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カテゴリ:★6

スプリングバンク 17年 ファウンダーズリザーブリザーブ ゴールド 46%

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SPRINGBANK
Founder's Reserve "GOLD"
Aged 17 years
700ml 46%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅(借り物@マッスルK氏)
時期:不明
評価:★★★★★★(6)

香り:ドライでややエッジの立ったツンとした香り。グレープフルーツやレモンピールの黄色い柑橘、シトラスの爽やかさ。蜂蜜、少し灰っぽさを伴うピート香、奥から蝋っぽい麦芽香も出てくる。

味:オイリーでコクのある口当たり。蜂蜜レモン、柑橘と洋梨の甘み、麦芽風味、おしろい。香り同様の構成だが、余韻にかけては塩気と共にツンとドライ、ほろ苦く土っぽさ、ヒリヒリとした刺激を伴う。

バーボン樽由来と思しきフルーティーな香味が強く、ピート香やその他のニュアンスが押されて淡いイメージがあるが、じっくり向き合ってみるとバンクらしさに熟成感があって美味しいボトル。加水すると麦芽風味が引き立つ一方、バランスは崩れがちに。

今更ながら、スプリングバンクファウンダーズリザーブを巡る旅。Presented by Muscle K.
今回は現時点でシリーズ4作のうちのラストとなる、2009年発売の通称ゴールドファウンダーズです。

このボトル、リリース当時あたりに飲んだ記憶では柑橘系のフレーバーが強く、余韻もドライであまりバンクっぽくないと感じていたのですが、今改めてじっくり飲み直してみると、当たり前ですがピート、麦、共にちゃんとバンクしてるじゃないですかという個性的な要素がいくつも感じられます。
自分のテイスティング能力のレベルアップか、あるいはボトリング後の経年で樽感がこなれてきているのかもしれません。

全体の構成の中では特にポイントだと感じたのが熟成感。乳酸系の酸味などの若いニュアンスがなく、飲み口も柔らかい仕上がりで樽由来の要素が豊富。当時のPRでは「今がまさに熟成のピーク」として発売されていましたが、なるほどなと感じる味わいです。
まあこれが同シリーズが復刻を掲げる1960年代のバンクかと言われると、強いて言えば1980年代流通あたりのそれに近いキャラクターという感じですが。。。普通に美味しいバンクと言われればそこまでという感じでも(笑)。

ただ、こういう加水で整った適度なコクのあるボトルは、普段使いに丁度良く、家に一本あるとありがたいです。
ゆるゆるのんびり飲めて良いですね。

オマケ:持ち主をリスペクトして1ショットはこれくらいか(笑)

羽生蒸留所 伊知郎 2000-2014 三越伊勢丹 58.5%

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羽生蒸留所伊知郎2000
ICHIRO
HANYU DISTILLERY
Aged 14 years
Distilled 2000
Bottled 2014
Cognac Cask Finish
700ml 58.5%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:個人宅@TWD氏
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ツンとしたハイトーンなアルコール感に、ナッティー、キャラメルアーモンド、微かに杏子を思わせる酸味を伴うウッディなアロマ。

味:パワフルな口当たり、香り同様酸味のあるウッディネス、松の樹皮、焦げたキャラメル、アタック強く余韻にかけて強い渋みとアルコール感。
ウッディーな苦味を伴うハイトーンでスパイシーなフィニッシュ。

荒削りでハイトーン、酒質的には重いというより中間がクリアで鋭く強いイメージ。多彩さがあるタイプでは無いが、そこに上乗せされた樽感が無骨でジャパニーズらしくもある。ストレート、または少量の加水で。
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三越伊勢丹が同デパート向けにボトリングしたオリジナルボトル、2本のうちの1つ。もう1本の1991については先日記事にさせていただいたところで、今回は残る2000年蒸留となります。

