くなってコスパが良いものが多い印象。我々愛好家としては、本当に有り難い限りですよ。
中でも1万円以内の価格帯で安定の熟成感と分かりやすい旨さ。正直、アラン18年は同価格帯でハイランドモルト最強とも評価されるグレンモーレンジ18年ともはや同等。というかグレンモーレンジが最近軽くなってきているので、下手すると王座交代もあり得る。先が楽しみなボトルでもあるのです。

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余談ですが、アランは今年オフィシャルラインナップのデザイン総入れ替え、一部ラインナップ追加という大規模なリニューアルを敢行しており、この18年も例外なくラベルの切り替え等が発表されています。
新しいアランは10年を飲み比べたところ、これまでよりはバランスが良くなっていると感じられ。では18年は。。。画像をみたところ色合いは現在より濃そうですが、まだ飲めておらず詳細は不明です。
切り替わりは来年春にかけて順次という状況で、これも今まで同様にさらにクオリティを高めてくれていることを期待したいです。

アラン 7年 2011-2019 プライベートカスク #1341 58.7%

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ARRAN 
PRIVATE CASK 
For Whisk-e 
Aged 7 years 
Distilled 2011/07/11 
Bottled 2019/02/06 
Cask type 1st fill Sherry Hogshead #1341 
700ml 58.7% 

グラス:グレンケアン
時期:開封後数日以内
場所:BAR Eclipse 
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:スパイシーでスウィート、ブラウンシュガーとドライプルーンを思わせるダークフルーツの色濃い甘み、ハイトーンな刺激には、ナツメグや微かにシナモンを思わせるニュアンスも。

味:粘性があってドライ、スパイシーな口当たり。黒蜜やドライプルーンの甘味から、徐々にウッディで焦げたチョコレートビスケットのようなほろ苦さ。
余韻はビターでドライ、香り同様にハイトーンな刺激が口内にありつつ、ダークフルーツの甘味が漂う。

若く刺激の残った酒質に、ドライなシーズニング圧殺シェリーという構成。甘味はあるがもうひとつ果実味がほしいところで、熟成感的にも粗削りではある。一方、加水で延びてマイルドな味わいに変化するあたりに、酒質の良さを感じさせる。シガーに合わせるか、あるいは少量加水しながら自分好みのバランスを探しつつ楽しみたい。

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先日、ウルフバーンのジャパンエクスクルーシヴNo,3を記事にした際、短熟で仕上がるシェリー樽の例として、友人が所有しているアランのスペックを参考に紹介していました(写真上参照)。

そこから数日。発表されたリリースが今回の1本。TWCのクォーターカスクの7年だけかと思いきや、シェリー樽の短熟も来るとは。。。こうした短熟で仕上がるリリースは販売計画を立てやすいことも強みですから、今後のトレンドになっていく仕様であるのは間違いなく。
また完全にローカルなネタですが、個人的に興味をそそられたのが、友人のカスクと同じ日の蒸留で、樽番号も10番ちょっとしか違わない、シスターカスクと言える原酒であったこと。短熟シェリーの香味は予想がつきつつも、好奇心のままに早速テイスティングしてきました。


結論からいうと、今回のボトルは自分が思っていたよりもスパイシーでドライな仕上がりでした。
香味の大筋な系統はシーズニングシェリーで、樽材や仕様は間違いなく同じもの。それは樽を調達したボデガが同じということでもあるのですが、もう少し甘味が強く、とろんとしているような仕上がりを予想していたのですが、使った樽に染み込んでいたシェリーの量、あるいは材質の微妙な差か、ストレートでは度数相応に刺激を感じるアタックがあります。

それこそ、もう4~5年熟成させていればアタックはそれなりに落ち着いたのだと思いますが、余韻にウッディな苦味が主張し始めているので、カスクストレングスでリリースするならこの辺りがピークという判断は異論なく。
一方で、アランのシェリー樽熟成は、これまで15年から20年程度の熟成期間で同等程度の濃厚なものがリリースされることが多かったですが、今回はその半分の期間。熟成感の違いはバットや組み直しのホグスヘッド(300リットルサイズ)か、現在のシーズニングホグスとして一般的な250リットルか。仕込みの時期によって樽のサイズそのものが変化しているのではないかと推察します。

