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ウイスキー好きによる作品展 開催準備完了と追加情報 CF結果追跡その4

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2018-12-11-02-06-28

先日紹介させていただいた、12月15日、16日開催のウイスキー愛好家による写真等の作品展"Why do you like Whisk(e)y?"。先週末に会場の設営が行われて、いよいよ開催を待つばかりとなりました。


◆ウイスキー写真作品展・Why do you like whisk(e)y? 

開催日時
12月15日(土)10時から19時
12月16日(日)10時から18時
※事前予約制、2時間交代制
参加費:2000円
(ウイスキーテイスティング代込み)

会場:Nishiogi place
東京都杉並区西荻窪北5-26-20
JR西荻窪駅北口から徒歩10分弱(1km程度)

予約・問い合わせ先
whydoyoulikewhiskey@yahoo.co.jp

企画・主催
Isihara Tatsuya

ウイスキーだけでなく、それが作られた環境、歴史的背景や作り手のエピソードを合わせて楽しもうという、愛好家による愛好家のための企画。
作品総点数は200点以上、会場内に展示されたウイスキーに関わる作品の数々。
これまでちょっと展示会のイメージが掴みづらい部分があったのは否めないと思いますが、個人的に予想していた以上におしゃれで、そして魅力的な空間に仕上がっていると思います。
ソファーに腰掛けながら、あるいは時にスタンディングでウイスキーを片手に作品を見て回る。。。なんだか良いイベントになりそうな気がしてきませんか?

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当日提供されるスタンダードウイスキーは、主催者であるイシハラ氏が愛する、富士御殿場、フォアローゼズ、そしてアラン。アランは同氏が所有するカスクの7年熟成サンプルも提供されます。
加えて、マニアックなところであかし、台湾から南投、極め付けが多分知らない人は多いであろうアメリカのバルコネズ。。。

このほか、現地蒸留所を訪問する中で調達したボトルの数々も、作品とセットになるように提供されるわけですが、一部あまりにマニアックなチョイスに「え、なにそれ」と引かないで欲しい。
逆に言えば、ここでメーカーが提供したような、超有名蒸留所の12年熟成オフィシャルスタンダードばかりが並んでもつまらない。
なぜこの蒸留所なのか、なぜこのボトルなのか、正直自分も彼のチョイスの経緯は説明できないので、そのエピソードを含めて是非当日会場で"撮り銅"ことイシハラ氏のウイスキーへの愛が結実した形を見たいと思っているのです。

(アランのポットスチルと提供ボトルとなる3種。新婚旅行の勢いで樽まで買ってしまったというエピソードには、しばし唖然。)


(最近カヴァランに次いで台湾ウイスキーとして認識されてきた南投蒸留所。その実態を知っている人は少ない?どのようなエピソードが披露されるのだろうか・・・。)

(アメリカンウイスキー、バルコネズ。密造時代を思わせるような、倉庫を蒸留所がわりにしていたらしい。イシハラ氏はどうもこういう珍品に弱い。気になる味は当日会場で。)

(このほか、続々とストックボックスから発掘される、これまで買い貯めてきた秘蔵の蒸留所限定品の一例。数に限りはあるものの、こちらも当日提供の対象品。)

また、イベントまで1週間となって隠し球登場。
これもウイスキーの作品と言える"カクテル"を、BAR LIVETのオーナーバーテンダー静谷さんに提供していただけることとなったそうです。
静谷さんと言えば、今年から大々的に展開を開始した、ウイスキーの個性や歴史などを軸に作り上げたカクテル"Whisktail"です。
提供いただける時間は12月16日14時から16時までの枠のみとのことですが、以下の予約状況を見る限り、現時点でこの枠は比較的空きがあるようです。

当日はウイスキーのどんなエピソードがカクテルで再現されるのか・・・またこの他の時間帯は、きっと有志によって即興で何か"作品"の提供が行われることでしょう。
自分もハイボールづくりで乱入しちゃおうかなぁ(笑)


本イベントはゆったりと作品を見ながら、そのお酒にまつわるエピソードとお酒そのものを楽しんで欲しいと、1時間ごとに参加枠をずらしながら参加上限を設け、2時間1枠で予約を受け付けています。
一部満席となっている枠もありますが、参加登録は以下のイベントサイトからメールまたはFBイベントページから受け付けていますので、ご検討ください。

イベントサイト:Why do you like whisk(e)y? 

