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マッカラン ロイヤルマリッジ 1946&1961 43%

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MACALLAN
Royal Marriage Malt Whisky
Distilled 1948 & 1961
Bottled 1981
750ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:個人宅(KuMC)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★★★(8)

香り:引っ掛かりがなく、高貴であり、ふくよかな香り立ち。レーズン、キャラメルバニラアイス、微かにアーモンド。

味:スムーズでまろやかな口当たり。ベリーやレーズン、カラメルソース、古典的な麦芽風味の香ばしさ、じわじわとタンニン、土っぽいピートフレーバー。余韻は甘酸っぱく、ベリーシロップを伴う長い余韻。

現行のボトルでは決して出ない、酒質由来の麦感、ほのかなピートフレーバーがリッチでありながらまろやかなオールドシェリー感と合わさって、負担のない飲み口、包み込むような旨さに仕上がっている。
このボトルを家飲み出来たらどんなに幸せだろうか・・・。


1981年、チャールズ皇太子とダイアナ王妃の結婚を祝い、双方の生まれ年の原酒をバッティングしてリリースされたボトルのうちの一つ。マッカラン以外ではグレングラントやストラスアイラなどのリリースがあり、総じて高い評価を受けています。 
ただ、高い評価を受ける反面、わかりやすく高騰するボトルであることから、オールドマッカランの中でも、特にフェイクが多いボトルの一つでもあるます。
以前、ウイスキーワールド誌でフェイク特集が組まれた際は、疑惑のボトルの一つとしてテイスティングアイテムだったこともありました。

すでに高騰している中でそういうリスクがあるとわかっていると、オークションは特にとんでもない博打というか、本当に手を出しづらい・・・一部のバーマンが海外のショップまでオールドボトルを買い付けに行く理由がよくわかります。
一方、今回のボトルのテイストは明らかにオールドマッカランのそれであり、間違いなく本物。このまろやかな口当たり、包み込むような柔らかい甘さ、シェリーの奥にあるほろ苦いピート、ウッディネスをじっくりと楽しませて頂きました。

さて、イギリス、あるいはスコットランドでは何かの節目にウイスキーが関わるシーンが珍しくありません。
子供が産まれた時にはその年(可能であればその日付)に蒸留されたニューポットを樽買いし、我が子の成人を祝って一緒に飲む。結婚となれば夫婦の生まれ年の原酒をバッティング、マリッジしてボトリングする。
ウイスキーは人間と同じと例えられる事が多くありますが、人生と同じだけの時間が詰まった原酒に、自身や愛する人の人生を重ね合せる。"時を飲む"とはまさにこれ以上にない例えであり、本当に素晴らしい文化です。

このマッカランに書かれた"Long life and happiness (末長く幸せに)"の願いは、結果的に叶うことはなかったわけですが・・・。この瞬間の幸せは、ウイスキーを通じて語り継がれていくのだと思います。

マッカラン 12年 グランレゼルヴァ 45.6% 2008年リリース

カテゴリ:
マッカラングランレゼルバ
MACALLAN
GRAN RESERVA
Aged 12 years
2008's
700ml 45.6%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封後1ヶ月程度
評価:★★★★★★(6)

香り:リッチでスパイシー、刺激は注ぎたてで強く感じられるものの、徐々にチョコレートやレーズンの濃い甘い香り、微かにハーブを伴う香木のウッディネス。シェリー樽由来の濃厚なニュアンスが開いてくる。

味:ピリッとした刺激を感じるが、その後はまろやかで甘くコクのある濃厚な味わい。ダークチョコレート、ドライプルーン、微かにクランベリーの酸味、スパニッシュオークらしい香木のアロマが鼻腔に届く。カカオや焦げたサツマイモの皮を思わせるウッディな苦味、タンニンが後半から余韻にかけて感じられ、ドライで長いフィニッシュ。

スパニッシュオークの旨いシェリー系ウイスキー。現行マッカラン12年の理想形の一つとも言える味わい。
多少力技というか樽感でカバーした故の甘みのしつこさはあるが、今のシェリー樽熟成のウイスキーのレベル(特にマッカラン)を考えれば、良心的かつクオリティ高いボトルであった。 是非ストレートで。
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良いヤツほど短命、あるいは「アイツ、いいヤツだったよな」なんていうドラマのお約束を見るようなリリースが、マッカラン・グランレゼルバ12年です。
元々年度毎の本数限定リリースだったということもあり、2007年から2009年まで、僅か3年間のリリースで展開を終えてしまいました。
(※リリース年度の違いは、2007はラベルにそのシールが貼られており、2008はサントリー㈱取り扱い、2009はサントリー酒類取り扱いで見分けられます。)

