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ブラックニッカ新商品 クロスオーバー が5月発売 今秋更なる限定品も

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先日、ブレンダーズスピリット再販を発表したばかりのニッカウイスキーから、新たなブラックニッカ「クロスオーバー」と、さらなる限定リリースの計画が明らかとなりました。


商品名:ブラックニッカ クロスオーバー
アルコール分:43%
容量:700ml
参考小売価格(税抜):2,000円 
発売:2017年5月23日
※数量限定商品


同銘柄から何かしらリリースが出るかも、という話は噂レベルで聞いていましたが、ブレンダーズスピリット再販があったので、てっきりそのことだろうと思っていました。
それが某酒販店が先行予約の受付ページを開設したことで情報が拡散。報道向け情報でもリリースに関する説明がされ、いよいよ確定路線。
そこまでブラックニッカ一本槍でなくても。。。という気持ちはさておき、ブレンダーズスピリットの出来が良かったので、このリリースも気になるところ。中身の詳細や流通本数など、いつものルートで酒販店向け情報を確認させてもらいました。


ブラックニッカ クロスオーバーは余市蒸留所のヘビーピート原酒に、シェリー樽熟成の原酒をキーモルトとしたブレンデッドウイスキー。後述するもう一つの限定品が宮城峡ベースのようなので、クロスオーバーは余市ベースということなのかもしれません。
以下に引用するメーカーコメントを見ても、ピートフレーバーを強調したリリースであることがわかります。

ハードでありながら芳醇で豊かなコクが楽しめるウイスキーです。
バニラを思わせる甘い香り、モルトの豊かなコクがゆっくりと広がります。複雑で力強いピートの余韻が続きます。

<香り>
バニラを思わせる甘く、軽快なウッディさ。モルティさとピート香が全体を引き締める。
<味わい>
ドライでスモーキーなピートの味わいと熟した果実を連想させる華やかで芳醇な味わい。
モルトの豊かなコクがゆっくりと広がる。
<余韻>
複雑で力強いピートの余韻が続く。

熟した果実のような華やかで芳醇な味わいが感じられたあと、ヘビーピートならではのドライでスモーキーな味わいが感じられることを、「ふたつあるものが交差すること」を意味する"CROSSOVER"という言葉で象徴的に表現しました。


余市ベースのモルティーでスモーキーなウイスキーについては歓迎ですが、気になるのはハードでドライという表現。価格帯から推察するに、長期熟成で樽由来のタンニンが染み込むようなドライさではなく、キレの良い淡麗な意味で使われるドライさと考えるのが妥当か。若い原酒もそれなりに使われているのだと思います。
ちなみに、数量限定販売の本数については酒販向け情報では「数量限定」以上のことは確認できませんでした。このグレードで1000本、2000本の生産とは思えませんので、これまでのブラックニッカ同様結構な量が販売されるのではないでしょうか。


なお、関係者から確認したという情報では、この秋、10月から11月頃に宮城峡原酒をベースとした、フルーティーなブラックニッカのリミテッドリリースも予定されているとのこと。
報道ベースでも今年はブラックニッカから2種類の限定品がリリースされると発表されていますから、1本目はクロスオーバー、2本目が宮城峡ベースのブラックニッカということでしょう。(安易な予想ですが、ボトルの色は赤地のフロストなのではw)

ニッカウイスキーは多くの消費者が手に取りやすい価格帯にブラックニッカブランドを打ち込み、売り上げを大きく伸ばしてきました。
今後は同社のウリである余市蒸留所と宮城峡蒸留所、それぞれのキャラクターを際立てた商品で、個性を楽しんで貰ってファン増やしていく計画か。
こうしてみると、先般噂になったニッカウイスキー関連商品の終売は、これらの生産を優先していくため、ラインの割り当てを変えたことから一部問屋に商品が回りづらくなったということなのかもしれません。
限定品発売に加えて販促キャンペーンも行われるようで、今年のニッカは「ぶらーっく!(某墓場風)」な1年になりそうです。


