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カテゴリ:★10

グレンギリー 15年 1972-1987? 60% SLIM COWELL'S PERSONAL SELECTION II (再掲)

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GLEN GARIOCH 
(Morrison Howat Distillers.Ltd)
SLIM COWELL'S
PERSONAL SELECTION II
Highland Single Malt
Aged Over 15 Years
750ml 60%

グラス:サントリーテイスティング
量:ハーフショット
場所:BAR飲み
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★★★★★(10)

香り:濃厚かつシルキーでベリー、黒葡萄、ハーブのニュアンス。艶のあるシェリー香の奥には土っぽいニュアンスと、どっしりとしたスモーキーフレーバー。残り香は上質なカラメルソース、徐々に黒蜜を感じる。高貴かつ妖艶なアロマ。

味:コクのある口当たり、濃厚なベリー感にダークフルーツ、キャラメリゼしたナッツ、徐々に濃く入れた紅茶のタンニン、カラメルソースのほろ苦さ。後半から余韻にかけてピート、黒土、レザー、じわじわと広がって内陸系のスモーキーフレーバーとランシオ香が鼻腔に届く。フィニッシュはそれらが混然となり、強い陶酔感を伴う非常に長い余韻。 

※この記事は2016年10月に掲載したものです。本ボトルが提供されるWhisky Lovers Nagoya の開催に合わせ、再掲します。


「神はシェリー樽の中にいると思う。」
そんなことを感じてしまった1杯。
なんてことをFB等に書いたら、一部では"神のギリー"と呼ばれ始めているようです。
大袈裟と思えるかもしれませんが、その素晴らしさは筆舌に尽し難く。飲むほどに高まる感動と、飲んだ後はその香味にただ感嘆の吐息を漏らすしか出来ない。正直、ここまで高まったのは本当に久しぶりでした。

口の中で広がる濃いベリー系の風味。とにかく濃厚でありながら、苦味やタンニンはアクセント程度。ボトリング後約30年間の瓶熟でこなれたアルコール感、フレーバーの一体感。そして中間から後半にかけて広がるレザー、黒土、どっしりとしたピートフレーバー。
これだけ濃厚なシェリータイプだと、それのみで素晴らしいボトルは色々ありますが、熟成年数の短さゆえか原酒由来のフレーバーが死んでおらず、どこかフレッシュで、グレンギリーとして素晴らしいのです。
例えるなら、グレンドロナック1968~1971あたりで感じられる、ベリーやランシオと表現される高貴なシェリー感を濃厚にし、グレンギリーの歴代最高峰の一つともいわれるサマローリ・グレンギリー1971のピート感、酒質の力強さを合わせたような、まるで美女と野獣です。

また、コンディションも素晴らしく、このボトルをテイスティングさせてもらった開封から1ヶ月の時点で、バリバリに開きまくっていました。
今年も既に10ヶ月が過ぎ、ブログに掲載している以外も含め様々なボトルを飲んできましたが、その頂点に君臨する一本だと断言できます。
というか、酒暦を振り返っても、これほどのボトルはそうそうなく。。。ここまで突き抜けた感動を与えられたら、もうスコアは満点を出すしかありません。 

Slim Cowell's
(以前Whisky linkのイベントでテイスティングの機会を頂いた、セレクションNo,8のボトル。)

このシリーズは、Slim Cowell氏という愛好家が個人でオフィシャルから直接樽を引っ張ったボトルの一つとのこと。
シリーズは8まである模様で、全てハイランドモルトやアイラモルトといった地域表記しかされておらず、例えば今回のボトルのようにMorrison Howat Distillers.Ltdなど、蒸留所の所有者と地域、そして味から絞り込むということになります。
最近はラベルで魅せて、そして買わせるムーンインポート的なリリースが増えていますが、この中身を前にしては、過剰な装飾も、素性の説明も、もはやただの蛇足といえます。

このグレンギリーは当ブログでもたびたび掲載している、日本橋は三越前のBAR Y's Land IANさんで頂きました。
是非愛好家の皆様は飲みに行ってみてください、と言いたいところですが、2017年1月22日に名古屋で開催されるウイスキーイベント、Whisky Lovers Nagoya2017においてブース提供するボトルの一つとなっており、現在は店頭での提供を行っていません。
自分は状態を確認するためと、たまたまテイスティングをさせていただきました。 
貴重な機会を与えて頂き、ただ感謝です。


