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カテゴリ:★6

マッカラン クラシックカット 2019年リリース 52.9%

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MACALLAN 
CLASSIC CUT 
LIMITED 2019 EDITION 
Cask type Sherry Seasond Oak Casks 
700ml 52.9% 

【ブラインドテイスティング】
地域:スペイサイド
蒸留所:グレンファークラス
熟成年数:20年程度
樽:シェリーカスク
度数:53~55%程度

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封後1~2ヶ月程度
場所:サンプル@TDNさん
評価:★★★★★★(6)

香り:近年のシーズニングシェリー系統。カカオチョコレートにローストアーモンド、微かにドライオレンジピールやハーブ。ウッディーで若干のえぐさを感じさせるビターなアロマ。

味:香り同様のシェリー感に加え、オレンジやハニージンジャーを思わせる甘みがシェリー感を支え、複数のフレーバーがバランス良くまとまっている。ボディは骨格がしっかりしており、余韻にかけてそれらのフレーバーの奥からひりつくような刺激も伴ってフィニッシュは長く続く。ほのかに樽材由来の生っぽさもあるが、嫌味に感じるほどではない。

アタックが強く、酒質のしっかりしたスペイサイドの蒸留所というイメージ。使われている樽は近年系のシェリーらしく、また量産されているためかそこまで良いモノではないように感じられるが、蒸留所が大手というか、クオリティを維持する工夫をしている印象がある。
比較的バランスの取れたシェリー系のモルトウイスキー。加水も少量なら悪くなく、香りで柔らかい甘さ、比較的綺麗に樽由来の香味が伸びてくれる。

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というのが一昨日、ツイッターでリアルタイムに書き連ねた今回のブラインド回答のまとめ。
いや、答え見えてるんであれですが、はい、また引っ掛かりました。マッカランです。
昨年11月、2017年リリースのマッカランクラシックカットをブラインドテイスティングして、グレンドロナックのカスクストレングスと答えたばかりなので、まるで成長していない結果に・・・(汗)

非常に悔しいのが、選択肢には入ってるのに除外してしまうんですよね、この蒸留所は。
今回はシェリー感やフレーバーから、クラシックカットの新しいやつか?と候補にはなったのですが、後述する理由から除外し、ひょっとしてリリースされたばかりの日本向けグレンファークラス・カスクストレングスのバッチ2かも、と直前方向転換。(よくよく見ると、ファークラスの該当リリースとは度数が合わないので、そこで気がつくべきだった。)

ブラインドではファーストインプレッションが正解って結構あるんですが、直感に対して後追いする知識、情報をいかに正しく使いこなせるかが本当に重要ですね。。。

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(マッカラン・クラシックカットのファーストリリース、欧米向けの2017年リリース。終売となったカスクストレングスを思わせるリッチなシェリー感と、本来のマッカランらしい口当たりの強い酒質が楽しめる。2019年リリースに比べると、シェリー感は濃いが、平均熟成年数は若いか。レビューはこちら

さて、マッカラン・クラシックカットについては、上記2017年のファーストリリースのレビューで商品解説もしているので詳しい説明は省略しますが、毎年異なるブレンダーが異なるレシピで仕上げる、伝統のヘレス産シーズニングシェリー樽100%、カスクストレングス仕様のリミテッドリリースです。
これまでは少量平行品が入る程度であまり話題になっていませんでしたが、2019年リリースからサントリーが正規輸入を開始しています。

2019年リリースの特徴から触れていくと、スタンダードのシェリーカスク18年で感じられた程度の熟成感。口当たりは骨格がしっかりしていて、シェリー樽の由来のフレーバーを受け止めてバランス良く仕上がっているというもの。シェリー樽はリフィルタイプも一部混じっているのか、味に幅があり、良い部分はダークフルーツ、チョコレート、そして柑橘系ドライフルーツという感じ。
余韻や香りはちょっとえぐいというか、甘さよりもビターなウッディネス、ドライオロロソのようなシェリー香が主体ですが、トータルでは悪くないですね。

正直、これが1本15000円というのは、マッカランやれば出来るじゃんという感じです。(直近のウイスキー相場に毒されているかもですがw)
複数樽バッティングだからこそのシングルカスクにはないバランス、幅のある香味。樽の質の問題というべきか、ネガティブな部分は少なからずあるのですが、市場にあまりない50%OVER仕様のシェリー系シングルモルトでは見るべきところがある1本だと思います。