笹の川酒造 安積蒸留所がウイスキー樽の共同オーナー募集を開始

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笹の川酒造樽オーナー募集
日本各地で新しい蒸留所が産声を上げる中、操業した蒸留所が「樽売り」を開始しています。
樽売りには大きく2パターン、熟成した原酒を販売するものと、新酒の段階で売るものがあるわけですが、日本のクラフトディスティラリーのほとんどは熟成させた原酒を持ちませんので、今後蒸留するニューポットを販売し、規定の期間貯蔵庫で熟成。数年後にボトリングしたウイスキーが手元に届くというシステムになります。

自分で樽を持つ。
ウイスキー好きなら一度は憧れるマイ樽ですが、その価格は決して安くありません。
直近、国内クラフトディスティラリーのおおよその販売価格は、200リットルのバーボン樽(約5年程度の保管)で100~200万円。何よりボトリング後には100本単位で同じウイスキーが届くことになり、企業や団体が何かの記念に詰めておくなら現実味はありますが、個人の場合は消費や保管スペースの問題も・・・。
そんな中、先日募集開始された笹の川酒造(安積蒸留所)と福島屋商店の樽オーナー制度は、1口16000円で2本分を販売するもので、個人消費者でも気軽に参加できる共同企画となっています。

笹の川酒造 福島屋商店
参考及び画像引用:ウイスキー樽オーナー募集(福島屋商店)
https://www.fukushimaya-shoten.jp/whisky/

安積(あさか)蒸留所は、福島県郡山市にあるクラフトディスティラリー。
笹の川酒造については、このブログでも度々取り上げている"山桜"や"963"などの商品でご存知の方も多いと思いますが、同社が自社で原酒を生産するため、今年4月に整備を完了したのが、安積蒸留所です。
その後、5月~9月頃を試験蒸留期間として、設備の確認や様々なタイプの原酒を試験的に生産。10月から本格的に蒸留を開始しています。

今回募集される樽オーナー制度での原酒は、同蒸留所の系統からノンピート。樽のタイプは書かれていませんでしたが、ウイスキーオーク(リフィルカスク)か新樽、バーボン樽あたりだと思います。
保管期間は2017年3月から2022年までの5年間。ボトリングはシングルカスクの43%加水で、別途オプションでオリジナルラベルにも対応している模様。熟成期間中は、1年に1回のサンプリングや樽オーナー対象の蒸留所見学会なども行われるそうです。
時期的には、来年4月から社会人になる方、子供が生まれる方、あるいはお店を開業されたり節目の歳を迎える方が購入される(贈り物とする)のも面白いかもしれません。


さて、同蒸留所についてはウイスキーマガジンが特集した記事が既にWEB上にあるため、その仕様を知ることは出来ます。
しかし、味も知らぬ蒸留所の原酒を樽買いするのは、たとえ少量であっても抵抗があるものです。
そこで今回の記事では、安積蒸留所のニューポットの特徴に触れつつ、5年後の姿にフォーカスして紹介します。
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実は今年の7月。試験蒸留中の同蒸留所を見学、出来上がったばかりの原酒のテイスティングもしておりました。
訪問記として記事を書く予定でしたが、タイミングを逃してしまって・・・現在に至っていたのです。(笹の川酒造の皆様、申し訳ございません。)

笹の川酒造は日本酒が主軸のメーカーであることもあり、仕込みの際にはウイスキー酵母以外に日本酒酵母を使った原酒も試験的に作っています。
別メーカーの方に聞いたところ、この日本酒酵母での発酵は、ウイスキー酵母やビール酵母に比べて難しく安定しないそうで、試験蒸留中うまくいかない事もあったのだとか。
そう言っても、どうせ蒸留するんだから大きな違いはないだろうと思っていたのですが、写真の5種類のニューポットでも、うつくしま夢酵母は日本酒のような華やかさがあり、協会701酵母はクリアで雑味が少ない、901号や広島酵母は逆に苦味などの雑味のあるウイスキーらしいニューポットに仕上がるなど、明確な違いにびっくりしました。


