カテゴリ

カテゴリ:余市

シングルカスク 余市 10年 2008-2018 マイウイスキーづくり 59% #409288

カテゴリ:
IMG_20200112_101741
NIKKA WHISKY 
YOICHI 
SINGLE CASK 
Aged 10 years 
Distilled 2008.5.24 
Bottled 2018.9.21 
Cask type New American Oak Cask #409288 
700ml 59% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:―
場所:自宅
評価:★★★★★★(6)

香り:焦げたチョコレートクッキーのような、ビターなトップノートと色濃い甘味。ウッディなアロマと合わせて焙煎した麦芽のような香ばしさ、微かに溶剤系のニュアンス。力強いアタック。

味:ウッディでスパイシー、パワフルな口当たり。チャーオーク由来のキャラメル系のメローな甘みの中で、オレンジやパイナップルの果汁を思わせるフレーバーがアクセントに。余韻は味わいの中で感じられた甘みを残しつつ、スパイシーで舌の上がざらつくような焦げ感を伴うウッディネスが長く続く。

樽感のしっかり溶け込んだウッディな味わいが主体。ビターな樽由来の香味構成に、余市らしい香ばしい麦芽風味と、フルーティーさに通じる酸がアクセントになっている。加水に負ける感じではないが、香りにワックスのような、味わいはビターオレンジのような、特に香りには異なる要素が加わる。


先日我が家に届いたマイウイスキーづくりの余市10年 Cask #411127。例によって購入できるだけ購入し、同様にウイスキー繋がりで違う年度のマイ余市を購入していた方々と、それぞれの余市をトレードしました。
こうして参加者同士で繋がりが生まれて、お互いのボトルをシェアできるのは参加者の特権というか、広義の意味で言えば樽オーナー制度ならではの楽しみだと思います。

今回のレビューアイテムは、北海道のSさんとトレードしたもの。自分のボトルよりも1年前の会のものです。
自分にとって節目の年だった、この2008年。企画そのものは知っていましたが、就職したばかりでとても平日休みをとれる状況になく・・・。2008年の余市は個人的に思い入れのあるボトルだったりします。

IMG_20200112_111412
IMG_20200113_095429
(マイウイスキー余市の樽違い。同じ新樽で10年熟成だが、樽の状態、置かれた場所、あるいは熟成期間中の気候によって色合い、味わいが異なる。色合いだけで言えば中央と右2つはほぼ同じで、気持ち右側のほうが濃いような気もするが、香味はそれぞれ大きく異なる仕上がり。)

今回のボトルである、Cask #409288の特徴はビターなウッディネス。
ハイプルーフなカスクストレングスらしい、パワフルなアタックの強さ。フレーバーは焦がしカラメルのようなほろ苦さと舌の上でざらつくビターなウッディネスが主体としてあり、そこにチャーオークのメローな甘味、余市のニューメイクがもつ酸味が熟成によって変化した柑橘系のニュアンスがアクセントとなっています。

これが他の余市とどう異なるか。上写真の我が家で開封済みの同じ10年では、写真左の#411127はウッディーさが押さえ目な代わりにエステリーでフルーティーな果汁感があり。今回のレビューアイテムである#409288と、同じくらいの濃さを感じさせる色合いである#406599(右)は、仕込みが11月でボトリングも11月と熟成が最も短いが、熟成環境の違いか最も濃厚なウッディさとメローな味わいがメインにあります。
アルコール度数もほぼ同じですが、単に樽の強さだけでなく、アルコール感の感じ方、アタックの強さが異なるのも面白いです。

しかしこうして様々な新樽熟成の余市を経験して思うのが、新樽熟成とその樽感を受け止めるだけのパワフルな酒質を作り出す余市の偉大さ。たまにピークをはずしているものもありますが、どれも一定レベル以上に仕上がる安定感があり・・・。
決して万人受けの酒ではないと思いますが、我々愛好家としてはこれで良いんだよこれで、と思える尊いウイスキーなのです。

シングルカスク 余市 10年 2009-2019 マイウイスキーづくり 59% #411127

カテゴリ:
IMG_20191130_101033
NIKKA WHISKY 
YOICHI
SINGLE CASK 
Aged 10 years 
Distilled 2009.4.18 
Botteld 2019.8.29 
Cask type New American Oak Cask #411127 
700ml 59% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封後1ヶ月程度
場所:自宅
評価:★★★★★★★(7)(!)

