カテゴリ

カテゴリ:ウイスキー関連の話

サントリー 碧 AO ワールドブレンデッドウイスキー 43% 先行レビュー (2019年4月16日発売予定)

カテゴリ:
Screenshot_20190212_121427
AO 
SUNTORY WORLD WHISKY 
A BLNDED FIVE MAJOR WHISKIES 
2019's 1st Release 
700ml 43% 

暫定評価:★★★★★★(5ー6)

香り:バニラと洋梨を思わせる品のいい甘みのトップノートから、干草、ライ麦パンのような酸味、微かに柑橘のアクセント。奥から軽めの溶剤感と焦げたようなアロマも感じる香り立ち。

味:スムーズでマイルドな口当たり。序盤は若くほのかな酸味を伴うライトなモルティーさ。続いて樽の効いた穀物の甘みとほろ苦さ、粘性のあるグレーンの風味が包み込むように開いてくる。徐々に微かなピートとスパイシーな軽い刺激を伴いつつ、余韻はまったりとした甘みが舌の奥に残る。

スコッチタイプの内陸系のモルトとグレーンに、バーボンを加えたような複数の原酒の個性。温度が上がると後者の甘くウッディな個性が強くなる。熟成感はモルトが8~15年程度、バーボンを含むグレーン系統はそれなりに樽が効いて4~10年程度といった印象で、比率は4:6か3:7あたり、グレーン系統の原酒が多い印象も。
そのためキレのいい味わいではないが、粘性のある舌当たりからまったりと残る余韻で、バランスは悪くない。異なるキャラクターが上手くまとめられている。


今回のレビューは、サントリーが先日発表した、新しい規格のブレンデッドウイスキー。日本、スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダという、20世紀にウイスキー蒸留技術が根付いていた5つの産地の原酒(通称5大ウイスキー)をブレンドし、個性が調和するだけではない、全く新しいウイスキーを目指したものです。

そもそも、これらを5大ウイスキーとしているのは日本だけとか、それ以前にサントリーさんは輸入原酒を・・・(おや、誰だこんな時間に)、なんていう野暮な突っ込みはさておき。
第一段となるワールドブレンデッドウイスキー碧”AO”は、2019年4月16日からファーストロットを発売予定(計36万本、1年のうち春、秋、2度生産予定)で、今回幸運にもリリース前の初期ロットをテイスティングする機会をいただきました。

ogp
SUNTORY WORLD WHISKY Ao 碧 (ニュースリリース 2019/1/10)


”ワールドブレンデッドウイスキー”は、もとはイチローズモルトがリーフシリーズなどで原酒が全秩父産と誤解されないよう、2018年頃から表記を始めたものです。
そのため今回のリリースも、実物を飲むまでは同じ整理で表記を使ったのだと思い込んでいました。

即ち、角やローヤルのような、日本で主流であるスコッチタイプのブレンデッドウイスキーを、安定して作り上げるための手段と表記(辛辣なことを言えば、開きなおり)であると。あるいは、このリリースの背景には原酒不足への対応に加え、現在整備が進められている”ジャパニーズウイスキーの基準”に関する一連の動きも、少なからず影響しているのかもしれません。

しかしテイスティングで感じるのは、メーカーサイトに書かれた、5大産地の原酒を使った全く新しいウイスキーを目指すというコンセプトを感じさせる仕上がり。これまでと異なるブレンドの方向性故に、味の評価は個人個々と思いますが、自分としてはBeam社を買収したことで得られた各蒸留所との繋がりを活用した、サントリーだからこその新しい挑戦という面を評価したいですね。

IMG_4748
(ビーム・サントリー傘下の蒸留所と代表的銘柄。これらの原酒を中心に、サントリーのブレンダーの技術で碧は作り出されている。香味からの予想ではアイラ要素は少なく、白州、知多、アードモア、グレンギリー、クーリー、アルバータ、ジムビームあたりがメインだろうか。)

以前ジャパニーズウイスキーの基準に関する記事を書いた時、国産も輸入も、広く原酒を活用して「日本だからこそ作れる美味しいウイスキーを探求してほしい」ことを触れていました。
今回のリリースはまさにそれ。このリリースが完成ではなく、そうした取り組みの始まりとして、今後ロット毎に様々なパターンのブレンドをリリースしていくならさらに面白い。日本という生産環境とサントリーの高いブレンド技術を活かし、世界のどこにもないブランドの確立に繋がることを、期待したいと思います。

ウイスキー好きによる作品展 開催準備完了と追加情報 CF結果追跡その4

カテゴリ:
2018-12-11-02-06-28

先日紹介させていただいた、12月15日、16日開催のウイスキー愛好家による写真等の作品展"Why do you like Whisk(e)y?"。先週末に会場の設営が行われて、いよいよ開催を待つばかりとなりました。


◆ウイスキー写真作品展・Why do you like whisk(e)y? 

