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ダルウィニー 15年 1980年代流通 40% PURE HIGHLAND表記

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DALWHINNIE 
PURE HIGHLAND SCOTCH WHISKY 
YEAES 15 OLD 
1980's 
750ml 40% 

グラス:グレンケアンテイスティンググラス
時期:開封後1週間程度
場所:自宅
評価:★★★★★★★(6ー7)

香り:蜜っぽい甘さの混じるおしろい系の麦芽香。そこにじっとりと存在感のあるピートスモークや微かに乾草。熟した洋梨、蜂蜜レモンティーのような甘酸っぱさが、スワリングすると奥から顔を出す。また古びた日本家屋のような落ち着いたアロマも感じられる。

味:コクと厚みのある麦芽風味。粘性のある口当たりから、香りで感じたようにピートフレーバーが、麦芽風味に馴染んで広がってくる。微かに柑橘、林檎の蜜にような甘酸っぱさもあるが、フルーティーさよりはワクシーな麦感とピートの風味が主体。余韻にかけてはほろ苦く、穏やかなスモーキーさと、上顎に張り付くような麦芽糖を思わせる甘味がじんわりと続く。

麦とピートの酒。古典的かつ地酒的なシングルモルト。強くは主張しないが、香味とも麦感に厚みがあり、そこにピートフレーバーがしっかりと馴染んでいる。粘性の強い酒質はオールド・ダルウィニーらしさであると共に、原料の違いや仕込みの違いも感じられる。仕上げは華やかでフルーティーなごてごてした樽化粧はなく、言わばナチュラルメイク。派手さはないが、飲むほどに”味”があり、染々楽しむことができるスルメなモルト。

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1980年代初頭、少なくともこの半世紀内で、ダルウィニー蒸留所から初めてリリースされたシングルモルトが、今回のレビューアイテムです。
当時蒸留所を有していたDCLは、スコッチウイスキー冬の時代に伴う原酒の余剰解消、あるいは新たなブランド戦略として、ダルウィニー以外にもいくつかの蒸留所でシングルモルトのリリースを開始。DCLは合併によりUD社となった後、1988年にスコットランドの各地域を代表するウイスキーとしてクラシックモルトを発表し、このダルウィニー15年の後継品が同シリーズに名を連ねることとなります。

ダルウィニーの特徴は、なんといっても麦芽風味。冷涼な熟成環境に加え、古典的な方式のワームタブ等の設備から作られる、硫黄成分の豊富な酒質にあります。(ここでいう硫黄成分は、シェリー樽等で後付けされるものとは別なものです。)
これが熟成によって粘性と厚みのある麦芽風味に代わり、個人的にハイランドらしさとして認識する、おしろいやお粥、あるいは樽感と合わさって蜂蜜やバニラ系の甘味をもった厚みのあるフレーバーに通じているようです。

蒸留所では、1986年に近代化のための改修工事で該当する設備が取り外され、冷却用コンデンサ等が新たに導入されたものの、酒質が変わってしまったことから1995年に再度ワームタブに戻るというプロセスを経たことでも知られています。
現在のダルウィニー15年は、原料の違いからかドライでボディもライトになってきていますが、香味のベクトルは変わっておらず。愛好家の間では、オールドボトルからフレーバーの系統が変わっていない銘柄の一つであるとも評価されています。

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(ダルウィニー蒸留所にて、1995年に再度設置されたワームタブ。同蒸留所のリリースが古典的なキャラクターを保つ背景としては、同設備の影響以外にリフィル系の樽を使う熟成の方式が、ディアジオの酒質を活かす作りにマッチしていたことや、シェリー樽等に拘る蒸留所に比べて影響を受けづらかったことも考えられる。Photo by K67)

さて、日本の市場を見ると、ダルウィニーのオールドボトルとしては下の写真のクラシックモルト時代の初期(1988~1990年代中頃まで)の流通はあったようですが、今回のダルウィニーシングルモルトのファーストリリース(1980年代前半~)は、輸入代理店が居なかった影響からか、ほとんどモノが見られません。

