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ザ・ブレンド (ブレンドオブニッカ) モルトベースウイスキー 45% 

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THE BLEND OF NIKKA 
Maltbase Whisky 
NIKKA WHISKY 
2010's 
660ml 45% 

グラス:テイスティンググラス
時期:不明
場所:BAR ゾートロープ
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ややドライだが新樽を思わせるメローなウッディネス。オールブラン、微かにオレンジ。合わせてしっかりとスモーキーで若干のヨードも伴う。

味:モルティーでリッチな口当たり。オールブランや麦パフを思わせる軽い香ばしさとほろ苦さのある麦芽風味と、薄めたはちみつやママレードを思わせるコク、ボリュームのある味わい。徐々にピーティーで、ほろ苦く微かに焦げたようなスモーキーさが鼻腔に抜けていく

ブレンデッドでありながら香ばしいモルティーさ、ピートフレーバーに存在感があり、モルトベースと銘打たれた構成の通りのリッチな味わい。熟成年数は12年程度だろうか。ただし、このピートは少々アイラ的なニュアンスも感じさせる。


ザ・ブレンドは、”竹鶴政孝が極めたブレンドの心と技”を受け継いで、余市、宮城峡らニッカが保有する原酒の個性を活かしつつ仕上げたブレンデッドウイスキーです。

”ブレンド”という広義な意味を持つ単語に”The”の定冠詞をつけた、ある意味で挑戦的なネーミングでありながら、外観は極めてシンプル。だからこそ感じるニッカらしさ。フロムザバレルといいピュアモルトシリーズといい、これがニッカ好きには堪らないのです。
シリーズとしては1986年にザ・ブレンドがリリースされた後、セレクション、17年、丸瓶及びニューブレンド丸瓶と拡張されていきますが、2015年に起こったニッカショックの際に全シリーズが終売となっています。
そういえば、この5銘柄のうち、ザ・ブレンド17年を飲むことがないまま今日に至ってしまいました。

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(1980年代後半、リリース初期のザ・ブレンド。ネック部分に特級表記があり、キャップはコルク仕様。香味はモルトの個性として余市系の樽感やスモーキーさがしっかりと備わっているが、全体としては少々野暮ったく、まとまりはもう一歩。★5ー6)

ザ・ブレンドのコンセプトである原酒の個性と、竹鶴政孝にフォーカスしたエピソードは、同じTHE付きのザ・ニッカよりも竹鶴ピュアモルトに通じるブランドの位置付けだと感じます。
香味も柔らかいコクと合わせ、存在感のある麦芽風味とピーティーさが感じられる味わいに仕上がっており、ザ・ニッカのそれとは異なるベクトル。特に上述の初期品は余市系のピートフレーバーが目立って感じられ、粗削りですが同時期のキングスランドより格上で、原酒の個性を打ち出そうとしていることが伝わって来ます。

一方、今回のレビューのメインである2000年代に入ってからの同ブレンドは、引き続きピーティーですが全体的にバランスが向上しており、評価はギリギリ★6といったところ。今思えばこれが3000円台ってめっちゃコスパよかったな~なんて思うわけです。
また、改めて飲んでみると、その香味には微かにヨードのような、アイラ的なピートのキャラクターが感じられたのも印象的でした。

これは単に余市のヘビーピートモルト由来かもしれません。ただ、同時期のニッカがリリースするピュアモルトホワイトでは、カリラのようなキャラクターが感じられるものがあり、2000年代あたりは輸入原酒でこの辺が手に入りやすかったと聞いたことがありました。ひょっとするとザ・ブレンドの中にも同様に輸入された原酒が、バランスを維持する役割で加わっていたのかもしれません。
今となっては、真相は歴史の闇の中ですが・・・。





ザ ニッカ 12年 43% 終売とリニューアル

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THE NIKKA 
NIKKA WHISKY 
12 Years old 
700ml 43% 

グラス:テイスティンググラス
時期:不明
場所:BAR ゾートロープ
評価:★★★★★★(6)

香り:新樽系のキャラメルやバニラ、微かに樹皮を思わせる甘くほのかに香ばしい香り立ち。乾いた穀物、オレンジママレード、熟した瓜のような青みがかったニュアンスも感じられる。