香り:トップノートはエステリーで、すぐに松の樹皮を思わせるような無骨さのあるウッディさ、ローストアーモンド、チャーオーク由来のキャラメルの甘味。奥には林檎、オレンジママレード、ほのかに甘栗。スパイスのアクセント。

味:リッチな口当たりから、フルーティーな甘味がとろりと広がる。ボディはしっかりとして厚みがあり、リンゴのカラメル煮やみかん缶のシロップ。甘味だけでなく柔らかい酸味の後から、濃いめの紅茶を思わせるほろ苦さ、タンニンがアクセント。微かなピートと共に心地よいフィニッシュが長く続く。

厚みのあるボディとアタックの強い酒質に、新樽らしい樽感。焼き具合がそれほど強くないのか、エステリーかつフルーティーな要素がチャーオークフレーバーのなかに溶け込んでいる。余韻にかけては微かなピートフレーバーもあり、ただ樽感が濃いだけではない香味の多彩さが素晴らしい。少量加水良し。ロックも悪くはないが、チェイサーと共にストレートで楽しみたい特別な1本。


ニッカウイスキーがファン向けの企画として、宮城峡、余市でそれぞれ年10回程度開催しているウイスキーづくり体験会が、通称「マイウイスキー作り(宮城峡はマイウイスキー塾)」です。

参加のためには希望日程で抽選に申し込み、当選する必要があるのですが(日程が金曜日から1泊2日であるため、一般の会社員は金曜日に休暇を取得する必要があるのもハードル)。参加すると、それぞれの蒸留所でのウイスキー作りにおける主要な行程を体験出来ると共に、10年後には自分達で樽詰したウイスキーが1本(複数本必要な方は別途購入)贈られてくるという企画。元々人気はありましたが、近年のジャパニーズウイスキーブームもあって、倍率は30倍程度にまで増えていると聞きます。

今から10年前、本格的にウイスキーにハマった頃の自分は、日頃の感謝を込めた旅行のプレゼントとして父親を連れて参加。
それから10年の間、公私とも本当に色々ありましたが。。。まあ個人的な苦労話はさておき、ウイスキーの経験値としては、この1本を味わい尽くすための準備が充分できたのではないかと自負しています。

IMG_20191230_061013
(2009年、イベント当日に配布された、余市のニューメイク。厳密に言うと蒸留時期が半年ほど違うものだが、この飲み比べのために10年間飲まずにとっておいた。ボディが厚く、香ばしい麦芽風味に酸のしっかりあるタイプで、ピートレベルはライトピート。ここにアメリカンオークの新樽由来の風味が合わさることで、樽由来の甘味と苦味に加え、調理加工した柑橘類のような甘酸っぱさを伴う香味へと繋がったと考えられる。)

ベースとなっている原酒は上記の通り。樽は250リットルの新樽ですが、この樽の焼き具合(あるいはウイスキーと接する部分の木目の違い)と、倉庫内の熟成場所の違いからくる微妙な差が積み重なって、10年間で樽毎の大きな味わいの違いをもたらしています。

どれくらい異なるかというと、同じ年度の仕込みであっても、もっとガッツリ新樽のチャーオークフレーバーが効いたものがあれば、自分の樽のようにバランス寄りでフルーティーさを伴うタイプもある。あるいは、あまり樽感が乗り切らず、若々しいあタックの強さがメインに出ているものもある。
今回のボトルは、あと2年くらいは熟成させたかったという気持ちもありますが、現時点で普通に美味しいボトルですし、酒質とのバランスもとれています。

ウイスキー仲間からは概ね好評で、交換で使った分を除いても既に2本目に突入している消費速度(笑)。こういう原酒に育ってくれた、巡り合わせに感謝したい。
何より、自分の分身とも思える樽が、自分が生きている環境とは異なる場所に存在して、現在進行形で成長しているという感覚は、なかなか特別感のあるものでした。
現在は当時と異なり、クラフト蒸留所のビジネスで共同オーナー制度等も珍しくなくなりましたが、ニッカさんにも是非継続してほしい、魅力溢れる企画だと思います。
また、いつか参加してみたいですね。