※FBイベントページ

 

※12/10時点の参加登録状況。最新の状況はFBまたはイベントサイトにて。

イベント開始に向け、8月に始まったクラウドファンディングから4ヶ月。リターンも手元に届いて、いよいよ祭りの開催を待つばかり。
冒頭記載のように参加費にはウイスキー代も含まれているため、テイスティンググイベントとしてもお得感が。。。自分は今回は主催側ではなく参加側。当日は存分に、ウイスキー作品の数々が作り出す空間を堪能しようと思います。

バーとウイスキーの素敵バイブル ”ウイスキーの楽しみ方を伝える本発売” CF結果追跡その3

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あれは今年の初め頃、自分のウイスキー繋がりの中でも、テイスティング技能で切磋琢磨し合う2名。リカーズハセガワ店長&マスターオブウイスキー資格保持者の倉島さんと、BAR Eclipseのオーナーバーテンダー藤井さんが、ウイスキー本を監修されるとの知らせがありました。

テーマは「ウイスキーの良さを知ってもらう本」。特に若い世代のこれからお酒を嗜もうとする人が、どのようにウイスキーを楽しみ、そして知見を広げていくかをまとめる入門書籍を作ろうという企画でした。資金はクラウドファンディングで募集があり、自分も応援させていただいたところです。

この試みは最終的に目標額の2倍近い資金を集め、書籍のオールカラー化やページ増、日本のウイスキー蒸留所を紹介するコーナーなどを拡張する計画を発表。まさに順風満帆なスタートを切ってから8ヶ月少々・・・、その書籍がいよいよ12月21日に発売されることとなりました。
クラウドファンディング結果、追跡報告の第3弾は、この発売する書籍について紹介していきます。

はじめてのひとり飲み "バーとウイスキーの素敵バイブル" (12月21日発売予定)
発売前の書籍ですが、企画立案者である小笹さんとはBAR Eclipse で何度か遭遇することがあり、カウンターでお会いする度に進捗状況などを伺っていました。
初めてお会いしたのはクラウドファンディングが終わった後、企画構想を聞いてこれは面白い本になりそうだぞと。そしてつい先日は、丁度監修者の打ち合わせがBAR営業後に行われようとしていた時で、最終的な構成についてのイメージをざっと教えてもらっていました。

結論として、これまでの入門書籍にない切り口、構成であることは間違いなく、クラウドファンディング時に期待した方向性そのままの本に仕上がっていると言えます。
それは監修者2名が持つ、我々ユーザーにお酒を提供する側の知識と経験が活かされているということ。ウイスキーの製法、5大ウイスキーとは、まずはブレンデッドで・・・なんてウイスキー入門書籍にありがちな"お約束的構成"に終始するのではなく、ビギナーが「どうやってウイスキーを楽しんでいくか」という点が、この書籍における確たるメッセージとしてまとめられているのです。

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(CFリターンの一つ、掲載ウイスキーのテイスティング体験会にて。監修の倉島氏(左)と藤井氏(右)によるレクチャーで、テーマである"ウイスキーの楽しみ方"を学ぶ。ちなみにこの写真、撮影したのは自分です(笑))

本書はただのウイスキームックではなく、BARを楽しむための手引き書も兼ねています。
ウイスキーは家飲み以外にBARで飲む機会も多くありますが、逆に言えばウイスキービギナーには"ウイスキー選び"と"BAR選び"、大きく2つのハードルがあるためです。

