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カテゴリ:アメリカンウイスキー(バーボンなど)

イエローストーン 特級表記 1980年代流通 43%

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YELLOW STONE 
KENTUCKY STRAIGHT BOURBON 
1980's 
750ml 86Proof (43%)  

グラス:テイスティンググラス
時期:不明
場所:FRUIT RESTRANT BAR AIKA 
評価:★★★★★★(5ー6)

香り:酸を感じるドライな樽香。チェリーや薄めたメープル、焦げたオーク、微かに溶剤、あるいはオレンジのような柑橘系のニュアンスも混じっている。
味:口当たりは甘味が薄く、酸味とドライでビターなウッディネスが主体。樽由来のエキスが乏しい反面、ライ比率が高いのかスパイシーで口内へのアタックがやや強い。余韻は薄めたメープルやオレンジママレード。徐々にドライでスパイシー、乾いた質感が残る。

構成原酒は2~3年程度と比較的若いのか、特に口当たりで粗さ、ドライさが目立ち、ストレートでは引っ掛かりがある。
ストレートよりも割り材、カクテル向きで、実際これで作るミントジュレップはAIKA来店時のお約束メニューである。

ふんだんに使われたミントの爽やかさとライムや添えられたオレンジの柑橘が、ベースの酸や甘味と馴染んで実に美味。

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100年を越える長い歴史を持つバーボンの有名銘柄のひとつ。イエローストーン。
ラベルにかかれているのは爆弾による爆発ではなく、イエローストーン国立公園にある間欠泉。イエローストーンで検索をかけるとウイスキーより上位に出てくる有名な観光スポットなので、もはや説明は不要ですね。

ただ、考察が必要なのが今回のイエローストーンが、どの蒸留所で作られていたのか、ということ。
バーボン業界では、蒸留所の装置や蒸留工程そのものがもたらす個性という観点が、スコッチモルトほどPRされておらず(どちらかと言うと重視されているのはブランドエピソードと原料比率)。銘柄の版権の売買や、蒸留所の買収に伴う蒸留拠点の一点集中といった動きが多くあるのが、同業界の特徴と言えます。

現在のイエローストーンは2010年、ケンタッキー州レバノンにライムストーン蒸留所が新たに創業し(完全に親会社から独立しているわけではなく、Luxcoグループの支店的な位置付けの模様)、そこで作られた原酒を使ってリリースされています。
蒸留所を管理するのはイエローストーン等の関連する銘柄をかつてリリースしていた一族の末裔で、念願かなって版権を取り戻した、なんて読めるPRもされています。

では今回のボトル、1980年代後半(1988年頃と推測)のイエローストーンがどこで作られていたか。。。これが中々情報に当たらない。
同銘柄は1944年からGlenmore Distilleryグループに版権があり、これが1991年にUDV傘下に移り、その後はヘブンヒルで原酒が作られていたようです。(火災時等は違ったのでしょうけれど。)
今回のボトルはUDV移行前なので、前身のグループが所有する蒸留所のどこかということになるわけですが、ラベルにはルイビル表記があるので、同地区の蒸留所と考えるのが有力。。。ってここはバーボン作りのメッカとも言えるくらいめちゃ蒸留所がある地域。

加えてルイビルは元々イエローストーンを作っていた、Taylor & Williams Distilleryがあった場所。同蒸留所は既に閉鎖されており、蒸留設備もなくなっていたようですが、例えば貯蔵庫としては存在し他蒸留所で作られた原酒の熟成が行われていたり、何らかの拠点があった・・・なんて話だったたら、いやはやもうお手上げです(汗)。

イエローストーンはマッシュビルも明かされておらず、気がつけばなんだか不明だらけ。ルイビルがあくまで拠点的な意味であるなら、グレンモアの主要蒸留所にはバートンがあり、1988年に加わったメドレーは時期的に除外できることから、前者の原酒でライ比率多めのレシピが1980年代のイエローストーンかなと強引に考察し、レビューを終えるとします。

オールドグランダッド 114プルーフ 1990年代流通

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OLD GRAND DAD 114
KENTUCKY STRAIGHT BOURBON 
BARREL PROOF  
1990-2000's 
114 Proof 750ml 