ちなみに、直近でリリースされた同じ系統のウルフバーンとの印象の違いとしては、酒質と少量加水による仕様の違いか、奥行きはともかくウルフバーンのほうがマイルドに仕上がっています。
オフィシャルのシングルカスクと考えれば、価格的には比較的手頃。テイスティングの通り酒質の良さから加水の変化も悪くない。若くてもいいので濃いめのシェリーカスクがほしいという方はおすすめですが、この手のリリースは今後の出てくるでしょうから、まずはBAR等で1杯試してみることをオススメします。

アラン 12年 2006-2018 プライベートカスク ウイスク・イー 57.5%

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ARRAN 
PRIVATE CASK 
FOR WHISKY-E LTD 
Aged 12 years 
Distilled 2006 
Bottled 2018 
Cask type 1st fill Bourbon Barrel 
700ml 57.5% 

グラス:テイスティンググラス
時期:不明
場所:Bar LIVET
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ドライでウッディ、華やかなオークフレーバーとあわせてやや強い木材感。バニラ、ココナッツ、ファイバーパイナップルの淡いフルーティーさと籾殻のような乾いたアロマ。

味:度数相応に強い口当たり。香り同様にオークフレーバー主体でドライでウッディなアタックが広がったあと、奥から樹液のような粘性、蜂蜜レモン、黄色いフルーティーさを思わせる樽由来の近年系トロピカルフレーバーが顔を出す。
余韻はスパイシーでドライ、オーキーな華やかさが鼻腔に抜けると共に、酒精が喉をひりつくように刺激する。

加水すると華やかさはそのままだが、少し木のえぐみが残りやすい。バーボンバレルでアメリカンオークそのもののようなキャラクターの塊。安定の味。


ウィスク・イーが先日リリースしたプライベートカスク。アランらしい仕上がりというか、THE BOURBON BARRELって感じの味ですね。
アランはスペイサイドとハイランドを足して2で割ったような酒質をしているというのが、自分の印象。タリスカーやジュラ等の他の島系と異なり、ベンリアックやロングモーンなどのスペイサイドモルトであっても、同じ樽を使えば近い味のものが出来上がったのではないか。。。という、印象を持つリリースはこれまでもいくつかありました。

そのため、こうしたボトルは現行品のスコッチモルトを代表するような1本とも言えます。
それが決して悪いわけではなく、外れのない安定して美味しい構成であることは間違いありません。
華やかで、バニラの甘味や黄色系のフルーティーさもある分かりやすい味わい。ただ、バーボンウイスキーの銘柄毎の違いがあまり大きく無いように、この手の系統のスコッチモルトもまた、樽由来の香味主体故に銘柄毎の違いが楽しみづらくもあるのです。

強いて言えば、これが熟成場所の違いか、例示したスペイサイドのそれらの蒸留所よりも、熟成年数に対して樽が少しばかり強く出る傾向があるようにも感じます。
また、酒質も癖が少なく素直、麦系の甘みと適度な厚みで樽感との馴染みが良く、短熟から20年クラスまで安定して美味しい仕上がりになるのはまさに素性の良さ。今回のボトルもその視点で見ると、アランらしさが出ている1本と言えるのかもしれません。

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さて、このアランをリリースしたウィスク・イーが、先日、THE WHISKY CREWという紹介制の会員サービスを開始しました。
新規会員になるには現在会員になっているメンバーの紹介が必要ですが、会員になると同社が扱う商品を特設サイトからサービス価格で購入できるだけでなく、今回のようなプライベートボトルも会員向けのモノが用意されていく予定とのことです。

同社に関連する蒸留所だと、アランの他、スプリングバンク、キルケラン、グレンアラヒー、キルホーマンがありますが、ボトラーズブランドも扱っていますし、今後の展開が楽しみです。
現実的なところで、スプリングバンク系列は人気なので難しいかもしれませんが、キルケランや近年期待値上昇中のキルホーマンあたりはありそうだなと。
また、例えばスプリングバンクがケイデンショップなどに卸しているDuty paid sampleみたいな、若くても個性やスペックの尖った面白いリリースが扱われると良いなと感じています。

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ちなみに、そのPB第一段としては、アラン8年 2010-2018 クォーターカスク 57.3%がリリースされています。
「えっ、ファーストリリースが8年?」って熟成年数だけ見るとつい感じてしまうのですが、よく見ると樽がちょっと珍しい。スタンダードラインナップではボシーが18ヶ月クオーターカスクで追熟してリリースされるものはありましたが、それのみというのは無かったように思います。