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ではその香味がどう違うのかを、比較していきます。
まず、クラシックモルトの初期デザインであっても、同一ラベルでありながら写真上のように色合いから異なるようなロットが存在するため一概には言えませんが、今回手元にあって比較に使った15年は、麦芽風味主体の構成は変わらないものの、香りに青みがかった要素やドライな印象が少し目立ちます。(写真上の2本だと左側のボトルと類似のフレーバー構成。右側のボトルは今回のレビューアイテム寄りな構成で、リッターボトルだからか状態も抜群に良かった。)

また、ピートフレーバーを含む全体的な仕上げが荒いというか、余韻にかけて強く残るような印象があります。こうした違いについては、流通時期から蒸留時期を逆算すると、樽使いだけでなく、麦芽品種がゴールデンプロミスではなく、ゼファーが使われていた可能性が高いことや、ダルウィニー蒸留所が1968年まで行っていたフロアモルティングの影響があるのではないかと考えられます。

麦芽品種の違いによる、樽やピートの受け皿となる酒質への影響は言わずもがなですが、後者の行程は、ドラム式の乾燥に比べてじっくりとピートの成分が麦芽に染み込むためか、麦芽風味に馴染むというか、存在感のあるスモーキーフレーバーをもたらす傾向があると感じています。
どちらも美味しい”麦の酒”なのですが、麦とピートのマッチングや、全体的なバランスと厚みのある味わいとしてはファーストリリースに軍配です。

今回のボトルは、知人が海外で購入したボトルをシェアする形で手元に届いたものです。経年に伴う抜けも多少ありましたが、このくらいは許容範囲でしょう。
ベストパフォーマンスなら★7固定だったかなという評価。寿命は短そうですが、瓶内での変化も見ていきたい。レビューの通り派手さはないですが、ある程度ウイスキーを飲み進めてきたウイスキー好きが求めるフレーバーに加え、ダルウィニー蒸留所に求める個性がしっかり備わった、納得の1本でした。

スプリングバンク 19年 2000-2020 ”鹿バンク” 50.8%

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SPRINGBANK 
Aged 19 years  
For Wu Dram Clan (Kyoto Fine Wine & Spirits)
Distilled 2000 
Bottled 2020 
Cask type Refill Sherry Hogshead #699 
700ml 50.8%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:不明
場所:自宅@サンプル
評価:★★★★★★★(7)

香り:微かに青みがかっているが、メインは香ばしいカルメ焼きやライ麦パンを思わせる麦芽香。バンクらしい蝋っぽいニュアンス。奥にははちみつやパイナップルを思わせる甘酸っぱさ、オークの華やかさもあり、ピートスモークと共に存在を主張してくる。

味:熟成感のしっかりとある濃厚な口当たり。とろりとした質感、アプリコットやパイナップルの甘酸っぱさとオークフレーバーのアクセント。合わせて香ばしい麦芽風味。余韻にかけてヒリヒリとする唐辛子系のスパイシーさに、土や焦げた植物を思わせるピート、香りで感じたバンクらしさが鼻孔に抜ける。

通好みで多層的なバンク。オフィシャル10年のようなバーボントロピカル全面路線ではなく、酒質の個性、ピート、それらを熟成して伸ばしたような味わい。序盤は一瞬若さを感じるが、時間経過で香りに華やかさと統一感、味わいにフルーティーさが感じられるようになる。ピート香は強くないが存在感があり、飲むほどに薫製香のようなスモーキーさも楽しめる。見た目も良く、中身も懐が深い、理想的なモルトウイスキー。

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ウイスキー繋がりで、O氏から頂いたスプリングバンク、通称”鹿バンク”のサンプル。
同氏は元々ワイン系では相当なストックを所有しているヘビードリンカーなのですが、数年前からウイスキーにも手を伸ばし、趣味が高じて酒屋まで開いてしまったという相当ぶっ飛んだガチ勢です。
そのO氏の営む酒屋”Kyoto Fine Wine & Spirits”が、ドイツ、シンガポールの有志と共にボトリングしたのが、今回のスプリングバンクになります。

近年のスプリングバンクと言えば、スタンダードの10年にあるようなバーボンオーク由来のフルーティーさと、麦芽由来の要素が混じったタイプが評価されていますが、このボトルは樽構成がリフィルシェリー(恐らくアメリカンオーク)ホグスヘッドであり、バーボンオーク系統とは少々異なる、酒質ベースの香味がメインで、そこに品の良いオーク香のアクセント。

