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カリラ 2004-2016 ディスティラーズエディション 43%

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CAOLILA
Distillers Edition 
Distilled 2004
Bottled 2016
Double Matured in Moscatel Cask Wood
700ml 43%

グラス:サントリーテイスティング
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(Y's Land IAN)
開封時期:開封1カ月程度
評価:★★★★★★(5-6)

香り:スモーキーで焚き火の後のような香り立ち。ベースはクリアで塩素系のニュアンス、砂糖漬けレモンピールに乾いた牧草、微かに杏のお菓子を思わせる甘いアロマも。

味:淡く粘性を伴う口当たりから、焦げた木材、クリーンな甘みと塩気を伴う。中間目立った広がりはないが、焦げ感は強く荒さがある。
余韻はピーティーでスモーキー。塩気は長く続く。

甘口のモスカテルシェリーのダブルマチュアードだが、飲み口はクリアでピートや塩味等はっきりとした主張がとろみのある甘さと渾然一体となって・・・とは言い切れず、ややアンバランスな印象。時間を置いて試して見たい。


MHD社、2017年リリースのダブルマチュアードシリーズ、ラガヴーリン、タリスカーと来て、最後の島ものはカリラです。
この島もの3兄弟の中で、カリラについては毎年これという印象が無く、自分の中の評価軸でも1つ落ちてしまうのですが、今回のリリースも同様。悪くはないのですが、現時点ではややまとまりに欠ける味わいというのが拭えませんでした。

それもこれも、カリラはクリアでピーティーという酒質がベースにあるところ。タリスカーやラガヴーリンはオフィシャルスタンダードである程度樽の効いたリリースですが、カリラはオフィシャル12年で完成度が高く、ダブルマチュアードにすると中途半端な樽感がある種の異物感というか、酒質との印象が変わってしまうからか。
(どっと味をつけてくれるような樽ならまた変わるのでしょうが。)

以上は自分の勝手なイメージですが、この樽感とのまとまりが、時間経過でしっかり馴染んでくれるなら、あるいは5年後くらいにこのリリースも面白い仕上がりとなるかもしれません。


話は変わりますが、カリラは現在原酒の9割をスコットランド本土の熟成庫で熟成していると聞いています。(カリラの熟成庫にカリラはほとんどなく、ラガヴーリンの原酒が熟成されているという話も・・・。)
ウイスキーに塩気が混じるのは熟成環境によるとするのが定説ですが、アイラ島で熟成していない原酒から塩気が感じられるのはこれ如何に。それともこのカリラは数限りあるアイラ島の熟成だったのか。
塩気については自分の中で仮説が一つあるのですが、いずれ記事にしたいですね。

カリラ 23年 1984-2007 インプレッシブカスク 河内屋リリース

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CAOLILA
Impressive Cask
Aged 23 Years
Distilled 1984
Bottled 2007
For KAWACHIYA
700ml 57.9%

【ブラインドテイスティング】
地域:アイラ
蒸留所:カリラ
蒸留時期:1982年ごろ
熟成年数:25年
樽:リフィルシェリーホグス
度数:53%程度

グラス:SK2
量:30ml以上
場所:自宅(サンプル@HPさん)
時期:開封後1ヶ月程度
評価:★★★★★★(6)

香り:ツンとエッジの立った刺激と透明感のある香り立ち。焦げたピートフレーバーとヨード、軽い酸味、奥には蜂蜜や加熱したリンゴを思わせる甘みと、ハーブのような爽やかさも感じる。

味:熟成感のある旨味の濃い口当たり、ピーティーで香り同様軽い酸味を伴う麦芽風味。カステラの黄色い部分を思わせるコクのある甘みから、徐々に鋭角な塩気を舌の上に感じる。
余韻はスパイシーで鼻抜けしっかりスモーキー。ピート由来の苦味とヨード、オーキーなウッディネス。長くは続かずスーッと消えていく。

少量加水すると香りは塩気とともにアルコール感が強くなるが、味はバランスが良くなる。


このブログでおなじみになりつつあるウイスキー仲間のHPさんからの挑戦状、ブラインドテイスティング。 今回は全5問いただいており、これがその1本目です。
ノージングの段階で透明感のあるピートフレーバー、磯っぽいアロマの奥に熟したリンゴを思わせるフルーティーさ。この時点で長熟のカリラ確定。口に含んで感じる鋭角な塩気でもう間違いないなと確信を重ねる。蒸留所当て的にはイージーモードでした。
蒸留時期などのスペックとしては、ピートと塩気に加え、軽い酸味を伴うこなれた麦芽とオークの旨味。最近の蒸留だとこの辺が軽い印象で、塩スープっぽくなってるところ。間違いなく1980年代蒸留と見て良いでしょう。