見学の際に聞いた話では、単一酵母ではなく、複数の酵母を掛け合わせるなどして笹の川独自の原酒を作っていく実験もしているとのことでしたが、先日のウイスキーフェスティバルでお聞きした際は、ひとまずウイスキー酵母で生産を開始したとのこと。

そのニューポットは、度数63〜64%。ボディはミディアム程度。
金属臭や硫黄臭などの嫌味な要素が少ない、穀物系の香ばしさと酸味を伴う素性のよさを感じる香り立ち。コクのある口当たりに軽いスパイス、乾いた麦芽の香ばしさ、ほのかに梅を思わせる酸味。余韻は軽やかな香ばしさが盛り上がるように残ります。
華やかでフルーティーなタイプというより、素朴な田舎料理を思わせるタイプだと感じました。

熟成環境に話を移すと、安積蒸留所は福島県のほぼ中心、郡山市の街中から少し離れたところにあります。
同市の気候は盆地の福島県らしく夏はカラッと熱く、冬は非常に寒い。即ち寒暖差があって熟成が早く進む環境であるため、このニューポットなら後は樽次第で、短期間の熟成でもそれなりに楽しめるクオリティに仕上がることも期待できます。

写真は笹の川酒造の熟成庫。リンクウッドとカリラのウイスキーカスクに目が行きがちですが、ブレンド用に調達した原酒や、試験蒸留したニューポットの姿もあります。(また、元々倉庫だった場所を改築したため、ダンボールなどの荷物が(笑))

購入した原酒もまた、ここで5年間の眠りにつきます。
一つ懸念事項を上げるなら、夏場は30度くらいまで気温が上がるため、樽が強く出過ぎる可能性があることでしょうか。ただ、それも土地の色、土地の味であり、ウイスキーの熟成と共に過ごす期間が、特別な時間である事に変わりはありません。
また、ボトリング時に43%まで加水する仕様が予定されているため、強い樽感を押さえてバランスの良さに繋がる可能性もあります。
今回の企画と類似のものは、かつてニッカウイスキーが浪漫倶楽部として行っていましたが、現在は募集を停止しているため、久しぶりの機会となります。今後、その他の蒸留所でもこうした企画が増えてくれたらいいなと思いつつ、控えめにアピールして、この記事の結びとします。

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※オマケ:安積蒸留所のポットスチル。そしてミルから糖化槽への芸術的な配管の取り回し。天井の高さと装置の大きさの関係で、斜めに上げる形になってしまったのだとか(笑)

東亜酒造がウイスキー事業再開 ゴールデンホース 武蔵 武州 を発表

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かつて、秩父蒸留所の前身とも言える羽生蒸留所を操業していた東亜酒造。
イチローズモルトのファンであればその名を知らない人は少なく、地ウイスキーメーカーとしてはゴールデンホースが有名であった酒造メーカーです。
11月11日、この東亜酒造からウイスキー事業に再度参入する旨の宣言が行われ、休売していたゴールデンホース2銘柄の販売が開始されました。


・ゴールデンホース ピュアモルト武蔵 700ml 43% 
・ゴールデンホース ブレンデッド武州 700ml 43% 
※引用及び参考:
http://www.toashuzo.com/lineup/whisky/

販売を開始するのは上記2銘柄。ピュアモルト仕様の武蔵、ブレンデッド仕様の武州。どちらもかつて販売されていた、ゴールデンホースのブランドです。

ファンも多かった銘柄が復活するのは喜ばしいことですが、原酒を供給していた羽生蒸留所は、2000年の休止後に取り壊されてしまっているため、既にこの世に存在しません。
また、貯蔵していた原酒も破棄されることとなり、それが肥土伊知郎氏と笹の川酒造によって買い取られ、後のカードシリーズ等に繋がったことは、もはや説明するまでも無いかもしれません。
東亜酒造が今回のゴールデンホースの発売に合わせて発表した"ご挨拶"でも、多少トーンは違いますが、そのことが触れられています。