注目は第2章にある「好みのウイスキーを見つける」でしょう。 (構成は、本記事下部参照)
ウイスキーは1本毎に紹介されがちですが、飲み始めたばかりの人は何が個性なのかわかりづらいことがあります。これは多くのウイスキーを経験していかなければ、自分の中に認識のための評価軸が出来上がらないためです。
ですが、違いのあるものを比べる場合は別。本章では"ウイスキーの飲み比べ"に重きを置いて、
・特徴や違いがわかりやすく
・一般的なBARで揃えていることが多く
・3杯頼んで4000円以内に収まる銘柄
というBARで頼める3銘柄セットを14パターン、蒸留所や地域、樽構成などの違いで選び、どのような個性が感じられるのかを紹介しています。

飲み比べるからこそ、ウイスキー毎の違いが明確に感じられる。違いが判るからこそ、なぜ?どうして?という疑問が生まれ、ウイスキーを飲む楽しみに繋がっていく。あるいはウイスキーを飲み慣れた人でも、基本に立ち帰って新しい気づきが期待できる。
飲み手、リカーショップ店長、バーマンという著者・監修者のチームであるからこそ出来た構成であり、この本をバーカウンターで広げながら、ウイスキーを楽しむ入門者が現れたり、あるいは参考にしてセットを出してくれるBARが出てくれば・・・なんて事も考えてしまいます。

Whisky-book-project-meeting
(関係者による打ち合わせ風景。書き始めるとどんどん細かくマニアックになってしまい、情報量のバランスが難しく。また、書いているうちに自分の経験値が増え、見直すとイチから書き直したくなってくる。。。本当に悩むことが多かったとのこと。)
   
ウイスキーの紹介は飲み比べだけでなく
・家飲みする上で初めに入手すべきグラス
・現行品の中でこれは飲んで欲しいというボトルのカタログ
・テイスティング方法の紹介
・ビギナー向けQ&A

など、入門書籍として押さえておきたい情報もまとめられています。
テイスティングの香味表現はイラスト付きで、イメージしやすいようにも配慮されているだけでなく、個人的にグラスの指定は「まさに!」と思う重要な記載で、これまでの入門書籍の中でも意外と見られなかった内容です。(グラスを複数紹介するような記事はありましたが。)
また、予算別で贈答用のおすすめウイスキーも特集されるなど、監修者の知見が存分に発揮されているように感じます。 

クラウドファンディングの結果、追加で特集されることとなった蒸留所情報としては、現在日本で建築が進むクラフトディスティラリーを含む、蒸留所20箇所をレポート含めて掲載。巻末にはオススメのBARリストもあって、ウイスキーを"飲む"そして"知る"ためのイロハのイにして、文字通り手引きとなる情報が網羅されているのです。


(先日伺った際に突如始まった3名でのブラインドテイスティング。この日は藤井さんが4問中2問を当てて勝利!く、くやしい・・・。しかしこうした交流が出来るのも、BAR飲みの楽しさ、ウイスキーの楽しさである。) 

こうして企画がまとまってくると、自分が支援したことが誇らしくなってくるというか、出来上がった書籍がまるで自分の子供のようにも感じられる一体感が、クラウドファンディングの魅力ですね。 
後は自分の手元に記念すべき1冊が届くのを楽しみに待っています。 



追記:この本にも、先日クラウドファンディング結果報告としてウイスキー作品展企画を紹介した、T.Ishiharaさんの蒸留所写真が使われており、巻末のSTAFFに名前を連ねています。
写真展企画もいよいよ大詰め、当日テイスティング可能なボトルなどの情報も追記しておりますので、合わせて以下も、ご覧ください。

※ウイスキー好きによる作品展(12/15~16)
http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1073161099.html?ref=popular_article&id=6472857-2172595


【参考:著書構成】

1章 バーでウイスキーを楽しむ
バーは大人の社交場
自分に合うバーを見つけよう
ウイスキーの飲み方知っていますか
・ストレート
・ハイボールの味はウイスキーでこんなに変わる
・水割り
・オン・ザ・ロック
・カクテル
ウイスキーカクテルにトライ
「はじめてのバー」の手引き
・失敗しない頼み方
・気をつけたいバーでのNGマナー