ベースとなった原酒は活性系のバーボン樽熟成か、シェリー樽のような濃さはなく、そこにコニャックカスクでのフィニッシュ。飲み口で感じられる酸味がらしさ・・・かもしれませんが、全体的にコニャックカスクの影響は控えめで、アタックの強い酒質に焦がした樽感という構成になっています。飲みごたえのある感じですね。
個人的にはもうちょっと甘み、奥行きが欲しくもありましたが、さらに樽感が強くサルファリーな1991より、こちらのほうが素直に羽生らしさも樽感も楽しめるように思います。
ジャパニーズウイスキー、まして地ウイスキーのように温度管理まで通常手が回らないような熟成環境にあっては、10~15年前後くらいのほうがちょうど良い熟成感に仕上がるのかもしれません。 

ちなみにこの当時、2000年代は既に肥土伊知郎氏がサントリーから東亜酒造に戻り、ウイスキー製造に関わっていた時期になります。
羽生の原酒は1980、1990年代に比べて2000年代はアタックの強さは変わらないものの、癖が少なくクリアな傾向にあるという印象があります。
ウイスキー冬の時代にあって時代に合わせようとされたのか、原料等の品種の変化によるところか、今の秩父につながる味わいとして考えると中々面白い指標とも感じました。

ラフロイグ 26年 1990-2016 ダグラスレイン XOP 49.2%

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LAPHROAIG
Douglas Laing's
Xtra Old Patigular
Aged 26 years 
Distilled 1990
Bottled 2016
Cask type Refill sherry hogshead
700ml 49.2%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:BAR飲み@リクオル
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:しっかりとした甘みを伴うシェリー香、カカオチョコ、かりんとう、合わせてスモーキーで焦がしたようなピート香。塩素、海藻を思わせる海系の癖が出汁醤油のようにも感じられる。

味:香り同様にとろりとした濃い甘みのある口当たり。キャラメル、プルーン、すぐに焦げたようなピートフレーバー、サルファリーなニュアンスも伴う。
余韻はスモーキーでドライ、ウッディなタンニンと土っぽさ。微かに葉巻の香りが鼻腔に抜ける。

しっかりと甘みのあるシェリー感を感じる1本。若干感じられるサルファリーさも含めラフロイグのキャラクターとして好みを分ける印象だが、ベースは良いので20〜30年後に大化けしているかもしれない期待値がある。ストレートで。


ウイスキー愛好家の間でちょっと話題になった、ダグラスレインのオールドパティキュラーシリーズの上位グレード、XOPラフロイグ26年。リリースから半年ほど遅れ、今更ではありますがテイスティングです。
レーズンなどの果実系というより、シロップのようなとろりと甘いシェリー感があり、そこに焦げたようなピートフレーバー、普通に美味しいボトルだと思います。

自分は濃厚なシェリー系は決して嫌いではないですが、今回のボトルのようにピートフレーバーと硫黄感が混じるボトルは好みから外れていく傾向があり、評価は辛めかもしれません。
ただし、経年でシェリー感がこなれ、硫黄が底支えになるように変化していけば、この手のボトルは化けそうだなとも感じます。
同じシェリー系ラフロイグだと、例えば昨年リリースされたメゾン60周年のマスターピースなんかは開けてすぐ美味しかったという印象ですね。

オフィシャルでしっかりシェリー系のボトルは、極少数ですが過去にもリリースされてきました。
他方、近年のラフロイグはバーボン樽を中心とした構成が多いことや、酒質的にもあまりシェリー感の濃くないリフィルシェリー、あるいはそれを含むバーボン樽とのバッティングなどの方が馴染みやすいということもあって、王道な味わいというよりは変わり種という印象があります。

ラフロイグは18年が終売となり、ボトラーズからも中熟以上のボトルが中々出てこない状況となっています。
そんな中、近日リリース予定のボトルでは、信濃屋のダンカンテイラー・ラフロイグ18年(1998ー2015)が、まさに王道というはっきりとフルーティー&スモーキーなタイプ。美味しいラフロイグというだけでなく、シェリータイプにバーボンタイプ、ボトラーズからリリースの少ないラフロイグに、偶然にも役者が揃ってきました。
今後ますますボトラーズの原酒枯渇が進むと思われる中、様々なキャラクターのラフロイグを飲み比べできるのは当面無い機会かもしれません。BAR等で是非試してみてください。

