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サントリー 響ブレンダーズチョイスを発表 ラインナップ整理の動きも

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昨日、サントリーが響ブランドの新商品となる「響 BLENDER'S CHOICE」を発表しました。
また、これに合わせて響や白州などの既存ブランドに休売、再編の動きも伝え聞くところ。
今月末にはエッセンスオブサントリー3種も発売される中で、今年は同社の動きに注目する必要がありそうです。

(※リリースされたブレンダーズチョイスについて、既存ラインナップとの比較を含めたテイスティングを掲載しました。)

(※5/15日追記 販売休止について、メディアを通じた情報公開がありました。)


【響 BLENDER'S CHOICE】
発売予定日:2018年9月4日(火)
希望小売価格:10,000円
仕様:ブレンデッドウイスキー
容量:700ml
度数:43%

<構成>
・様々な樽や様々なエイジングの原酒を厳選し、ブレンダーの匠の技でブレンドした特別な一品。
・平均酒齢15年程度、一部30年を超える高酒齢原酒を使用。
・ワイン樽後熟原酒を使用し、甘くまろやかで深みのある味わい。


響ブレンダーズチョイスの新発売は、昨日サントリーが都内で開催した、酒販関係者向けのセミナーで発表されたようです。今後、プレスリリースなども行われると思われます。
ここ最近、サントリーウイスキー絡みではニューリリース、休売、終売、様々な情報が噂レベルで飛び交っておりましたが、まず一つ動きが明らかになったと言うことになります。

その新商品は、現在リリースされている響ジャパニーズハーモニー(JH)のリニューアル・・・というわけではなく、完全に上位グレードとしてのリリースになる模様。メーカー希望小売価格的には現行品の17年とほぼ横並びになるグレードです。
平均酒齢という表現が引っかかりますが、若い原酒から長期熟成原酒までを幅広く使い、どのような味を作り上げるのかは素直に興味があります。
サントリーのノンエイジといっても、美味いブレンドは本当に美味いですからね。

ただ、これを見て思うのは、原酒不足の中で必要な原酒をどこから持ってくるのかということ。そして2015年に響JHがリリースされた後の流れです。
当時も12年が響JHとほぼ同等くらいのグレードにありましたが、その後のラインナップ整理で12年が終売となり、響JHが残ることとなったのは記憶に新しいところ。
同セミナーで響17年が終売になるという発表がされたわけではありませんが、近年のウイスキーブームによる原酒不足から響ブランドのエイジング表記は山崎、白州同様に出荷調整が行われ、入手困難な状況が続いています。
単純な話、12年以上、17年以上という熟成年数や、◯◯樽などという縛りがない方が広く原酒を確保できるため、メーカーとしては品質確保と大量生産がしやすい状況となります。
暫くは様子を見つつ片方をフェードアウトさせる。。。この流れに既視感を感じるのは、自分だけではないはずです。


またこの他、先述の出荷調整に端を発し、一部酒販店舗やBAR等には一部ブランドの再編に関する情報が伝えられ、それが噂として愛好家間を飛び交っているようです。
しかしサントリー社内でかなりレベルの高い箝口令が敷かれているのか、そんな情報は聞いたことがないという説明があったと思えば、酒販サイドによって異なる情報が聞こえてきたりで、はっきりとしない状況が、様々な噂に繋がっているようにも感じます。

その中で、比較的確度が高そうなのが、今回ニューリリースが発表された響の17年と21年の休売、あるいは終売。そして白州エイジングシリーズの順次休売です。(リニューアルするという話もあります。)
あくまで予想ですが、現在のサントリーのブレンデッドの主軸が白州蒸留所の原酒にあり、ニューリリースのブレンダーズチョイスの原酒を確保するため、響の2銘柄と白州のエイジングシリーズを休売とするのは違和感がなく、自然な流れのようにも感じます。
なんせ原酒が仕込まれたのは2000年代初頭、あるいは1990年代後半。生産量を大きく絞っていたウイスキー冬の時代なのですから。
原酒不足が解消されるのはまだまだ先。。。ということなのでしょう。