同イベントに参加される方、特にある程度経験を詰まれたドリンカーの皆様、このボトルは飲んでおくべき1本です。 
是非テイスティンググラス持参の上(くれぐれもプラカップで飲むことのないよう)、また、舌も鼻も、そしてグラスもベストな状態で飲まれることを推奨します。
イベント自体かなり濃いもので、多くの経験や情報を得られそうですが、それでもこの1杯を飲むためだけに参加する価値があると思います。


追記(1/22):いよいよイベント当日ですね。このグレンギリー1972も相当話題になっていて、目玉の一つとも聞いています。
が、コレクターブースに出店するIANさんのボトルはこれ以外にもやばいボトル多数。1940年代から50年代蒸留のボトル達に、ポートエレン、ジャパニーズではフィールドバレエ25thや駒ケ岳30年の姿も。。。思わず唾を飲みました。
来場される皆様、是非IANブースにも足を運んでください!

詳細はこちらから:

スプリングバンク 12年 1980年代流通 100proof サマローリインポート

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SPRINGBANK
Over 12 years old
1980's
750ml 57.1% (100 Proof)
Import by Samaroli 
評価:★★★★★★★★★★(10)

香り:最初は焦げ感あるシェリー感主体、やや硬さがあり荒さも感じる。徐々にベリーや黒砂糖の甘みとフルーティーさがどんどん開いてくる。レーズン、ブルーベリージャム、カラメリゼ、ほのかに黄桃のシロップ漬け。香りに艶も出てくる。

味:香り以上に最初から開いている。コクと力強さのある口当たり。
ジャム感のあるダークフルーツのフルーティーさ。ブルーベリー、木苺、黒葡萄、粘性があり厚みのあるボディ。
余韻は黒蜜と燻した麦芽、心地よいタンニンの渋み。序盤のベリー風味を伴って長く続く。

タケモトさん持参ボトル。
口開けから飲ませていただきましたが、開いていく過程が本当に素晴らしく感動モノでした。
バンクらしさというより、シェリー系ウイスキーの完成形のひとつ。
シェリー感に嫌味なところはなく、グラスとの組み合わせも最高で、モルトのポテンシャルを引き出しています。

考えてみると同銘柄は、複数本、複数回に渡って口開け、ミドル、ラストショットと飲ませて頂いており、ドリンカーとしてこれ以上ない経験をさせてもらいました。
3年前には結婚祝いで抜栓までしてもらってますし、冷静に考えて恐ろしいことだなと。
自分にとって数少ない★10ボトルです。またこうして飲めたことが本当に幸せで、感謝しかありません。

テイスティング:開封直後
使用グラス:リーデル ブルゴーニュグランクリュ ソムリエ

グレンファークラス21年 for E.ジャッコーネ 51.5%

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昔のファイルを漁っていたら、ごっそりとテイスティングメモが出てきました。
実に今から1年数ヶ月前、2013年12月の忘年会のモノ。

多分Whisky linkに投稿しようとして準備していて、なんらかの影響で忘れてしまったものと思います。
あの頃は海外出張とか多かったし・・・、タケモトさん申し訳ない・・・。
せっかくなのでこちらで投稿しておこうと思います。懐かしいと言うか、グラスにも量にもこだわって、
がっつり深堀り出来た、財産とも言える本当に素晴らしい経験でした。


Glenfarclas 21 years old 
51.5%,  Pinerolo, selected for Edward Giaccone, rotation 1974
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評価:★★★★★★★★★★(10)

スムーズな口当たり、 フルーツ要素としては特筆するものはないかわりに、 基本の固まりのようなモルト。
丁寧にアクを取ったスープのようによどみのないシェリー樽由来の 甘さに、
ミドルから焙煎した麦感とピートが柔らかくもどっしりと広がって くる。
それらに嫌みが無く、深く、染みこむような、まさに滋味深い味。ファークラスらしい土っぽいピート香も健在。
リーデルソムリエグラスの相性も抜群で、 時間と共にどんどんと開くカスタードフレーバー。


1970年代流通ということで、1950年代蒸留は確定。
どうひいき目に見ても素晴らしいものは素晴らしい、
シェリー樽熟成によるファークラスがあるべき姿、 その完成形を見せてくれました。

サマバンク、ボウモアブーケと並び、 個人的にモルト史トップ5に入るボトルです。

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