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クライヌリッシュ 25年 1993-2019 for TWC 52.2% #11192

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CLYNELISH 
CARN MOR "CELEBRATION" 
For THE WHISKY CREW 
Aged 25 years 
Distilled 1993.10.21 
Bottled 2019.03.01 
Cask type Bourbon Barrel #11196 
700ml 52.2% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封後数日以内
場所:自宅
評価:★★★★★★(6ー7)

香り:おしろいを連想させる、麦芽の白い部分の香りに、洋梨や林檎の蜜っぽいフルーティーな熟成香。オーキーな華やかさに、オレンジピールやドライアプリコット等を思わせるウッディさが合わさった多層的なアロマ。

味:やや硬質さを感じるウッディな口当たりだが、すぐにクライヌリッシュらしいワクシーな麦芽風味をベースに、熟した洋梨のフルーティーさが広がる。
余韻はほろ苦く、香り同様のオレンジピール等の柑橘感を伴うウッディなニュアンスが、ジンジンと心地よく口内を刺激する。

らしい麦芽風味に加え、オーキーなフルーティーさだけでなく、ニッカのウイスキーにあるようなリメード系の要素も備わっている多層的な香味構成が特徴的な1本。加水すると洋梨や林檎、さらにはマスカットを思わせる華やかな白色系のフルーティーさが開く。一方で冷えていると堅さが強く出るので、冬場の寒い部屋でのテイスティングはオススメしない。
クライヌリッシュファンだけでなく、ニッカ好きに薦めたいグッドリリース。

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過去の記事で何度か触れているように、最近のハイランドモルトは昔に比べて麦由来の風味が弱くなり、らしさを失いつつあるように感じています。
ただ、いくつかの蒸留所は昔ながらの個性を残しており、クライヌリッシュはまさにそのひとつ。1990年代以降の新しい原酒であっても、ワクシーでフルーティーな味わいを感じられるものが多くあります。

勿論全てのボトルが良いわけではなく、一時期よりは落ちた部分はありますし、樽によって左右される部分も多分にあります。
ですが今回のリリースは酒質由来の香味もさることながら、熟成感はピークギリギリの範囲でとどめられ、ウッディでありつつフルーティー。ウイスキー愛好家の間に何となく漂う、スコッチモルト1993アタリ説はやっぱりあるのかと感じてしまう、素直に良いモルトだと思いました。

また今回のリリースは上述のクライヌリッシュらしい麦芽風味だけでなく、その樽感が個人的にヒット。
バーボンバレル熟成表記のため、いわゆるアメリカンオークのオーキーで華やか、フルーティーなタイプかと思いきや、どこかニッカのリメード樽的なニュアンスも含んでいるのです。

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(確認のため、自宅にあるリメード樽熟成の宮城峡10年と比較。熟成年数だけでなく、酒質部分のフレーバーが異なるため一概に比較はできないが、やはり同系統のニュアンスが備わっている。)

ニッカのリメード樽は、バーボンバレルをベースに鏡板を新樽にして組み直した、バーボンホグスヘッドサイズ(250L)の複合樽です。樽材は同じアメリカンオークであるため、バーボンバレルとの共通項は間違いなくあるものと思いますが、新樽要素が含まれるためバーボン樽とでは仕上がりが異なります。

じゃあ今回のリリースは、ニッカの樽がクライヌリッシュでも使われたとか、荒唐無稽な説を述べるつもりはありません。
神のみぞ知るところですが、樽材が同じなのだから、たまたまそういう仕上がりになっただけか、あるいはウイスキーの熟成前に樽の修繕があり、一部が新樽に切り替わっていた辺りが、現実的な範囲だと考えます。
いずれにせよ、個人的にはニッカ独自のものと整理していた香味を備えている点が、今回のリリースの嗜好品としての面白さを後押していると感じます。

「専門性とは切り離されたところに、愛好家としての愉楽はある。」あるいは「女(ウイスキー)は秘密を着飾って美しく(美味しく)なる。」と言いますか。
ちょっとミステリアスな部分があって、あーだこーだと考えながら自己完結する嗜好品の楽しさがあり、それでいて美味しい。このボトルはまさに、というものなのです(それが正解かどうかは重要ではない)。
カスクチョイスをされたWhisk-eないしTWCのご担当者様、いい仕事してますね!