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(先日”酷評”した、現行品2019年リリースのマッカラン12年と18年。シェリー感よりもボディの薄さ、特に12年はトワイスアップで飲んでるのかと思うほどのシャバシャバ系で、この印象が今回のブラインドに影響することに・・・。)

同時に、色々察してしまったのが、今回ブラインドでマッカランを除外する理由ともなった、通常リリースのシェリーオークの存在です。
何が違うって、度数が違うにしても明らかに酒質の厚みが違い過ぎるんですよね。香味の成分はアルコール成分と結び付く部分があるため、度数が高ければ香味は強く、そして厚みも感じやすくなる反面、加水すれば当然それらが失われていくのは仕方ないことですが、それにしたって薄い。その印象から、ブラインドではマッカランじゃなくてファークラスかも・・・と。

マッカラン・クラシックカットは数量限定で、ブレンダーが味を”安定させない”ことを選んで毎年毎年リリースしていくものです。そのため、原酒についてもある程度選べるのでしょうし、何よりカスクストレングスでのリリースです。
一方で、オフィシャル通常リリースは、マッカランの規模ともなれば何百万本と作り出さなければなりません。当然、ロット差を無くすため樽の誤差を吸収していく必要があるわけですが、なかには微妙なものも混じるでしょう。混ぜて加水すればある程度誤差は分散しますが、どうしても違いは出ます。となると、残る選択肢はフィルタリングしかありません。

強烈なチルフィルをあえてかけてリリースされたウイスキーに、オールドパー・シルバーがあります。あれもボディはかなり軽かった。
ある意味での去勢をあえてして、良い部分を犠牲に悪い部分を削り、安定に繋げたのが通常リリースで、それをしていないリリースの一つがクラシックカット。なんの裏付けもありませんが、1年前に飲ませてもらった近年のニューメイクはそれなりに厚みのあるもので、この仮説がに腑に落ちてしまうのです。
マッカランは原料と仕込みから死んだわけではなく、大量生産故の弊害であると。

ブラインドの結果そのものは非常に悔しいものでしたが、それ以上に上記仮説と共に、自分のなかで新しい気づきもあった、得るものの多いテイスティングとなりました。

グレンアラヒー 25年 オフィシャル 2018リリース 48%

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GLEN ALLACHIE 
SPEYSIDE SINGLE MALT 
AGED 25 YEARS 
Released from 2018 
700ml 48% 

グラス:テイスティンググラス
時期:不明
場所:新宿ウイスキーサロン
評価:★★★★★★(6)(!)

香り:オーキーで華やか、ドライなアロマ。バタースコッチや蒸かした栗の甘さに、リンゴのタルト、ドライマンゴーのようなリッチなオークフレーバー、微かにハーブのニュアンスも混じる。

味:粘性のあるモルティーな口当たり。香り同様にリッチなオークフレーバー。黄桃の缶詰、シロップ漬けアプリコットのような、とろりとした甘みを伴う黄色系果実のフルーティーさ。またマロンクリームのようなオーク由来の甘味、麦芽風味も奥に感じられる。
フィニッシュは華やかでドライ、軽いスパイシーやウッディな渋みを伴う余韻が長く続く。

突き抜けた美味さ、というより総合的に完成度の高いシングルモルト。アメリカンオークのリフィルシェリー樽で熟成させたスペイサイドの長熟オフィシャルはこうなる、という仕上がりの一つ。熟成感が年数表記以上に感じられる一方で樽もやや強め。余韻はウッディだが、ボディがしっかりしているためか、それを受け止めて麦感も感じられる点は好印象。加水も少量までなら良好。

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2018年から本格的にシングルモルトのリリースを始めた、スペイサイドのグレンアラヒー蒸留所。個人的に今注目の銘柄のひとつです。
そのグレンアラヒーのオフィシャル通常ラインナップにおける、最長熟成品が今回のレビューアイテムである25年。市場価格は少々高めですが、原酒構成は40年以上熟成となる原酒を含む25年熟成以上の原酒を用いて構成されており、テイスティングで感じた強い熟成感も納得。度数は48%と通常ラインナップとしては高めな仕様で、バランスがとれつつもリッチなフルーティーさが魅力の1本です。

グレンアラヒー蒸留所は、ブレンド用の原酒調達を目的に1967年に設立した蒸留所です(ブランドPRでは1968年という記載があるが、会社の設立が67年、創業開始が68年だった模様)。以後、同社のブレンデッドであるマッキンレーズのキーモルトとなっていましたが、スコッチウイスキー冬の時代である1980年代に入り消費が低迷。1985年にインバーゴードン社へと売却され、1987年には生産調整のため操業休止。1989年にはさらにペルノリカールへ売却・・・と、ブレンド向け蒸留所の多くがこの時代に経験したようなルートを辿ることとなります。