開催日時
12月15日(土)10時から19時
12月16日(日)10時から18時
※事前予約制、2時間交代制
参加費:2000円
(ウイスキーテイスティング代込み)

会場:Nishiogi place
東京都杉並区西荻窪北5-26-20
JR西荻窪駅北口から徒歩10分弱(1km程度)

予約・問い合わせ先
whydoyoulikewhiskey@yahoo.co.jp

企画・主催
Isihara Tatsuya

ウイスキーだけでなく、それが作られた環境、歴史的背景や作り手のエピソードを合わせて楽しもうという、愛好家による愛好家のための企画。
作品総点数は200点以上、会場内に展示されたウイスキーに関わる作品の数々。
これまでちょっと展示会のイメージが掴みづらい部分があったのは否めないと思いますが、個人的に予想していた以上におしゃれで、そして魅力的な空間に仕上がっていると思います。
ソファーに腰掛けながら、あるいは時にスタンディングでウイスキーを片手に作品を見て回る。。。なんだか良いイベントになりそうな気がしてきませんか?

2018-12-11-02-06-25
2018-12-11-02-06-42
2018-12-11-02-08-16

当日提供されるスタンダードウイスキーは、主催者であるイシハラ氏が愛する、富士御殿場、フォアローゼズ、そしてアラン。アランは同氏が所有するカスクの7年熟成サンプルも提供されます。
加えて、マニアックなところであかし、台湾から南投、極め付けが多分知らない人は多いであろうアメリカのバルコネズ。。。

このほか、現地蒸留所を訪問する中で調達したボトルの数々も、作品とセットになるように提供されるわけですが、一部あまりにマニアックなチョイスに「え、なにそれ」と引かないで欲しい。
逆に言えば、ここでメーカーが提供したような、超有名蒸留所の12年熟成オフィシャルスタンダードばかりが並んでもつまらない。
なぜこの蒸留所なのか、なぜこのボトルなのか、正直自分も彼のチョイスの経緯は説明できないので、そのエピソードを含めて是非当日会場で"撮り銅"ことイシハラ氏のウイスキーへの愛が結実した形を見たいと思っているのです。

(アランのポットスチルと提供ボトルとなる3種。新婚旅行の勢いで樽まで買ってしまったというエピソードには、しばし唖然。)


(最近カヴァランに次いで台湾ウイスキーとして認識されてきた南投蒸留所。その実態を知っている人は少ない?どのようなエピソードが披露されるのだろうか・・・。)

(アメリカンウイスキー、バルコネズ。密造時代を思わせるような、倉庫を蒸留所がわりにしていたらしい。イシハラ氏はどうもこういう珍品に弱い。気になる味は当日会場で。)

(このほか、続々とストックボックスから発掘される、これまで買い貯めてきた秘蔵の蒸留所限定品の一例。数に限りはあるものの、こちらも当日提供の対象品。)

また、イベントまで1週間となって隠し球登場。
これもウイスキーの作品と言える"カクテル"を、BAR LIVETのオーナーバーテンダー静谷さんに提供していただけることとなったそうです。
静谷さんと言えば、今年から大々的に展開を開始した、ウイスキーの個性や歴史などを軸に作り上げたカクテル"Whisktail"です。
提供いただける時間は12月16日14時から16時までの枠のみとのことですが、以下の予約状況を見る限り、現時点でこの枠は比較的空きがあるようです。

当日はウイスキーのどんなエピソードがカクテルで再現されるのか・・・またこの他の時間帯は、きっと有志によって即興で何か"作品"の提供が行われることでしょう。
自分もハイボールづくりで乱入しちゃおうかなぁ(笑)


本イベントはゆったりと作品を見ながら、そのお酒にまつわるエピソードとお酒そのものを楽しんで欲しいと、1時間ごとに参加枠をずらしながら参加上限を設け、2時間1枠で予約を受け付けています。
一部満席となっている枠もありますが、参加登録は以下のイベントサイトからメールまたはFBイベントページから受け付けていますので、ご検討ください。

イベントサイト:Why do you like whisk(e)y? 

