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サントリー ローヤル 1990年代流通 43% 干支ラベル申年

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ROYAL
SUNTORY WHISKY
Release 1991-1992
750ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封後3ヶ月程度
場所:自宅
評価:★★★★★ ★(5-6)

香り:甘く熟成したウッディーな樽香、続いて干草や乾いた穀物感。蜂蜜とドライアプリコット、カシューナッツ。徐々に香りが落ちていき、ドライなニュアンスが強く感じられるようになる。

味:飲み口はスウィートで林檎のコンポートやケーキシロップのような甘みに加え、ほのかな香木感を伴うオークのウッディネス。軽やかな穀物感も合わせて感じられ、口当たりはしっかりしているが、ボディはやや軽い。 
余韻はほろ苦く、すっきりとしてドライなフィニッシュ。 

香味とも現行品より品の良い熟成したモルティーさが、文字通りのトップドレッシングとして感じられる。しかし各香味の繋がりには若い原酒の荒さが若干あり、特に中間から余韻にかけてが少し弱い。
ロックはそうしたボディの弱さが目立つが、ハイボールはすっきりとした中に華やかなオーキーさが感じられる。また、意外に水割りが悪くない。


サントリーから毎年干支毎にリリースされている干支ボトル。申年のローヤルは1992、2004、2016が該当しますが、今回のローヤルは1995年に12年表記が発売される前、旧酒税法改正後の1991年ごろに発売された1本です。

この当時、バブル崩壊とブームの終焉で国内のウイスキー消費量が減り出したことと反比例するように、サントリーのブレンデッドの品質は2000年代初頭にかけて響を筆頭にピークに向かう時期。
ローヤルも同様で、ボディが妙に軽かったり、ウッディな樽香が浮ついていた旧酒税法時代に対し、この時代のものはだいぶバランスが取れてきています。

特に特級表記ジャパニーズの大半に感じられた、独特の香味の薄さがなくなったのが大きいですね。ああ、やっとウイスキーになってきたなと。
この辺りから2000年代中頃くらいまでのローヤルは、響ほどのレベルはないですが普段使いにもってこい。おそらく単純に原酒の使用比率と質が上がった結果だと思うのですが、新しい酒税法の整理では特級区分は品質を落とすことも出来た中で、逆に骨格がしっかりしてきているのは、純粋にメーカーの総合力が向上した結果とも感じています。

ちなみにローヤルの裏ラベルには、15年熟成の山崎原酒を効かせた旨の記載があり、確かにそのニュアンスはトップノートで感じることが出来ます。この後リリースされるローヤル15年に通じる香味でもありますね。
また、前述でも触れたように原酒の質としてはグレーンの質が上がったのでしょう。8〜10年くらいの熟成とは思いますが、完全ではないものの単に薄くならず全体の香味を繋いでいます。
60's表記のある1980年代以前流通のローヤルから飲んでくることで、ブレンデッド作りには良質なモルトとグレーンが欠かせないのだという、ある種当たり前のことを実感させてくれるのです。

サントリー 特角 10年 角瓶発売60周年記念 43% 非売品

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SUNTORY WHISKY
TOKUKAKU
Aged 10 years
60th Anniversary 
1996-1997's
700ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:萌木の村
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(5-6)

香り:香木香漂うフルーティーで軽やかな香り立ち。杏子や洋梨、品のいい果実香から干草、木材のような乾いた香りも感じられる。

味:スムーズでマイルドな口当たり。熟成感を感じるモルティさ。全体的に軽やかでバニラ、林檎のコンポート、クラッカー、奥には軽やかな穀物風味、微かに甲類アルコール感。
余韻はドライ、染み込みようなウッディネスを伴いあっさりとしている。

やや前時代的な香味も引きずっているが、ミズナラ由来の香木香、オーキーな熟成香も備わってサントリーのブレンデッドらしさがある。少量加水すると香りの一体感は増すが味が少し水っぽくなってしまう。ストレートでイケる角瓶。


1996年から1997年、角瓶発売の60周年を記念してリリースされた懸賞向けの角瓶。10年後の70周年では角瓶誕生年である1937年にちなんだ本数分の特角が懸賞となったようですが、この60周年ではノーマル角瓶製品を飲んでポイントを貯めると全員貰える懸賞品だったようです。
もっともそのポイント設定がえげつなく、個人より下町の酒屋が保有しているケースの方が多かったように思います。(そのポイントどこから持ってきたという疑問はさておき。)