2章 好みのウイスキーを見つける
シングルモルトウイスキーのつくりかた
樽 CASKS
5大ウイスキーとその他の原産国
テイスティングと香味の表現
ウイスキーを飲み比べてみよう
1 熟成樽の違い
2 シングルモルト、グレーン、ブレンデッド
3 スコッチ・ブレンデッド
4 ジャパニーズ
5 アイリッシュ、アメリカン、カナディアン
6 スペイサイド
7 アイラ島(1)
8 アイラ島(2)
9 アイランズ
10 シングルモルトの経年変化
11 ブレンデッドの経年変化
12 バーボン樽熟成のウイスキー
13 シェリー樽熟成のウイスキー
14 ピート×シェリー樽熟成のウイスキー
ウイスキーのペアリングを楽しむ

3章 家飲み・贈り物選びに役立つウイスキーカタログ
ウイスキービギナーのためのQ&A
5大ウイスキーの主な特徴の違い
ウイスキーボトルカタログ
・ブレンデッドウイスキー
・シングルモルトウイスキー
・バーボンウイスキー
・カナディアン・ブレンデッドウイスキー
躍進するアジアのウイスキー
予算別 ハレの日・贈答用おすすめウイスキー

4章 日本のウイスキー蒸溜所へ見学に行こう
余市蒸溜所/厚岸蒸溜所/遊佐蒸溜所/宮城峡蒸溜所/
安積蒸溜所/額田蒸溜所/秩父蒸溜所/三郎丸蒸留所/
白州蒸溜所/マルス信州蒸溜所/富士御殿場蒸溜所/
静岡蒸溜所/知多蒸溜所/長濱蒸溜所/山崎蒸溜所/
ホワイトオーク蒸留所/岡山蒸溜所/桜尾蒸留所/
嘉之助蒸溜所/マルス津貫蒸溜所

 巻末 はじめてのひとり飲みにもおすすめ
やさしいBAR&PUBリスト   

キリン 富士山麓 樽熟原酒 50% 終売を発表 後継品は未定

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いい奴から居なくなる、昨今のウイスキー業界はベタな脚本を見るようです。
富士山麓は2005年にキリンウイスキーの顔になるブランドとしてリリースされ、今から約2年前にリニューアル。値上げを兼ねてはいましたが、それでもコスパ抜群とファンに受け入れられていた人気銘柄「キリン 富士山麓 樽熟原酒 50%」が来年3月に終売となる報道がありました。

ウイスキー原酒不足拡大 キリン、一部販売終了へ(日経新聞 11/28)
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO38267140Y8A121C1EAF000?s=2

この終売情報は今月初旬くらいには酒屋に流れており、既に出荷規制中との話も。自分も先日のウイスキーフェスで裏を取らせてもらっていたところでした。
で、いつ記事にするかと下書きを作っていたところにこの報道です。思ったよりも発表が早かったですね。


終売の経緯は「ハイボールブームによる原酒不足」となっていますが、もう少し紐解くと、先日リリースされた上位グレード「富士山麓シグニチャーブレンド(想定価格:5400円)」に原酒を集約するため。
ブレンドの軸に使われる原酒の熟成年数は違いがありますが、シグニチャーブレンドはNA仕様で、特にグレーンは短熟でもそれなりに仕上がるため、数年後を見据えた場合リリースの安定に繋がるのでしょう。

また、昨今原料等の価格上昇から、国産にしろ輸入にしろ原酒の価格も上がっている状況で、採算を考えての決定もあるものと思われます。
50%とエントリーグレードながら高度数設定もウリでしたが、その分酒税も高かったのが富士山麓樽熟原酒。1700円前後を店頭想定価格としつつも、最近ディスカウントショップなどでは税込1500円程度で売られていることもしばしばあり。
別途キリンが販売している御殿場モルト・グレーンや、他のウイスキー価格を調べていただければ(カラクリもおおよそ察しがつくものとは思いますが)、儲け出てるんだろうかと疑問に思っていたくらいでした。終売の事前情報も、驚きはすれど意外ではなかった、というのが率直な感想です。