ぱっと思い浮かんだのはシナモンクラブのカリラ25年1982。
ただ今回飲んだボトルは余韻などの要所要所が度数ほど強くなく。違和感を感じつつも、開封後時間が経っているかで経年の影響かもと考え、ここでファイナルアンサー。
結果はボトル予想しちゃったのが失着で、明らかに高い度数を取り違えるなど、あと一歩潜りきれませんでしたが、まあ野球で言うところヒットは打てたくらいでしょうか。
第一打席からやらかさなくてホッとしました(笑)。

このカリラは不遇な子です。
2007年のボトリング後、兄弟ボトルとなる24年と合わせて河内屋WEBショップ上でずっと当時価格のまま売れ残っていたのです。
この頃はもっと高スペックなボトルもガンガンリリースされてましたし、1980年代前半のカリラも相当リリースされていました。その中で見れば目立たない存在ですが、味については評価の通り、当時のカリラらしく安定した旨さで、値段的にも相応というか、今で考えたら十分安い。なぜ売れ残っているのか疑問なボトルの一つでした。
これは河内屋さんのWEBショップの微妙な探しにくさがあるんだと思いますが、1年くらい前にようやく陽の目を見て、現在は値上げ後価格で売り切れています。

美味しさもさることながら、高度数なのにのみ進んでしまう、味に厚みがあると飲み飽きないですね。こういうカリラを飲むのは久しぶりです。
今リリースされている1990年代~2000年代のものとはボディの厚み、全体的な旨味の濃さが違います。
約10年間の経年も効いているのか、アルコール感も多少丸みを帯びて、飲み頃にかかってきたのかなと感じます。見かけたら飲んでみてください。

カリラ 9年 ファイアブリンガー “サガ25周年記念ボトリング”

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CAOLILA 
The 25th Anniversary of SAGA 
"Fire Bringer" 
Aged 9 years 
Distilled 2006 
Bottled 2015 
Cask type Hogshead 
700ml 50.4% 
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:クリアで透明感のあるピーティーな香り立ち。塩素、乾いた藁、シトラスを思わせる爽やかさとスモーキーなアロマ。あまり多層的ではなく樽感も淡いが、未熟という印象はそれほど感じない。

味:口当たりはピーティー、ボディはミディアム程度だが奥に旨味が広がっていく。ピートフレーバーはエッジが鋭く、薄めた蜂蜜、レモンキャンディ、徐々にピリピリとスパイシーさ。微かに焦げた木や灰っぽさ、若い乳酸感も感じる。
余韻はドライでピーティー、長く続く。加水はよく伸びてオイリー、麦芽風味もある。

Saga25周年記念リリース、その3本目。
今年発売される予定のシリーズ最新作、スカーレットグレイスから、邪神ファイアブリンガーをイメージしたボトル。
これから発売されるゲームのキャラクターとあって、まさにサガシリーズの未来に位置づけられたボトルとなっています。
このキャラクターに関しては、そもそも元になるゲームそのものが概要程度しか公開されていないため、何がどうとは言い難いのですが、サガシリーズがただの勧善懲悪で終わるとは思えないので、きっと深い設定が用意されているのだと思います。

中身については、スペックからただ若くて勢いだけのカリラかと思ったら意外にそうではなく。
荒さは多少あるものの度数を感じさせない口当たり、奥には芯がある味わい。内に秘めた個性というか、ピーティーなフレーバーの奥から盛り上がる甘みがアクセントになって、若いなりに良い仕上がりのカリラでした。
特に加水での伸びは3本中一番だと感じました。ぜひ少量から試して見て欲しいです。

味では良い意味で驚きがあり、仕上がり具合は先に述べたとおり。他方で飲む前から驚かされたのはその値段、2000年代蒸留で9年ものが約17000円ってマジですかとw
振り返ればムーンとかシルバーシールとかでそういうボトルもないわけじゃないですが、アイラモルトを取り巻くボトラーの状況は本当に苦しいようです。今後もこの傾向は変わらないでしょうね。
SaGaシリーズのみならず、ウイスキー業界においても「未来」を象徴するリリースと言える1本でした。

カリラ15年 ハイプルーフ 1980年代流通 バロックレイド

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かつてカリラを所有していたバロックレイド社、その時代のカリラ15年ハイプルーフ。 
今でこそシングルモルトは珍しくありませんが、当時はほぼ全ての原酒がブレンデッドに使われていたため、シングルモルトがリリースされない蒸留所も多く。
カリラでは1974年の改修・増産後1980年代にシングルモルトがリリースされたことは、当時のモルトラヴァーには待望の出来事だったそうです。
安定して完成度の高いカリラでも、突出した出来で100点満点中80点から上を攻めていけるボトルの一つ
飲ませてくださったRさん、ありがとうございました!