既に同社は蒸留所を保有しておらず、ストックも無いため、あくまで原酒はスコットランドから買い付けてブレンド、販売を行うこととしています。
商品説明にもそのことが書かれており、特にブレンデッドの武州は、「3年以上熟成したブレンデッドウイスキーと、モルトウイスキーをブレンド」とあります。
これはグレーンを単体で購入したのではなく、バルクウイスキーとしてブレンデッドとバッテッドモルトを買い付けてブレンドしていることを意味していると考えられます。

ブレンド技術を磨きつつ、ゆくゆくは原酒の製造も再開していきたいと、それをもってクラフトウイスキーの1社に加えて頂きたいとする同社のご挨拶。
日本で作ったとは一言も書かない潔さ、慎重に言葉を選んだような文章。。。
確かに軌道に乗れば蒸留所建設に動く可能性もあるのでしょう。
ただ、私自身このことでやや疑心暗鬼の念に駆られているのは、きっと他の要因によるところで、少なくともこうしたPRとなったのは、例の一件や基準を作るという動きがあったからなのだろうなと感じました。
まあ、良い傾向と言えるのかもしれませんね。


さて、先述のとおり、歴史あるゴールデンホースの2銘柄が復活することは、歓迎すべきことと感じます。
他方で、こうして今現在日本に存在するメーカーが増えるということは、ますます競争が過熱し、少ないニーズを食いあって結果自滅という事に繋がりかねない危険もあります。

実際、輸入原酒を使ってブレンドを作ると企業は増えつつあり、どうしても味が似通ってきます。
例えば、これだけ国内に蒸留所が増えてきたのですから、スコットランドのように別なクラフトディスティラリーと提携するなど、ブレンデッドメーカーとして活路を見出す方法も選択肢に出てくるのではないかと思います。
同社が今後どのように動いて独自色を出していくのか、注目していきたいです。

【再掲】若鶴酒造 三郎丸蒸留所の原酒とクラウドファンディング事業

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※再掲のお知らせ※
売り切れていた樽オーナー募集が再開されたとのことで、10月14日に更新した本記事の記載を変更、再掲します。
同クラウドファンディングの募集期間は残り21日、現時点で1750万円を集め、目標金額2500万円まであと30%というところまで来ています。
ここまできたら、達成に向けてラストスパートで頑張って欲しいですね!

ー以下、紹介記事ー

先日、富山県は若鶴酒造のウイスキー事業として、三郎丸1960の紹介をさせていただきました。
発売されたオフィシャルボトルとしては日本最長熟成となる55年原酒に、ウイスキーファンなら少なからず興味をもたれたのではないかと思います。
そしてその三郎丸蒸留所が、蒸留所の改修事業の一環としてクラウドファンディングで資金の募集を開始しています。
(クラウドファンディングって何?って方は、説明すると長くなるのでぐぐってくだせぇ。)

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北陸唯一の蒸留所を改修し、ウイスキー好きが集まる見学施設へ(11/30まで)
https://readyfor.jp/projects/saburomaru

若鶴酒造のウイスキー蒸留設備は、築90年以上という建屋で行われており、ウイスキー量産はもちろん、大人数の見学受け入れも難しい状況にあります。
蒸留行程にはポットスチルが1基しかなく、全行程をほぼ手作業で行うという、近代ウイスキーのルーツである密造時代を彷彿とさせるような製造行程で極少量のみ生産されています。
その全行程はクラウドファンディングのサイトに掲載されていますが、通常の大手蒸留所では自動化されているところは全て手作業、麦芽の計量やミルへの投入風景、麦芽カスの掃除、一つしかない蒸留器を使っての2回蒸留など、ウイスキー作りの大変さが伝わってくるようです。
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詳細はこちらから:https://readyfor.jp/projects/saburomaru/announcements/43738