そのため、ウイスキーブームが来る前は酒屋の棚に飾られていることが珍しくありませんでしたが、最近はすっかり見られなくなった銘柄でもあります。
あれは8年くらい前か、横浜山手駅近くの酒屋か八百屋っぽい店頭にあって、交渉したけど売って貰えなかったんだよなあ。。。
オークションで狙っても良かったんですが、そこまでしなくてもと思ってるうちにブーム到来。高嶺の花へ。
そんな縁のなかったボトルに出会えたのは、先日訪問した萌木の村。懐かしさを感じながらのテイスティングとなりました。

この角瓶の特徴は、あくまで角瓶でありながら、ワンランク以上上位のグレードにあるモルティさ、そして香木系の香味を備えていることにあります。
ブレンドの方向性は、響系統というよりリザーブとローヤル系統の中間という印象。ミズナラ系の原酒がトップドレッシングにあり、ベース部分は樽感の淡いグレーン、バーボンバレルの白州モルト、あとはなんか色々といったところでしょうか。
高級感あるのに、どこか角瓶臭さを感じる。当時だから作れた角瓶であり、今ではもう作れないだろうなという味わいは、なんとなく商品の位置付けが、ブラックニッカブレンダーズスピリットと被るようにも感じました。(味は全然違いますが。)

そう言えば、この流れでいくと昨年2017年って角瓶誕生80周年だったんですね。
特に認識してなかったのですが、なんかリリースされてたっけと調べると、記念イベントとタンブラーですか。
特角が作られなかった事に時代を感じてしまいます。

サントリーウイスキー 横浜倶楽部 17年 高島屋 43%

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YOKOHAMA CLUB
SUNTORY WHISKY 
Aged 17 Years
1990's
Takashimaya
760ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅 サンプル@東北のSさん
時期:開封後半年程度
暫定評価:★★★★★★(6-7)

香り:少しツンとした刺激はあるが、合わせてしっとりとしたウッディネス。香木、林檎のコンポートや熟した洋梨、アプリコットジャム。フルーティーで熟成感のあるアロマ。

味:ふくよかな口当たり。カステラの茶色い部分、林檎のコンポート、蜂蜜入りダージリン。蜜っぽさを伴うコクのある甘みに合わせ、ミズナラの香木香が鼻腔に抜けていく。
余韻はピリッとした刺激、ウッディでドライ。豊かな香味を感じる。

少し甘みの強い響17年と言える味わい。味に対してボディが若干軽く、とってつけたような印象も受けるが、これは当時の響にも見られる構成。加水すると刺激が落ち着きさらにマイルドで穏やかな味わいに。横置きの個体に注意。


最近コメントで「オススメのジャパニーズのオールドはないですか?」と聞かれることがあり、まずはローヤル15年を勧めるのですが、もう一つあるのがこの横浜倶楽部17年です。
横浜高島屋が1990年代にギフト向けとしてリリースしていた商品。という以外に詳しいことは不明な1本。まあ開発秘話とか思わぬエピソードがあったりすることもありますが、こういうボトルで重要なのは素性より中身です。
というのも、テイスティングにも書きましたがこのボトル、ブレンドのベクトルが響とほぼ同じなんです。

1990年当時、サントリーはブレンデッドのフラグシップブランドに響を据えて、ノンエイジ仕様のリリースを展開していた時期にあたります。(中身は17年を越える原酒も含め、長期熟成原酒もふんだんに使っていたようですが。)
ノンエイジ仕様だった背景に、日本では熟成年数での高級感というより、ウイスキーそのものが高級という認識が一般的だったことが一つ。また、1970年代に稼働した知多や白州の長期熟成モノが、ブレンド向けに安定して用意できるようになるまで時間がかかったからと推測されます。
そんな中、17年熟成でのちの響の姿と言える使用の商品を展開した高島屋。百貨店が持つ力の強さを感じます。

近年、響17年の人気はすさまじいものがあり、定価で入手できればラッキー。オールドボトルに至っては1990年代のノンエイジグレードであってもかなり高額な状況になっています。
先日とある酒屋に居たところ、リユースコーナーで5万円弱で売られていた響旧ボトルを、中国からの旅行者と思われる方が3本同時に買われていったのは衝撃的でした。それもこれも、響が山崎やマッカラン同様に国内外でブランドを確立したからと言えます。