マッカランにとって、いや、その愛好家にとってグランレゼルバは特別なリリースです。
1997年、このグランレゼルバを冠した18年がリリースされたものの、同18年は1997年から2000年まで、12年同様に僅か4年で終売となっていました。
その理由はグランレゼルバを名乗るに相応しい良質な原酒が確保できなかったため、ということですが、当時の状況を考えると純粋に売れ行きも・・・と言う説があったりなかったり。
ただ、味は確かであり、特別感のあるブランド名も手伝って、現在の市場価格はとんでもないことになっています。

そうした背景があるためか、このグランレゼルバ12年、リリース当時は"グランレゼルバ"を名乗るなんて「おこがましい」と言わんばかりの厳しい声まであったことを覚えています。
一方で、最近のマッカランにしては頑張ったじゃん、という評価の声もありました。
2007年は、シェリーオーク12年(オフィシャル通常品)が丸瓶から肩張りの現行デザインにシフトし、味が落ちたと悲観される中のこと。もっともグランレゼルバ12年の価格は、当時のオフィシャル18年と大差なかったわけで、当然そうした声があったことも。つまりは賛否両論だったわけです。

改めて飲むと、スパニッシュオークの香木のニュアンスを纏う濃厚なシェリー感が特徴。現行品のマッカラン12年を構成する原酒のトップ、特にそうした要素の強いものを集めたのではないかと感じます。
業界の中でも早くからシーズニングシェリー樽のシステム確立に動いてきた同社だけに、近年マッカランが目指す、あるいは現行品で作りたかった姿なのではないでしょうか。

皮肉なことに、今のウイスキー市場で、高く評価されているフレーバーの一つが、がこの手のスパニッシュシェリー樽熟成ウイスキーのそれであり。。。もし今この瞬間、マッカラン・グランレゼルバ12年が発売されていたら、マッカランの本気として評価されていたかもしれません。
グラスを傾けるたび「こいつ、いいヤツだったな」と思うのです。

マッカラン 25年 1962-1987 アニバーサリーモルト 43%

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THE MACALLAN
Anniversary Malt
Aged 25 years
Distilled 1962
Bottled 1987
750ml 43%

グラス:テイスティンググラス
量:ハーフショット
場所:個人宅(KuMC)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:リッチでふくよかな香り立ち。若干古酒感のあるシェリー感、黒砂糖やチョコレート、枝付きレーズン、微かに湿った木の香り。黒砂糖系のニュアンスが強く、果実味よりもコニャックを思わせる甘みが強調されている。

味:とろんとした滑らかな口当たり。リッチな甘みはレーズンチョコレートと黒砂糖、くるみのようなほろ苦さ、タンニン、香り同様の構成。ボディは厚みがあり舌の上のコクが余韻にかけて長く感じられる。


1957年蒸留(1983年ボトリング)からリリースが始まったという、マッカランのアニバーサリーモルト。その1962年蒸留の1本です。
加水でもボディが残る、しっかりとした酒質とまろやかなコクのある口当たり。今のスタンダードスタイルとは異なる、オールドスタイルのシェリー感。そこにボトリング後25年強の経年が織りなすニュアンスも合わさって、お手本のような古酒系シェリー樽熟成のウイスキーに仕上がっています。

アニバーサリーモルトは1年毎にリリースが行われており、総じてマッカランのスタイルに忠実と言えるシェリー系の構成ですが、その年その年に微妙に、時に大きくスタイルが変わる場合があります。
例えば1962年はとろりとしたシェリー感でしたが、写真の1965年は色合いが淡く、ナッティーでバランス寄りな味わい。(フェイクではないようです。)
ではその後1966年や1967年蒸留のアニバーサリーモルトがどうかと言うと、過去の記憶を紐解けば、陶酔感もあってうっとりするようなシェリー感のモルトだった記憶があります。
1965年に樽か、1990年に原酒を確保できなかった理由があるのでしょうか。。。

以下、このウイスキーの本質的なところとはあまり関係がありませんが、小ネタとして。
芸能界の中でもウイスキー好きとして知られる福山雅治さん。福山さんがウイスキーにハマり始めた頃、既に弩級のウイスキー好きだったタモリさんに連れられて飲んだのが、マッカラン25年なのだそうです。
もっとも、25年は25年はでも、1962年ボトリングとのこと。あるとすればGM蒸留所ラベル時代の1937年蒸留の25年か。ボトリングと蒸留を言い間違えているなら、今回テイスティングしたマッカランか、クリスタルデキャンタあたり・・・ということになります。

どちらにしても、流石スゲーもん飲んでるなあという話ですが、タモリさんの哲学として「一番いいものから入ったほうがいい」というものがあり、そうすることで自分の中に基準ができて、選択の幅、様々な楽しみ方につながるとのこと。同意せざるを得ない考え方です。
これまでウイスキー分野における先人の皆様から、様々な機会を通じていいものを飲めと薦めてもらい、ご馳走になることも多々あるわけですが、間違いなく自分の中の基準というか、ウイスキーに対する受け取り方、幅は広がったと思います。

そうして今回のマッカラン1962&1965は、経験があったからこそ見えるものがあり、さらにいい経験を積ませてもらったと感じます。ありがとうございました!