これらを踏まえると、今年に入りシグニチャーブレンドをショップ限定品から通常流通に切り替えていたのは、樽熟原酒の終売に向けた一手であり、キリンウイスキーの看板とも言える「富士山麓」ブランドを存続させるためでもあったのではないかと考えられます。

(今回終売の富士山麓樽熟原酒50%と2018年8月に一般販売を開始したシグニチャーブレンド。右のピュアモルトはキリン・ドリンクスの限定商品。)

なお、終売となる代わりに富士山麓関連の新商品があるかというと・・・何かしら動きがあるのは記事でも書かれているとおりなのですが、裏を取りきれておらず詳細は不明です。
記事中では次世代に向けて原酒の保全にも動くとあり、加えて上記の経緯を考えると、50%の高度数を維持した商品では確実に値上げでしょうし、価格を維持するなら40〜45%くらいで、使われていたうち熟成した原酒はシグニチャーブレンドに寄せ、残りの原酒で作れるもの。。。例えば「薫風」や「オークマスター樽薫る」の上位グレードあたりではないかと予想します。

余談ですが、キリン以外でもう1銘柄終売だか休売になるという噂もあります。こちらも確認が取れていませんが、ひょっとすると近いうちにまた紙面を賑わすのではないかと考えられます。
ウイスキーブームはオリンピックあたりまで続くとは思うのですが、各社の息切れ具合が、反動となって後の冬の時代に繋がらなければとただただ心配です。

ウイスキーバイブル 2019 主要部門をアメリカンウイスキーが独占 ジャパニーズ部門はポールラッシュが受賞

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今年もジムマーレイ著、ウイスキーバイブルにおけるワールドウイスキーオブザイヤーが発表されました。
個人的にはボジョレー解禁的な印象もある、ウイスキー業界の風物詩なこの発表。ああ、もうすっかり秋ですねぇ。。。

ジムマーレイ氏の活動ついては今更説明は不要と思いますが、ざっくりまとめると、毎年1000種類以上のウイスキーをテイスティングし、コメントとスコアリングをまとめた著書"ウイスキーバイブル"の執筆を手がける、非常に大きな影響力を持つテイスターです。

そのスコアリング基準は不明確な点もありますが、近年の評価では、
2016年クラウンローヤル・ノーザンハーベスト・ライ
2017年ブッカーズ・ライ13年
2018年テイラーフォーグレーン12年
と、各年のウィナーがアメリカ・カナダ方面に寄っていることから、その趣向が見えてくるようです。
2015年の山崎シェリーカスクから一転して、クラウンローヤルが選ばれた年など「正気とは思えない」と辛辣なコメントが寄せられたこともありましたが、なるほどここまで続くと一貫していますね。

長熟バーボンに備わる艶やかな甘みや、ハイプルーフで突き抜けた味わいは自分も求めている要素の一つであり、スコッチとの対比に異論を唱えるつもりはありません。ただ、その時々の思い切った線引きが、ジムマーレイ氏の評価なのでしょう。
今年はそれがさらに極まった内容となり、ワールドウイスキーオブザイヤーと、シングルカスクオブザイヤーの主要2部門をバーボンが受賞。全体でもトップ3銘柄のうち2銘柄がアメリカンで、異なるカテゴリーのコンペを見るような結果となりました。

■The full list of winners
◆2019 World Whisky of the Year

William Larue Weller 128.2 Proof 
- Buffalo Trace Antique Collection 2017

◆Second Finest Whisky in the World

Glen Grant Aged 18 Years

◆Third Finest Whisky in the World
Thomas Handy Sazerac Rye 127.2 Proof

◆Single Cask of the Year
Blanton’s Gold Edition Single Barrel



ワールドウイスキーオブザイヤーを受賞した、William Laure Wellerは飲んだことがありませんが、バッファロー・トレースの長熟となれば、一定以上のクオリティがあると見て間違いないと思います。
リミテッドであるアンティークコレクションは、小麦を主原料とする原酒のうち総じて10数年間の熟成を経てピークに到達した樽から、毎年度リリースされているシリーズのようです。
今回受賞したのは2017年ロット。スペックなどから察するに、芳醇で柔らかくドライな含みから、ボリュームのあるウッディネスと艶やかな甘み、パンチのある余韻といったところでしょうか。