グラス:国際企画テイスティング
場所:お酒の美術館 神田店
時期:開封後2ヶ月程度
評価:★★★★★★(6)

香り:濃厚でメローな香り立ち。チャーオークの香ばしさ、チョコウェハースやキャラメルポップコーン。甘味と共に軽く乾いた木屑、ビターオレンジのような要素も混じる。

味:ウッディーでメロー、香り同様リッチな味わい。チャーオーク由来の濃厚さのなかにはチェリーシロップ、オランジェット、樹液のような粘性のアクセント。徐々に焦げたカラメルを思わせる苦味への変化。鼻孔に抜ける軽い植物感を伴い、ビターでウッディ、スパイシーなフィニッシュが長く続く。

メローでパワフルな濃厚バーボン。ライ麦27%と通常のバーボンより高いマッシュビルが特徴ですが、全体的には樽感が強くどっしりとした味わい。果実系の要素よりチャーオーク由来の色濃い甘味が主体で、甘味の後はウッディな苦味が余韻を引き締めている。加水以外にロックにしても崩れないしっかりとしたボディ感で、マッシュビル由来のスパイシーな刺激が際立つ。

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コスパの良いバーボンとして、愛好家から評価を受けるオールドグランダッド114。57%のバレルプルーフ仕様で、裏ラベルを読むと「樽から直接ボトリングされている」旨が書かれているわけですが、加水調整が入っているので真の意味でStraight from the barrelではないものの、ひょっとしてシングルバレルではあるのかもしれません。

今回のボトルは、蒸留所並びにブランドを所有していたナショナルディスティラリーグループがウイスキー事業から撤退し、ジムビーム傘下(厳密にはその前身である、フォーチュンブランド社)となった、1987年以降の流通品。香味の濃厚さから、当時の樽の影響の濃さを差し引いて熟成年数は6~8年程度と推察しています。

上述のシングルバレルなのかという点も気になりますが、それ以上にリリースに使われている原酒はどこで作られたものかという点が、オールドボトルでは気になるところ。
上の裏ラベルに書かれているFRANKFORT.KYは旧オールドグランダッド蒸留所を、CLERMONT.KYはジムビーム蒸留所をそれぞれ指しているわけですが、ジムビームで作られた原酒のボトリングプラントになっているフランクフォートの設備がいつまで蒸留所として稼働していたのか、はっきりとわかりません。

参考までにナショナルディスティラリー社が当時傘下としていたオールドテイラーは1972年、オールドクロウは1987年に蒸留所を閉鎖しているとのことで、グランダッドも1987年の売却と同時に閉鎖したと考えるのが自然。
ジムビームが蒸留所とストックごと引き取り、生産はジムビーム蒸留所に集約し、熟成とボトリングを各工場で行うという形に変更され・・・過去のストックを消費しつつ、新しい体制での生産原酒に切り替えていったと予想されます。あるいは一般普及品などは混ぜていた可能性も。。。

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(ほぼ同時期流通の加水仕様。ストレートでは普通のバーボンだが、加水やハイボールなど樽感を薄めるとソーピーなニュアンスが。。。)

ナショナルディスティラリー社時代のオールドグランダッドは、ソーピーで特殊なフレーバーが感じられるボトルがいくつかあることでも知られています。
20世紀後半、同社が所有する文字通りのドル箱、国民的銘柄であるオールドクロウが急激に売り上げを落とし、同社のウイスキー事業撤退のきっかけとなります。この背景には蒸留工程におけるミスを放置し続けたことによる、味の劣化があったという説があります。確かに、ベースが共通する1970年代アメリカ流通のギルビージンも似たようなおかしな味がするものがありましたし、そう考えると今回のボトルはジムビーム時代の原酒100%なのかもしれません。

また、2000年代以降、近年にかけて樽感が薄くなるに従いドライでスパイシーさが際立つようになっていくオールドグランダッドですが、所有者が代わり、安定した操業に切り替わったのは怪我の功名だったのかもしれません。
例えそれが、レシピだけ同じで設備の異なる、嗜好品として大事な要素を犠牲にした代物だったとしても・・・。