序盤は若干の固さや樽由来と思われる青みがかった要素が感じられ、「おや?」と思わされるかもしれませんが、その香味は麦芽風味の厚さに由来してか、グラスの中でじわじわと変化。熟成感のある蜜のような甘味とフルーティーさ、華やかなオークフレーバーもアクセントとして伴って、異なる魅力を見せてくれます。
麦芽風味を主体としての奥行き、風味の引き出しの多さが、スプリングバンクらしさと言えます。

加えて、中身の良さに花を添えるラベルのセンスのよさ。スコットランドの精霊と言われても違和感のない、神秘的な印象さえ受ける鹿のイラストは、工芸画家・牟田陽日氏作のオリジナルで、O氏の依頼で描き起こした絵画。(牟田氏の作る陶器、工芸品は一見の価値ありです。)
このラベル案を初めて見せてもらったのは、今年の2月上旬。ほぼ同時期にマッスル3のラベル作りをしていた自分からすれば、完成度の差を見せつけられて。。。いやもう、軽く嫉妬しちゃいましたねw

まさにかつてのムーンインポート等に見られた、飲める芸術品の類。
今回、ご厚意からサンプルをいただき、「どれどれラベルは良いけど、中身はお手並み拝見ですね」なんて思ってましたすいません、文句のつけようがありません(汗)。内輪のボトルには多少厳しめに評価するところですが、これはもう・・・。強いて言えば、注ぎたては★6相当ですが、10分もしないうちに変化して、そのスケールの大きさと香味の多彩さで★7です。
外観、中身ともにあふれるセンスの良さ。価格は確かに高いですが、それに見合うこだわりを細部(外箱のシール)にまで感じることができる1本です。

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ご無沙汰しております。
随分更新が開いてしまいました。多分このブログが始まって5年、ここまでの長期間更新無しは初じゃないでしょうか。
まず、生きております(笑)。話題のウイルスに感染して隔離されたとか、そういうことではありません。

本業のほうで大きな仕事にぶち当たり、コロナ禍に伴う計画全面見直し、テレワークの緊急導入に伴う混乱。。。作業員が削減されて、仕事量が増えたと言いますか。完全に1日のサイクルが仕事と睡眠になっていました。
休日であっても気軽に仕事が出来てしまうし。。。。マジでテレワーク考えものですよ。
生活のリズムがガラッと変わってしまった1ヶ月、仕事、家庭、そして趣味、こんな非常事態だからこそ、整理しないといけないなと色々考えさせられた期間でした。
ブログの方は、ぼちぼちやっていきます。

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さて、前置きがなくなりましたが、今日のオマケは、ルスタウのアルマセニスタのオールドボトル。年代は不明。ミリオンさんじゃなくて、HATTA SHOTEN名義というところに時代を感じる、ドライタイプのオロロソシェリー。
澱がかなり出てるので、ワインのようにパニエを使って斜め置き。ドライオロロソってそこまで魅力を感じなかったのですが、これはすごく良いですね。長熟酒精強化ワインにあるぞくぞくするような熟成香に、アーモンド、ドライフルーツを思わせる酸味。食後酒だけでなく、食中酒としても大活躍でした。
こういうシェリーが熟成されていた樽を使ったウイスキーは、きっと美味しくなるのでしょう。

ベンリアック 39年 1976-2016 トゥニーポートフィニッシュ #5462 53.8%

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BENRIACH 
Aged 39 years 
Distilled 1976 
Bottled 2016 
Cask type Port Hogshead #5462
Tawny Port Finish 
700ml 53.8%

グラス:グレンケアン
場所:BAR Eclipse first
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6ー7)

香り:かりんとうを思わせる香ばしさと上面に焦げたようなスモークが一瞬あり、色濃く甘いダークフルーツとウッディネス。ベリーのアクセント、あるいはモスカテル系の甘味と酸。奥にはらしいトロピカルフレーバーを伴う。