1990年代に入ってもグレンアラヒーはブレンド向け蒸留所の区分にあり、オフィシャル扱いのシングルモルトリリースはごくわずか。
2000年に入りシングルモルトのブランド価値が向上するなかでも、ボトラーズリリースくらいでしか知られていない、マイナーな銘柄と言っても違和感はなかったと思います。

そのマイナー蒸留所の転機は、ベンリアックやグレンドロナックを一躍世界有数のブランドへと成長させ、2016年にブラウンフォーマンに売却して大きな利益を得た、ビリー・ウォーカー氏の次なるビジネスモデルのターゲットに選ばれたこと。2017年にペルノリカールから大量の原酒ストックと共に蒸留所が売却され、現在の体制へと繋がります。

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(2018年に発売となった、グレンアラヒーのオフィシャルスタンダードラインナップ。後にこの4種にシェリーカスク熟成の15年が加わる。また、シングルカスクリリースも積極的に展開されている。全ラインナップの整理とフレーバー構成については、後日別途機会を作ってまとめる予定。)

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(グレンアラヒー蒸留所創業50周年を記念したリミテッドリリース。上のオフィシャルラインナップの発売に先立ち、6種類のシングルカスクが展開された。このうちの最長熟成となるのが写真の1978年蒸留のシェリー樽原酒。微かにサルファリーだがリッチで奥行きと複雑さの感じられるモルト。酒質の素性は良く、40年弱の熟成を経て枯れた印象もない。)

今回の25年は、近年のスペイサイドモルトでありながら、熟成に耐えるボディの厚さと、その熟成によって得られるリッチなフルーティーさ等、グレンアラヒーの良さとして今後のリリースへの期待も感じられるボトルだと思います。
ただオフィシャル通常ラインナップの宿命とも言える、香味のバランスを整えるようなブレンド仕様になっているが故に、突き抜けるような味わいではない点が、このボトルの味を単体で評価するにあたって「美味しい」の先が別れるところだとも思います。

個人的なイメージは、ラグジュアリーな高級車。分かりやすい速さより、質感重視といいますか。こういうボトルが家飲みにあったら最高なんですが、庶民の私にはそうそう手が出ないので、多少仕上がりは粗いけど、類似のフルーティーさのあるボトルを手に取ってしまう(笑)。
そんなわけで、評価は辛口かもしれませんが、評価方針の違いであって、間違いなく美味しいボトルであることは補足させていただきます。

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以下、本ボトルをテイスティングした、新宿ウイスキーサロンさん繋がりの情報が入ってきましたので合わせて紹介します。

営業自粛中だった同店ですが、本日5月7日から営業時間を14時~20時に改め、カフェとして再開するそうです。
フードメニューに加えて、ノンアルコールカクテルも11種類追加されているとのこと。(アルコール類の提供は継続しますが、ラストオーダーは19時。)
ちなみに写真の清里カレーは、自分も大好きな清里・萌木の村のレストランRockの名物とも言えるオリジナルカレーを取り寄せて提供しており、売り上げの一部を萌木の村に寄付されるという粋な取り組みも。。。
コロナウイルスの影響が厳しいなかで、多くの店舗で工夫し、対策した上での取り組みが始まっていますね。詳細は同店WEBページを確認ください。

カフェ新宿ウイスキーサロン 本日スタート

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ボウモア 14年 1997-2011 セレブレーションカスク for 信濃屋 60% #80028 

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BOWMORE 
CELEBRATION OF THE CASK 
For SHINANOYA 
Aged 14 years 
Distilled 1997 
Bottled 2011 
Cask type Hogshead #80028 
700ml 60%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封後2年程度
場所:自宅
評価:★★★★★★(6)

香り:ハイプルーフ故に鼻腔を刺激する強さと、バニラなどの樽由来の甘さ、微かに薪の灰。シトラスやグレープフルーツを思わせるニュアンスを含んだピート香。磯っぽさと魚介粉末のようなアイラ要素の奥には、古典的な麦芽風味に通じるアロマも潜んでいる。