オールドエズラ 15年 2010年代流通 終売間際 50.5%

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OLD EZRA 
RARE OLD Sippin' Whisky 
15 YEARS OLD 
Kentucky Straight Bourbon Whiskey 
2000-2010's 
750ml 50.5% 

グラス:シュピゲラウ テイスティンググラス
場所:BAR Harry's 高岡
時期:不明
評価:★★★★★★(6)

香り:チャーオークの濃厚なアロマ。ややドライで溶剤系の刺激、干し草、チョコウェハース、焦げたトースト、アーモンド。ドライクランベリーやチェリーを思わせる長熟バーボンらしい赤い果実香も伴う。

味:メローで甘酸っぱい、パワフルな口当たりだがすぐにウッディでビターな苦味、タンニンが支配的になる。樽感強く濃厚だが、甘味を持続させるコクが足りない。
余韻はビターでウッディ、軽いえぐみを伴ってドライ、スパイシーなフィニッシュが長く続く。

微かに赤みがかった濃い色合い。香りは長期熟成バーボンらしい濃厚さと果実味、素晴らしい部分が多いが、味は樽のドライさやエグミなどの要素が混じってしまっている。ただ充分美味しいバーボンであることは間違いない。加水すると多少マイルドにはなるが、ボディが軽くなりすぎてしまう。

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2010年前後で終売になったと思われる、オールドエズラ(エズラブルックス)の最長熟成品。ですが、終売後10年近く経ってなお在庫があるのか、近年も流通が。。。ってこの書き出しは先日も使ったのですが、今回のテイスティングアイテムはまさにその現在も流通している並行品(在庫)なので、これ以外の書き出しはないというか、決して手抜きではないのであります。

さて、オールドエズラの発売時期に加え、1990年以前に関する情報は、以下の時代のレビュー記事とコメントを参考にしていただければ、現在一般に知り得る事が出来る情報はほぼ網羅できると言えます。スコッチに比べ、バーボンの情報はインポーターのやる気か、あるいはアメリカ側の雑さからか、明らかに間違っている情報がそのまま広まっていたりするので、実際にモノを見てきた愛好家による記事の補足は本当にありがたいですね。

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(1980年代流通、ラベルデザイン的には2世代前に当たるオールドエズラ。中身はメドレー蒸留所の原酒と考えられ、なによりオールドバーボンらしい艶やかな甘味とコクが香味に感じられるのが最大の特徴と言える。流通時期考察等を含むレビューはこちら。)

今回のボトルは、前回さわる程度だった1990年代後半以降。ヘブンヒル蒸留所の原酒を用いていた終売間際の頃と思われるもの。
オールドエズラは1991年に一度生産を休止したものの、その後すぐに再版。ところが2000年代後半に再びメーカー生産中止となって終売。。。2008年にはリーマンショックがあり、不況の影響から販売計画を見直したか、あるいは旧ヘブンヒル蒸留所の火災が絡んでいるのでしょうか。
ヘブンヒル蒸留所は1996年に大火災が発生、44棟のウェアハウスのうち7棟90000万樽と、蒸溜設備が焼失するという大きな被害があったことは有名な話です。その後、ヘブンヒル関連の既存のリリースは一部縮小しながら残ったストックと、別蒸留所に委託して凌ぎ、ルイビルのバーンハイム蒸留所を1999年に買収して蒸留所名としては復活を遂げました。

旧蒸留所で作られていた限りある原酒とニーズの変化もあり、2000~2010年頃にかけて多くの長期熟成銘柄が姿を消すのと合わせ、このオールドエズラ15年もまた同様に終売となった・・・という情報があれば、2010年頃、日本からの要望を受けて原酒ストックを調整し数量限定で再び生産されるようになったという話もあります。
これもすぐに終売になったようで、そもそも本当に作られていたのか、在庫を並行輸入しただけだったのかは謎です。

まあ、ヘブンヒルの火災時期である1996年から、15年熟成を名乗れるのは2011年ないし2012年が最短の払いだしですから、ここがオールドエズラ15年のラストイヤーなのかもしれません。

I.W.ハーパー 101Proof 1980年代流通 特級表記 50.5%

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I.W.HARPER 
101 PROOF 
KENTUCKY STRAIGHT BOURBON 
1980's 
750ml 50.5% 