味:マイルドな口当たり。膨らみがあり、ナッツを思わせるほろ苦いモルティーさ。色の濃い蜂蜜、パイナップルシロップのようなしっとりとした甘みと果実味が、余韻にかけてビターな樽香と共に感じられる。

新樽やリメード樽熟成のモルト原酒のキャラクターが備わっており、グレーンも厚みがあるリッチなブレンデッド。余韻にあるシロップのようなフルーティーさと合わせて、ニッカ味と言える個性が備わっている。ストレート以外にロックも。


40年のほうは以前レビューしていましたが、こちらは掲載していなかったザ・ニッカ12年。
2014年にリリースされた時点では、ニッカのブレンデッドにおけるミドルグレードという位置付け。しかしその後、鶴17年が終売となったため、通常品最上位はこの銘柄ということになって現在に至ります。
12年がトップというのは些か寂しいように思いますが、サントリーが響でハイエンドブランドを確立していますので、原酒も限られてる故、同じ領域では勝負しないということなのかもしれません。

とはいえ、苦しい原酒事情の中でもニッカらしい個性を維持し、リッチなブレンドに仕上げられています。
その個性は樽由来のキャラクターがポイント。通常品のなかではニッカ以外どのメーカーにもない、キャラメルやメープルシロップを思わせる新樽由来の甘みが、黄色系統の果実と共に感じられる。モルト比率も高めで、余市よりは宮城峡、あるいは例のアレも相応に使われている印象です。
樽香についてはブーム前は多くのニッカ製品に多少なり備わっていたものの・・・最近は竹鶴17年、21年と、ニッカ12年くらいになってしまいました。

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一方で近年の原酒不足から、このザ・ニッカ12年は既に終売というかリニューアルが決まっており、2019年4月9日にはノンエイジ仕様となるTHE NIKKA Tilored がリリースされることとなっています。
昨年響17年がNASのブレンダーズチョイスに置き換わったように、ノンエイジ化の動きはニッカも例外ではありません。(っていうかエイジング表記は竹鶴しか残ってない状況。)

ニューリリースの希望小売価格は、12年からお値段据え置き6000円。テイスティングはできていませんが、これまでの事例で考えると、やはり若い原酒が入って該当するフレーバーが感じられるようになるのではないかと考えられます。
例えばメーカーコメントは大枠の方向性は同じように見えますが、”フルーティーで華やかな香り”となっているあたり、樽香が多少控えめになるような印象もあります。

ここはニッカの意地で、同じレベルの味わいを維持してほしいところですが。。。
カフェグレーンにカフェモルト、そしてニッカファンに根強い人気があったフロムザバレルまで終売という噂があるなかで、ザ・ニッカまでなくならないのは、それこそが最後の良心・・・というか、”せめてもの抵抗”と言えるのかもしれません。

ここから先、ニッカのラインナップはどうなってしまうのか。
限定品で宮城峡の創業50周年を記念した、余市と宮城峡のシングルモルトはリリースされるようですが、それも一時のこと・・・。
勿論、これらの新しいリリースには期待しています。しかし、ブームという名の熱気は、新しい出会いを生んでくれた一方で、回り回って我々を蝕んでいるように思えてならないのです。

スーパーニッカ 15年 ニッカウイスキー 43%

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SUPER NIKKA
NIKKA WHISKY
Aged 15 years
2000's (2007's)
750ml 43%

グラス:国際規格テイスティング
時期:開封直後
場所:お酒の美術館 神田店
評価:★★★★★(5-6)

香り:ドライで新樽系のメローな樽香から、干しわらや乾いた穀物感に、微かにハーブにも通じる植物感、軽さを感じる要素へシフトする。奥にはシロップのような甘みも感じる。

味:香ばしくほろ苦い、スパイシーな口当たり。ドライでうっすらとキャラメルのような樽感、淡くスモーキーでビターなフィニッシュへと繋がる。

新樽を思わせる樽感が香味の最前列に感じられるが、次点にはグレーンの軽さや穀物系の甘味、あるいはソフトな内陸系のモルティーさが控えている。
加水すると軽さが目立ち、マイルドな飲み口からビターな要素のみが残る。