いずれにせよこの話は、メーカー、ないし酒販店に問い合わせても確たる情報はまだ得られないものと思われます。
何より物不足感も手伝ってブームが過熱しきっているところ、冷静に対応する必要があります。
ニューリリースの響も気になりますし、引き続き自分もアンテナを張っていきたいと思います。

サントリーのニューリリース 「ESSENCE of SUNTORY」 シリーズについて

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さる1月10日、サントリーが2月27日に限定発売するニューリリース「エッセンス オブ サントリー(ESSENCE of SUNTORY)」を発表しました。
ここのところ情報収集をしていなかったので、シェリーカスクでもミズナラでもなく、まさかこんな面白いリリースでくるとは思わず、発表があった際は驚きも感じました。

まだ作り手のコメントなど、背景を含めた情報は公開されていませんが、自分なりに感じるところを、リリース紹介と合わせてまとめていきます。

3/5追記:エッセンスオブサントリーシリーズをテイスティング。レビューを下記に公開しました。

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ESSENCE of SUNTORY シリーズ
・THE ESSENCE シングルモルトウイスキー 山崎蒸溜所 ピーテッドモルト 500ml 49%
・THE ESSENCE シングルグレーンウイスキー 白州蒸溜所 ライタイプ 500ml 57%
・THE ESSENCE シングルグレーンウイスキー 知多蒸溜所 ワイン樽4年後熟 500ml 49%

ニュースリリース:
https://www.suntory.co.jp/news/article/13072.html?fromid=top


"Essence"は、単語としては本質や真髄という意味を持ちます。
今回のリリースでチョイスされたこれら3タイプの原酒は、サントリーのウイスキーラインナップを構成する上では縁の下の力持ちというか隠し味というか、少なくとも"エースで4番"という位置付けではありません。
しかし響を筆頭に世界で評価されるサントリーのブレンドは、これらを含む多様な原酒の作り分け無しでは構成できない。文字通りサントリーウイスキーのエッセンスであり、重要な役割を持つ原酒の一部と言えます。

例えば、山崎ピーテッドモルトはその際たるもので、この蒸留所の一般的なスタイルからすれば"異端"であることは想像に難くないと思います。

「THE ESSENCE シングルモルトウイスキー 山崎蒸溜所 ピーテッドモルト」
"ベリーを想起する甘みと酸味の味わいに、やわらかなスモーキー香が特長。酒齢12年。" 


しかし響にしてもローヤルにしても、あるいはシングルモルト山崎にしても、構成原酒の中で少量のピートフレーバーが味を引き締め、深みを与えているのです。
以前BAR IANでマスターブレンダー輿水氏のオーナーズカスクを飲ませて頂く機会があり、それが山崎のピーテッドモルトでした。
この時、異端でありながらブレンドに欠かせない原酒へのこだわり、それを使う面白さと難しさを輿水氏から直接伺ったわけですが、実際に飲んだことでサントリーのブレンドへの理解も深まったようにも感じています。

(オーナーズカスク 山崎1993 バーボンホグスヘッド。
蜜のような甘み、土っぽさ、強いスモーキーフレーバーが特徴。島要素の少ない長熟カリラのよう。)

また、白州蒸留所のグレーンウイスキー ライタイプは、ウイスキーブームを受けた増産に加え、"将来のより多彩な原酒づくり"を目指し、2013年に本格稼働した設備で作られたもの。同蒸留所のグレーンウイスキーは、知多で作られるコーンベースのものではなく、異なる穀物原料をベースとした生産が当初から計画されていました。
ライベースのそれは、カナディアンウイスキーで言えばフレーバリングウイスキーに該当し、華やかで香味の強い仕上がりが期待できる。まさに今後のサントリーウイスキーを構成する、新しい要素の一つと言えます。

「シングルグレーンウイスキー 白州蒸溜所 ライタイプ
"ライ麦由来の華やかな味わいとスパイシーな香りが特長。酒齢4年。"


(白州蒸留所に設置されたグレーンウイスキー製造設備。この設備でどのような原酒が作られるか、注目していた愛好家も多い。サントリーニュースリリースより引用。

一方、同じグレーンでも知多蒸留所グレーンウイスキー ワイン樽4年後熟は、サントリーがこれまでの原酒づくりの中で、グレーンの作り分けとして模索してきたものの一つ。
知多蒸留所では、連続式蒸留機の蒸留の段階を調整することで原酒の重さを作り分け、樽を使い分け。。。サイレントスピリッツと呼ばれるグレーンでありながら、ブレンドの個性を作る1ピースに仕上げています。