余市 10年 2007-2017 十年浪漫倶楽部 58% #408015

カテゴリ:
IMG_20191204_215435
NIKKA WHISKY 
YOICHI 
SINGLE CASK MALT WHISKY 
Aged 10 years 
Distilled 2007 
Bottled 2017 
Cask type New American Oak Cask #408015 
700ml 58% 

グラス:国際規格テイスティング
時期:不明
場所:ー
評価:★★★★★★(6ー7)

香り:チャーオーク系の無骨なウッディさが強く感じられ、焦がしたキャラメル、チョコレートケーキ、スウィートスポットが出たバナナ。色濃い甘味とウッディネスのほろ苦さ。

味:リッチな色濃いウッディネスと甘味、パワフルな口当たり。ローストアーモンドやオールブラン、口のなかで転がすとクリーミーな甘みと香ばしさがあり、かすかにオレンジ系のニュアンス。余韻にかけてはスパイシーでビターなウッディネス、チョコモカのような甘味とほろ苦さが力強く感じられる。

余市らしさがしっかりある、パワフルな1本。2回蒸留原酒でバーボンを作ったと例えるべきか、少々アンバランスではと思えるくらい濃厚な新樽感が付与されている。その樽感故、全体的にやや苦味が強いが、同様に新樽エキスとも言える色濃い甘味も強い大人の味である。加水しても悪くないが、少し崩れてしまうような・・・。思わず葉巻がほしくなる1本。

IMG_20191204_221500

ニッカウイスキーが2002年から2009年まで募集していた、十年浪漫倶楽部。
毎年決まった時期に希望者を募り、初年度はニューメイク、5年経過時点で途中経過のサンプルを1本、10年経過後に10年熟成の余市シングルカスクを2本届けてくれるという、現在クラフト蒸留所等で行われている共同カスクオーナー制度のはしりのようなサービス。
同様に開催されていた「マイウイスキーづくり」に参加出来ない愛好家にも、”待つ楽しみ”や”節目の記念となるウイスキー”を届けたいという、メーカーとしては相当手間のかかる事業だったと思いますが、ニッカらしいファン目線の企画の一つでした。

その貴重なボトルの一つを、縁あってテイスティングさせて頂きました。
スペックは250リットルの新樽熟成。それもしっかりと内側を焼いたタイプのアメリカンホワイトオークで、色合い、コメントを見ても伝わる通り、こってりとした新樽フレーバーが付与されています。
バーボンならともかく、ここまで新樽のフレーバーをつけたスコッチタイプのウイスキーというのは、現時点で世界中を見渡しても余市のみ。ファンにとってはこれだよこれ、という満足感と、ニッカ味を堪能出来る作りです。

ニッカウイスキーは、余市をハイランド、宮城峡をローランドモルトとして位置付けています。
その位置付けに個人的に疑問がないわけではないのですが、仮に現在の平均的なハイランドモルトを余市に持ってきて新樽で熟成させ、このような味になるかというと、たぶんならないと思われます。
チャーした新樽由来の、焦がしキャラメルの濃厚な甘味とほろ苦さ、武骨なウッディネスを受け止めて、余韻までしっかり伸ばせる酒質は限られており。。。
それが、余市が唯一無二となる違いだと思うのです。

今回のボトルは、マイウイスキーの同様のスペックのものとを比較しても、かなり新樽感の強いタイプです。
ともすればバランスが良いとは思えないレベルでしたが、10年という熟成期間故のパワフルさと、樽由来の甘くビターな味わいは余韻まで破綻することなく、しっかりと堪能させてもらいました。

IMG_20191203_013626

ニッカ繋がりで今日のオマケ。カフェウォッカと冷凍イチゴ。
マイブームな宅飲みスタイル。冷凍庫でキンキンに冷やしたカフェウォッカに、コンビニで売ってる冷凍イチゴを一ついれる。ショットグラスも冷やしておくとなお良い。漬け込むとかそういう手間はなく、あとはただ飲むだけ。