そして全シングルカスクのベストかどうかはさておき、高い評価も納得出来るのが、ブラントン・ゴールドラベル 51.5%です。
今オススメのハイプルーフバーボンを聞かれたら、1万円未満なら自分でも勧めている銘柄の一つ。現行品はボディが少し細い気もしますが、オールドバーボンにある香味の共通項を備えた、熟成感あるリッチでメローな味わい。何よりもスタンダードとして安定して購入出来るのが嬉しいですね。
ラベルに書かれたボトリング日付が古いほうが香味が濃い傾向があり、2000年以前のものなど特にオススメです。


SCOTCH WHISKY
Scotch Whisky of the Year 
Glen Grant Aged 18 Year Old 
Single Malt of the Year (Multiple Casks) 
Glen Grant Aged 18 Year Old 


続いて、各区分毎の受賞銘柄からピックアップすると、今年もスコッチカテゴリーでトップながら、全体では2番手だったグレングラント18年。
これで3年連続トップ3圏内、しかしウィナーにはなれず。レベルが高いのは間違いないのですが、そろそろ永遠の2番手とか言われそうな。。。(笑)

グレングラント18年は、先日とある企画でブラインドテイスティングで飲む機会があったばかり。やや軽めの酒質にアメリカンホワイトオークの華やかさとフルーティーさ、そして少し枯れ草のようなウッディネス。加水調整によるバランスも良く、うまく仕上げられた美味しいモルトでした。
味は万人に好まれ易いタイプですし、BARでも使いやすいモルトウイスキーだと思います。

JAPANESE WHISKY
Japanese Whisky of the Year 
The Hakushu Paul Rusch 

ジャパニーズ区分では、萌木の村がリリースした、ポールラッシュ生誕120周年記念シングルモルトウイスキー(白州)が選ばれています。
秘蔵の長期熟成原酒とヘビーピート原酒を使い、日本的な熟成感のある多彩な香味。柔らかく角の取れた香り立ちでありながら、その味わいは内に秘めた想いが感じられるような芯の強さとピートの存在感。まるで往年のポールラッシュ氏その人を思わせるようなウイスキー。
一般市場には流通がありませんが、一部のBARと、萌木の村では飲むことが可能な1本。今日は我が家でもささやかにテイスティングといたします。
(※リリース当時のテイスティングコメントはこちら。

この他、ディアジオのスペシャルリリースからコレクティヴァムXXVⅢなど、昨年から今年にかけて話題になったボトルもいくつか、カテゴリー毎に受賞しています。
詳細は以下の通り。なお、ウイスキーバイブルの表紙には毎年度ジムマーレイ本人の姿が書かれているわけですが、今年はどう見ても精神生命体。。。あるいはハリーポッターあたりに出てきそうな精霊の類。
テイスティングすることのべ何万、ついにそのグラスの中には魂が宿ったのでしょうか(汗)。

 
SCOTCH
Scotch Whisky of the Year
Glen Grant Aged 18 Year Old

Single Malt of the Year (Multiple Casks)
Glen Grant Aged 18 Year Old

Single Malt of the Year (Single Cask)
The Last Drop Glenrothes 1969 Cask 16207

Scotch Blend of the Year
Ballantine’s 17 Year Old

Scotch Grain of the Year
Berry Bros & Rudd Cambus 26 Years Old

Scotch Vatted Malt of the Year
Collectivum XXVIII

Single Malt Scotch
No Age Statement
Laphroaig Lore

10 Years & Under (Multiple Casks)
Laphroaig 10 Year Old

10 Years & Under (Single Cask)
Berry Bros & Rudd Ardmore 9 Year Old

11-15 Years (Multiple Casks)
Lagavulin 12 Year Old 17th Release Special Releases 2017