「シングルグレーンウイスキー 知多蒸溜所 ワイン樽4年後熟(こうじゅく)」
"プラムのような甘酸っぱい味わいに滑らかな飲み口、芳醇な香りが特長。酒齢16年。"
 


これらと同タイプのウイスキーは、各蒸留所での試飲提供に加え、マガジンライブなど各種イベントのサントリーブースにもありましたので、既に飲まれている方もいると思います。
自分は特に山崎のピーテッドが印象に残っていますが、それぞれ個性的であり、こうした原酒を飲むことで、まさにサントリーウイスキーのエッセンスである"多様な原酒の作り分け"の一端に触れ、理解を深めることができたと感じています。

ひょっとすると、昨年のイベントあたりからこれらの試飲があったのは、今回のリリースに向けた布石、愛好家の反応を見るためのものだったのでしょうか。
全く同じものが発売されるわけではないと思われますが、だからこそ「エッセンスオブサントリー」の出来と、我々にどのような体験を与えてくれるかが非常に楽しみです。

ジムマーレイ ウイスキーバイブル 2018 ワールドベストはテイラー フォー グレーン12年

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今年もウイスキー評論家であるジム・マーレイ氏のウイスキーバイブル2018発売と合わせ、同氏の選ぶベストウイスキーが発表されました。

ジム・マーレイ氏についての長々とした前置きは不要でしょう。いわばウイスキー業界のロバートパーカー・・・と言うにはちょっと近年の評価軸が異次元な気がしますが、毎年1000種類弱のウイスキーをテイスティングし、それを独自の視点で評価、発表している色々と突き抜けた方。その評価をまとめたウイスキー・バイブル誌は、発刊から26年目のロングセラーで業界における指標の一つとして確立しています。

ウイスキーバイブルではスコッチウイスキーのみならず、ジャパニーズ、アメリカン、そしてその他の国々と世界中のウイスキーが最高100pt評価の中でポイント付されており、どの銘柄が高評価を受けたかが話題になることも。
その今年の最高得点は、97.5ptでアメリカンウイスキー・バーボン区分から、コロネルEHテイラー フォー グレーン 12年でした。
Colonel E.H. Taylor Four Grain 750ml  50%

「お、おう」という感想が、コメント欄になくともモニタ越しに伝わってきそうですが、すいません私もそう感じた一人です(笑)。
ただまあテイラーのバーボンは美味しいものが多いので、納得できないわけじゃなく。それでも違和感を感じてしまうのはスコッチタイプウイスキーを普段の軸にしている故か、あるいは近年の評価の動向の変化によるところかもしれません。

近年のワールドベストは、2016のカナディアンウイスキー「クラウンローヤル・ノーザンハーベスト・ライ」に始まり、2017年は「ブッカーズ・ライ」と、大陸側の酒(ライや小麦を使った軽快な甘み、あるいは華やかなタイプ) が選出される傾向が続いていて、ジムマーレイ氏の個人的な好みとして、そうしたジャンル、感銘に近い何かを受けているのかもしれません。

ワールドベストに続いて、2ndベストにはアイリッシュからレッドブレスト21年が、3rdベストにはスコッチモルトからグレングラント18年がランクイン。
レッドブレスト21年は飲んでいませんが、12年や25年などの傾向から樽感の中にアイリッシュ系のケミカルなフルーティーさ、ある種の華やかさがあるボトルかなと推察。グレングラント18年は昨年もトップ3に入っており、オーキーで華やかな香味は愛好家からの評価も高いボトルですね。



この他、今回のベストウイスキーだけでなく、ジャパニーズ部門のWinnerがカフェグレーン、カフェモルトであるあたり等から、やはりにジムマーレイ氏にとってのホットジャンルが、こういうバーボン、グレーンの穀物タイプなのかなと感じます。

以下は各カテゴリー別に選出されたベストウイスキーとなります。 
あくまで一個人の評価ですのでこれをもって何とするものでもないと思いますが、こういうリリースもあるのかと見てみるのも面白いですよ。