カフェウォッカは、元々柔らかい甘味と、麦で作ったとは思えない仄かな果実感のあるウォッカです。それを冷凍して飲むだけでも充分美味しいのですが、そこにイチゴの酸味と香りがふんわりとアクセントに。
ウォッカを飲みきったあとは、グラスに残るイチゴをポイッと口の中へ。ほどよく溶けて微かにウォッカの甘味の染みたイチゴをシャリシャリやるのが、良い感じのデザートになる。
気がつけば2~3杯と飲んでしまう危険な組み合わせです(笑)。

シングルカスク 余市 10年 2006-2016 マイウイスキーづくり 60% #407776

カテゴリ:
YOICHI
SINGLE CASK
NIKKA WHISKY
Aged 10 years
Distilled 2006
Bottled 2016
Cask type New American Oak Cask #407776
700ml 60%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:BAR飲み@エクリプスファースト
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(5ー6)

香り:ハイトーンで強い刺激を感じる香り立ち。ハッカ、スパイスの刺激、アーモンドナッツの香ばしさと、焦げたトーストのほろ苦さを感じるウッディネス。

味:うっすらとキャラメルの甘み、スパイシーでハーブや松の樹皮、ローストアーモンド。パワフルなアタックで攻撃的な飲み口。
余韻はドライでウッディなえぐみから、ハイトーンで口内がヒリヒリする強いフィニッシュが長く続く。

パワフルでやんちゃなシングルカスクだが、加水するとまろやかでキャラメルを思わせる甘みが増すように感じられる。10年という決められた熟成期間と個性を楽しむには面白いが、完成度としてはもう少し熟成期間か加水調整が必要と感じる。


余市マイウイスキーづくりで、10年の熟成を経てボトリングされた1本。先日、エクリプスで飲んでいたところ遭遇しました。(どうやらイベント絡みで入手した1本だった模様。)
当ブログでは、読者の方からご好意で交換していただいた余市10年を投稿したところで、ちょうどいい比較の機会となりました。

参考:シングルカスク余市10年 2004-2014 #406599 60%

先の記事では、マイウイスキーづくりは熟成期間が10年と決まっているため、良くも悪くも原酒の成長に関係なくボトリングされるという事例に触れました。そのため、モノによってはしっかりとした熟成感がある一方、全く逆で荒々しく強い味わいが残るモノもあります。
それが熟成の面白さであり、マイウイスキーづくりの"味"であるわけですが、この2本の余市はまさにその対極にあるボトルと言えます。

今回テイスティングした余市10年は、樽のチャーが控えめだったのか、あるいは置かれている場所が熟成庫の中でも温度変化の少ない場所だったのか。樽感が控えめで強いアタックがマスクされずにそのまま残っている、パワフルな香味が特徴。特に余韻にかけてのアタックは強烈です。
それこそテイスティングでも触れていますが、引き続き5年から10年くらい熟成させてみたい、カスクストレングスとして大器晩成型の傾向が感じられました。


かつて自分が初めて飲んだマイウイスキーづくりの余市10年が、ちょうどこんな感じの強く荒々しいタイプでした。
9年前、本格的にウイスキーを飲み始めたばかりの頃で、それこそこの手のタイプの刺激には耐性が弱かったこともあり、もっと荒々しかったような記憶もあります。
ストレートでちびりとやって、これは「強い男の強い酒だぜ!」なんて、どこかで聞いたことがあるキャッチコピーを呟いたりも(笑)。

懐かしくもある荒々しい余市。完成度で言えば10年の余市が目指すところは上記#406599系統だと思うのですが、同じ新樽を使いながらこうして明確に違う原酒が出来上がるのは、ある種神秘とも例えられるウイスキーの面白さ。まして自分が関わったものならなおのことですね。
そう考えると、当該イベントの参加抽選は初参加優先ですが、可能なら複数回参加して今年の出来は・・・なんてやるのは凄く贅沢な楽しみだなと思います。
あるいは複数本調達して他の回の参加者とも交換、それぞれの違いを楽しむのも楽しそうでワクワクします。
そしてその記録の共有として、このブログを使うことができたら更に良いですね。