11-15 Years (Single Cask)
Cadenhead’s Rum Cask Mortlach 14 Year Old

16-21 Years (Multiple Casks)
Glen Grant Aged 18 Year Old

16-21 Years (Single Cask)
Bowmore 19 Year Old The Feis Ile Collection

22-27 Years (Multiple Casks)
Talisker 25 Year Old Bot.2017

22-27 Years (Single Cask)
Scotch Malt Whisky Society Glen Grant Cask 9.128 24 Year Old

28-34 Years (Multiple Casks)
Convalmore 32 Year Old

28-34 Years (Single Cask)
Gleann Mor Port Ellen Aged 33 Year Old

35-40 Years (Multiple Casks)
Benromach 39 Year Old 1977 Vintage

35-40 Years (Single Cask)
Glenfarclas The Family Casks 1979

41 Years & Over (Multiple Casks)
Tomatin Warehouse 6 Collection 1972

41 Years & Over (Single Cask)
The Last Drop Glenrothes 1969 Cask 16207

BLENDED SCOTCH
No Age Statement (Standard)
Ballantine’s Finest

5-12 Years
Johnnie Walker Black Label 12 Year Old

13-18 Years
Ballantine’s 17 Year Old

19 – 25 Years
Royal Salute 21 Year Old

26 – 50 Years
Royal Salute 32 Year Old Union of the Crowns

IRISH WHISKEY
Irish Whiskey of the Year
Redbreast Aged 12 Year Cask Strength

Irish Pot Still Whiskey of the Year
Redbreast Aged 12 Year Cask Strength

Irish Single Malt of the Year
Bushmills Distillery Reserve 12 Year Old

Irish Blend of the Year
Bushmills Black Bush

Irish Single Cask of the Year
The Irishman 17 Year Old

AMERICAN WHISKEY
Bourbon of the Year
William Larue Weller 128.2 Proof

Rye of the Year
Thomas H
Handy Sazerac 127.2 Proof

US Micro Whisky of the Year
Garrison Brothers Balmorhea

US Micro Whisky of the Year (Runner Up)
Balcones Peated Texas Single Malt

BOURBON
No Age Statement (Single Barrel)
Blanton’s Gold Edition Single Barrel

No Age Statement (Multiple Barrels)
William Larue Weller 128.2 Proof

Up To 10 Years
Eagle Rare 10 Year Old

11 – 15 Years
Pappy Van Winkle Family Reserve 15 Year Old

16 – 20 Years
Abraham Bowman Sweet XVI Bourbon

11 Years & Over
Orphan Barrel Rhetoric 24 Year Old

RYE
No Age Statement
Thomas H
Handy Sazerac 127.2 Proof

Up to 10 Years
Knob Creek Cask Strength

11 Years & Over
Sazerac 18 Year Old (2017 Edition)

CANADIAN WHISKY
Canadian Whisky of the Year
Canadian Club Chronicles: Issue No
1 Water of Windsor 41 Year Old

JAPANESE WHISKY
Japanese Whisky of the Year
The Hakushu Paul Rusch

EUROPEAN WHISKY
European Whisky of the Year (Multiple)
Nestville Master Blender 8 Years Old Whisky (Slovakia)

European Whisky of the Year (Single)
The Norfolk Farmers Single Grain Whisky (England)

WORLD WHISKIES
Asian Whisky of the Year
Amrut Greedy Angels 8 Year Old (India)

Southern Hemisphere Whisky of the Year
Belgrove Peated Rye (Australia)


※参照・引用
•JIM Murray's Whisky Bible
•The Whisky Exchenge

ジャパニーズウイスキー「響」のフェイクボトル報道に思うこと

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いつか話題になるだろうと思っていた、ネットオークションにおけるジャパニーズウイスキーのフェイクボトル。その逮捕者が出たというニュースが、本日配信されています。

中身は別のウイスキー 偽「響30年」販売容疑で逮捕(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASL8P41T0L8PONFB006.html