今回のクラウドファンディングは、蒸留所の改修、並びに設備の新設等にかかる費用の一部を募るもので、目標額は2500万円(改修にかかる総額は6500万円)という大規模な募集となっています。

仮にファンディングが成立しない場合でも、同社はウイスキー事業から撤退することはなく、手元に準備できている資金をベースに、可能な範囲で蒸留所の修繕を行う計画とのことです。しかしあくまで老朽化した蒸留所全体の建て直しがメインとなり、見学設備の充実や、蒸留器の新規購入などはしばらく困難になりそうとのこと。

私はこれまで富山の地とは縁も所縁もありませんでしたが、友人であるモルトヤマのイケメンが富山から世界にウイスキーを広めようと活動していることや、プロジェクトリーダーの稲垣さんが同世代とあって、他人事とは思えないんですよね。
そんなわけで今回の企画、私はお小遣いで可能な範囲で参加しますが、地元富山や北陸地方の皆様をはじめ、日本のウイスキー愛好家による支援で、地元で愛されるウイスキーだけでなく、それを世界に発信する流れが出来ればと思います。

クラウドファンディングリスト
(若鶴酒造クラウドファンディングのリターンラインナップ)

さて、ファンディングに参加することで得られるのが上記のリターン。中でも、最も目を引くのは150万円コースの樽買いでしょう。
購入出来るのは新設される銅製蒸留器で生産されるニューポットで、樽はバーボンバレル、容量は200リットル程度。
熟成は5年間無料で、その後は延長費用を収めることで追加の熟成が可能となります。
ボトリング費用は150万円の中に含まれており、ラベルも自由にデザインできるそうです。
また、通常はカスクストレングスですが、オプションとして40%以上であれば加水調整して度数を下げたボトリングをすることも受け付けるそうです。

このリターンは10月末まで売り切れの状態でしたが、試験蒸留の結果、良好な成果が得られたとのことで、5樽分の追加販売が決定しました。
ご参考:来年増産に目処、樽オーナーの募集を再開します。

とはいえ、若鶴酒造(三郎丸蒸留所)のシングルモルトは過去少量しかリリースされておらず、ブレンデッドも地ウイスキー規格と言える構成。蒸留所の実力もわからない中で、樽買いというのは困難な決断と言えます。
そこで今回は、若鶴酒造で作られているウイスキーの仕様と、その味わいについていくつかのサンプルから紹介させていただきます。

熟成庫

若鶴酒造のシングルモルトは
麦芽:スコットランド産
ピート:50PPM
酵母:エール酵母
樽詰め:63-65%
使用樽:バーボン樽、古樽中心
という、日本のクラフトウイスキーには珍しい全てピーテッドタイプで生産されています。正確な時期は不明ですが、操業当初からピーテッド麦芽を使用していたという話もあります。

現在、ピート麦芽はノーマルなものよりコストがかかるようですが、蒸留所の伝統に加え、富山のウイスキーとしてキャラクターを確立させるためにも、こだわっていきたいポイントなのだとか。
ピートの強さを表すフェノール値50PPMは、アードベッグ(55PPM)とほぼ同等。ただし仕込みで使われているのが内陸系のピートのようで、ヨードや磯臭さに繋がる香味はなく、ハイランドのほろ苦くスモーキーなタイプです。

また、同蒸留所では熟成中の樽の保管を温度管理された倉庫で行っており、熟成が穏やかに、長期的に続く傾向があります。
これまでテイスティングした熟成20年以上の原酒はスコットランド的な樽感となっていて、面白い仕上がりだと感じました。
今後の保管方法は検討事項とのことですが、ストックされている原酒にそうしたものがあるというのは、原酒が限られるクラフト系の蒸留所にとってアドバンテージに繋がります。
それでは前置きが長くなりましたが、原酒のテイスティングに移ります。