■THE WHISKY CREW (TWC) について

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さて、せっかくなので今回のボトルに関連し、TWC(The Whisky Crew)についても触れておこうと思います。
TWCは、Whisk-eが昨年オープンした、紹介制の販売サイトです。同社が扱うウイスキー並びにスピリッツ等の販売に加え、今回のボトルのようなTWC向けの限定リリースが定期的にあったり、一般市場では売り切れになったリリースがひっそりと特価で販売されていたりするなど、この1年間でコンテンツが充実してきています。

ただ、このサイトの利用にあたっては、既存の会員から紹介してもらわなければならない登録システムがあり(紹介者の氏名を入力するのが必須項目)。このブログの読者のなかには、周囲に該当する人が居ないとか、SNSじゃ本名をやりとり出来る空気じゃないとか、様々な事情があると思います。

で、以下はWhisk-eさんとのやり取り。
く「TWCのことブログで紹介して良いですか?」
W「良いですよ」
く「読者が会員になりたい場合って、どうします?」
W「紹介者に、くりりん、って書いてくれれば。」
くりりんさんのマニアックなブログ見てるような真剣な愛好家なら、ウチは歓迎ですよー。
ということで許可をいただいておりますので、ここまで駄文を読んでくださって、かつTWCに登録しておきたいという方がいらっしゃいまっしたら、「くりりん」と書いてご登録ください(笑)。


なお、これで登録が増えたからといって自分になんの利益も発生しないことは、補足しておきます。
長くなりましたが、本日はこの辺で。

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クライヌリッシュ 蒸留所限定 2018年詰め 48%

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CLYNELISH 
DISTILLERY EXCLUSIVE BOTTLING 
Cask type Ex-Bourbon 
2018's 
700ml 48% 

グラス:
場所:BAR Fingal
時期:不明
評価:★★★★★★(6)(!)

香り:オーキーで華やか、合わせてワクシーさのしっかりある香り立ち。バニラやおしろいの甘いアロマ、すりおろし林檎、微かに黄色い柑橘のアクセント。

味:香り同様にオーキー、オイリーな口当たりから麦感厚く、骨格がしっかりしていてアタックもほどよい、口内をホワイトペッパーが刺激する。
余韻にかけてグレープフルーツなどの柑橘のニュアンス、ウッディでほどよくドライ、長く続く。

蒸留所の特徴がしっかり出たウイスキー。加水だが適度に酒質のパワーが残っており、それがアメリカンオークの樽感と合わさって素直に旨いモルト。バーボン樽との相性が良いのだろう。蒸留所限定品としての特別感もある。


クライヌリッシュ蒸留所で販売されている限定品。以前は同じバーボン樽熟成で57.3%のカスクストレングス仕様でしたが、2018年頃に加水仕様へリニューアルしたようです。
加水に変更されたことで少々残念な印象を持つかもしれませんが、加水は加水で良さがあります。

熟成年数はオフィシャル現行品の14年と同じくらいだと感じますが、完成度の高さは現行品と比べて頭一つ抜けている。樽がバーボン樽で構成されていることが、酒質と馴染みの良いフルーティーさに繋がっているだけでなく、酒質由来の香味も分かりやすい構成です。
そして加水されていることで、それらがまとまり、全体的なレベルの高さに繋がっているものと感じます。

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中身以外でもう一つ変更されたのが、ラベルデザイン。
以前のカスクストレングス仕様はオフシャル14年に近いものでしたが、写真のようにラベル下部に山猫のイラストが大きく書かれています。
クライヌリッシュと言えば山猫。元々野生のものではあるのですが、ラベルのそれを拡大すると結構リアルな感じだったんですね。
このイラスト、なんだか威嚇されているような・・・(笑)。

ただし威嚇されてはいるものの、頭を撫でたら以外とフレンドリーだった。そんな味わい。スコットランドに行く人がいるなら、お土産に買って損のないボトルだと思います。

クライヌリッシュ 20年 1997-2018 BARレモンハート 46%

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clynelish-lemonheart
CLYNELISH 
KINGSBURY 
For BAR LEMON HEART 
Aged 20 years 
Distilled 1997 
Bottled 2018 
Cask type Hogshead 
700ml 46%