シングルカスク 余市 10年 2004-2014 マイウイスキーづくり 60% #406599

カテゴリ:
IMG_6654
YOICHI
SINGLE CASK
NIKKA WHISKY
Aged 10 years
Distilled 2004
Bottled 2014
Cask type New American White Oak Cask #406599
700ml 60%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封後1週間程度
評価:★★★★★★★(6-7)

香り:チャーオーク由来のリッチなウッディネス。はじめはツンとした溶剤っぽさが多少感じられるが、すぐにカカオチョコレート、メープルナッツ、熟したバナナを思わせる濃い甘みとほろ苦さ。ほのかに焦げた木材、ローストアーモンドのような香ばしさも感じられる。

味:濃厚で甘く香ばしい口当たり。フルボディ。カラメルソース、生チョコレート、ローストアーモンド、じわじわと唇や口内の水分を奪うようなウッディネス。
余韻はほろ苦くヒリヒリとした刺激を伴うが、蜜っぽい甘みも感じられ、穏やかに消えていく。

新樽パワー炸裂という余市らしい1本。濃厚で骨太、アタックも余韻にかけて強く感じられるが、度数ほどのアルコール感はなく。またタンニンもほど良い程度で、純粋に樽由来のエキス、甘みや香ばしさが主体という構成。少量加水すると蜜っぽい甘みが引き立つ。


ニッカが毎年開催している、蒸留所見学兼体験イベントである、マイウイスキーづくり。
詳細はご存知の方が大半と思いますので割愛しますが、自分は2009年の余市に参加しており、ボトリングまであと1年というところまで来ました。

"マイウイスキーづくり"は2000年以前から実施されていましたが、当時はあくまで関係者を中心としたもので、現在のように広く募集されるようになったのは2002年からとのこと。
その為、ここ数年は保管期間を終えた初期グループの方々がチラホラ見られるようになり、SNS等の投稿を見ては俺のも早く飲みたいなと、待ち人を待つ想いであったわけです。

そんな中、当ブログ読者の方と、お互いのマイウイスキーボトルを交換することとなったのですが、先払いだと送ってきてくださいました。
こちらはまだモノがないにも関わらず。。。信頼いただけるというのは、純粋に嬉しいことです。

IMG_1978
(余市蒸留所、マイウイスキーづくり用の熟成庫。土の香りのする非常に古典的な熟成庫であり、樽詰めされた原酒は、時折来る来訪者に見守られながら10年後のボトリングのときを待つ。)

前置きが長くなりましたが、新樽熟成の余市の特徴は、何と言ってもその樽感。 バーボン樽のように一度エキスが抜けているわけではないので、バニラや黄色い綺麗なフルーティーさというより、キャラメルやメープルシロップを思わせるねっとりとした色の濃い甘みが、ウッディなタンニンと合わせて溶け込んでいます。
それが日本の温暖な環境の影響もあって短期間で抽出されるため、元々骨太な酒質はそのまま。
新樽熟成のスコッチモルトがないわけじゃないですが、こうした仕上がりになるシングルカスクは少なく。また、長熟スコッチで同様の濃いフレーバーが得られるケースに比べ、タンニンが穏やかな傾向もあります。

2001年、国際ウイスキーコンペWWAの前身であるベストオブベストで、新樽熟成の余市10年が世界一のシングルモルトに選ばれたワケですが、あれは特別な樽ではなく、熟成庫に転がっていた普通の新樽から選んだという話。上記のようなこれまでのスコッチにあまり見られない濃厚なウイスキーが、濃いシェリー樽モルト大好きな欧州の愛好家の琴線に触れたのではと推測しています。

なお、2000年代のニッカのウイスキーは、竹鶴や鶴などの上位グレードを中心に、大なり小なりこの新樽原酒のフレーバーが感じられました。最近はブレンドの方針が変わったのか、この香味が薄くなってしまい悲しい限り。。。
ちなみにこの新樽熟成のウイスキーは、パイプや葉巻との相性が抜群に良いのです。今回のボトルも後日極上な1本を入手した後、紫煙と共に至福のひと時を楽しみたいです。

このページのトップヘ

見出し画像
×