A world of Whisky Bible winners
【Scotch Whisky】
Scotch Whisky of the Year: Glen Grant Aged 18 Years Rare Edition
Single Malt of the Year (Multiple Casks): Glen Grant Aged 18 years Rare Edition
Single Malt of the Year (Single Cask): Cadenhead’s Glendullan 20 Year Old
Scotch Blend of the Year: Compass Box The Double Single
Scotch Grain of the Year: Cambus Aged 40 Years
Scotch Vatted Malt of the Year: Compass Box 3 Year Old Deluxe
Single Malt Scotch No Age Statement (Multiple Casks): Ardbeg Corryvreckan
10 Years & Under (Multiple Casks): Glen Grant Aged 10 Years
10 Years & Under (Single Cask): Scotch Malt Whisky Society Tomatin Cask 11.32 8 Year Old
11-15 Years (Multiple Casks): Gordon & MacPhail Ardmore 2002
11-15 Years (Single Cask): That Boutique-y Whisky Co. Clynelish 15 year Old
16-21 Years (Multiple Casks): Glen Grant Aged 18 years Rare Edition
16-21 Years (Single Cask): The First Edition Ardmore
Aged 20 Years 22-27 years (Multiple Casks) Sansibar Whisky Glen Moray 25 years Old
22-27 Years (Single Cask): Hunter Laing’s Old & Rare Auchentoshan 24 Year Old
28-34 Years (Multiple Casks): Glen Castle Aged 28 years
28-34 Years (Single Cask): Old Particular Glenturret 28 Year Old
35-40 Years (Multiple Casks): Brora Aged 38 years
35-40 Years (Single Cask): Xtra Old Particular Caol Ila 36 Year Old
41 Years & Over (Multiple Casks): Gordon & MacPhail Glen Grant 1957

【Blended Scotch】
No Age Statement (Standard): Ballantine’s Finest
No Age Statement (Premium): Compass Box The Double Single
5-12 Years: Grant’s Aged 12 Years
13-18 Years: Ballantine’s Aged 17 Years
19-25 Years: Royal Salute 21 Years Old
26-50 Years: The Antiquary Aged 35 Years

【Irish Whiskey】
Irish Whiskey of the Year: Redbreast Aged 21 Years
Irish Pot Still Whiskey of the Year: Redbreast Aged 21 Years
Irish Single Malt of the Year: Bushmills 16 Year Old
Irish Blend of the Year: Bushmills Black Bush
Irish Single Cask of the Year: Dunville’s VR First Edition Aged 15 Years

【American Whiskey】
Bourbon of the Year: Colonel E.H. Taylor Four Grain
Rye of the Year: Thomas H. Handy Sazerac 126.2 Proof
US Micro Whisky of the Year: Balcones Texas Blue Corn Batch BCB 16-1
US Micro Whisky of the Year: (Runner Up) 291 E Colorado Aged 333 Days

【Bourbon】
No Age Statement (Multiple Barrels): George T. Stagg 144.1 Proof
9 Years & Under: Buffalo Trace Experimental Collection Organic 6 Grain Whisky
10 Years & Over: (Multiple Barrels) Colonel E.H. Taylor Four Grain

【Rye】
No Age Statement: Thomas H. Handy Sazerac 126.2 Proof
Up to 10 Years: Pikesville 110 Proof
11 Years & Over: Sazerac 18 Years Old

【Wheat】
Wheat Whiskey of the Year: Bernheim Original

【Canadian Whisky】
Canadian Whisky of the Year: Crown Royal Northern Harvest Rye

【Japanese Whisky】
Japanese Whisky of the Year: Nikka Coffey Malt Whisky
Single Malt of the Year (Multiple Barrels): Nikka Coffey Malt Whisky 

【European Whisky】
European Whisky of the Year (Multiple Barrels): Penderyn Bryn Terfel (Wales)
European Whisky of the year (Single Barrel): The Norfolk Parched (England)

【World Whiskies】
Asian Whisky of the Year: Paul John Kanya (India)
Southern Hemisphere Whisky of the Year: Limeburner’s Dark Winter (Australia)

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ニッカウイスキー カフェシリーズの新商品を6月発売(レビュー有り)