グラス:テイスティンググラス
時期:不明
場所:BAR LIVET
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:華やかなオーク香、ワクシーかつおしろいを思わせる麦芽香。すりおろしたリンゴや洋梨を思わせる品の良いフルーティーさを伴う。

味:香り同様の構成。しっかりとした口当たりから、おしろい系の麦感と洋梨のピューレのようなフルーティーさ。微かに柑橘やアプリコット。余韻にかけてしっかりとパンチがある。フィニッシュはドライなウッディネス、華やかだがやや荒いオーキーさを伴って長く続く。

王道的なクライヌリッシュと言える個性を楽しめるリリース。加水だが、虚勢されているわけではなく、樽と酒質にはほどよい強さが残されている。


ウイスキー好きなら、あるいはお酒好きなら一度は見たことがあるであろう、漫画「BAR レモンハート」。最近はドラマも放送されていたため、より知名度が上がっているのではないでしょうか。

レモンハートは架空のBARですが、嘘から出た誠と言いますか、実際に東京・大泉学園前にBARレモンハートを作者・古谷さんが開業しただけでなく、昨年は酒販店も別途オープン。連載初期の頃に掲載されたものなど、終売などで入手が難しいものはさておき、漫画で知ったお酒を飲み、購入するという興味深いモデルが作り出されています。

今回のクライヌリッシュは、その酒屋レモンハートのオープンを記念して80本限定でボトリングされたものです。
ウイスキーではなくワインっぽいですが、ウェアハウスでテイスティングしているマスターの姿が、知ってる人には「おっ」と思わせるラベル。
中身のチョイスも一般に有名どころなウイスキーではなく、モルトラヴァーにファンの多いちょっとコアな銘柄代表とも言える、クライヌリッシュなのが惹かれますね。

それがまたテイスティングの通り、クライヌリッシュの王道的な味わいなのもポイントです。
ワクシーで、バニラや洋梨、あるいはおしろいのような甘い香りに、日本人に馴染みがあるところだと、お粥のようなとろりとした麦系のフレーバー。ここにオーク由来の華やかさとフルーティーさがマッチする。
リフィルシェリータイプの樽だと、酸味が強かったり多少くどくなる傾向もあるため、こういうのが良い塩梅だよなと。じっくり楽しませてもらいました。

クライヌリッシュ ブティックウイスキー 50.6% Batch No,2

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CLYNELISH
BOUTIQUE-Y WHISKY 
Batch No,2
Release in 2013
500ml 50.6%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:ブラインドサンプル@Wennyさん
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

【ブラインド サンプルB】
地域:ハイランド
銘柄:ベンネヴィス
年数:20年程度
流通時期:2010年代
度数:48〜50%
樽:バーボンホグスヘッド
仕様:シングルカスク

香り:干草や乾いた麦芽のドライなアロマから、乳酸系の酸味、キウイフルーツや人工的なパッション香、時間経過でおしろいを思わせる甘みも感じられる。

味:少し水っぽさのある口当たり、バニラ味の風邪薬シロップ、おしろい、オーキーで黄色い果実味。後半にかけてヒリヒリとした刺激、ケミカルな甘みも伴う。
余韻はドライでほろ苦く、乾いたウッディネス。オーキーな華やかさの残滓を伴い長く続く。

ハイランド系の酒質と熟成感。人工的なニュアンスのあるフルーティーさとおしろいを思わせる麦感は、度数落ちホグスのベンネヴィスだろうか。同系統のフレーバーを出すものとしてはアイリッシュにしては麦系の香味が厚く、ロッホローモンドにしては熟成が長い印象。


リカーショップ、マスターオブモルトがリリースする、ブティックウイスキーカンパニーブランドのクライヌリッシュ。スペックの詳細は明かされていないものの、度数、樽、熟成年数、流通時期などの諸条件は、そこまで大きく外してはいないと思います。蒸留は90年代前半で、ボトリング本数から、樽はホグスヘッドでしょう。