グラス:国際企画テイスティング
時期:開封後1週間程度
場所:お酒の美術館 神田店
暫定評価:★★★★★★(6ー7)

香り:干し草のようなウッディネスを伴うメローなアロマ。スパイシーでライ麦パンを思わせる酸と穀物感、チェリーシロップのような甘味とメープルシロップ。リッチで力強い香り立ち。

味:香り同様にリッチでパワフル。粘性のある甘味を伴うスパイシーな口当たり。キャラメルっぽさや熟したバナナ。合わせて若干の植物っぽさの軽いニュアンスも一瞬顔を出す。余韻はウッディでビター、ひりつくようなアタックの強さの中に、序盤のチャーオーク由来の色濃い甘味が長く続く。

ストレートでは香味ともリッチで力強いが、多少まとまりに欠ける部分があり、それが逆に全体としての力強さを強調している印象。加水するとふわりと甘い香りが広がり、口当たりもマイルドに。通常品よりも上質な味わいに変化するが、このブーストアップは長くは続くない。

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日本市場向けに販売されたという、IWハーパーのハイプルーフ版。8~10年程度の熟成を感じさせる原酒がメインで、所謂ボンデッド仕様。樽感はリッチで、度数の高さが各フレーバーのアタックの強さ、スパイシーさを後押ししています。
加水では柔らかくマイルドだったハーパーが、実は猫を被っていただけだったことを思い知らされる。パンチのあるハーパーということで、結構人気のあるブランドだったようですね。

リリースは1980年代後半からで、まさに今回のボトルから。当時日本がバブル景気の真っ只中かつ、バーボンブームもあった時代ですから、日本向け限定品がリリースされるのも自然な流れのように思います。
一方で、1990年代に入ると、今回の金色のハーパー伝統のラベルから、濃い銀色のメタリックカラーにチェンジ。流通期間はこちらの方が長かったのか、ハーパー101proofというと、イメージはこのボトルという方が多いのではないでしょうか。

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変更の経緯は、推察ですがスタンダード品であるゴールドメダルと見た目で区別がつきにくかったためではないかなと。実際、トップ画像に90年代流通のゴールドメダルが写り込んでいますが、メダル部分が101Proof表記になってるだけで、あとはほぼ同じ。
一般の、それもお酒に興味関心がない方が見たら、全く同じものに見えてもおかしくありません。

なお1980年代は、先日投稿したハーパー・プレジデントもリリースされており、同じく日本市場向けとされるボトルです。
こちらは15年以上熟成させた長期熟成原酒がメインと考えられる構成で、加水ですがしっかりとした熟成感とマイルドでメローな味わいが売り。
金が動くところにヒト・モノが集まるのは摂理とはいえ、本国の皆様はこんな良いもの飲まないでなに飲んでたのっていうと、ライト路線が主流で、濃い味はあまりウケていなかったそうで・・・。(なんて贅沢なw)


以下、余談。
ヘブンヒル系列の話ではありませんが、先日ジムビーム蒸留所の貯蔵庫で火災が発生。2棟40000~45000樽が焼失(一部は河川に流入し、川の色が変わってしまったと)するニュースがありました。

火災のあった貯蔵庫は、若い原酒を貯蔵していたものだったこと。また、同社が貯蔵する樽数は約330万樽であり、今回の焼失は1%強にしか過ぎないため、影響は軽微。
むしろ、燃え残った原酒が、瓦礫の中から河川に流れ込み続けないように、しばらく燃やし続けるなんていうアナウンスに、蒸留所としての規模の差を見せつけられる形にもなりました。4万って数字のインパクトに加え、燃えなかった樽の回収しなくていいの!?とか思っちゃいますよね。

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800

アメリカの蒸留所では、落雷による火災がこれまでもあり、有名なのが1996年旧ヘブンヒルの火災焼失。またジムビームでの2003年にあった火災は、火炎旋風まで発生するインパクトのあるものでした。
なおこの時の動画が、2015年ごろに何故かTwitter等で拡散したため、今回のジムビームの一見を「また?」と感じる人もいるかもしれません。
いずれにせよ、影響は軽微で何よりでした。

