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トマーティン 25年 2000年代流通 43%

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TOMATIN
Single Highland Malt
Aged 25 years
2000's
700ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml程度
場所:個人宅
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6ー7)

香り:華やかでケミカル、やや人工的でフルーティーな香り立ち。ピーチや洋梨、ほのかにパイナップルも混じったミックスジュース。乾いた麦芽を思わせる植物感、香ばしいアロマもある。

味:口当たりは甘く、香り同様にケミカルで、シロップのような甘み。熟した洋梨、ほのかにハッカの混じったリッチなフルーティーさが鼻腔に抜けていく。
余韻はハイトーンで程よくドライ。バニラ、ほのかに乾いた植物感、喉にヒリヒリとした刺激を残して長く続く。

70年代後半蒸留のトマーティンらしいケミカルフレーバーがしっかりあり、全体的なバランスも良いまとまり感のあるモルト。フルーティーさと合わさって同時期のハウススタイルを楽しめる。加水すると骨格がぼやけてしまうのでストレートで。


現在のトマーティンには無い25年、オフィシャルラインナップの2世代前ボトル。2005年ごろから5年間ほど生産されていたようです。
少なくとも自分が飲み始めた頃、このボトルは市場在庫が割と普通に残っていたわけですが、その後1976トマーティンのブームがあった後でも「まあトマーティンやし・・・」と完全にノーマーク、マガジンライブの試飲も出ていましたが飲みもせず。
先日ウイスキー仲間のRさん宅でテイスティングさせてもらい、らしいハウススタイルと熟成感のバランスの良さに驚きました。

ちょうど先日、このトマーティンの後継となる1世代前の25年について記事にしていたので、タイミングも良かったです。
その25年に感じられた過熟気味なウッディさ、ボディの軽さがなく、香味共にケミカルなフルーティーさがしっかり広がるのがポイント。原酒はフレーバーから察するに25から30年熟成、つまり1975年から1980年ごろに蒸留されたものが使われているのではないでしょうか。

(現行品1世代前のトマーティン25年。2010年ごろの発売。1970年代中頃から後半らしいケミカルなキャラクターと長熟原酒らしい強いウッディネスから、原酒の残りをそのまま熟成させてベースにしているような味わい。)

2005年当時のオフィシャルハイグレードと言えば、例えばハイランドパーク、タリスカー、マッカラン・・・今となっては名だたる銘品の数々がひしめいているわけですが、その中にあっては地味なトマーティンもこのレベル。海外サイトでは55ポンドで販売されていた履歴も残っていて、良い時代だったなと、感じざるを得ません。
また、当時飲んだ方には荒さ、アタックの強さに個性的な味わいを指摘されている方もおりましたが、10年弱の経年変化でこなれ、そろそろ飲み頃になってきているのではと感じます。

そう言えば、トマーティンは最近ラインナップの全面リニューアルを行なったばかり。
2000年代のトマーティンは個性の穏やかなニュートラルな酒質で、70年代のケミカルなフレーバーとは異なる、新世代に突入した感はあります。
最近飲み始めた方々は70年代でケミカルと言ってもナンノコッチャという感じ。突き抜けて素晴らしいボトルは少ないですが、モルトの楽しみとしてこの辺りのトマーティンフレーバーは一度経験しておいても良いかなと思います。

トマーティン 25年 43% 旧ボトル オフィシャルリリース

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TOMATIN
Highland Single Malt 
Age 25 Years
Matured In North American Oak Casks
700ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml程度
場所:自宅持ち寄り会@Tさん
時期:開封後1週間以内
評価:★★★★★★(6)

香り:華やかでリッチなフルーティーさと、すぐに機械油を思わせる特徴的なケミカルフレーバーを伴う香り立ち。オーク由来のバニラやバタークッキーの香ばしい甘さ、パイナップルキャンディー、風邪薬シロップ。香りは徐々にドライになっていく。

味:お菓子のフルーツキャンディーや熟したオレンジのような甘みを伴うまろやかな口当たりから、すぐにドライに変化。ボディは軽く、奥に乾いた牧草を思わせるウッディネスが余韻にかけて存在感を増してくる。余韻は華やかでドライ、ウッディーで強いタンニンを感じる。