・ニューポット 2016年蒸留 仕込み第一号。
まるでおせんべいや餅を焼いたような香ばしさ。発酵した植物のような酸味と微かに温泉卵を思わせる香り。
口当たりはとろみがあるが舌を刺激するスパイシーさ、香ばしい麦芽風味、ゴムのようなニュアンスも。余韻は最初からのスパイシーさの名残を残し、焦げた麦芽のほろ苦さが染み込むように残る。

・22年熟成 1994年蒸留 サンプルA バーボンバレル 57%
蜂蜜の甘さと薬草のような香り、ウッディーな木のアロマと微かにゴム臭。
とろりとしているがスパイシーな口当たり、麦芽の香ばしさ、シリアル、薬のシロップのような甘み。徐々に土っぽくほろ苦いピートフレーバー。

・22年熟成 1994年蒸留 サンプルB バーボンバレル 57%
バーボンオークの華やかなアロマ、洋梨やバニラの甘みとハーブのニュアンス。少し溶剤っぽさ。
スムーズでじわじわとスパイスの刺激と香味が広がる。モルトスナック、バーボンオークの甘みからほろ苦いピートフレーバー、薬草のシロップ。

・22年熟成 1994年蒸留 サンプルC バーボンバレル 57%
梅のような酸味と乾いた木を思わせるアロマ。徐々にマシュマロ、薬っぽいニュアンス。
とろりとした口当たり、ドライアップル、イチゴ味の薬のシロップの甘さ。 余韻でじわりとピート。少し舌を刺激する要素はあるが、度数から考えればまろやか。 

・26年熟成 1990年蒸留 バーボンバレル 59%
きれいなバーボンオーク、地ウイスキーを思わせる酸味、ハーブ、スモーキー。個性と樽感のバランスの良い香味で、最も期待できる。

原酒の傾向は内陸系のピートに加え、薬草や薬っぽい個性。某S社が作るような、綺麗に旨いウイスキーではないです。
特にニューポットは蒸留器の関係もあってか、かなり個性的というか灰汁の強い味わい。しかしこれが20年を越える熟成を経た原酒となると、樽次第で中々面白い仕上がりとなっています。 

また、銅製の新しいスチルが導入されればニューポットの質も相当改善されるであろう点に加え。つい先日、イチローズモルトの肥土伊知郎氏が訪問され、技術指導をされたところ、それ以降の原酒はネガティブな要素に改善が見られました。つまり、まだまだ伸びしろはあるということだと感じます。

しかしそうは言ってもなおのこと、実際に飲んでみないと。。。というのは至極まっとうな意見。
若鶴酒造は今年11月20日に開催されるウイスキーフェスにブース出展されるそうです。
20日というとファンディング締め切りまで1週間強で、樽買いを含めた支援の決定には最後の確認的なスケジュール感にはなってしまいますが、そうした目的の有無に関わらず、是非ブースで富山発のウイスキーを体験してみてください。

ご参考:https://readyfor.jp/projects/saburomaru/announcements/43685

ジムマーレイ ウイスキーバイブル2017 世界一はブッカーズ ライ 13年

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10月17日、今年もジムマーレイ著のウイスキーバイブルが発売され、その中での最高得点となるワールドウイスキーオブザイヤーが発表されました。

ジムーマーレイ氏の評価に疑問を抱く人は少なからずいるものの、ウイスキー業界におけるロバートパーカーとも言える存在に、彼が毎年どのウイスキーを選んでくるのか気になってしまうのが我々愛好家の悲しい性。
一昨年は山崎2013が選ばれ、ドラマなどの後押しもあって日本ウイスキー業界が大フィーバー。
昨年はというと、まさかのカナディアンウイスキー。クラウンローヤル ノーザンハーベスト ライがグレンファークラス1957などの数々の銘酒を抑えて選ばれ、某評論家から「正気の沙汰とは思えない気がする」とまで公言される、いろんな意味で驚きと衝撃を与えたのは記憶に新しいところ。