味:リッチでとろりとした口当たり。序盤は香り同様の樽感があり、色濃くウッディ。徐々にリンゴのカラメル煮や黄桃を思わせるフルーティーさ。
余韻にかけて土っぽいピート、オークフレーバーとトロピカルな要素もあるが、ほのかにサルファリーなアクセントが邪魔をしている。

ピーテッド仕様のベンリアックの長期熟成。樽が強く、いくつものレイヤーが重なりあっているような構成。上から順に、ポートの甘さと色濃いウッディさ、アメリカンオークの華やかさ、ピートのほろ苦さ、そしてベンリアックらしいフルーティーさ。これをあざといと感じるかは好みの問題だろうが、不思議とそこまでネガ要素はない。加水すると奥にある要素まで認識しやすくなり、オーキーでトロピカルなフルーティーさが開く

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一時期までは普通に飲めていたのに、もうすっかり絶滅危惧種になってしまった1976ベンリアック。このボトルは蒸留所が2016年にブラウンフォーマンに買収(ビリー・ウォーカーが手放したとも)された後、UK向けにリリースされたLimited Release Batch 13の2本のうちの1本です。

構成はポートホグスヘッドで熟成したピーテッド原酒を、さらにトゥニー・ポート樽でフィニッシュするというダブルポート仕様。基本的にはシェリー樽系統の香味ですが、なんとも濃厚で多層的に仕上がってます。同じ種類の樽だからか、フィニッシュながら上塗り感というか、酒質と馴染まないことからくるとってつけた感じがあまりないのも印象的です。
また、ベンリアックのピーテッド原酒は最近のものだとラフロイグのヨード抜きのようになるものが多いのですが、今回は土系統というか、かつてのモルトらしくフルーティーさを後押しするような構成になっていると感じられます。


こうしたフィニッシュやピート原酒を組み合わせたベンリアックは、過去複数回リリースされてきました。
誤解を恐れず言えば、それらは色物というか、余計なことしくさって(君は素直にトロピカル出しておけばエエんや)、と言うような愛好家の声も当時あったと記憶するところ。そのカスクですら今や高嶺の花なのですから、時代の変化は本当に読めないですね。

ただ、同時にBatch 13としてリリースされたシェリー樽&ピーテッドの1975(下写真)もそうなのですが、ピートが馴染んでいるというか、樽が濃厚でありながらフルーティーさが残っているというか。Batch 13の2本はどちらも色物扱いできない仕上がりだと思います。(1975のほうは文句なく美味。)
どちらも似た部分があり、ビリー・ウォーカーが使わない間に馴染んだのか、元々こうだったけど彼の好みに合わなかったのか。面白い傾向だなと感じました。

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(リミテッドエディションBatch 13として2016年にリリースされた1975 #7028。ウッディさは強いが、時間経過で昔ながらのシェリー感にピートのアクセント。そしてベンリアックらしいフルーティーさが楽しめる。)

シングルモルトとしてのリリースが多いこの半世紀の範囲で見てみると、ロングモーンしかり、ベンリアックしかり、1960~1970年代前半のスペイサイドモルトの多くがパイナップルやピーチなどに例えられるフルーティーさを備えており、それらが今絶滅危惧種となっています。
シェリー樽の復活も重要事項ですが、全ウイスキーの底上げに繋がる酒質部分の復活は同じくらい重要な要素。最近、100%アイラしかり、麦にこだわった仕込みのリリースが増えていますから、シングルモルトの需要が増えるなかでこの点についても蒸留所側の取り組みが増えていくことを期待したいです。

ヴァージン バーボン 21年 2000年代流通 50.5%

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VIRGIN BOURBON 
(HEAVEN HILL) 
AGED 21YEARS 
KENTUCKY STRAIGHT BOURBON 
2000's 
750ml 50.5% 

グラス:不明
場所:BAR Twice-UP
時期:不明
評価:★★★★★★★(7)

香り:芳醇で艶やかな甘さに、ビターなウッディさの混じるアロマ。新樽由来のエキスが溶け込んだリッチで艶やかな甘さは、チェリーシロップとオレンジママレード、焼き菓子やカラメルソースのようなほろ苦さ、香ばしさも感じられる。