ラベルに書かれた"Matured In North American Oak Casks"はバーボン樽とシェリー樽のバッティングの意味か。香りはフルーティーでふくよかだが、味はややドライで軽い。かなりの長期熟成が使われていると考えられる。加水すると特に味が水に負ける印象があり、ストレートで時間をかけて香りを開かせ、楽しみたい。
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最近大幅なボトルデザインチェンジをした、トマーティンの旧ボトル。
このボトルの最大の特徴は、何と言ってもトマーティンの当たり年といわれた、1976年蒸留を思わせるフルーツフレーバーがしっかりあるところにあります。
ただ、流通時期をざっくり2010年として計算しても、25年原酒の蒸留時期は1980年代半ばとなり、この時期は酒質の系統が中性的になってきていて、これほどのケミカルフレーバーは感じられません。
とすると、最も若い原酒として25年は使われつつも、ブレンドには1970年代蒸留の原酒(35~40年)が相当量使われているのではないか・・・というのが個人的な印象です。

それを裏付けるように、香りはフルーティーでややケミカル、バタークッキーのような甘みもあって充実していますが、味はややドライ気味で特にボディが軽く、余韻にかけては強くタンニン。長期熟成のウイスキーに見られる傾向が感じられます。
43%加水であることも、この構成となる要素の一つなのでしょう。トマーティンはそこまでボディの強い酒質ではないので、長期熟成原酒を使ったことで出てしまう渋みやウッディネスを加水で整えた結果、こうした仕上がりになったのだと思います。
これらは自分の推察で実際のところどうなのかはわかりませんが、これだけの原酒を使っているとすれば、同時にメーカー側の気合も伝わってくるようです。

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(1972年蒸留のトマーティン30年。この頃になると特徴的なケミカル系フレーバーは無く、柔らかい口当たりで個性はそれほど強く無い内陸系モルトという印象。1960年代も同様。)

また、最近はリリース高騰と原酒枯渇により、貴重になってしまった1970年代中ごろのトマーティンの味が感じられるという意味でこのボトルもまた貴重な1本であるように感じます。
こうした背景からネット市場では既に在庫がないボトルですが、トマーティンを扱う国分は個人経営の酒屋やスーパーマーケットなどにも商品を卸していましたので、ひょっとすると当時価格で店頭に残っているモノもあるのではないかと思いますので、見かけたら懐と相談ですね(笑)

トマーティン 10年 2005年蒸留 バーボン樽&シェリー樽 信濃屋ニューリリース

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ここ最近超精力的にオリジナルボトルをリリースしている信濃屋から、バーボンバレル熟成とオロロソシェリー樽熟成のトマーティンが2種類発売されます。
どちらも2005年蒸留の10年熟成。
短熟やなー、バーボンはともかくシェリーは前にオフィシャル12年で地雷踏んでるしなぁ、と飲まずにスルーを決め込む予定でしたが、サンプルを試飲したところ、その考えは愚かだったことが良くわかりました。

トマーティンと言うと、76ビンテージを知っている方にはケミカルなフルーティーさというイメージが強いですが、近年のトマーティンは酒質がニュートラルというか、少なくともケミカルなニュアンスはなく、樽感とあまりケンカしないような印象があります。

今回のリリースに使われている2樽は近年系の構成ですが、しっかりとした樽感に、甘みやフルーティーさがあり嫌味の少ないタイプ。単体で飲んでも一定以上の評価が期待できるだけでなく、同一ビンテージ、同時発売、ほぼ同じ度数という仕様で、「樽」の違いを知る、飲み手の経験値を高める教材ボトルとしても非常に面白いと感じました。
今後のBARでの飲み比べが楽しみです。

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TOMATIN Aged 10 Years Distilled 2005
Cask type 1st Fill Bourbon Barrel 59.0%
ハイプルーフらしいヒリヒリとしたスパイシーな刺激はあるものの、ねっとりとした樽感に、洋梨、蜂蜜レモン、ウッディーな渋みとオーキーな華やかさ。典型的なバーボンバレルのフレーバーが感じられます。
特に一口目は後半にかけて広がるというか、弾けるようなイメージ。10年の若さゆえ単調ではありますが、今回のカスクは近年のバーボンバレルの中でも「らしい」要素が感じやすいと思います。