※FBイベントページ

 

※12/10時点の参加登録状況。最新の状況はFBまたはイベントサイトにて。

イベント開始に向け、8月に始まったクラウドファンディングから4ヶ月。リターンも手元に届いて、いよいよ祭りの開催を待つばかり。
冒頭記載のように参加費にはウイスキー代も含まれているため、テイスティンググイベントとしてもお得感が。。。自分は今回は主催側ではなく参加側。当日は存分に、ウイスキー作品の数々が作り出す空間を堪能しようと思います。

バーとウイスキーの素敵バイブル ”ウイスキーの楽しみ方を伝える本発売” CF結果追跡その3

カテゴリ:
あれは今年の初め頃、自分のウイスキー繋がりの中でも、テイスティング技能で切磋琢磨し合う2名。リカーズハセガワ店長&マスターオブウイスキー資格保持者の倉島さんと、BAR Eclipseのオーナーバーテンダー藤井さんが、ウイスキー本を監修されるとの知らせがありました。

テーマは「ウイスキーの良さを知ってもらう本」。特に若い世代のこれからお酒を嗜もうとする人が、どのようにウイスキーを楽しみ、そして知見を広げていくかをまとめる入門書籍を作ろうという企画でした。資金はクラウドファンディングで募集があり、自分も応援させていただいたところです。

この試みは最終的に目標額の2倍近い資金を集め、書籍のオールカラー化やページ増、日本のウイスキー蒸留所を紹介するコーナーなどを拡張する計画を発表。まさに順風満帆なスタートを切ってから8ヶ月少々・・・、その書籍がいよいよ12月21日に発売されることとなりました。
クラウドファンディング結果、追跡報告の第3弾は、この発売する書籍について紹介していきます。

はじめてのひとり飲み "バーとウイスキーの素敵バイブル" (12月21日発売予定)
発売前の書籍ですが、企画立案者である小笹さんとはBAR Eclipse で何度か遭遇することがあり、カウンターでお会いする度に進捗状況などを伺っていました。
初めてお会いしたのはクラウドファンディングが終わった後、企画構想を聞いてこれは面白い本になりそうだぞと。そしてつい先日は、丁度監修者の打ち合わせがBAR営業後に行われようとしていた時で、最終的な構成についてのイメージをざっと教えてもらっていました。

結論として、これまでの入門書籍にない切り口、構成であることは間違いなく、クラウドファンディング時に期待した方向性そのままの本に仕上がっていると言えます。
それは監修者2名が持つ、我々ユーザーにお酒を提供する側の知識と経験が活かされているということ。ウイスキーの製法、5大ウイスキーとは、まずはブレンデッドで・・・なんてウイスキー入門書籍にありがちな"お約束的構成"に終始するのではなく、ビギナーが「どうやってウイスキーを楽しんでいくか」という点が、この書籍における確たるメッセージとしてまとめられているのです。

whisky-book-project-tasting
(CFリターンの一つ、掲載ウイスキーのテイスティング体験会にて。監修の倉島氏(左)と藤井氏(右)によるレクチャーで、テーマである"ウイスキーの楽しみ方"を学ぶ。ちなみにこの写真、撮影したのは自分です(笑))

本書はただのウイスキームックではなく、BARを楽しむための手引き書も兼ねています。
ウイスキーは家飲み以外にBARで飲む機会も多くありますが、逆に言えばウイスキービギナーには"ウイスキー選び"と"BAR選び"、大きく2つのハードルがあるためです。

注目は第2章にある「好みのウイスキーを見つける」でしょう。 (構成は、本記事下部参照)
ウイスキーは1本毎に紹介されがちですが、飲み始めたばかりの人は何が個性なのかわかりづらいことがあります。これは多くのウイスキーを経験していかなければ、自分の中に認識のための評価軸が出来上がらないためです。
ですが、違いのあるものを比べる場合は別。本章では"ウイスキーの飲み比べ"に重きを置いて、
・特徴や違いがわかりやすく
・一般的なBARで揃えていることが多く
・3杯頼んで4000円以内に収まる銘柄
というBARで頼める3銘柄セットを14パターン、蒸留所や地域、樽構成などの違いで選び、どのような個性が感じられるのかを紹介しています。