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クロスオーバーを発表したニッカウイスキーから新たなリリース。同社の売りとも言えるカフェスチルで作る、カフェジン、カフェウォッカを6月にも発売するとの情報が入りました。
新商品の2銘柄は、既存ラインナップであるカフェモルト、グレーンに次ぐ、カフェシリーズの一角に位置付けられています。
   
NIKKA COFFEY GIN
700ml 47%
NIKKA COFFEY VODKA
700ml 40%
※6月27日発売予定
※希望小売価格:4500円

元々ジンやウォッカは、蒸留機によって精製したアルコール。つまりウイスキー蒸留設備があるどの蒸留所でも作る事が可能であり、イギリス、アメリカ等では新興蒸留所を中心にオリジナルブランドが製造されている模様。
イギリスでは今、ちょっとしたジンブームにもなっているようですね。

日本はと言うと、愛好者は一定数居る中で、同じ蒸留酒でも少々マイナー領域と言わざるを得ません。
直近だと京都蒸留所がリリースするクラフトジン"季の美"が話題になりましたが、それも一部コアユーザー間であり、ましてウォッカなど。。。カクテルで飲まれることは多くあるも、そのまま、あるいはロックなどの飲み方は、ウイスキー以上に少数派と言っても過言ではない状況です。
かく言う私もBARでカクテルを注文したり、新商品が出ればテイスティングはしますが、ホワイトスピリッツを普段飲みにするかというと中々馴染めません。
(ジンやウォッカを愛飲されている方を否定する訳ではありません。)

そんな日本市場に、ジンとウォッカを投入するその心。ウイスキー愛好者の間では、熟成しないで販売できるホワイトスピリッツは、クラフトディスティラリーが「原酒が熟成するまでの間、繋ぎとして販売するもの」とする認識があり、商品がユーザーに受け入れられるか以上に「ニッカはそこまで原酒がヤバいのか・・・」と勘ぐってしまいました。
ただ、それは両リリースを一口飲めば、新規の市場獲得を狙っている、実に野心的なリリースであることが伝わってきます。

今回、クロスオーバーの販促サンプルと同時に、カフェジンとウォッカのサンプルも入手。様々な飲み方にトライしているところです。
なお、これらのサンプルはメーカーから直接貰っている訳でも、依頼されてるわけでもありません。知人繋がりで入手しているもので、以下は両リリースについての自分の本音ベースの話です。

後日個別に記事化しますが、まずは全体概要から。
カフェジンは、レシピに通常使われるジュニパーベリー以外、オレンジ、柚子などの和柑橘、そして林檎を使用し、一般に販売されているジンのギスギスとしてドライな飲み口とは異なる、柔らかく、どこか奥ゆかしい爽やかさが特徴的。更に山椒を効かせることで、余韻にかけてフレッシュな香気が立ち上ります。
カフェウォッカは、穀物の甘みとほのかな酸味、そしてコクのある口当たり。ここまで飲みやすいウォッカは記憶にありません。
どちらにも共通してアルコール臭さは少なく、一般的に流通している同ジャンルの既製品を飲み進まない自分が、冷やさず常温ストレートで抵抗無く飲めてしまうほどの飲みやすさがあります。

両リリースのコンセプトは、カフェスチルによって香味成分を多く残す、香り高く味わい深いスピリッツ。
ジンもさることながら、ウォッカは特に効果を感じやすく、カフェグレーンやカフェモルトより普段飲みに使える飲み飽きないバランス。その味わいは、下手なウイスキーなら代用品にもなり得るのでは。。。という印象です。

まさに日本人をターゲットとしたようなスピリッツ。舌の慣れているコアなユーザーからすれば、癖や刺激の物足りない味わいかもしれませんが、このリリースから入ってさらに様々な銘柄の魅力を経験出来れば、新しいブームに繋がる可能性もあります。

しかし物は良くても、厳しいことを言えば、その売り方でしょうか。
例えばハイボールブームの仕込みのように、CMや缶飲料などの手を出しやすいところから入るのではなく、いきなり本命をドカンと出して本丸を狙ってくるこの感じは、不器用だな〜という気がしてなりません。
値段も希望小売価格4500円、実売4000円前後となると、同ジャンルではプレミアムな価格帯。コアユーザーから注目されているレンジではありますが、果たして一般的な家飲みに馴染むか。。。という疑問もあります。

