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カテゴリ:★6

富士御殿場蒸留所 シングルモルト12年 赤ワインカスクフィニッシュ 51%

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KIRIN FUJIGOTENBA
Single Malt Whisky
Aged 12 Years
Red Wine Cask Finish
Cask No,7 B019
700ml 51%

グラス:サントリーテイスティング
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(個人所有ボトル)
時期:開封後1ヶ月未満
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:レーズン、徐々にハーブ、ローストアーモンド。奥からリンゴのカラメル煮なども混じる、華やかなでリッチなアロマ。ハイトーンな刺激もあり、フィニッシュに潰されない個性を感じる。

味:濃厚だが、少しベタつきのある口当たり。メープルシロップ、イチジクの甘露煮、クラッカーの香ばしさ。エステリーなフルーティーさもあり、徐々にスパイシー。
余韻は粘性のある甘さ、ウッディで徐々にビター、スモークベーコンを思わせる燻したような煙を感じる。

多少べたつきが感じられるが、赤ワインカスク由来のリッチな香味を、骨格のしっかりした原酒が支える。加えピートのニュアンスなど、個性的かつパワフルで面白みのあるシングルモルト。


キリンウイスキーマスターブレンダーの田中氏が、ウイスキーアワードIOW2017で世界一に選出されたことを受け、その記念に4樽製造するうちの初めの1樽。
10年もののピーテッド原酒を、シャトーメルシャンの赤ワイン樽(フレンチオーク)で2年間フィニッシュ。ピーテッド原酒もそうですが、赤ワインフィニッシュというのも、富士御殿場蒸留所=バーボン樽なリリース主体の中で珍しく、個性的な組み合わせが注目を集めました。

個人的に今回のリリースは、富士御殿場蒸留所のモルト原酒待望とも言える1本です。
それは赤ワインフィニッシュが・・・では無く度数。富士御殿場のモルト原酒は、基本的に50%で樽詰めされる(グレーンは55%)ので、熟成の間に度数が下がり、50%を維持することはまずありません。
結果、モルトのみではスモールバッチ17年46%でも結構ギリギリという、短熟向け原酒となるのですが、その富士御殿場から、ついに50%越えのシングルモルトがリリースされたのです。

(富士御殿場蒸留所で主に使われている、バーボンの空き樽。フォアローゼズ蒸留所にて撮影。今回のワインカスクフィニッシュにも、バーボン樽由来の華やかなアロマが潜んでいる。Photo by T.Ishihara)

今回の原酒が仕込まれた12年前は、旧富士山麓の開発最盛期。2004年後半〜2005年前半(富士山麓は2005年9月発売)にあたり、様々な度数の原酒を試す中で試験的に高度数で仕込まれた原酒だったのではないかと推察。あるいは、稀に起こりうる熟成の最中に度数が上がる現象が起こったのかもしれません。
バーショーで確認するタイミングを逃してしまったので(単に聞き忘れていただけとも言う)、次回関係者にお会いした際に聞いてみたいと思います。
あるいは、確認された方いらっしゃいましたら、是非教えてください!

先に書いたように、今回のリリースは4樽選ばれたうちの一つとされており、今後残りの3種がリリースされるようです。
ワインカスクフィニッシュ12年は、ワイン樽のニュアンスの奥に、富士御殿場モルトらしいエステリーさ、オークフレーバーの華やかな香味もあり、できればバーボン樽との王道的な組み合わせの50%Over原酒を試したいという気持ちがさらに強くなりました。
今後続くリリースが一層楽しみです。

カリラ 2007-2016 ウイスキーラバーズ名古屋記念ボトル 50.3%

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IMG_3251
CAOLILA
Whisky Lovers Nagoya 2017
Aged 9 years
Distilled 2007
Bottled 2016
700ml 50.3%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封後3ヶ月程度
評価:★★★★★★(6)

香り:焦げたようなスモーキーフレーバーを伴うクリアな香り立ち。ツンとしたアルコール感や溶剤を思わせる刺激がギスギスとした硬いイメージに繋がる。ほのかに根菜っぽい土っぽさ、時間経過でシトラスやレモングラスの爽やかさも開いてくる。

味:とろりとした粘性に加え、ピリピリとスパイシーな口当たり。麦芽風味と香り同様に焦げたようなスモーキーさが鼻腔に届く。微かに乳酸系の酸味、ヨード、焦げた木材のほろ苦さ。
余韻はほろ苦く、スモーキー、序盤の刺激を伴い長く続く。