飲み比べるからこそ、ウイスキー毎の違いが明確に感じられる。違いが判るからこそ、なぜ?どうして?という疑問が生まれ、ウイスキーを飲む楽しみに繋がっていく。あるいはウイスキーを飲み慣れた人でも、基本に立ち帰って新しい気づきが期待できる。
飲み手、リカーショップ店長、バーマンという著者・監修者のチームであるからこそ出来た構成であり、この本をバーカウンターで広げながら、ウイスキーを楽しむ入門者が現れたり、あるいは参考にしてセットを出してくれるBARが出てくれば・・・なんて事も考えてしまいます。

Whisky-book-project-meeting
(関係者による打ち合わせ風景。書き始めるとどんどん細かくマニアックになってしまい、情報量のバランスが難しく。また、書いているうちに自分の経験値が増え、見直すとイチから書き直したくなってくる。。。本当に悩むことが多かったとのこと。)
   
ウイスキーの紹介は飲み比べだけでなく
・家飲みする上で初めに入手すべきグラス
・現行品の中でこれは飲んで欲しいというボトルのカタログ
・テイスティング方法の紹介
・ビギナー向けQ&A

など、入門書籍として押さえておきたい情報もまとめられています。
テイスティングの香味表現はイラスト付きで、イメージしやすいようにも配慮されているだけでなく、個人的にグラスの指定は「まさに!」と思う重要な記載で、これまでの入門書籍の中でも意外と見られなかった内容です。(グラスを複数紹介するような記事はありましたが。)
また、予算別で贈答用のおすすめウイスキーも特集されるなど、監修者の知見が存分に発揮されているように感じます。 

クラウドファンディングの結果、追加で特集されることとなった蒸留所情報としては、現在日本で建築が進むクラフトディスティラリーを含む、蒸留所20箇所をレポート含めて掲載。巻末にはオススメのBARリストもあって、ウイスキーを"飲む"そして"知る"ためのイロハのイにして、文字通り手引きとなる情報が網羅されているのです。


(先日伺った際に突如始まった3名でのブラインドテイスティング。この日は藤井さんが4問中2問を当てて勝利!く、くやしい・・・。しかしこうした交流が出来るのも、BAR飲みの楽しさ、ウイスキーの楽しさである。) 

こうして企画がまとまってくると、自分が支援したことが誇らしくなってくるというか、出来上がった書籍がまるで自分の子供のようにも感じられる一体感が、クラウドファンディングの魅力ですね。 
後は自分の手元に記念すべき1冊が届くのを楽しみに待っています。 



追記:この本にも、先日クラウドファンディング結果報告としてウイスキー作品展企画を紹介した、T.Ishiharaさんの蒸留所写真が使われており、巻末のSTAFFに名前を連ねています。
写真展企画もいよいよ大詰め、当日テイスティング可能なボトルなどの情報も追記しておりますので、合わせて以下も、ご覧ください。

※ウイスキー好きによる作品展(12/15~16)
http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1073161099.html?ref=popular_article&id=6472857-2172595


【参考:著書構成】

1章 バーでウイスキーを楽しむ
バーは大人の社交場
自分に合うバーを見つけよう
ウイスキーの飲み方知っていますか
・ストレート
・ハイボールの味はウイスキーでこんなに変わる
・水割り
・オン・ザ・ロック
・カクテル
ウイスキーカクテルにトライ
「はじめてのバー」の手引き
・失敗しない頼み方
・気をつけたいバーでのNGマナー

2章 好みのウイスキーを見つける
シングルモルトウイスキーのつくりかた
樽 CASKS
5大ウイスキーとその他の原産国
テイスティングと香味の表現
ウイスキーを飲み比べてみよう
1 熟成樽の違い
2 シングルモルト、グレーン、ブレンデッド
3 スコッチ・ブレンデッド
4 ジャパニーズ
5 アイリッシュ、アメリカン、カナディアン
6 スペイサイド
7 アイラ島(1)
8 アイラ島(2)
9 アイランズ
10 シングルモルトの経年変化
11 ブレンデッドの経年変化
12 バーボン樽熟成のウイスキー
13 シェリー樽熟成のウイスキー
14 ピート×シェリー樽熟成のウイスキー
ウイスキーのペアリングを楽しむ

3章 家飲み・贈り物選びに役立つウイスキーカタログ
ウイスキービギナーのためのQ&A
5大ウイスキーの主な特徴の違い
ウイスキーボトルカタログ
・ブレンデッドウイスキー
・シングルモルトウイスキー
・バーボンウイスキー
・カナディアン・ブレンデッドウイスキー
躍進するアジアのウイスキー
予算別 ハレの日・贈答用おすすめウイスキー

