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ブラックニッカ ブレンダーズスピリット 2017年再販品 比較テイスティング

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さる3月28日、愛好家の間で高い評価を得たブレンダーズスピリットがいよいよ再販。
手頃な価格で美味しいボトルが数多く流通するのは良いことですが、気になるのは2016年に発売されたボトルと味の違いだと思います。
公式には同じ原酒構成と読めるような記載となっていますが、同じコメントなのに味が全然違うなんて事例もありますので、我が目、鼻、舌で確かめて見ないと気が済みません。

そんなわけで今回、未開封の2016年発売品と発売されたばかりの再販品を揃え、同時開封、同じグラスと、可能な限りイコールコンディションで、両者の違いにフォーカスした比較テイスティングをまず行いました。


2016年ボトリング(左) 6/18F56 1305
2017年ボトリング(右) 6/06G28 1005
グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封直後

【比較テイスティング】
色合い:ほぼ同じ、本当に微かに2017のほうが濃いようにも見える。

香り:色合い同様にほぼ同じ構成。わずかな差だが、2016のほうが甘みが強く熟成感があり、2017のほうがドライに感じられる。

味:系統は同じだが、味は香りより違いが大きい。2016のほうがリッチでバランスが良く、2017は口当たりが少し水っぽく、徐々に若い原酒由来のバナナっぽさが前に出てくるように感じた。

余韻:双方ともピーティーでビター、古樽のえぐみが微かに余韻に混じってくる中で、2016のほうが奥行きがあり、2017のほうがスモーキーさがわかりやすい。

※味、余韻の確認は、食パンの白い部分を一口食べ、ミネラルウォーターで口の中を流した後で、テイスティングする。この手順を2016、2017で交互に行った。


結論、2016年リリースと2017年リリースについて、どちらもニッカらしさの感じられる良いブレンデッドウイスキーに仕上がっているものの、さすがにまったく同じものという訳ではなく、違いはあると言えます。
その違いについて一言で言えば、全体的な熟成感です。
ブレンドレシピは短熟原酒からPRポイントの1956年蒸留の長熟原酒まで、2016年リリース同様に使われているのだと思いますが、その中のグレーンやミドルエイジ原酒の樽感の系統、あるいは量が異なるのではないかと推察します。

ただ、それらは今回のように重箱の隅をつついて感じられた程度の違いでしかありません。
逆に言えば類似の点の方が多く、単品で飲むだけなら、人によってはまったく同じと感じる方もいるでしょうし、違いを感じたとしても好みの問題で整理できるレベル。同じものを作れないウイスキーづくりにおいて定常的にある、ロット差の範囲だと言えます。
自分は今のところ2016のほうが好みだと感じましたが、今後開封後の変化もチェックしていきたいです。


通常販売品ではなく限定品で原酒も限られる中、しかも急遽決まったと思われる再販の中で、よくここまで類似のウイスキーに仕上げたなと思います。
例えるなら、同じメーカーが作った同じデザインの手吹きグラスのよう。先にちょっと書きましたが、同じ商品、コメントなのにロットやリリース年が1年違うだけで味が全然違うとか、普通にありますから(笑)。

またポジティブに考えると、ニッカウイスキーの今回のリリースは、作ろうと思えばこのレベルの商品をこの価格帯で作れるという証明でもあります。
5月に発売されるクロスオーバーや、秋の新商品にも期待したいですね。

(2016年リリースには表ラベルに「Bottled in 2016」の記載がある。裏ラベルに違いはないが、ロットナンバーは当然異なる。ナンバーの読み方はフロムザバレルの記事を参照のこと。)

ブラックニッカ新商品 クロスオーバー が5月発売 今秋更なる限定品も

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先日、ブレンダーズスピリット再販を発表したばかりのニッカウイスキーから、新たなブラックニッカ「クロスオーバー」と、さらなる限定リリースの計画が明らかとなりました。


商品名:ブラックニッカ クロスオーバー
アルコール分:43%
容量:700ml
参考小売価格(税抜):2,000円 
発売:2017年5月23日
※数量限定商品


同銘柄から何かしらリリースが出るかも、という話は噂レベルで聞いていましたが、ブレンダーズスピリット再販があったので、てっきりそのことだろうと思っていました。
それが某酒販店が先行予約の受付ページを開設したことで情報が拡散。報道向け情報でもリリースに関する説明がされ、いよいよ確定路線。
そこまでブラックニッカ一本槍でなくても。。。という気持ちはさておき、ブレンダーズスピリットの出来が良かったので、このリリースも気になるところ。中身の詳細や流通本数など、いつものルートで酒販店向け情報を確認させてもらいました。