しかしいただけないのが、蒸留所に結びつく特徴の捉え方。今回は白粉っぽい厚めな麦芽風味以外に、人工的なニュアンスのある甘み、リキュールやシロップのような果実味を強く拾ってしまい、こりゃ多少麦感もある90年代の前半から中頃くらいのベンネヴィスかなと。結果は大外し、麦系が強いクライヌリッシュだったワケです。
地域指定ハイランドと言えば予想は近いようですが、正直猛省ですね。

正解発表の後で改めて飲んでみると、ああ、これはクライヌリッシュだよというワクシーで白粉っぽい麦感の方が強く感じます。こんなにわかりやすいキャラクターだったのに、ピントが合わないとこうもズレる。
これが情報を飲むということであり、どこにフォーカス出来るかというブラインドの難しさ。まだまだだぞと良い刺激を頂いた出題でした。ありがとうございます!

クライヌリッシュ 44年 1972-2016 GM レアオールド 42.2%

カテゴリ:
CLYNELISH
Gordon & Macphail
Aged 44 years 
Distilled 1972
Bottled 2016
700ml 42.2%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅セミナールーム@TWD
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★★(7-8)

香り:キャラメルや濃いはちみつを思わせる甘い香り立ち。麦芽香は樽香と混じってシフォンケーキのようで、スワリングでスモーキーなピート香が開く。時間経過でアプリコット、リンゴのカラメル煮、ドライでやや枯れたようなニュアンス。

味:マイルドでとろりとした口当たり。やわらかい麦感、熟したバナナ、キャラメル、そこからスモーキーフレーバーが鼻腔まで広がる。コクはあるがボディは細くなりつつあり、後半にかけてドライな要素が強くなっていく。
余韻はドライで角の取れたウッディネス、トロピカルフルーツの戻りが時間差で広がる。

度数が落ちて枯れ気味なニュアンスが感じられるモルトだが、元々のボディの厚さと個性の強さで、樽由来の要素や熟成による変化を受け止めてギリギリ踏みとどまっている。柔らかくマイルドな飲み口、粥のようならしい麦感と存在感のあるスモーキーさ、そしてリフィルと思われるがGMらしさのあるシェリー感。まさに最後の飲み頃、ストレートでじっくりと頂きたい。


GMのハイエンド(最近色々出過ぎてよくわからない)のレアオールドシリーズからリリースされた、クライヌリッシュの当たり年と言われる1972年蒸留にして、同ビンテージ最長熟と思われる1本。
なのですが、半世紀近い熟成年数に対して度数がレッドゾーンが近づいた42.2%は、ちょっと危険な匂いも感じる仕様でもあります。

言わば、枯れきったモルトの味わいとも言える、個性やボディがスカスカで樽感だけ華やか、どの蒸留所とも言えないようなモルトなのではないか。。。と。
ただそんな心配は杞憂でした。確かに枯れたような香味も多少あるものの、それ以上にクライヌリッシュらしい個性や、意外にも存在感のあるピート、戻りの果実味に感じるオークの恩恵。全てのウイスキーがたどり着けるわけではない、熟成後の姿があるのです。


クライヌリッシュで1972年と言えば、かつて同じGMのケルティックシリーズなどで多数リリースされており、いちごの白い部分のような果実味と華やかな樽香から、当時の愛好家にとって長熟クライヌリッシュのベンチマーク的存在となったビンテージだと思います。

そのクライヌリッシュと比較すると、今回のそれは少々傾向が異なる仕上がり。時代を感じるピート香を除けば、オフィシャル14年で感じられる要素の延長にある香味が主体的で、あれがこうなるとは思えない、ではなく、親子の写真を見比べて確かにこれは同じDNAがあると感じるような仕上がり。
昔の原酒の良さをと共に、今の良さも感じる。それらの共通点が香味にある枯れ感で、さながら次の世代にバトンを渡すような構成とも感じられました。


今回のボトルは昨年末に開催した、仲間内のテイスティング会で頂いたものです。
いろんな意味でレアなボトルが集まった会で、価格的に突き抜けていたのがこのクライヌリッシュ。そんな男気溢れる持ち込みを頂いたYakuさんも、自身のブログでこのクライヌリッシュのレビューを公開されています。


自分と異なる視点での評価は、また違った考察となっているだけでなく、持ち主だからこその時間をかけた深堀りが非常に参考になります。
当ブログと合わせて読んで見てください。
サンキューヤック!!

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