4章 日本のウイスキー蒸溜所へ見学に行こう
余市蒸溜所/厚岸蒸溜所/遊佐蒸溜所/宮城峡蒸溜所/
安積蒸溜所/額田蒸溜所/秩父蒸溜所/三郎丸蒸留所/
白州蒸溜所/マルス信州蒸溜所/富士御殿場蒸溜所/
静岡蒸溜所/知多蒸溜所/長濱蒸溜所/山崎蒸溜所/
ホワイトオーク蒸留所/岡山蒸溜所/桜尾蒸留所/
嘉之助蒸溜所/マルス津貫蒸溜所

 巻末 はじめてのひとり飲みにもおすすめ
やさしいBAR&PUBリスト   

キリン 富士山麓 樽熟原酒 50% 終売を発表 後継品は未定

カテゴリ:
いい奴から居なくなる、昨今のウイスキー業界はベタな脚本を見るようです。
富士山麓は2005年にキリンウイスキーの顔になるブランドとしてリリースされ、今から約2年前にリニューアル。値上げを兼ねてはいましたが、それでもコスパ抜群とファンに受け入れられていた人気銘柄「キリン 富士山麓 樽熟原酒 50%」が来年3月に終売となる報道がありました。

ウイスキー原酒不足拡大 キリン、一部販売終了へ(日経新聞 11/28)
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO38267140Y8A121C1EAF000?s=2

この終売情報は今月初旬くらいには酒屋に流れており、既に出荷規制中との話も。自分も先日のウイスキーフェスで裏を取らせてもらっていたところでした。
で、いつ記事にするかと下書きを作っていたところにこの報道です。思ったよりも発表が早かったですね。


終売の経緯は「ハイボールブームによる原酒不足」となっていますが、もう少し紐解くと、先日リリースされた上位グレード「富士山麓シグニチャーブレンド(想定価格:5400円)」に原酒を集約するため。
ブレンドの軸に使われる原酒の熟成年数は違いがありますが、シグニチャーブレンドはNA仕様で、特にグレーンは短熟でもそれなりに仕上がるため、数年後を見据えた場合リリースの安定に繋がるのでしょう。

また、昨今原料等の価格上昇から、国産にしろ輸入にしろ原酒の価格も上がっている状況で、採算を考えての決定もあるものと思われます。
50%とエントリーグレードながら高度数設定もウリでしたが、その分酒税も高かったのが富士山麓樽熟原酒。1700円前後を店頭想定価格としつつも、最近ディスカウントショップなどでは税込1500円程度で売られていることもしばしばあり。
別途キリンが販売している御殿場モルト・グレーンや、他のウイスキー価格を調べていただければ(カラクリもおおよそ察しがつくものとは思いますが)、儲け出てるんだろうかと疑問に思っていたくらいでした。終売の事前情報も、驚きはすれど意外ではなかった、というのが率直な感想です。

これらを踏まえると、今年に入りシグニチャーブレンドをショップ限定品から通常流通に切り替えていたのは、樽熟原酒の終売に向けた一手であり、キリンウイスキーの看板とも言える「富士山麓」ブランドを存続させるためでもあったのではないかと考えられます。

(今回終売の富士山麓樽熟原酒50%と2018年8月に一般販売を開始したシグニチャーブレンド。右のピュアモルトはキリン・ドリンクスの限定商品。)

なお、終売となる代わりに富士山麓関連の新商品があるかというと・・・何かしら動きがあるのは記事でも書かれているとおりなのですが、裏を取りきれておらず詳細は不明です。
記事中では次世代に向けて原酒の保全にも動くとあり、加えて上記の経緯を考えると、50%の高度数を維持した商品では確実に値上げでしょうし、価格を維持するなら40〜45%くらいで、使われていたうち熟成した原酒はシグニチャーブレンドに寄せ、残りの原酒で作れるもの。。。例えば「薫風」や「オークマスター樽薫る」の上位グレードあたりではないかと予想します。

余談ですが、キリン以外でもう1銘柄終売だか休売になるという噂もあります。こちらも確認が取れていませんが、ひょっとすると近いうちにまた紙面を賑わすのではないかと考えられます。
ウイスキーブームはオリンピックあたりまで続くとは思うのですが、各社の息切れ具合が、反動となって後の冬の時代に繋がらなければとただただ心配です。