ブラックニッカ クロスオーバーは余市蒸留所のヘビーピート原酒に、シェリー樽熟成の原酒をキーモルトとしたブレンデッドウイスキー。後述するもう一つの限定品が宮城峡ベースのようなので、クロスオーバーは余市ベースということなのかもしれません。
以下に引用するメーカーコメントを見ても、ピートフレーバーを強調したリリースであることがわかります。

ハードでありながら芳醇で豊かなコクが楽しめるウイスキーです。
バニラを思わせる甘い香り、モルトの豊かなコクがゆっくりと広がります。複雑で力強いピートの余韻が続きます。

<香り>
バニラを思わせる甘く、軽快なウッディさ。モルティさとピート香が全体を引き締める。
<味わい>
ドライでスモーキーなピートの味わいと熟した果実を連想させる華やかで芳醇な味わい。
モルトの豊かなコクがゆっくりと広がる。
<余韻>
複雑で力強いピートの余韻が続く。

熟した果実のような華やかで芳醇な味わいが感じられたあと、ヘビーピートならではのドライでスモーキーな味わいが感じられることを、「ふたつあるものが交差すること」を意味する"CROSSOVER"という言葉で象徴的に表現しました。


余市ベースのモルティーでスモーキーなウイスキーについては歓迎ですが、気になるのはハードでドライという表現。価格帯から推察するに、長期熟成で樽由来のタンニンが染み込むようなドライさではなく、キレの良い淡麗な意味で使われるドライさと考えるのが妥当か。若い原酒もそれなりに使われているのだと思います。
ちなみに、数量限定販売の本数については酒販向け情報では「数量限定」以上のことは確認できませんでした。このグレードで1000本、2000本の生産とは思えませんので、これまでのブラックニッカ同様結構な量が販売されるのではないでしょうか。


なお、関係者から確認したという情報では、この秋、10月から11月頃に宮城峡原酒をベースとした、フルーティーなブラックニッカのリミテッドリリースも予定されているとのこと。
報道ベースでも今年はブラックニッカから2種類の限定品がリリースされると発表されていますから、1本目はクロスオーバー、2本目が宮城峡ベースのブラックニッカということでしょう。(安易な予想ですが、ボトルの色は赤地のフロストなのではw)

ニッカウイスキーは多くの消費者が手に取りやすい価格帯にブラックニッカブランドを打ち込み、売り上げを大きく伸ばしてきました。
今後は同社のウリである余市蒸留所と宮城峡蒸留所、それぞれのキャラクターを際立てた商品で、個性を楽しんで貰ってファン増やしていく計画か。
こうしてみると、先般噂になったニッカウイスキー関連商品の終売は、これらの生産を優先していくため、ラインの割り当てを変えたことから一部問屋に商品が回りづらくなったということなのかもしれません。
限定品発売に加えて販促キャンペーンも行われるようで、今年のニッカは「ぶらーっく!(某墓場風)」な1年になりそうです。


サントリー ボウモアがラベルチェンジ リニューアルの動き

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現地時間2017年1月31日、Spirits Businessがボウモアのラベルチェンジに関する記事を掲載しました。
対象となるのはノンエイジのNo,1 Vaultsから12、15、18、25年のスタンダードラインナップ。(これによりダーケストが終売。)
記事中には2月にロールアウトすると書かれているので、このブログが掲載されてそう遠くないあたりで日本でも公式発表があるのではないでしょうか。

ウイスキーに限らず・・・ではありますが、「ラベルやボトルデザインの変更があると味が変わる」という法則があります。
そうでなくてもこれまでボウモアはラベルチェンジと共に大きく味わいの変化があった蒸留所。加えて、直近では12年など、見えないところで変化もあったくらいですから、まず間違いなくレシピを変えてくるのではないかと考えます。

ただ、変化することが全面的に悪いとは言いません。結局のところ、それがいい変化かどうかが問題です。
No,1なんてリリースされたのか・・・とか、15年色濃いな・・・とか、あと価格とか、気になるところは多々ありますが、個人的に最も気になるのが18年。現行品18年の構成原酒は、単純計算では近年のボウモアで高い評価を受ける1990年代の蒸留時期にありながら、1980年代のラベンダー系のパフューミーなフレーバーが未だに残っています。
(写真1枚目、ボウモア18年の現行品。昨年テイスティングしたロットにはパフューミーな要素が残っていた。)
(写真2枚目、ソサイエティの1998ボウモア。このボトルは1993年の当たり年に匹敵するという売り文句で、確かに果実味が充実。)