マッカラン 12年 シェリーオーク 40%

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MACALLAN
Highland Single Malt
Sherry Oak
Aged 12 years
700ml 40%

グラス:サントリーテイスティング
量:30ml
場所:BAR飲み@(Y's Land IAN)
時期:不明
暫定評価:★★★★★(5)

香り:黒砂糖や紹興酒を思わせる甘みと酸味を伴う香り立ち。ドライプルーン、鉛筆の削りカスのようなウッディネス。ややのっぺりとした感じもある。

味:とろりとしてスパイシーな口当たり、黒砂糖やプルーンの甘みから、ほのかにオロロソっぽい酸味、ウッディネスは徐々に生木っぽさを伴う。後半は単調。余韻はべったりとウッディ、シーズニングオーク、キャラメルの甘みを伴い長く続く。

シェリー樽由来の甘さはあるが、のっぺりとしていて香味共に後半単調で開かない。酒質だけでなく樽の厳しさを感じる1杯だが、これを大量生産しているシステムはある意味で凄い。ロックで飲む分にはそれなりに味はキープ出来る。


だいたいの人が一度は飲んだことがあり、今の時代のスタンダードの一つであるマッカラン12年シェリーオーク。
実は世界中で販売されている訳ではなく、シェリーオークはアジア圏を中心としたリリースで、免税向けには様々な樽を使ったノンエイジ商品に、欧州、アメリカなどではファインオークが中心という話。
少し古いデータですが、同社では年間26億円(2013年時点)を樽関連に投資しており、スコットランドに入るシェリー樽の約8割を確保するという、様々な努力の上で、なんとか成り立っているウイスキーです。

ただそのイメージは、好きな方を悪くいう訳ではないですが、BARでロックを飲むとなんとなく雰囲気の出る(ように感じる)ウイスキーで、合わせてハロッズ読本に書かれた「ロールスロイス」という表現が、お約束のように使われる。
一般的な知名度の一方、ウイスキー愛好家からは「今のマッカランは。。。」と軽くディスられ、そして率先して飲まれる機会は減っていく。
マッカランのスタンダードに対するイメージを書き出すとこんな感じですが、今回は先日発売したダブルカスク12年と比較するため、久々にスタンダード品もテイスティングしてみました。

単品で飲んだ印象は上述の通り。しかし飲み比べてみると、ダブルカスク側にあるアメリカンホワイトオーク由来のの癖やシェリーオーク側のスパニッシュオークらしい甘み、ウッディネスがわかりやすく、これは相互リンクしているウイスキーだと実感。どちらもシェリー樽原酒100%で構成比率の違うウイスキーであるため、逆に違いがわかりやすいのだと思います。
もう一つのマッカラン、ファインオークだと樽構成が違いすぎて、飲み比べても「まあバーボン樽入ってるから違って当然だよね」となってしまうのです。

ちなみにロールスロイスという表現は、その当時のマッカランの品質、こだわり、高級品としてのステイタス等の数々から例えられたものと言われているものの、実際当時の状況等からどうだったかというと、一つの本に書かれたに過ぎない言葉が、日本で独り歩きしている感はあります。
ロールスロイス社は1970年代に経営破綻、買収など紆余曲折ありましたが今尚高級ブランドとして存続しており、ゴースト、ファントム等に代表される、基本特性プラス超豪華な内装、設備を売りにしたクラクラしてしまうほどの高級車を少数生産で展開しています。(モーターショーくらいでしか見たことないですけどw)

マッカランも現行品の最上位グレードまで行けば、味の良し悪しはともかくロールスロイスとも言えるこだわりを見ることは出来ますが、勿論数は作れない。そう、ロールスロイスなんてそんなにバンバン走ってないんです。
この表現に拘るなら、現行品12年はさながらロールスロイスから技術提供を受けたメーカーが作った軽自動車、という印象。
結果、色々比較するとそんなに悪くないと思いつつ、ついついもっと頑張れよと思ってしまうのです。


マッカラン ダブルカスク 12年 40%

カテゴリ:
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MACALLAN
DOUBLE CASK
Highland Single Malt
Aged 12 Years
700ml 40%