1996年にスーパーニッカの上位グレードとして発売され、2008〜2009年のスーパーニッカブランド大幅リニューアルの中で、人知れず終売となった銘柄。今回は2007年のロットであるため、終売間際の後期モデルということになります。
ハイボールブーム前からのニッカファンにとっては、これも懐かしい銘柄ですね。

突き抜けた旨さを求めて飲む銘柄では決してないですが、自分にとって旧スーパーニッカのデザインは心惹かれるものがあるのです。
特に15年や写真(下)のプレミアムは、スタンダードに比べて滴り落ちる雫のような自然な曲線と、シンプルながら高級感のあるデザインがツボ。ウイスキー飲み始めの頃に酒屋で15年を見かけた時は、心ときめきましたよ(笑)。
そうした背景もあってか、現行品の角ばった丸いボトルは、ネック部分を後付けしたような違和感と安っぽさで、どうも好きになれないのです。

(1990年にリリースされ、15年の前身的な位置付けとなるスーパーニッカプレミアム。マイルドでボリュームのある味わいが特徴。レビューはこちら。)

久々に15年をテイスティングしましたが、全体的にマイルドで個性がまとまっているプレミアムに比べて、15年は樽感やグレーン由来の穀物感など、ブレンドされた原酒の個性を感じやすい1本であるように思います。
特に新樽熟成原酒由来と思われる、ビターかつキャラメルのような甘みが感じられる樽香がアクセントになって、内陸系のニュアンスや香ばしさ、淡いスモーキーさを伴ってくる構成。15年熟成表記にしては荒削りな(見方を変えると値段なりな)部分があるものの、さらに上位グレードであった鶴17年との明確な違いとして整理されているようです。

思い返すと、上位グレードまで行かない中間クラスの銘柄が多数あったのが、旧世代のニッカウイスキーラインナップでした。
スーパーニッカ15年もそのうちの一つ。ブランド戦略としては、軸が定まっていないというか、ウイスキー冬の時代の暗中模索の名残だったのかもしれません。ですが、どのスタンダードを飲んでいても、この上位グレードはどんな味なんだろうとワクワクさせてくれる魅力があったと思うのは、現在の閑散としたラインナップを見るとなおのこと感じてしまいます。

スーパーニッカ プレミアム 1990年代流通 43%

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NIKKA WHISKY
SUPER NIKKA
Premium
1990's
750ml 43%

グラス:テイスティンググラス
場所:お酒の美術館 神田店
時期:開封後1週間程度
評価:★★★★★(5)

香り:カステラと麦芽、メレンゲクッキー。柔らかい甘みの後から少しのアルコールとモルティーさ。ほろ苦くドライ。

味:穀物系の軽い香ばしさ、蜂蜜、カステラやカルメ焼き、スウィートでマイルドな甘みが中心で、ほのかな香ばしさも感じられる。
余韻はほろ苦く、樽感由来の甘みが張り付くように長く続く。

モルトとグレーンの比率は4:6程度だろうか。若干グレーンスピリッツ的な要素もあるが、主体は香ばしく強いモルティーさとこってりとした熟成グレーンの甘み、ジャパニーズらしいブレンド。加水すると微かに洋梨のような果実味が開く。


1990年にリリースされ、その後スーパーニッカ15年に移行する形でフェードアウトした、スーパーニッカの上位グレード。個人的に統一感というか高級感のあるデザインがツボで、オールドにハマりはじめの頃、3本くらい購入した記憶があります。
キャップの部分までガラスがコーティングされており、初期のスーパーニッカ・カガミクリスタルボトルを思わせるデザインがグッときちゃったのです(笑)。

もっとも、味は当時のジャパニーズの枠の中というか、特筆して複雑さがあるわけではありません。
マイルドで甘く香ばしい、そして香味にボリュームがあるという感じ。様々なフレーバーが混ざり合うスコッチとは異なる、ワインで言う新世界系のわかりやすさ。
こうした香味は、多少なり水が加わるロックや水割りで飲まれるようなスタイルを想定していたようにも感じられます。

ちなみに先に触れたように、スーパーニッカプレミアムは、2006〜2007年ごろにスーパーニッカ15年にシフトする形で市場から姿を消す訳ですが、プレミアムの方がマイルド、15年の方が樽香含めて香味のメリハリが効いていて、ブレンドの方向性の違いを感じることが出来ます。
少なくともニッカの売りと言える新樽系のニュアンスは、15年の方が感じやすい印象です。

結果、ストレートで飲むなら15年。ノスタルジーな雰囲気を感じたいならプレミアムをロックで。。。後者は思い出と共に飲みたいウイスキーかな、なんてクサいことを思うのです。

ブラックニッカ ディープブレンド エクストラスイート 46% 2018年リリース

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BLACK NIKKA
Deep Blend
EXTRA SWEET
Limited Bottled in 2018
700ml 46%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封後1~2日
場所:自宅
評価:★★★★★(5)(!)