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TOMATIN Aged 10 Years Distilled 2005
Cask type 1st Fill Oloroso Sheery Butt 58.0%
シェリーの濃さを特濃、濃厚、普通、薄い・・・とするならこのボトルは濃厚のゾーン。
香りにオロロソそのものの酸味を思わせる、とってつけたようなニュアンスは感じられますが、味わいの酸味と甘みのバランスは良好。近年系のウッディーなシェリー感の中にイチジクの甘露煮、ほのかにクランベリー、アーモンド、ハーブ系の香味を感じる。硫黄などの嫌味の少ないリッチな味わいで、これは10年くらい置いて、ボトルの中で馴染ませても面白そうです。


今回のリリースを試飲して感じたのは、時代が完全に切り替わったのだなということ。
ほんの数年前までこの価格帯は60〜70年代蒸留の長期熟成原酒に手がとどくレンジでしたが、最近は80-90年代はおろか2000年代に突入してしまいました。
昔を懐かしむのも時には良いですが、どんなに望んでも時計の針は戻らない。
であれば昔は昔、今は今で楽しんでいくしかないのかなと。そう考えると、今回の10年ものも、2016年の他のリリースと比較して、見るべきところのあるボトルであると感じました。

バーボン、シェリーともに近年系の王道という感じですが、特にシェリーの方はウイスキー熟成用の樽の質の向上(あるいはノウハウの蓄積)が見られると感じる1本。今回のような樽がさらに 10、20年後に60年代とは異なる新しいシェリー樽の魅力につながってくれればと期待出来る内容でした。

それにしても信濃屋さん、1ヶ月に1~2本くらいのペースでPB出してませんか?
以前から活発でしたがここ最近さらに高頻度なような。いち酒屋がここまでの頻度でプライベートボトルをリリースするのはちょっと凄いことだと思います。
もう日本を代表するボトラーズブランドと言っても良い状況ですね。
今後の活躍、展開も楽しみにしています!

※画像引用:http://www.shinanoya-tokyo.jp/shopdetail/000000006721/ct29/page1/recommend/

トマーティン 35年 1978-2014 ケイデンヘッド 44.4%

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TOMATIN
Cadenhead Small Batch
Aged 35 Years
Distilled 1978
Bottled 2014
Cask type Bourbon Hogshead
44.4% 700ml

グラス:創吉テイスティング
量:30ml程度
場所:個人宅 (持ち寄り会@Yさん)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:華やかでオーキー、そしてケミカル系のフルーティーな香り立ち。ドライアップル、洋梨、ほのかにイチゴキャンディのような人工的な甘い香りもある。

味:さらりとした口当たりから香り同様にケミカルなフルーティーさは、林檎のコンポート、微かに杏、ファイバーパイナップル。バニラのような甘みも広がってくる。度数相応にボディは中程度かやや軽く、後半にかけては干した藁や麦芽の軽やかなえぐみとほろ苦さ。
余韻は華やかで序盤に感じたケミカル系のニュアンスを残しつつ、麦芽風味と乾いたウッディネスが長く残る。


ケイデンヘッドからリリースされた、所謂新しいほうの黒ケイデン、スモールバッチシリーズのトマーティン。 
長期熟成の原酒が枯渇し始めた2014年頃の市場流通で、近年あれだけ乱発した1976ビンテージもついに在庫の底が見えてしまったんだなと、時代の移り変わりを感じたリリースでもありました。

当時あまり意識していなかったのですが、このスペックのトマーティンは2種類リリースされているようです。
1つは2013年に594本ボトリングで44.1%。そしてもう一つが今回テイスティングした2014年に216本のボトリングで44.4%の仕様。どちらもバーボンホグスヘッドでの熟成ですが、容量的に594本はどうがんばっても取れないので、複数樽バッティングなのでしょう。
海外サイトを回って以下のカードをUPしているサイトを見つけましたが、594本のほうは樽の表記がBourbon hogsheadsで"s"付きの複数形になっていました。