では、ほぼ同じ味わいで響名義ではないウイスキーがあったとすれば・・・これはウイスキーに関わらずそうしたブランド層の嗜好から見て、そこまで値上がりするものではありません。
中身重視の人にとっては嬉しい話。流通地域の関係からか、頻繁に出物があるボトルではありませんが、見かけたら確保しても良いと思います。

サントリー プライベートストック 佐治敬三 1960〜70年代流通 43%

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SUNTORY
Private Stock Whisky
Specially Blended by Keizo Saji
1960-1970's
720ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅セミナールーム@TWD
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:軽やかなモルティーさ、蜂蜜、りんごのコンポート、やや経年を感じさせるオフフレーバー。奥からドライなウッディネス、過熟系のニュアンスがほのかに。

味:香り同様に軽やかなモルティーさ、すりおろしたりんご、おしろいを思わせるドライな麦感。中間に薄めたカラメル、少し甲類的なのっぺりとした要素があるものの、総じてモルティーな味わい。
余韻はほのかに湿ったような樽感を感じるが、スパイシーでドライ、すっきりとしている。

シェリー樽表記があるが、ファーストフィルというよりリフィル的な構成。グレンフィディックのようにスムーズで柔らかい、スペイサイド的ニュアンス主体。短熟と長期熟成が混じったような要素も感じられる。バランス良く、普通に美味しいウイスキー。


初代並びに2代目マスターブレンダーの作にして、皇室、政界や関連業界のトップ層、そして特に親しい方への贈答品、時にはある種名刺がわり的に使われていたと言われているのが、このプライベートストック。
このブランドは、その後プレジデントチョイスとして名を変え、1990年代まで続くことになります。
勿論、非売品だったという話です。

当時のジャパニーズウイスキーは黎明期にあたり、原酒の制限や消費者の趣向もあって、広義のそれらは決してレベルが高いウイスキーではなかったことは、これまでも度々触れてきました。
しかし、時のサントリー社のトップからの贈答品が、ハンパなものであるはずがなく。近年のハイグレード品に比べると見劣りするところはありますが、同時期のジャパニーズウイスキーの中では、相当気合いの入ったリリースに分類されます。

スペイサイド的なモルティーさ、スモーキーさは控えめで、樽感も過剰にないリフィル系統。ちょっとブレンドアルコール的なニュアンスも感じますが、経年によるフレーバーを差し引けば、なんというかこの時期のジャパニーズらしくない綺麗なウイスキーですね。
1960年代当時のサントリーは、山崎以外に蒸留所がなく、白州稼働後も熟成した原酒はがなかった中で、この多彩さとバランス、何より日本とは異なるスコットランド的な熟成感。山崎の原酒以外に、熟成した輸入原酒が使われているのではないかと。。。
何れにせよ、当時の文化を考えれば、ストレートというより水割りやロックが主流と思われますが、充分良さが発揮できる構成だと感じます。

今回のボトルは、1961年に取締役社長兼マスターブレンダーに就任した佐治敬三氏が手がけたもので、その前には鳥井信治郎氏の手がけたプライベートストックが複数種類存在しています。
先に記載した用途だっただけに、一般流通とはいかずともまとまった本数があったものと考えられます。
中には皇室に献上したと思われる、菊花紋章をボトル背面にプリントしてあるものもあり、これの実物は日本橋の某BARでしか見たことがありません。

・・・という話はテイスティングの感想を除いて大半が伝聞ベースで、一般に販売されてないためか、記録らしい記録が見つからないのもこのウイスキーの特徴だったりします。
何方か詳しい話をご存知でしたら教えて頂けますと幸いです。


雑談:サントリーと言えば、今ちょっとした噂がありますね。
自分が聞いている範囲では、確度は高めながらまだ具体的な動きなし。ただし2月20日に何らか発表があるという情報もあり、今後の動きは引き続きアンテナを張って確認していきます。

サントリーウイスキー 角瓶 1950年代流通 寿屋 ウイスキー特級表記 43%

カテゴリ:
SUNTORY
Liqueur Whisky
KOTOBUKIYA
1950-60's
720ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封後1ヶ月程度
評価:★★★★(4)

香り:癖の少ない甘くほろ苦い香り、甲類系のニュアンス。少し油絵の具のような古酒感があるが時間経過で軽減され、モルティーで落ち着いた蜜のような甘さ、華やかで香木のようなアロマが広がる。