ただ、中身は自分の知る限り唯一無二とも言える魅力があり、これが一般市場に広く出回る面白さ。長寿となるか、短命で終わるか。
聞くところでは、5月13日、14日開催のバーショーでPRも行われるとのこと。反響を見ていきたいですね。(自分は今年の夏の家飲み用に、どちらも買うと思います。)
長々書いてしまいましたが、本日はこの辺で。後は個別レビューに続きます。

ブラックニッカ ブレンダーズスピリット 2017年再販品 比較テイスティング

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さる3月28日、愛好家の間で高い評価を得たブレンダーズスピリットがいよいよ再販。
手頃な価格で美味しいボトルが数多く流通するのは良いことですが、気になるのは2016年に発売されたボトルと味の違いだと思います。
公式には同じ原酒構成と読めるような記載となっていますが、同じコメントなのに味が全然違うなんて事例もありますので、我が目、鼻、舌で確かめて見ないと気が済みません。

そんなわけで今回、未開封の2016年発売品と発売されたばかりの再販品を揃え、同時開封、同じグラスと、可能な限りイコールコンディションで、両者の違いにフォーカスした比較テイスティングをまず行いました。


2016年ボトリング(左) 6/18F56 1305
2017年ボトリング(右) 6/06G28 1005
グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封直後

【比較テイスティング】
色合い:ほぼ同じ、本当に微かに2017のほうが濃いようにも見える。

香り:色合い同様にほぼ同じ構成。わずかな差だが、2016のほうが甘みが強く熟成感があり、2017のほうがドライに感じられる。

味:系統は同じだが、味は香りより違いが大きい。2016のほうがリッチでバランスが良く、2017は口当たりが少し水っぽく、徐々に若い原酒由来のバナナっぽさが前に出てくるように感じた。

余韻:双方ともピーティーでビター、古樽のえぐみが微かに余韻に混じってくる中で、2016のほうが奥行きがあり、2017のほうがスモーキーさがわかりやすい。

※味、余韻の確認は、食パンの白い部分を一口食べ、ミネラルウォーターで口の中を流した後で、テイスティングする。この手順を2016、2017で交互に行った。


結論、2016年リリースと2017年リリースについて、どちらもニッカらしさの感じられる良いブレンデッドウイスキーに仕上がっているものの、さすがにまったく同じものという訳ではなく、違いはあると言えます。
その違いについて一言で言えば、全体的な熟成感です。
ブレンドレシピは短熟原酒からPRポイントの1956年蒸留の長熟原酒まで、2016年リリース同様に使われているのだと思いますが、その中のグレーンやミドルエイジ原酒の樽感の系統、あるいは量が異なるのではないかと推察します。

ただ、それらは今回のように重箱の隅をつついて感じられた程度の違いでしかありません。
逆に言えば類似の点の方が多く、単品で飲むだけなら、人によってはまったく同じと感じる方もいるでしょうし、違いを感じたとしても好みの問題で整理できるレベル。同じものを作れないウイスキーづくりにおいて定常的にある、ロット差の範囲だと言えます。
自分は今のところ2016のほうが好みだと感じましたが、今後開封後の変化もチェックしていきたいです。


通常販売品ではなく限定品で原酒も限られる中、しかも急遽決まったと思われる再販の中で、よくここまで類似のウイスキーに仕上げたなと思います。
例えるなら、同じメーカーが作った同じデザインの手吹きグラスのよう。先にちょっと書きましたが、同じ商品、コメントなのにロットやリリース年が1年違うだけで味が全然違うとか、普通にありますから(笑)。

またポジティブに考えると、ニッカウイスキーの今回のリリースは、作ろうと思えばこのレベルの商品をこの価格帯で作れるという証明でもあります。
5月に発売されるクロスオーバーや、秋の新商品にも期待したいですね。

(2016年リリースには表ラベルに「Bottled in 2016」の記載がある。裏ラベルに違いはないが、ロットナンバーは当然異なる。ナンバーの読み方はフロムザバレルの記事を参照のこと。)

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