もし今回のラベルチェンジをきっかけとして、1980年代の原酒から完全に脱却し、1990年代蒸留オンリーとなったら・・・。蒸留時期は単純計算1998年や1999年、これは1990年代でもフルーティーさに定評のあるビンテージですから、ちょっと期待してしまいますね。
昨年、18年をテイスティングした際に、後1〜2年後のロットを飲んでみたいと感じましたが、ついにその時がくるのか。

ちなみに少し前、スプリングバンクでもラベルチェンジの発表がありました。
思い返せば毎年この時期はラベルチェンジの発表が多いような。
ただ、今回のラベルも、そのスプリングバンクのラベルも、自分の感覚だとかっこいいとは言い難いんですよね(汗)。
ボウモアのほうは蒸留所の白い壁をイメージしたラベルだそうで、なるほどと思う反面、昔のほうがよかったなぁと感じてしまうのは・・・。
いや、重要なのは中身。上述の通りラベルチェンジだからと言って、味が変わると悲観するばかりじゃありません。
リニューアルしたボウモアの国内流通が今から楽しみです。

グレンファークラス 1991-2016 信濃屋プライベートボトル10周年記念 56.9%

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GLENFARCLAS
THE FAMILY CASKS
"The Black Impact"
(Aged 25 Years)
Distilled 1991
Bottled 2016
Cask type Sherry Butt #5695
For Shinanoya Private Bottling 10th Anniversary
700ml 56.9%

今回はニューリリース情報です。
信濃屋のプライベートボトルリリース10周年を記念した、アニバーサリーシリーズの第一弾。1/20に発売予定、現在予約受付中のグレンファークラス1991を、店頭でサンプルテイスティングさせて貰いました。(グラスは国際規格ワイングラスを使用。)

昨年末からWhisky hoopのグレンファークラス2005、メインモルトとキャンベルタウンの共同ボトルであるグレンファークラス1989、さらにはオフィシャルからのリリースと、ウイスキー愛好家の中でも話題になる事が多かった同蒸留所。特に上記2本は評判も良く、瞬く間に売り切れたのは記憶に新しいところ。
明けて2017年、新年早々リリースされる今回のグレンンファークラス。。。これもまた良い出来てす。

樽はスパニッシュオークのシェリーバットだと思いますが、質の良い樽を使っていると感じられる香木っぽさ、果実味も備えた嫌味の少ない濃厚なシェリー感。加えて、余韻にかけてウッディな苦味や渋みが綺麗に収束して行くバランスの良さが魅力的。
「シェリー樽熟成の完全体」と銘打たれた本リリースは、まさに飲み頃と言える、近年のシェリー系の中で特筆すべき完成度だと感じます。


サンプルテイスティングなので暫定も暫定ですが、現時点での評価は☆7。
リリース本数は500本以上で、発売数秒で取り合うというようなことにならない、充分な本数があるのも嬉しい。
濃いシェリー系好きの濃厚民族な皆様には、特にオススメしたいです。

信濃屋さんは、2007年からプライベートブランドの発売を開始し、今年で10年目。その10周年に向けては、数年かけてアニバーサリーリリース用の10樽を選定してきたそうです。 
奇しくも昨年は、フランスのウイスキー商社LMDWの60周年記念で様々なリリースが話題になりましたが、今年は日本発のムーブメントがあるというのはワクワクしますね。
その一つとなるグレンファークラスは、同店の気合とプライドの感じられるカスクチョイスだと感じました。
今回の発売含め、今後のリリースが楽しみです。


【サンプルテイスティング】
香り立ちは落ち着いていて、チョコレートケーキにカカオパウダーのほろ苦さ、湿ったウッディネス。ダークフルーツの甘酸っぱさも潜んでおり、奥から顔を出す。グラスの残り香からは土っぽいアロマも感じられる。

口に含むと黒蜜を思わせるシェリー樽のコクのある濃厚な甘みから、レーズン、クランベリーの甘酸っぱさ。香木系のニュアンスと、微かにゴムっぽさを伴うウッディネス。徐々にウッディーな苦味が広がるが、余韻は苦みや渋みが収束して強くは残らず、負担なく飲み進められる。