12/15〜 ウイスキー好きによる作品展開催 CF結果追跡その1

カテゴリ:
これまで、このブログで何度かウイスキー関連のクラウドファンディングを紹介させていただきました。
どれも魅力的な企画で、既に結果を出したものもあれば、現在準備中のものもあり、形になるのが待ち遠しくあります。

ただ支援募集の時だけ紹介して、その後を記事でフォローしないのは勿体無いかなと。今回はそれらの企画の中で、現在進行中な「ウイスキー作品展」の進捗状況について紹介します。


今年の8月からクラウドファンディングの募集を行った「ウイスキー写真作品展 Why do you like whisk(e)y?」は、わずか1日で目標額に到達。最終的には200%以上の支援を得て、12月15日、16日の土日2日間、東京都西荻窪のNishiogi placeにて、開催されることとなりました。

なんのこっちゃという人のために補足をすると、ウイスキー沼にハマり、お酒が生まれる場所、環境、人に惹かれた一人の男が、今まで巡った約100蒸留所の中から特に思い入れの深い蒸留所について、"写真とお酒を同時に楽しむ作品展"を開催するというもの。

例えばハイランドパークを飲みながら、オークニー島や蒸留所の景色を写真で楽しむといった具合。なんていうか、オシャレですよね。
ウイスキーのラインナップはスコッチ、アイリッシュ、アメリカン、ジャパニーズと所謂5大ウイスキーを網羅。オフィシャル以外に、現地で調達した蒸留所限定品なども予定されているとか。。。
概要は以下の通りで、イベント参加はファンディング参加有無に関わらず可能です。

Nishiogi place
東京都杉並区西荻窪北5-26-20
JR西荻窪駅北口から徒歩10分弱(1km程度)

◆ウイスキー写真作品展(概要)
12月15日(土)10時から19時
12月16日(日)10時から18時
※事前予約制、2時間交代制
参加費:2000円

予約・問い合わせ先
whydoyoulikewhiskey@yahoo.co.jp

企画・主催
Isihara Tatsuya


※留意事項※
ウイスキーを飲みながらゆったりと作品を見ていただきたいとの考えから、参加する枠を事前に予約する、2時間交代制となっています。
既にいくつかの枠は埋まり始めており、興味あります方は早めに登録された方が良さそうです。
詳細は以下イベントサイトの4.をご確認ください。

イベントサイト:Why do you like whisk(e)y? 

※参加予約はメールアドレス以外にFBイベントページからも受け付けています。

(提供されるウイスキーの一部。目玉のボトルは全てIshiharaさんが蒸留所を巡りながら調達されたものである。)

現在は当日に向け、作品の調整はもちろん、各メーカー・蒸留所への掲載確認など様々な準備が行われている最中ですが、イベント内容はファンディング時から大幅に拡充されています。
当初はIshiharaさんの写真を中心に展示するイベントだったところ。当ブログにもスコットランドの写真を提供いただいているK67氏の作品が追加されただけでなく、ボトルランプによるライトアップや注目の若手バーマンによる創作カクテル提供など、写真以外の作品も追加され、まさに"ウイスキーの作品展"と呼ぶにふさわしいイベントに仕上がりつつあります。

Photo by T.Ishihara

Photo by K.67

Bottle lamp - Kaori Abe 


また、活動はメディアにも注目され、本日発売のモノマガジン(11月16日発刊 No,816)に、「ウイスキーって人間味」の特集で、Ishiharaさんの蒸留所巡りのエピソードと合わせて紹介されています。

それも目白田中屋の栗林店長やリカーズハセガワの大澤代表、Kovalの小嶋ブランドマネージャーにキリンの田中マスターブレンダーら業界関係者に混じって、ウイスキー好き一般人のイシハラタツヤですよ。
人選もちょっとコアなメンツなのが面白いですが、その中でIsiharaさんのエピソードが企画の表紙をゲット(笑)。


話がどんどん大きくなってくる。イベントってのはこうでなくちゃ面白くないですね。それが自分がファンディングで支援した企画とあれば、尚更嬉しいってもんです。
広げた風呂敷が小さくなってしまうことは、何かを企画するとよくあることですが、その逆は内容に魅力があることと、企画者の人徳に他ならないと思います。
イベント当日が俄然楽しみになってきました!

このページのトップヘ

見出し画像
×