味:リッチでメローかつパワフル。メープルシロップのように濃厚でとろりとした甘味のある口当たり。オレンジピール、カカオチョコレートに濃く入れた紅茶、徐々にビターなフレーバーがあり、微かにスパイシー。余韻はウッディで焦げたキャラメルを思わせるほろ苦いフィニッシュが長く続く。

こってりと新樽系のエキスの溶け込んだバーボンだが、ウッディでえぐみや渋味の強いタイプではなく、オールドバーボン特有のメローで艶やかな甘味を備えたリッチな香味構成。高い度数が強い樽感をギリギリ支えており、違和感はあまりないが、果実味よりは甘味優位。余韻のウッディさがやや強い。


以前から一度飲んで見たいと思っていた銘柄、ヴァージン・バーボン21年に出会うことが出来ました。バックバーで見つけて即注文です。
ヴァージンはヘブンヒル蒸留所が製造していたバーボン銘柄で、ラインナップは21年のほかに7年、10年、15年があり、どれも101プルーフのBIB仕様が特徴。後述の3種は、総じてコスパが良いと評判であったことに加え、バーボンブームを経験した愛好家にとっては馴染み深く、近年のヘブンヒル関連銘柄の大幅整理の中で消えていった、惜別の銘柄でもあります。

一方で、今回の21年は調べた限りブランドの初期からリリースされていたものではなく、2000年代に短期間だけリリースされた銘柄のようです。
他のグレードと異なり、メーカーズマークのように蝋封されたハンドクラフト仕様。それまでのハイエンドである15年のややくすんだゴールドカラーではなく、メタリックなシルバーというのが目を引きます。
マッシュビルは不明。ただしライ系のスパイシーさはあまりないので、コーン比率高めのレシピであると考えられます。
チャコールフィルターを透したニューメイクを新樽で21年間以上熟成し、マイルドでキャラメルのような芳醇な甘味と濃い紅茶を思わせるタンニン、ウッディネス。リッチで旨いバーボンに仕上がっています。

なお、同じヘブンヒル系列からの長期熟成バーボンで知られるエヴァンウィリアムズ23年は、新樽由来の甘味とウッディネスに赤系のベリー感。このヴァージンは系統としてはキャラメルやメープルシロップ系の甘味がメインにあり、ウッディーでメロー。マッシュビルの違いか、熟成を経て艶やかな甘さを備えるなかで、方向性が異なるように感じられました。
贅沢なことを言えば、多少ボディが樽に負けているというか、甘味に対してウッディさが強い。まあ見事に葉巻が欲しくなりました(笑)。

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今日のオマケ:ジョン デュヴァル ワインズ エンティティ シラーズ 2015

オーストラリアのシラーズ。ということで先日記事にもしたトルブレック等の芳醇な果実味、色濃いベリー感を期待して同じ地区の葡萄が使われているものを購入したのですが・・・新世界感はあまりなく、仏ボルドーのカベルネを思わせるような味わいに驚かされました。
ただそれは決して悪い意味ではなく、意外だっただけで味そのもののレベルは高いですね。

ヴィンテージのわりに落ち着きがあり、早飲みからイケる懐深い香味構成。滑らかな口当たりから黒系果実のフルーティーさは、ブルーベリーやカシス、葡萄の皮、こなれたタンニンが全体を後押しするリッチな味わい。全体の1/3が新樽で16ヶ月熟成。樹齢100年を越える古樹も含まれているということで、この落ち着いたリッチな味わいとタンニンはその要素からきてるのかなーと推察。
新世界シラーズとして飲むと「あれ?」という感じですが、カベルネをイメージして飲むと普通に美味しいワインだと思います。

ジョン グラント (グレンファークラス) 17年 ピュアモルト 1980年代流通 43%

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THE JOHN GRANT 
Pure Malt Scotch Whisky 
(Glenfarclas)  
Aged 17 years 
1980's 
750ml 43% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:不明
場所:サンプル@BAR 1two3 
評価:★★★★★★★(7)

香り:レーズンや砂糖漬けのクランベリー、カラメルソースや少し焼き洋菓子を思わせる香ばしさも混じる、濃厚で甘酸っぱいアロマ。シェリー感の奥には加水ながら強めのアタックもあり、全体の骨格、リッチな香り立ちを構成している。