味:ハイプルーフらしく強い口当たり、塩気を伴うオイリーさ、燻した麦芽のほろ苦さとピートフレーバー。ヨードや魚介系のニュアンスを強く感じる含み香が続くが、グレープルーツ系の果実感、仄かにトロピカルなフレーバーもあり、ボウモアらしさに通じるアクセントになっている。
余韻はスパイシーでピーティー。口内がひりつようなフィニッシュだが、フルーティーさの残滓がピートフレーバーと合わさって長く続く。

香味の傾向としては、アメリカンオーク系フレーバーにボウモアの組み合わせという、ブラインドで最も正解率が高いだろうアイラモルト王道的な組み合わせの1つ。中身はやや粗さの残るボウモアだったが、経年変化(瓶熟)によってか多少丸くなっており、それによって奥に押し込まれていたベース部分の酒質由来の麦芽風味、オイリーな質感を伴うアイラフルーツとピートフレーバーが感じやすくなっている。加水も少量までならさらに香りの開きがある。グラスで時間を置いた際もいい変化が見られたので、まだ時間を置いても良いかもしれない。その時まで残っていればだが・・・。

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GWはステイホームということで、自宅で微妙な量を残したままになっているボトルや、頂いたテイスティングサンプルを楽しませてもらいました。
今回のボトルは、その飲み残しボトル1本。信濃屋向け・セレブレーションカスクのボウモア1997。最近めっきり見なくなった90年代ボウモアですが、これは当時飲み進まなかった1本。それがレビューの通り、瓶熟を経て結構良くなっていたのです。

発売当時はキャンベルタウンロッホの1993を筆頭に、1990年代蒸留ボウモアが注目された時期。脱パフューム、60年代への回帰、まあとにかく様々なリリースがありましたね。この信濃屋向けは、イベントあたりでサンプルを飲んで、これ結構良いじゃんと購入したボトルだったのですが・・・。開封直後の印象は、アルコール感が強く、ドライで果実味よりも塩気やピートフレーバーのほうが強く出ている印象。なんというか旨みが薄く感じられてあまり飲み進まなく、当時はハイボールで消費しきったと記憶しています。60%あったので、凶悪に酔えたんですよねぇ、これ(笑)。

97、98、99と、90年代後半あたりのボウモアは、90年代初頭から中頃に比べて味の幅というか、ボディが薄いものが増えていくので、樽次第でフルーティーなフレーバーが際立つ反面、それを外したボトルも散見されるのが、特に1997年のボウモアの特徴でもあります。
今回のボトルはホグスヘッドで14年熟成。王道系の味わいですが、使われていたのがバーボンバレルか、あるいはもう3~4年熟成していたなら、開封直後からわかりやすくフルーティーで美味しいボトルだったのではと思います。少なくともリリース当時は、樽感に対して、度数の強さが勝ってしまっていたのです。

このボトル、諸事情により2本あって、残っていた1本を1年半くらい前に開栓。開封直後の印象は当時とあまり変わらず。。。しかし約8年の瓶熟(うち、約2年弱の開封後放置)が変化を与えており、久々に飲んでみると先に触れた若さ、強かったアルコール感、ドライさが収まり、その奥にあったコク、魚介系のニュアンス、古典的なボウモアのフルーティーさに通じる要素が開いてきていました。そういえば試飲して感じた印象ってこんな感じだったなと。記憶はあいまいですが・・・。

おそらく、試飲の時は、飲んだのがカスクサンプルだったか、イベントでの輸送や環境によって結果的にこなれたような感じになっていたのでしょう。回り道はあったが、その状態に時間をかけてたどり着いた。度数の高さ故に経年変化を許容出来たことも、今のボトルの状態に繋がっていると思います。
先日、Wu Dram Clan向けハイランドパークのコメントで、瓶熟に関する質問を受けたばかりでしたが、思いがけずその事例を楽しむことが出来ました。

ハイランドパーク 15年 2003-2019 For WU DRAM CLAN 58.2% #6126

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HIGHLAND PARK 
For WU DRAM CLAN WHISKY SOCIETY 
Aged 15 years 
Distilled 2003 
Bottled 2019 
Cask type 1st fill European OaK Sherry Butt #6162 
700ml 58.2% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:不明
場所:自宅@サンプル
評価:★★★★★★(6)

香り:サルファリーさと湿ったウッディネス。合わせて粘性のあるダークフルーツシロップ、焦げた樹液やみたらし、くるみのほろ苦さ。時間経過で古びたウェアハウスのような、古典的なニュアンスも漂う。 