自分がウイスキーを本格的に飲み始めた2010年頃、フェイクボトルと言えばスコッチでマッカランやスプリングバンク、あるいは陶器瓶のラガヴーリンなど、海外から買い付けるような一部のレアなボトルに限られていました。
代表的なものが、昨年ニュースにもなった100年前のマッカランとかですね。
国内ではマッカラン30年ブルーラベルが話題になるくらいで、よほど高額なものでなければフェイクづくりは割に合わないというのが定説だったとも記憶しています。

ところが、近年のジャパニーズウイスキーブームを受けて、まずはイチローズモルトのフェイクと思しきボトルがヤフオクなどで見られるようになり。スコッチモルトも高騰し始めた結果、近年リリースでもフェイクを疑われるボトルが徐々に増えていました。
そして極め付けが、今年発表された白州、響の休売ニュース。海外からの買い付けで流通価格の数倍という価格高騰を引き起こした結果、メルカリやヤフオクの所謂転売系の出品物に明らかにフェイクと思しき響17年以上が混じり始めたのです。(メルカリの方が多い印象。)
それは散見というほどの数はないものの、事件化することは時間の問題だったようにも思います。


疑わしきは・・・ということで、この場でWEB上に出品されている(されていた)ボトルを名指しすることはできませんが、例えば最近メルカリやヤフオクで見かけた響で、明らかに怪しかったモノの特徴は以下の通り。

①開封済みである。
②液面が通常より高い。
③撮影の影響を差し引いても、色が濃いor薄い。
④ラベルが張り直されたような跡がある。
⑤キャップシールのデザインが異なる。

はっきり言って、上述のレアなオールドボトルのそれと比べると殆どは雑なフェイクであり、個別に解説するまでもありません。ラベルをルーペで拡大したり、キャップシールを一部切り取ってコルクの状態を確認しないと認識出来ない精巧なフェイクに比べれば、あまりにも稚拙。
現時点ではキャップシールまで複製して詰め替えているようなケースは少なく、①、②、③がセットになっていたりで、笑いのネタにすらなるレベルです。

他方、④や⑤は解説の余地があるので少し述べていくと、まず④は最安価の響ジャパニーズハーモニーのラベルを剥がし、響17年以上のグレードのラベルを調達(あるいはプリント)して貼り直した、所謂ニコイチと思われるものです。
響はボトルのカットがグレード毎に変わるのと、ウイスキーの色合いもジャパニーズハーモニーと17年以上では異なるため、注意して見ればわかるのですが・・・。以前あったこの怪しい出品物は、残念ながら落札されていました。
また、⑤については、今回ニュースになっているケースが該当すると思われるもの。響のキャップシールは現行品だと斜めにカット(30年は垂直)が入り、HIBIKIなどの印字があるのですが、それらが全くないのっぺらぼうなモノがありました。

そして、このような市場状況が続くと確実に増えてくるのが、先に述べた「精巧なフェイク」です。
既に高額なジャパニーズウイスキーの空き瓶が、オークションなどで数万単位の価格でも落札されており、その行き先は純粋なコレクターだけとは思えません。
キャップシールを複製して詰め替えされると、少しでも液面の高さ、色合いをごますように見える写り具合のような、怪しいところがあれば購入しないという予防策を取る以外に手はないのです。

これまで海外から調達されてしまったオールドボトルのフェイクは、泣き寝入りするしかなかったケースが殆どであるように思います。現在は逆に、海外の愛好家がジャパニーズのフェイクを掴んでしまったという悲しい話もあります。
しかし現行品で国内となれば、明確なフェイクは責任の所在を辿ることはある程度まで可能であると思います。

今回のケースは、まさに氷山の一角。容疑者らが悪意を否定している状況(偽物と知ってたけど、騙す気はなかったって、弁明にならんがな。。。ってか何入ってたんだ)ですが、少なくとも逮捕者が出たことで、フェイクの出品に歯止めがかかってくれることを期待したいです。

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