味:スムーズでまろやかな口当たり。ほろ苦いキャラメリゼ、チョコレートウェハース。少しピリッとしたアルコールの刺激と、複雑さはないが妙なコクと奥行き、飲みやすさ。
余韻は焦げたような麦芽風味やキャラメルソース、ビターで張り付くように残る。

味はそこまで変化がないが、少量をテイスティンググラスに注いでスワリングしながら時間をかけて開かせると思いがけず様々なアロマが開いてくる。これは中々面白い。
熟成感は10年程度。ハイボール、水割り、ロック、いずれの飲み方も共通して昭和の味、黎明期の味。

(中之島2丁目に本社があったのは1958年から。同1963年にビール事業参入と合わせて寿屋からサントリーへと社名を変更しており、このボトルは1958年から1963年までに発売されたものとわかる。それにしてもこの時から"京都にほど近い山崎"を掲げていたとは。) 

今回のボトルは寿屋時代末期の角瓶です。今から50年以上前のボトルですが、見た所状態は非常に良く、液面もバッチリ。今この瞬間買ってきた復刻版と言ってもわからないレベルです。

そんなボトルでしたが、このまま放置してもどうせ飲まなさそうなので、ばっさり開封してテイスティング。ついでに、というほど記憶は定かじゃないのですが、比較対象としてストレートで現行の角瓶も購入して飲んでみました。
ハイボールではなんだかんだ頻繁に飲んでますが、少なくともラベルが変ってからストレートで飲むのは初めてです。

(角瓶現行品との比較。ポケット瓶で奥行きの違いはあれど、色合いは現行品の方が薄く仕上がっている。)

まずオールドボトルの角瓶ですが、使われている原酒の傾向が現行品とは大きく変っており、華やかでライトな現行品に比べ、重みのある味わいが感じられます。
当時は当然白州も知多もなく、国産原酒は山崎のみ。グレーンウイスキーも満足に手に入らない中、山崎の原酒をベースにブレンド用アルコールも使いながら、味を仕上げていったのでしょう。薄められたようなモルティーな味わいの中に、甲類的なのっぺりとしたニュアンスが混じって感じられます。

輸入原酒については、グレーン含めおそらく使われていたと思われますが、戦後10年少々というこの時代にどれくらい使えたかは定かではありません。
使われた樽についても混ざりすぎてて正直よくわからないというのが本音のところですが、ほのかにシェリー樽を思わせる甘み、モルティーさ、香木香があり、リフィルからファーストフィル、手に入る様々な樽を使っていたと考えられます。
現代に比べて制限の多かった時代ですが、同時期の一部スコッチにも見られる高級感のイメージにコニャックを目指したような、こってりとしているというかまったりしているというか・・・良くも悪くもこの時代のジャパニーズに見られる傾向の一つです。

一方、現行品については先に書いたように、華やかでライムや柑橘を思わせる爽やかさも漂う、意外にモルティーな香味に仕上がっていて「あれ、ストレートだとこんな感じなのか」とびっくりしました。
グレーン感は味わいの余韻にかけてありますが、過度に主張する感じは無いですね。基本的には山崎よりも白州比率多めと感じられる香味と、後は自分の中で「バルク香」と表現している中性的なモルト原酒のニュアンスがあり、すっきりとした余韻に繋がります。
香りはちょっと露骨過ぎる感じもありますが、巷で言われるような異物感はなく、これはこれとしてバランスが良い。ストレートで飲んでも若さが上手く中和されてますし、香りの系統はハイボールで飲むにはピッタリです。

現代のウイスキー業界の動向については言わずもがな、1950年代はトリスバーの開業などでウイスキーブームが興り、現代同様ハイボールが好まれた時代。
ただ、それぞれのブランドの立ち位置としては、高級品だった時代の角瓶と、ハイボール要員である現代の角瓶とでは、目指す場所は異なってくる。
その方向性で考えると、オールドボトルは黎明期らしく飲み手も造り手も発展途上、まだふわふわとした部分が残っていて、とりあえずマイルドな味わいが目指されていますが、現行品はしっかり目指すところが見えている故にキャラクターや市場がはっきりとして、良く考えて作られているウイスキーだなと思います。

っていうか、今ウイスキー業界に参入してきた新興クラフトメーカーは、低価格帯ではこのウイスキーと味、価格、営業力などで戦わなければならないわけで、改めて飲むと壁の大きさも感じます。
なんとなく飲んでみたオールドと現行品ですが、それぞれに感じられる要素があって充分楽しませてもらいました。

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