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※画像は信濃屋さんから許可を頂いて使用しております。

武蔵屋 & ジャパンインポートシステム 試飲会レポート(後編)

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引き続き武蔵屋&JISさんの試飲会レポートです。
後編はGMのボトラーズリリースボトルから、印象深かったボトルを紹介していきます。
周年が関係していたこともあって、ウイスキーフェスの時から尋常じゃない数でしたが、その内容を引き継いで今回も登場です。
そのボトル本数は32本。フェスの時はここに上位グレードもいくつか含まれていて、より多くの本数が試飲できたわけですが、それを全部飲んでいたらその日が終わってしまうので、あえてスルーしていました。

そんなわけで、まずはコニッサーズチョイスから。
ただ正直なところ、コニッサーズチョイスは短熟はもう一つ複雑さが足りず、90年代蒸留で色の濃いめなボトルを見ると硫黄系のシェリーだったりで、自分的にはちょっと辛いところもありました。 
その中でも、というか今回のGMラインナップで、最も印象に残っていたのがトマーティン1996。後はレダイグ1998やカリラ2003は、ピートタイプの利を生かして"外さない"仕上がりだったように思います。

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・トマーティン (1996-2013) コニッサーズチョイス 46%
香りはチーズを思わせる酸味、少し湿ったアロマなど、他のボトラーズリリースでも極稀にある香り立ちで、個性的な構成ですが、口に含むと滑らかな口当たりからバタークッキーやバニラ、そして洋ナシの甘みとフルーティーなフレーバーが広がり、余韻はウッディー。香りと味の変化が大きい、印象深い構成でした。

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続いては蒸留所ラベルシリーズ。
これもほんの数年前は20年オーバーでこってりとしたシェリータイプだったり、オーキーで華やかなボトルが結構(それも安く)あったのですが・・・。最近は若年化が著しく、ストラスアイラやロングモーンなど、かつて長熟で鳴らした蒸留所ラベルは軒並み2000年代に突入。
これが10年、20年かけて訪れた変化ならわかりますが、ほんの3年くらいの間に起きた出来事ですから、未だに理解しがたいです。 

さて、この中で印象に残ったボトルを上げるなら、一つはバルブレア10年、そしてもう一つはアードモア1995になります。
・バルブレア 10年 43%
・アードモア (1995-2013) 43%

バルブレアは割りと近年のオフィシャル直系の構成ですね。華やかでライトボディーで、オーク系のフレーバーがしっかり感じられる。このボトルはメーカー終売が決まっているそうで、輸入代理店側にも30本程度しか在庫が残っていないようです。
アードモアは近年リリースされることが多くなった2000年代のボトルと比べて熟成感、落ち着きがあり、らしさもありますが全体的なバランスが整って、美味しく飲める構成となっていました。
ちなみに以前評価の高かったモートラックやリンクウッド15年は、樽構成が変わったのか、随分サルファリーな味わいに。。。

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カスクストレングスシリーズと、加水のマクファイルコレクション。
この中からチョイスするなら、クライヌリッシュ2001とグレンロセス1997です。

カリラの若いビンテージは、安定を求めるならこの辺は間違いないのですが、それ以上に可もなく不可もなくなのが ・・・。
ハイランドパークはニューポッティーな要素も残っていて、まだちょっと難しい印象がぬぐえませんが、クライヌリッシュは濃厚寄りなシェリー感にハイトーンで、比較的まとまりの良いボトルに仕上がっています。

また、マクファイルコレクションでは、グレンロセスがハウススタイルに忠実な味わいで、口当たりは草っぽさを感じるニュアンスから、熟成感のあるコク、ふくよかさ。BAR飲みして勉強するには良いボトルかなという印象です。
ブナハーブンは最近増えてきたピーテッドタイプ、若いですがカリラのような安定感。そしてグレンタレットはスワリングで淡いパフュームも。


この他、ラムやリキュール、コニャック、カルヴァドス、シェリーなどのラインナップも充実。特にコニャックとカルヴァドスはウイスキーよりもラインナップが良く、色々経験することができました。 
総評するとボトラーズ受難の流れは強く、逆にオフィシャルの方が完成度やコストパフォーマンス的にも良いものがあったように思いますが、中でもいくつか面白いと感じたボトルを紹介させて貰ったつもりです。

そして今回試飲会後は、印象に残ったボトル2本を注文。
強制ではないですが、そういう主旨の会でもありますので。後は主催者の皆様にに感謝しつつ、購入したボトルを後日個別に記事にしたいと思います。

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