味:シェリーオーク由来の甘酸っぱいダークフルーツのフレーバーと、かりんとうや黒飴の甘さ。リッチな口当たりから、スパイシーな刺激、サルファリーさ、椎茸の出汁のようなエキスも微かにある。フィニッシュはウッディなタンニン、ドライ。硫黄香はあるが、香りほど気にならず、奥には微かにモルティーなフルーティーさも。

第一印象は、ハイランドパークのその他リリースでも度々見られる硫黄を含んだ濃厚シェリー系。”現時点”では、特筆して素晴らしいボトルとは言い難い。ただ、このモルトの本質はシェリー感よりもその奥にある。スワリングした時に混じる古典的なアロマ。口直しで水を含んだ時の口内に残るフルーティーな香味の残滓。加水の変化に加え、硫黄はグラスのなかで比較的早く抜けていく印象で、間違いなく瓶熟推奨。将来の確たる可能性に満ちた1本。

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先日Kyoto Fine Wine & Spiritsの店主O氏からサンプルをいただいていたうちの1つ、Wu Dram Clan向けのハイランドパーク。
このグループは、もともとドイツの愛好家2名で構成されていたものですが、そこにO氏が後追いでジョイントし、先日の”鹿バンク”のリリースに続くという流れです。

今回のハイランドパークはというと、飲んだ印象ではまず違和感。店主の好みは古典的なモルトで、なかでもグレンモールが大好きというちょっとマニアックな趣向があったりするのですが。今回のハイランドパークのどシェリーで多少サルファリーでも許容しちゃうのは、モルトマニアックス受賞系というか、欧州の愛好家っぽいチョイスなんですよね。
この点については、選定の経緯を聞いてみて納得。カスク選定にO氏は関わっておらず、選定者はドイツの2名。リリースが決まっていたあとで、グループに加わったのだそうです。

ハイランドパークを傘下とするエドリントングループは、ここ数年15年熟成前後のシングルカスクや、ヴァイキングソウルなどを含めた樽売りを、比較的積極的にやっているような印象があります。
それも一般市場向けのオフィシャルスタンダードではなく、免税向けや、専門ショップ向け、あるいは欧州やアジアの愛好家向けなど、誤解を恐れず言えば「お金がありそうなところに特別感のあるリリースをピンポイントで投入している」ような戦略が見えるのです。
この辺りは、同グループ傘下のマッカランでも類似の動きを見ることができますね。

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(ハイランドパークのシングルカスクリリース。免税店向け、ショップ向けの一部。これら以外にも今回の愛好家向け、台湾やシンガポール向け等多数存在する。)

ただ、近年のハイランドパークのシングルカスクをいくつか飲んだ印象としては、安定感に乏しいというか、クオリティは結構ピンキリであるように感じます。
サルファリーさが目立つものが多いのは好みの問題もあるのでさておき、シェリー感を突き破るようなベース部分の荒さ、シェリー樽由来のフレーバーの濃淡、傾向の違いは現代のファークラスマジックか?というくらいにばらつくのです。
樽売りにあたり、意図的にキャラを変えているとしても、玉石混合の玉になかなか当たらない印象もあり、現代のシェリー系故の難しさなのかもしれません。

ではこのWu Dram Clan向けはどうかというと、先に触れたようにモルトマニアックスが好みそうな、スパニッシュオーク材のエキスの色濃く混じった、濃厚シェリー系・・・で終わらない。今後、時間と共に磨き抜かれた”玉”に変化する可能性を秘めた、カスクリリースであると言えます。

度数高く、熟成年数もそこまで長期ではないので、口内を酒質由来の刺激が強い部分もありますが、言い換えれば開封後年単位で経過しても、経年変化に耐えられる可能性があるということ。硫黄感の抜けは比較的早そうで、グラスの中の変化で将来の姿を感じることができる点もポイントですが、なにより特筆すべきはベース部分の味わいと言えます。
樽材由来のエキスやサルファリーさの裏に、熟成したハイランドパークが持つフルーティーで、古典的な麦芽風味に通じる要素が潜んでおり、瓶熟、開封後変化させることで、数年程度で大きく進化する可能性があります。

ハイランドパークは、過去にも「10年前は全然ダメだったけど、瓶熟で変化した」というボトルがいくつかあり(昨年末、某ストイックな人にブラインドで出されたばかり(笑))、その兆しが現段階で見えている今回のボトルには安心感すらあります。
難しいリリースが多い中でも、光るモノは集まるべきところに集まるんですかねぇ・・・。今後はレダイグ、そして他数種類のリリースも予定されているそうで、その引きの強さ故に今から楽しみです。