上述のように近年のアランの酒質は、癖の少なさからか樽と馴染みやすい傾向があるため、今回のようにバレルサイズで12年でもかなり樽の個性が出ていたところ。さらに小型のクォーターカスクなら、8年クラスで丁度良いフルーティーさが得られるかもしれません。
こちらのボトルは、ウイスキー仲間のYakuさんがレビューされています。(ご参考:ドリンカーズラウンジ
レビューを見たところ、予想通り短熟ながら丁度良い具合に仕上がってそうですね。お値段以上アラン、自分も後日飲んでみます。

アラン 21年 オフィシャルボトル 2018年リリース 46%

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The Arran Malt 
Aged 21 years 
Release in 2018 (1st lot) 
700ml 46%

グラス:グレンケアンテイスティング
時期:開封後2ヶ月程度
場所:Bar Eclipse
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ウッディでドライフルーツやフィナンシェなどの洋菓子、あるいは色の濃い蜂蜜も感じさせる甘味とビターな香り立ち。合わせて若干サルファリーなニュアンスも伴う。

味:ウッディでスパイシー、ねっとりとした舌当たり。香り同様の構成で樽感強く、樽由来の香味が重なりあったような木材感がある。余韻はオーキーなフルーティーさも若干混じるが、基本的にはシーズニングシェリーのウッディさと、微かにカカオ、サルファリーでビターなフィニッシュが長く続く。

シェリー樽圧殺というような構成ではないが、使われたシェリーとバーボン、2タイプ由来の樽材感が強いウッディな仕上がりという構成。そのため、酒質という以上に樽由来の香味が主体で、こてこてとしていて、なかでもシェリー系のニュアンスが強く残っている。
ストレートでは少々飲み疲れる部分もあるが、加水するとオーキーでアメリカンオーク由来の華やかさも混じるようになるので、開封後時間経過での変化が期待できそう。

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昨年12月にリリースされたアラン・オフィシャル通常ラインナップの最長熟成品。
これまでシングルカスクや何らかの限定品で20年、21年はリリースされてきていましたが、創業開始から23年たち、ようやく通常ラインナップとして21年熟成を安定してリリースできる目処が立ったということなのでしょう。

構成はシェリー樽とバーボン樽熟成の複数樽バッティング。テイスティングの通り結構シェリー樽の個性が強く出ていますね。
色合いからリフィルホグス、バーボンバレルも相応に使われているとは思いますが、これらの樽に求めるフルーティーさはストレートでは控えめで、むしろ一番効いているのがシェリー樽。それも創業初期のアラン蒸留所の樽に多いタイプです。

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(2016年にリリースされた、アラン蒸留所創業20周年記念の20年熟成。濃厚なシェリー感のあるボトルだったが、合わせてサルファリーさもあり、初期のアランの原酒らしいキャラクターだった。恐らくこの系統の原酒も使われているのだろう。)

アラン蒸留所は厳密に言えばアイランズモルトの区分に入りますが、島といいつつもその酒質はタリスカーやジュラのような個性的なものではなく、ハイランドモルトの王道を地でいくようなミディアムボディで素直かつ癖の少ないキャラクターです。
そのため、樽さえよければ化ける蒸留所であり、近年ではアメリカンオーク樽との組み合わせにおいて、フルーティーさのしっかり出たリリースが多くあります。
また、例えばスコットランドの北端に位置するオークニー諸島と比較すると、平均気温(主に最低気温)で約5度前後暖かく、その影響か20年経たず樽感の主張が強いリリースが見られるのも特徴といえます。

今回のリリースは21年分の樽感が感じられるリッチでややクドさの残った味わいである一方で、アランの2000年代のリリースなどでも見られた、蒸留所としての酒質の方向性や樽の調達で苦労していたことがうかがえる姿が思い出されるような懐かしい味わいでした。
アラン21年は、当面は年間9000本限定のスモールバッチでリリースされていくとのことで、使われる原酒の傾向もリリース毎に異なっていくものと思われます。
となると、代を重ねることでより洗練されて、近年のアランに近づくのかもしれません。

アラン10年なども、初期の頃はそこまで安定してはいなかったと記憶していますが、最近は優良オフィシャルとしての評価を確立しつつあります。
それこそ近年のシングルカスクリリースなどから原酒の傾向をピックアップし、将来の21年に個人的な好みを押し付けさせてもらえば・・・アメリカンオークホグスヘッドのトロピカルなフルーティーさを主体に、バーボンバレル由来の強烈な華やかさ、シェリー系のニュアンスで少しコクと厚みを加えて加水でまとめるようなリリースが出たらいいなあとリクエストして、この記事の結びとします。
アラン蒸留所と、21年の今後を楽しみにしています。

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