画像引用:https://www.apnews.com/a5f382c5eff7430eb3f6fdc7b47bce6a

エズラブルックス(オールドエズラ)15年 1980年代流通 特級表記 50.5%

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EZRA BROOKS (OLD EZRA) 
RARE OLD Sippin' Whisky 
Aged 15 years 
1980's 
750ml 50.5% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:BAR BRACK HEART
時期:不明
評価:★★★★★★★(7ー8)

香り:しっかりとメローで濃厚、艶のある甘み。キャラメルソースのかかったバニラや赤いドライフルーツ、微かに溶剤系の刺激も伴う。

味:ねっとりと濃厚、フルボディな口当たり。メープルシロップ、カステラの茶色い部分、しっとりとした甘みに微かにソーピーな要素もある。余韻にかけてウッディでドライ、チャーオーク由来だが角のとれたメローな甘みと共に、焦げ感、タンニンがビターなフィニッシュとなって長く続く。

オーソドックス、メローでウッディな新樽の熟成香だが、溶剤系の刺激やえぐみは少なく、むしろゾクゾクするような艶のある甘みが備わっているのが最大の特徴。
こういうバーボンを1日の終わりに飲めたら、どんなに幸せだろうかと思う。

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現行品はすでに終売となっていますが、どこかに鉱脈があるのか、在庫がたまに流通しているエズラブルックスの上位グレード、オールドエズラ。その15年熟成品は1980年代、日本市場に向けにリリースされたという情報がありますが、海外を調べてみるとエズラブルックス表記でUKやヨーロッパ流通の1970年代流通品や、果ては1960年代というものまであります。

1960年代は少々眉唾ですが、08バーコード表記のないボトルの存在を確認するに、1980年ジャストか1970年代後半にリリースがあったというのは間違いなさそうです。
一方1980年代後半、日本市場はバーボンブームがあり、各社が長期熟成のプレミアムクラスをリリースしている状況も考慮すると、エズラブルックスではなくオールドエズラとして日本に輸入・販売されたのが1980年代、特に1980年代後半だったのではないかと推察します。(下写真参照)


エズラブルックスについて調べると、1957年にホフマン蒸留所からリリースされ、その後1978年にメドレー社がブランドを取得。1988年にはメドレー社解散並びに蒸留所閉鎖に伴ってグレンモア社へ移り、1991年にはグレンモア社がUD傘下に、そして1993年に現在のLuxco社の関連へとブランド販売権が移っていることが、情報の粒度に多少の違いはあれど多くのサイトでまとめられています。

ここに上述の15年のリリース時期等を重ねて考察すると、メドレー社の時代にエズラブルックス表記の15年がリリースされ、1988年に表ラベルの表記をオールドエズラに。また1991年に同銘柄は一時的に販売を休止しているのですが、これはメドレーの遺産を使ってリリースしていたものを、UD傘下、すなわち旧ヘブンヒル産の原酒で製造するためラインを切り替えたことで生じたタイムロスとすれば、時期的に矛盾はなく、違和感のない話だと感じました。

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(特級時代末期、1988年ないし1989年流通のオールドエズラ。時期的にエズラシリーズの版権をメドレー社から取得したグレンモア社が製造したと思われるもの。表ラベルのオールドエズラにRマークが見られないのも、この時代の特徴である。濃厚で実に旨いバーボンだが、メドレー時代のものより少々ドライ。)

前置きが長くなりましたが、今回のボトルは以上の整理から1980年代前半にメドレー社が製造していた時期のもの。
蒸留時期は1970年代前半ないし1960年代後半。この時代だとホフマン蒸留所の原酒はまだ残ってそうですが、ホフマン蒸留所そのものはヴェリーオールドセントニック社が取得したとの情報もあるため、移ったのは版権だけで中身は初期からメドレー蒸留所の原酒だったとも考えられます。

オールドのターキー等のようにフルーティーさとか華やかさとが突出した構成ではありませんが、何より素晴らしいのが甘味の艶やかさ。良質なオーク樽を使った長期熟成バーボンならではの、濃厚でウッディでメローなオーソドックスに旨いバーボンという構成。
こういう香味は一言で「エロい」。なにか違うところを刺激されるのか、ノージングでゾクゾクしてくるのがたまらないのです。

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