アベラワー18年 ダブルカスクマチュアード 43% 2018年リニューアル

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ABERLOUR 
18 YEARS OLD 
Double Cask Matured 
Release to 2018~
500ml 43% 

グラス:テイスティンググラス
場所:新宿ウイスキーサロン
時期:開封後1ヶ月程度
評価:★★★★★★(6)

香り:華やかなオーキーさと合わせて、黒砂糖や香ばしいかりん糖、揚げ菓子を思わせる甘さ。合わせてダークフルーツを思わせるアクセント。微かに焦げたオークのエキスが混じる。

味:スウィートで柔らかいコクと香ばしさ、黒飴、ドライプルーン、カステラの茶色い部分を思わせる香ばしさ。香り同様のフレーバー構成だが、味わいの方が香ばしさを強く感じる。
余韻はシーズニングシェリーのダークフルーツシロップのような甘味とアメリカンオークの華やかさがほのかに混じり、長く続く。

シーズニングシェリー樽と、アメリカンオーク樽(バーボン樽)の組み合わせを思わせるフレーバー構成だが、酒質由来の要素かシェリー樽由来か、香ばしい甘さが香味ともに混じっている点が特徴的。そこから余韻にかけてオーキーな要素も顔を出すものの、基本的にはシェリー樽ベースの香味が主体。バランス良く作られたオフィシャルシェリー系モルトのひとつ。

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最近、リニューアル後のロットが正規品として出回り始めたアベラワー・ダブルマチュアード。リニューアル後も12年、16年、18年とエイジング表記のラインナップはそのままですが、18年だけ500ml仕様に変わっています。

構成はシェリー樽熟成原酒と、バーボン樽熟成のバッティング。リニューアル前はどれも緩い加水オフィシャルという印象でしたが、16年と18年を飲んで、以前のロットに比べてシェリー感が増したというか、アメリカンオーク以外にスパニッシュオークも混じって樽感が強くなったような印象を受けました。
使われているシェリー樽の比率だけでなく、系統が変わったのでしょうか。そういえば2000年から2001年はアベラワーを所有していたシーバス社がペルノリカール社の傘下に入った年でもあり、樽の調達先など傾向が変わっていたもおかしくありません。

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(アベラワー・ダブルマチュアードの新旧デザイン。16年と18年は新ボトル。12年は旧ボトル。新ボトルはラベルのデザインと、ボトルの加工が異なる。ただし18年は旧世代のデザインを踏襲しており、あまり変わった印象を受けない。)

デザインについては、直近のリニューアルで、ボトル正面にABELOUR DISTILLERYの加工が直接入り、小さくなったラベルと合わせて逆にかっこよくなったと思います。
ただ、今日のレビューアイテムである18年に限って言えば、価格がお求め安くなったように見えて、700mlに換算すると値上がりという、消費者心理としては複雑なリニューアル。12年、16年にあるボトル加工も18年には採用されておらず、なんだかちょっと残念な感じがあります。

ただ、飲んでみると中身はそう悪くない。むしろ先に述べたようにシェリー比率が高めで、これはこれで近年の1万円程度のシェリー系ウイスキーの中ではとしては良い方なんじゃないかと思ってしまいます。
実質的な値上げはシェリー樽の比率が増えたためかもしれません。このテイスティングをしたのはマッカラン18年を飲んだ日で、相対的にそう感じてしまったのかもしれませんが、厚みも適度にあって硫黄感もなく、オークフレーバーを隠し味にしてダークフルーツ系の甘味と香ばしさが合わさった、良くできたオフィシャルです。


ちなみにシェリー樽受難の昨今、ミドルエイジのシェリー系オフィシャルといえば
・グレンドロナック18年
・アラン18年
・アベラワー18年
この中から、どういう系統が好みかで選んでいくのがオススメです。
個人的にイチオシはアランですが、このアベラワーも中々。ドロナックは中身が20年以上なので鯖読みしちゃってますが、飲み比べると濃厚タイプでは現行品の中でも一強状態。やはり熟成年数は偉大か。。。

なおグレンリベット18年もシェリー樽由来のニュアンスがありますが、リニューアルでシェリー感が減ってしまいましたし、ファークラスとマッカランはまあちょっと、うん。タムデューもボトルは良いんですが。。。樽の質の問題か、熟成感がまだ足りない。
後はロッホローモンド系が年々良くなって来ているので、そろそろケミカルフルーツシェリー路線を作ってくれることを期待しています。

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