味:スムーズだがリッチな口当たり。香り同様のシェリー感があり、色濃い甘酸っぱさ、ダークフルーツを思わせるフレーバーが、酒質の強さに後押しされてウッディなタンニンを伴って広がる。
余韻はウッディでビター、微かな土っぽさ。カカオチョコレートにレーズン、ビターでドライなフィニッシュが長く続く。

濃厚なシェリー感、黒砂糖やダークフルーツの要素が詰まった秀逸なモルト。香りはふくよかで豊潤、口当たりはスムーズだがシェリー樽由来のとろりとした甘味の中には力強い骨格を感じさせるファークラスらしさが、しっかりと備わっている。少量加水すると少し水っぽさは出るが、クリーミーな甘味が感じられる。

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情報が少ないボトルですが、かつては日本で並行品が格安販売されていたらしいジョン・グラント名義のグレンファークラス。
1980年代後半から1990年代にかけ、グレンファークラス17年が日本市場向けの限定ボトルとしてリリースされていたため、同時期に同じタイプの原酒を使ったものをイタリア辺りに展開した一つではないかと推察します。(他に6年のリリースが確認できますが、これもまたほとんど情報がなく。。。)

グレンファークラス17年は、現オーナーのジョン・グラント氏がもっとも気に入っているオフィシャルグレードであることが紹介されていますが、それで17年でジョン・グラントなのかと紐付けるのは早合点。
蒸留所を経営するグラント一族は、代々同じ名前を息子につける伝統があるため、ジョン・グラントとジョージ・グラントは150年を越える一族経営の歴史の中で絶えず登場しており、それぞれ現在3代目。1865年に蒸留所を買収して一族経営を始めたのが初代ジョン・グラントであり、今回のラベルに書かれている肖像画のその人です。

よって、現在のオーナーの好みと初代とでは結び付かないエピソードですが、量産品でありながらこれだけのクオリティのシングルモルト、名前を使われても文句はないだろうと感じてしまいます(笑)。
特筆すべきは濃厚なシェリー感。近い熟成年数のオフィシャルと比較して、1990年代流通のダンピー仕様よりは間違いなく上質。角瓶時代と比較しても遜色のない印象。べたつかず、ダークフルーツとウッディネスのキャラクターも感じやすく、レベルの高い1本だと思います。


※先日に引き続き、愛知のBAR 1two3の村田さんと交換していた、サンプルのレビューです。村田さんからは、自分のブログに掲載されていない古く怪しげなボトルのオファーを良く頂くため、経験値的にも、情報をとりまとめる上でも大変助かっています。

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今日のオマケ:ロバート・モンダヴィ プライベートセレクション 
シャルドネ ”バーボンバレル・エイジド”
カベルネ・ソーヴィニョン ”バーボンバレル・エイジド”

カリフォルニアを代表するワイナリーから意欲作。バーボンウイスキーカスク熟成された、シャルドネとカベルネ(カベルネは一部該当ワインをブレンドしたもの)。ワインの樽熟にアメリカンオークが使われることは珍しくありませんが、ウイスキーカスクはあまり数はありません。
ロバート・モンダヴィについては、カリフォルニアワインの先駆者としての実績と歴史から、その品質は折り紙付き。ただノーマルのプライベートセレクションは、同銘柄のデイリーユースというかエントリーグレードに当たるため、個人的には些か雑に作ったような味の印象もありました。

シャルドネは、新世界らしく角のとれた包容力のある酸が広がる。。。ように見せかけて、中間からオーク由来かバニラ系統の甘味、トーストの焦げ感も微かに加わって酸を打ち消すように広がる個性的な仕上がり。
カベルネは。。。そもそものベースが濃厚な赤なので、どの辺がバーボン樽由来と言われても難しいのですが、中間以降のタンニンが多少クリーミーな質感をもって感じられるあたりに、仕事をしているのかもしれません。
双方中々面白いワインだと思います。

それにしても、このワインの熟成に使われたバーボン樽はどこのものなんでしょう。
これまで、ウイスキーは様々な酒類の樽を熟成に用いることで、個性を多様化してきた歴史がありますが、その逆の流れが生まれていることは興味深いことだと感じています。

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