シーバスブラザーズ センチュリーオブモルト 43% 1990年代流通

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CHIVAS BROTHERS
THE CENTURY OF MALTS
Scotch malt whisky
750ml 43%

グラス:テイスティンググラスエリート
場所:個人宅(持ち寄り会@J氏)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:洋梨や林檎を思わせるフルーティーさ、華やかでオーキーでナッティーな香り立ち。奥から干しわら、ウッディネス、少し溶剤のような刺激を伴う。

味:まろやかな口当たりから徐々にドライ。香り同様に華やかでナッツ、フルーティー、林檎、牧草、蜂蜜のような甘みも感じる。中間は多彩で複雑だがまったりとしている。余韻はウッディでドライ、ほのかなピート香が現れ長く続く。
   
複雑さ、多彩さはあるが、基本的にはハイランドタイプのモルティーな香味が主体。余韻にかけてはアイラ系のピートフレーバーもある。熟成感は10~20年程度、あまり長期熟成のモルトという印象はない。ゆるくのんびりと楽しめる1杯。


シーバスリーガルを製造するシーバス・ブラザーズ社が1995年に発売したとされるブレンデッドモルトウイスキー。センチュリーと書かれたそれは、100周年などの記念的な要素を感じさせるものの、特段これと言う話はなく。1度限りの限定品ではなく、何年間かリリースは続いていたようで度数違いや容量違いもリリースされています。
シーバスブラザーズ社発足は1801年、シーバスリーガルの発売は1891年、少なくとも100年前の1895年、何か記念すべきことが同社にあったというような話はありません。

ラベルの通り100蒸留所の原酒をブレンドしたウイスキーで、当時J&Bがモルトとグレーンで120を越えるほぼ全蒸留所の原酒をブレンドした、J&Bウルティマをリリースしていたことから推察すると、対抗馬と言える商品だったのかもしれません。
ブレンデッドウイスキーではなく、あえてシーバスブランドの通常ラインナップにないバッテッドモルトウイスキーでリリースしているあたり、販売量でシーバスリーガルの上を行くJ&Bへの対抗意識が滲んでいるようにも感じます。   

比較的オールド市場に多く流通している本銘柄、完品の場合付属する冊子には、使われたとされる100銘柄についての解説もされています。
そのリストにはアイランズ、アイラ、北ハイランドからローランドまで、スコットランド全土から満遍なく原酒が使われていることが書かれていますが、そのバランスはテイスティングの通り、内陸系主体のバッティングに隠し味としてアイラという感じ。シーバス社所有の原酒で考えると、そうしたタイプの原酒が主体になるのは当然のこととも言えます。

ご参考:シーバスブラザーズ社所有のウイスキー関連設備(2009年度版)

他方、使われた原酒には、かつてシーバス社が試験的に仕込んだとされるピーテッドモルト、クレイグダフ、グレンアイラの名前もあり、余韻にかけて感じられるピート香にそれが含まれていると考えると、中々興味深いと感じる味わいでもあります。
ちなみにこのボトル、持ち寄り会ではブラインドテイスティングで出され、そのキャラクターの多彩さというか混ざり具合から悩みに悩んでバランタインのオールドと答えた記憶があります。出てきたボトルを見て、これなんてムリゲーだと(笑)。しっかり楽しませてもらいました。

メーカーズマーク プライベートセレクト 萌木の村 ポールラッシュ生誕120周年記念 55.5%

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MAKER'S MARK
PRIVATE SELECT
Paul Rusch's 120th Birthday
Barrel Finished With Oak Staves
750ml 55.5%

グラス:木村硝子テイスティンググラスの後バカラロックグラス
場所:自宅
時期:開封直後~
評価:★★★★★★(6ー7)(!)