グラス:サントリーテイスティンググラス
量:30ml
場所:BAR飲み(Y's Land IAN)
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★(5)

香り:乾いた草を思わせるウッディネス、ほのかに漂う七味のようなスパイスのアロマ。カカオチョコ、微かにオレンジピール、時間経過でスパニッシュオークらしい生っぽいニュアンスを伴う樽香。

味:やや粘性のある口当たり。オレンジチョコの甘みとほうじ茶のような苦味、スパイシーなエッジの効いたウッディネスを伴う。中間はオールブラン、シーズニングオーク、コクのある舌触り。フィニッシュはビターで軽くスパイシー。口の中に張り付くように長く続く。

アメリカンホワイトオークのシーズニングらしいキャラクター、乾いたウッディネスや植物っぽい癖を要所に感じる。時間経過でドライプルーン系統の甘みも開きそう。度数以上の飲みごたえがあり、バランスも悪くないが、売り文句「ロールスロイス・マッカラン」に求めるフレーバーかと言うと。。。シェリー樽100%でリリースしたことはともかく、大量生産の難しさを如実に感じる味わいでもある。
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昨日3月7日から国内正規品が発売された、マッカランの新しいスタンダードラインナップ。12年のレンジとしては、シェリーオーク、ファインオークに継ぐ第3のマッカランです。
IANで飲んでいたところ、サントリーの営業さんがちょうどこのボトルを持ってこられ、折角なのでとテイスティングしてみました。

シェリーオークはシェリー樽100%、ファインオークはアメリカンオークとスパニッシュオークのシェリー樽にバーボン樽の3種類が使われ、それぞれ異なる個性で市場に展開されてきました。
今回のダブルカスクの住み分けとしては、文字の上ではファインオークからバーボン樽を除き、アメリカンオークとスパニッシュオークのシェリー樽で作られたシェリー100%のブランドという事になります。

ではシェリーオークとは何が違うのかと言うと、これはアメリカンオークのシェリー樽の比率にあると考えられます。
マッカランは、基本的には自社でボデガに発注したスパニッシュオークのシェリー樽(シーズニング期間2年間)で熟成させているという話は有名です。
シェリーオークはこのスパニッシュオーク主体、ダブルカスクはアメリカンオークの比率が高いという印象。また使われたアメリカンオークのシーズニング期間は、体感で1年未満、あるいは半年程度とそれほど長くはなさそうです。
飲み比べても色、香り、味、その違いは明確に感じられ、希望小売価格はシェリーオークと同価格の7000円(4月1日からシェリーオークが1000円値上げし同価格に)。どうにかしてシェリー系のリリースを維持していこうとする、マッカランの戦略も垣間見ることが出来ました。

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(写真左、ダブルカスク12年。写真右、シェリーオーク12年。ダブルカスクの方が複雑だが、色同様、シェリーオークの方が甘みの濃い樽感が感じられる。)

物足りなさは感じるものの、とりあえず現状の出来栄えは可なく不可もなし。
香味のイメージとしては口開け直後であるためか比較的スパイシーでウッディな苦味も強く、過去発売されたマッカランの限定品、エディションNo,1を飲みやすくしたような印象も受けました。
そう言う意味で、このマッカランは「らしさ」のあるオフィシャルなのかもしれません。


さて、ここまで書いて読み直すと、アメリカンオークを使っていることがマイナスであるような印象を受けるかも。。。と感じたので、誤解のないようにシェリー樽について補足すると、本来シェリー酒の熟成工程で使われる樽は、アメリカンオークで作られています。例外的に一部スパニッシュもあったようですが、主たるものではありません。

ここから先は諸説ありますが、ウイスキー製造の歴史の中で、需要が増えたシェリー樽に対応すべく、シェリー酒を染み込ませて樽を売り出すための「シーズニング」がボデガのビジネスとなり、アメリカンオークに比べて香味がつきやすいスパニッシュオークが1970年代後半、あるいは1980年ごろから主流となっていきました。
マッカランは1974年から自社で樽工場まで作り、スパニッシュオーク樽を量産しています。かつてマッカランの日本向け背面ラベルには2年間のシーズニングを説明する記述もあったほどです。

今回マッカランが使っているのはシーズニングで作ったアメリカンオークのシェリー樽で、シェリー酒製造工程本来のものとは異なるものと考えられます。
これを持ってシーズニングが悪い、スパニッシュが悪いと言う話をする訳ではありません。また、ダブルカスクを飲んで味が落ちたと感じたなら、それはアメリカンオークが味を落とした要因とするのも早計で、あくまでシーズニング樽の仕上がりの一例として捉えておくべきなのかなと思います。

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