CAOLILA
Aged 15 years
Bulloch lade & co.ltd
1980's
700ml 57%

評価:★★★★★★★★(8)

香り: 燻したようなピート香と上質な塩味のスープを思わせる香り。透明な海の塩素系のアロマ、ピート、昆布だし、 薄めた蜂蜜の甘さから奥にパイナップル、フルーツ感は徐々に前に出てくる。多彩で充実したアロマ。

味:口当たりはコクがあって度数ほどのアタックは感じないが、ハイプルーフらしいボディの厚さ、焦げ感のあるピートフレーバーが広がる。その奥から麦芽や塩気、 そしてフルーティーさ。フルーツ感はパイナップル等の同時期蒸留のモルトにみられるトロ ピカル感がある。
余韻は染み込むようなピートと塩分のうまみ、舌をコーティングするように長く残る。


一口飲んで、良いカリラだわと納得せざるを得ないボトルです。
何が良いと言われると、一言で多彩さとバランスですね突出したトロピカル感があるわけでもなく、 シェリー感があるわけでもなく、しかしカリラという蒸留所の枠の中で出せるであろう、フルーツ、 樽、 ピート等の各要素が全て高い次元でまとまってバランスが取れている。
ピートの奥から顔を出すフルーティーさが心憎い。外連味なく、ごまかした感じもない、 経年によって丸みを帯びたこともプラスに働いているのでしょう。
伝え聞く最高のカリラと言う評価は納得の1本です。

個人的にはこれでも十分素晴らしいカリラでしたが、ボトル差でさらにフルーツ感が出ているモノもあるとのこと。
こういうボトルを追求しだすとまさに"沼"なわけですが、この手のボトルは経験値がある人ほどハマりやすそうです。 沼に引きずり込むには十分すぎる魅力があるように感じます。 

また、カリラに関しては先日某所にて2015年ロットのカリラ12年の 出来が良いという話を聞きました。これは確認途中で2014年らしいボトルと、 2015年らしいボトルをほぼ同時に飲みましたが、確かに旧ロットよりも個性がはっきりしていてオフィシャルとして は良い出来だと思います。
現行品からオールドまで、この蒸留所のポテンシャルはすさまじいなと、今後のリリースも安心して飲んでいくことが出来そうです。

カリラ10年 (1995-2005) トラットリア”サンドロ・アル・ナヴェイリ”向け

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パワプロ的に言えば「安定感⚪︎」のステータスを持つカリラ。
飲んできた範囲で語るなら、ここ数十年間の味のブレが最も少ない蒸溜所ではないかと思います。
安定して70点を取り続けているこの感じ。今回は比較的近年蒸留の短熟で誤魔化しの効きづらいスペックですが、その分上述のらしさのある、外連味のない味わいを楽しめました。

CAOLILA
Distilled 1995
Bottled 2005
Cask No 12401
For Sandro al Navile
(For Sandro Montanari)
700ml 46%

評価:★★★★★★(6)

香り:焦げた木材の香りとシトラスやレモンピール、柑橘系のフルーツの爽やかさ。
灰っぽいピート香、塩素、透明な海の潮風。微かなオーク香もある。

味:スムーズでコクのある口当たり、透明感があり素直な味わいでもある。
オークの旨み、レモンシロップ、ヨード余韻にかけて塩気が強く出てくる。
余韻は長く、ピーティーでスモーキー。香ばしい麦芽風味も。

全体的にバランスが良く、カリラとしてレベルの高いカリラ。
透明感のある味わい、アイラらしいピート香、酒質、樽感、そこに加水が良い仕事をしている。
若いカスクはむやみにカスクストレングスで出さずに加水したほうが良いということを、如実に現している味でもある。


イントレことインタートレードのカリラ・・・と見せかけて、実はラベルを復刻させたプライベートボトル。
ザガッティ氏と並ぶウイスキーコレクターであるSandro Montanari氏が、自身が営業するレストラン(Trattoria sandro al Navile)向けにボトリングした1本で、樽の出元はハイスピリッツ社の模様。
何種類かリリースされており、カリラもビンテージ違いが存在します。

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