香り:バニラやバタークッキーを思わせる甘い香り立ち、ブルーベリー、植物や穀物の軽やかさ、ウッディーでスパイシーなアロマが続く。

味:濃厚でコクがあり、度数を感じさせないまろやかな口当たり。メープルシロップ、チェリーのシロップ漬け、オレンジママレード。序盤は甘酸っぱさの有る甘みから中間から後半はバランスの良いウッディネス、ほろ苦さが微かな焦げ感を伴って長く残る。

樽感が強く濃厚な味わいだが、余韻にかけて収束し、軽やかであまりしつこさがない飲み心地がメーカーズマークらしさとして感じられる。ストレート、ロック共に良好。テイスティンググラスよりはロックグラスやショットグラスで楽しむほうが香りのネガが少ない。夏のバーベキュー、野外で飲みたい1本。 シガーとの相性もいい。

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この7月、オーナーの元に届いたばかりの萌木の村オリジナルボトリング、メーカーズマーク・プライベートセレクトです。
ボトリング本数は237本。戦後、萌木の村がある清里の地の発展に大きく貢献した、ケンタッキー州出身の牧師、ポール・ラッシュ氏の生誕120年を記念したボトルでもあります。
同氏の生誕記念としては、今年の4月に先立ってシングルモルト白州もボトリングされており、生まれた地と、復興に尽力した地で育まれたそれぞれのウイスキーとのコラボは、同氏の生誕を祝うに相応しいチョイスと言えます。


メーカーズマーク・プライベートセレクトは、一度払い出したメーカーズマークのカスクストレングスを、フレンチオークを主体とした5種類10枚の木材(インナーステイブ)と共に再び樽詰めし、数ヶ月間後熟したものです。
この方法は既に市販されているメーカーズマーク46でもお馴染みであるだけでなく、蒸留所や現地ショップではオリジナルボトルも展開されていて、どの樽材を組み合わせるかで味に変化を与える狙いがあります。

今回のボトルのインナーステイブの比率は裏ラベルの通り、甘みの強いP2とCuに、スパイシーな香味の46が10枚中8枚となっており、濃厚で甘みが強く、苦味のニュアンスが少ない味わいが付与されているようです。

バーボンウイスキーは樽に新樽縛りがあり、連続式蒸留も行われる関係から、ともすれば香味が単調などという声も少なからずあるところ。近年では香味のライト化も著しく、長期熟成原酒も枯渇気味と聞きます。
そんな中で現地ウイスキー業界としては、原料比率や酵母を変えたり、メーカーズマークのインナーステイブだけでなくフィニッシュに異なる樽を使用したり、あるいは最初の熟成からアメリカンオークでなくフレンチオークの新樽を使うなど、多様性を生み出す様々な試みが行われ、これまでの常識が変わりつつあると感じます。

このメーカーズマークは、通常の熟成とは異なるニュアンスはありますが、それ以上に狙ってこの味わいを作り出したというところに、ポールラッシュ氏の「最善を尽くせ、そして一流であれ」とする開拓者精神が体言されているように感じます。 
本ボトルは萌木の村ホテルバー・パーチだけでなく、一部繋がりのあるBAR等にも展開されている模様。是非バーボンの新しい可能性に触れてみてください。


以下、余談。
今回のボトルのオーナーであり、萌木の村の代表である舩木上次氏が、Forbes Japan誌による"日本を元気にする88人"に選ばれました。
舩木氏は、ウイスキーに限っても清里ウイスキーフェスの開催で中心的な役割を果たすだけでなく、清里フィールドバレエ・オリジナルボトルでご存知な方も多いはず。
ご本人は「自分は88人目ですから」と謙遜されていましたが、選定の有無に関わらずその実績は疑いようもないところ。
自分も舩木氏のようにウイスキー業界を元気に出来るような、そんな活動をしていきたいものです。

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