香り:トーストと蜂蜜を思わせる甘く香ばしい香り立ち。ツンとした刺激が鼻腔を刺激するが、奥には淡いオーク香があり、熟成を感じさせるアクセントになっている。

味:ボリュームがあってスウィートな飲み口に、やや若さを感じる荒さ、刺激が続けて感じられる。中間はグレーン由来の蜂蜜や穀物系の甘み、徐々に程よいスモーキーさ。若干べたつく甘さが舌に残るものの、ほろ苦くドライな香味が余韻に繋がっていく。

通常のブラックニッカをスケールアップさせた上位互換と言える構成。やや荒さも感じられるが、全体的にボリュームがあり、いい意味で飲み応えに繋がっている。加水やハイボールは飲みやすくはあるものの、これといったポジティブな要素は見つけられなかった。 ロックはある一点を超えるとシャバシャバになるが、そこまでは意外に香味が持続する。
なお、開封後の時間経過で、一部のスコッチモルトを思わせるような若干ケミカルなニュアンス、モルティーさが香りに感じられるようになる。

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・ブレンダーズスピリット2016
・ブレンダーズスピリット2017
・クロスオーバー
・アロマティック
・エクストラシェリー
とリリースが続いてきたブラックニッカの限定品。ベースから別格で総合的にレベルの高かったブレンダーズスピリット以降は、自分の評価はどれもブラックニッカという枠の中で、目先を変えてピートやシェリー原酒の個性を際立たせる。例えるなら夏はトマト、冬はカボチャみたいな、レストランの季節限定メニューのような印象でもありました。

それはそれでテイスティングをする面白さが勿論あるのですが、流石にここまでブラックニッカ枠が続くと食傷気味になるというか、新鮮味も薄れます。 
そろそろスーパーニッカとか、ザ・ニッカとか、違う路線で限定品が来きてほしいな・・・と方向転換を期待していたのですが、予想通り再びのブラックニッカ。
だってリッチブレンド銘柄の限定品を出したんだから、残ったディープブレンドでもやりますよね。

そんなわけで今回はいつもの先行テイスティングもせず、見かけたら買おうくらいにトーンダウン。あ、46%なんだ、ニッカで珍しいねえ・・・とか、ボトルを見てやっと気づくほど(汗)。
しかしその味わいは、ここに来て本シリーズ一番の王道系、原点回帰とも言える構成。これまでの限定品のように何かに特化したわけではないし、ブレンダーズスピリットのように全てが別次元の構成というわけでもない。
いわば同じ素材のスープですが、ダシの量が2倍になってるというか、煮込み時間がずっと長いような違いと言いますか。スケール感の違いを感じる構成に、これはサンプル手に入れるべきだったかなと、ちょっと後悔しました。

ブレンドのキーになっているのは新樽で10年以上熟成された余市、宮城峡のモルト原酒とカフェグレーンとのこと。新樽はちょっと前のカラメル系の色合いのヘビーチャー新樽ではなく、バニラやオーク系のタイプで、ブレンドには若さ一辺倒じゃないコクがあります。時間経過で一部のスコッチモルト的なケミカルさは顔を出しますが、その中で余韻にかけてのピーティーさがニッカらしさに繋がっていると感じます。

これまでのリリースで言えば、ブラックニッカ復刻版にあったようなピーティーな原酒の存在感。そこに価格にしては頑張っている熟成感と、46%だからこその飲みごたえ。
ピートやシェリーと、ある意味ウイスキーエントリー層向けにわかりやすい個性を強調してきたブラックニッカ限定シリーズですが、このエクストラスウィートは往年のブラックニッカファンにこそ勧めたい。そんな1本に仕上がっている、玄人好みのリリースだと思います。

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