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このボトルをテイスティングするにあたり、着目点は2つ。1つはトマーティンの1976年、77年の蒸留に見られた、ある種"らしさ"とも言えるケミカルなフルーティーさが1978年蒸留にも備わっているかということ。そしてもう1つは、黒ケイデンのボトリングは作為的なフルーティーさが備わっているものが度々あり、このボトルのスタイルではどう出てくるのかというもの。

まず前者は1976各種ほど強くはありませんが、それでもはっきりと感じるケミカルフレーバーが「ああ、トマーティンだわ」と感じさせてくれます。 この76年前後でピークがあり、80年代にかけて薄くなっていく傾向にある、灯油系というかケミカルなニュアンスは何で出るんでしょうね。
そしてもう一つの黒ケイデン的な何かですが、バーボンホグスで度数落ちであるためかさらさらとした口当たりに、フルーティーさは少々リキュール的な要素も感じられ、これもまたらしいといえばらしい。
これもまた露骨に効いているという感じではなく、あくまで補正の範囲かなという感じでは有ります。

突き抜けないですが、らしさもあり、そしてバランスよくフルーティーで美味しくまとまったモルトでした。
そんなに昔の話でもないですが、こういうボトルを飲むと我々世代の飲み手は「懐かしいな」って思ってしまいますね。

トマーティン 38年 1965年蒸留 2004年ボトリング ダンカンテイラーピアレスコレクション

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TOMATIN
Duncan Taylor
Aged 38 Years
Distilled 1965
Bottled 2004
Cask No, 20944
51.5% 700ml
評価:★★★★★★(6)

香り:オーキーでドライな香り立ち。乾いた木のようにトゲトゲしており、アプリコットやパイナップルなどのドライフルーツ香、微かにシトラスやアロエのような青っぽさとケミカルなニュアンス。少量加水するとさらにフルーティーさ、甘栗の香ばしい甘み、バタークッキー、香りが開いてバランスが改善するが、ドライな要素は残る。

味:口に含んだあと一呼吸おいでスパイシーな刺激とドライなオークフレーバーが口の中に広がる。
ボディはミドル程度、香り同様の構成で、乾いた木材、シリアル、バニラ、洋梨、徐々に桃の缶詰。
フィニッシュはほのかにケミカルなニュアンスを伴い、華やかだが樽材由来の渋みを強く感じる。
少量加水すると桃感、ドライアップル、 麦芽、香りに対して味は少々ボディが加水に負ける印象。

ストレートと少量加水でしか飲んでいませんが、写真のように飲み口がすぼまっているタイプのグラスよりも、外に向けて広がっているチューリップグラスや、ワイングラスのように口径の大きなグラスで飲んだほうがフレーバーの広がりが良いと感じます。


先日のイベントの際に、ウイスキー仲間の一人が持ち込んだもの。
中途半端に残ったから持ってくか?と言われてありがたくいただきました。いつもありがとうございます!
まさにダンカンテイラーピアレスシリーズ、そのキャラクターを象徴するような味わいで、最近はこうした長期熟成のリリースがなくなりました。長期熟成由来とも言える樽感、鼻腔や口の中の水分を強烈に持っていくような渋み、ドライさ。美味しいのですが蒸留所の個性を味わってるというより樽材をしゃぶってる感覚が、あー長熟のカスクだなぁと感じる構成です。

トマーティン蒸留所といえば1976ビンテージがフルーティーで旨いと有名で、多くのリリースがあったことは今更解説する必要も無いところ。1970年代であの味なのだから、さぞかし1960年代は旨いだろうと飲んでみると、これが意外にフツーというかピンとこない。今回のボトルのように、確かに当時の原料由来か1960年代らしい複雑さはあるのですが、惹かれるような個性を感じません。 
一説では1974年にトマーティン蒸留所で行われた大規模改装(蒸留器を11基から23基に増設)で、稼動が安定し始めた1975~1977あたりで本領発揮となったのでは・・・とのこと。

スペック的には非常に興味をそそられるボトルで、多分飲み始めの頃の自分だったら歓喜していたに違いないのですが、今改めてこのボトルと向き合ってみると、様々な予測が頭の中で出来てしまい、結果ほぼ予想通りの味で経験の積み重ねを感じる。まさに「知る悲しみ」を感じる味わいでもありました。 

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