そんなウイスキーバイブルは、今回の発行で25周年を迎えるそうです。
年間1000を越えるウイスキーをテイスティング、25年間それで飯を食い続けたという功績は、一般人には到底真似できないことで、この点は敬意を表されるべきものだと思います。
その記念すべき年に、同氏が選んだ最高得点のウイスキーが、100点中97.5ポイントを獲得した

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Booker's Rye
13 Year Old
2016's Limited Edition
Kentucky Straight Rye Whiskey
750ml 68.1%

ジムビームが生産するスモールバッチバーボンシリーズの代表格とも言えるブッカーズ、その限定品であるライウイスキーでした。
去年が衝撃的過ぎたので、今年の選定は「あ、ふーん。ライウイスキーにハマってんの?」くらいにしか感じなかったのは、きっと私だけではないはずです(笑)。
しかし私自身、バーボンタイプのウイスキーもちゃんと飲んでいかねばと色々勉強しているので、以前飲んで衝撃を受けたフォアローゼスの蒸留所限定品のように、とんでもない樽が眠っているとしたら・・・その可能性を信じたい気持ちも有ります。

他方で、ウイスキーバイブルはあくまでジムマーレイ氏という個人の評価に過ぎず、評価軸は我々の思うものとは違って当然です。
その人の中での流行はあるものですし、そこにとやかく言うのは野暮というものかもしれません。

同著発売を知らせるプレスリリースに書かれた内容では、ジムマーレイ氏はこのブッカーズ・ライについて「brain-draining, mind-blowing」と賛辞(?)を送ったそうです。
同氏についていくつかウワサがあるのはご存知の方も多いと思いますが、読んで字のごとくとなっていなければ良いのですが。。。

まあこれ以上書くとジョークの域を超えかねないので、その他の項目を見てみましょう。
ウイスキーバイブル2017では、ワールドベストの次点、2位にはニューリリースとなるグレングラントの18年がランクイン。
同氏の評価は「ここ数年では最も良いスペイサイドからの提供品」とされ、The Whisky Exchageでは「もう一つの驚き、久しぶりにスコッチウイスキーがトップ3に入った!」と受賞を紹介するなど、ちょっとした話題になりそうです。

◆JIM MURRAY’S 2017 WORLD WHISKIES OF THE YEAR

1. Booker’s Rye 13 Year Old
2. Glen Grant 18 Year Old
3. William Larue Weller Bourbon (Bot.2015)
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グレングラント18年はこれまで販売されていた16年のリニューアル品。日本国内では12年のリリースが発表されましたが、18年についてはまだ発表されておらず、続報を待ちたいところです。
16年はコスパの高いナイスリリースでしたから、18年も期待しています。

その他、スコッチウイスキー部門ではシングルモルト部門に話題の一品グレンリベット サイファーが。バッテッドモルト部門でコンパスボックス・フレイミングハートが受賞。これは確かにボディは軽めでしたが良くできたバッテッドだったと思います。
ブレンデッド部門は有名銘柄が顔を揃えてますが、目新しさはあまり。。。と思いきや、シーバスリーガル18年のアメリカンオークなる日本では見ないリリースが。

カナディアン部門では昨年に続きクラウンローヤル ノーザンハーベスト ライが、ジャパニーズ部門ではある意味予想通りというか、今年2月に日本でも発売され、ちょっとした騒動にもなった山崎シェリーカスク2016がアワードを獲得しています。


◆The full winners list
・Scotch Whisky

Scotch Whisky of the Year
Glen Grant 18 Year Old

Single Malt of the Year (Multiple Casks)
Glen Grant 18 Year Old

Single Malt of the Year (Single Cask)
That Boutique-y Whisky Co Macallan 25 Year Old Batch 5

Scotch Blend of the Year
The Last Drop 1971

Scotch Grain of the Year
Whiskyjace Invergordon 24 Year Old

Scotch Vatted Malt of the Year
Compass Box Flaming Heart 2015 Edition

・Single Malt Scotch

No Age Statement (Multiple Casks)
Glenlivet Cipher

No Age Statement (Runner Up)
Port Askaig 100 Proof

10 Years & Under (Multiple Casks)
Glen Grant 10 Year Old

10 Years & Under (Single Cask)
Kilchoman Guze Cask Finish

11-15 Years (Multiple Casks)
Lagavulin 12 Year Old

11-15 Years (Single Cask)
The Single Cask Glentauchers 2002 14 Year Old

16-21 Years (Multiple Casks)
Glen Grant 18 Year Old

16-21 Years (Single Cask)
Scyfion Choice Mortlach 1996 19 Year Old (Berry Bros & Rudd)

22-27 Years (Multiple Casks)
Dalwhinnie 1989 25 Year Old Special Releases 2015

22-27 Years (Single Cask)
The Boutique-y Co Macallan 25 Year Old Batch 5

28-34 Years (Multiple Casks)
Port Ellen 1983 32 Year Old Special Releases 2015

28-34 Years (Single Cask)
Cadenhead Caol Ila 31 Year Old

35-40 Years (Multiple Casks)
Brora 37 Year Old Special Releases 2015

35-40 Years (Single Cask)
Cadenhead Glentauchers 38 Year Old

41 Years & Over (Multiple Casks)
Gordon & MacPhail Glen Grant 1952

41 Years & Over (Single Cask)
Gordon & MacPhail Glen Grant 1950 65 Year Old

・Blended Scotch

No Age Statement (Standard)
Ballantine’s Finest

No Age Statement (Premium)
Ballantine’s Limited

5-12 Years
Johnnie Walker Black Label 12 Year Old

13-18 Years
Chivas Regal 18 Year Old Ultimate Cask Collection First Fill American Oak

19 – 25 Years
Royal Salute 21 Year Old

26 – 50 Years
The Last Drop 1971

・IRISH WHISKEY

Irish Whiskey of the Year
Redbreast 21 Year Old

Irish Pot Still Whiskey of the Year
Redbreast 21 Year Old

Irish Single Malt of the Year
Bushmills 21 Year Old

Irish Blend of the Year
Jameson

Irish Single Cask of the Year
Teeling Single White Burgundy Cask 2004

・AMERICAN WHISKEY

Bourbon of the Year
William Larue Weller 2015 Release

Rye of the Year
Booker’s Rye 13 Year Old

US Micro Whisky of the Year
Garrison Brothers Cowboy Bourbon 2009

US Micro Whisky of the Year (Runner Up)
Koval Four Grain

・Bourbon

No Age Statement (Multiple Barrels)
William Larue Weller 2015 Release

No Age Statement (Single Barrel)
1792 Single Barrrel Kentucky Straight Bourbon

9 Years & Under
Garrison Brothers Cowboy Bourbon 2009

10 Years & Over (Multiple Barrels)
Blade & Bow 22 Year Old

・Rye

No Age Statement
Thomas H Handy 2015 Release

Up to 10 Years
Pikesville 110 Proof 6 Year Old Straight Rye

11 Years & Over
Booker’s Rye 13 Year Old

・Wheat

Wheat Whiskey of the Year
Bernheim Original

・CANADIAN WHISKY

Canadian Whisky of the Year
Crown Royal Northern Harvest Rye

・JAPANESE WHISKY

Japanese Whisky of the Year
Yamazaki Sherry Cask 2016 Release

Single Malt of the Year (Multiple Barrels)
Yamazaki Sherry Cask 2016 Release

・EUROPEAN WHISKY

European Whisky of the Year (Multiple)
English Whisky Co. Chapter 14 Not Peated

European Whisky of the Year (Single)
Langatun 6 year Old Pinot Noir Cask

・WORLD WHISKIES

Asian Whisky of the Year
Kavalan Solist Moscatel

Southern Hemisphere Whisky of the Year
Heartwood Any Port in a Storm

【引用】
http://whiskybible.com/jim-murrays-whisky-bible-2017-press-release/
http://blog.thewhiskyexchange.com/2016/10/jim-murrays-whisky-bible-2017-the-winners/

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