口当たりで感じるコクのあるボディは、加水するとよりクリアで爽やかな香味に。硬さに繋がっていた要素が収まり、麦芽由来の香味も開いてくる。


BARよっちさんから頂いた、ウイスキーラバーズ名古屋2017の限定ボトル小瓶第2弾。
実は3種のうち、このカリラだけは別途飲んでいたのでテイスティングは2度目ですが、最初に飲んだ時は持ち寄り会の結構がばがば飲んでいる中だったので、ちゃんとし飲むことが出来て良かったです。

安定のカリラ、という一言に尽きる若いアイラらしいフレーバー。スペックと中身の関係は平均的なレベルで、樽感は淡く、酒質ベースの香味が主体的。特段裏切られるようなことも、期待以上の何かということも無いと感じます。
ただ、これは現時点での評価であって、今高評価を受けているバロックレイド時代のカリラなど、案外ボトリング当時はこういうピッチピチな味わいだったのではないかとも。最近リリースの増えてきた短熟のカリラは、ボディの軽いものも少なくない中で、口当たりのとろみ、麦感などから20年、30年先の可能性のあるボトルだと感じます。

ちなみに、既にイベント会場等において完売となった、このウイスキーラバーズ名古屋2017の記念ボトル3種(グレンギリー、カリラ、ブラックスネーク)ですが、2017年6月18日に福岡で開催される、ウイスキートークにおいて少量追加販売されるとのことです。

参照:ウイスキートーク福岡2017

最近、日本の各地域でこうしたイベントが開催されており、それが観光需要に繋がるなど、地域活性化にも貢献している模様。
ウイスキーラバーズ名古屋は入場規制が発生するほどの盛況ぶりで、改善点は大いにあるとしても、その盛り上がりは説明不要と言えますし。他のイベントでは、秩父ウイスキー祭りなんて約3000人が訪問するというから、ウイスキーの持つ力と現地の魅力のコラボは凄いと言わざるを得ないですね。

イベント開催に関わられている皆様の苦労には頭が下がる想いとともに、引き続き日本のウイスキー業界を盛り上げていってほしいと思います。

ダルウィニー 2000-2016 ディスティラーズエディション 43%

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DALWHINNIE
Distillers Edition
Double Matured in Oloroso Sherry Cask
Distilled 2000
Bottled 2016
700ml 43%

グラス:サントリーテイスティング
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(Y's Land IAN)
時期:開封後1ヶ月程度
評価:★★★★★★(6)

香り:甘くエステリーな香り立ち。蜂蜜、林檎のコンポート、サルタナレーズン、じわじわ乾いた麦芽、木材の削りくずを思わせるウッディネスも。

味:とろりとした口当たり、麦芽風味、ホットケーキ、オレンジジャム、果実味のある甘い風味が広がる。ボディは柔らかく、穏やか。
余韻はドライでスパイシー、土っぽいほろ苦さ、しっかりとウッディなオークが蓄積するように長く続く。

香味とも樽が強くドライな系統だが、エステリーでフルーティーなニュアンスも備わっており、ダルウィニーらしい麦芽風味と合わせて多彩な仕上がり。一方ボディはそれほど強くないので加水は少量程度までなら、樽感とのバランスも取れてくる印象。


ここ数年のダルウィニーダブルマチュアードの中で、最も良い出来ではないかと感じる1本。あるいは、今年のディスティラーズエディションの中でも、印象に残った1本であり、ダルウィニー好きな自分としては嬉しい驚きでした。

2回目の熟成に使われた樽は、オロロソシェリーカスク。しかし近年のそれとしてイメージするシーズニング系のシェリー樽のニュアンスはほぼなく、飲み口に程よい甘みと、ウッディネスを与えている以外、味のベースはアメリカンオーク由来と思しきフルーティーさ。
ダルウィニーのオフィシャル15年は、年間平均6度と寒冷な熟成環境からそれほど強い樽感のボトルではないので、ダブルマチュアード用の原酒が特別だったのか、あるいは集中熟成庫で環境が違ったか。何れにせよスペックからこの味わいを連想した方は、居なかったんじゃないでしょうか。

(ダルウィニー蒸留所の巨大なワームタブ。最近では1996年に改修工事が行われたものの、伝統的な設備は継続して使い続けている。Photo by K67)

ダルウィニー蒸留所は1960年代の大改修でフロアモルティングを取りやめ、石炭直火蒸留も1972年にスチーム式に切り替え、その後も徐々に設備を近代化していく中で、香味や酒質が穏やかに、細くなってきた過去があります。
今回のボトルもまさに近年のダルウィニーという要素はあり、酒質の部分でボディの細さから、香味が強く発散していくようなニュアンスはありませんが、飲みやすくまったりと楽しめる良いリリースだと思います。

サントリー ローヤル 15年 ゴールドラベル 43%

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SUNTORY WHISKY
ROYAL
Age 15 years
2000’s
750ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封後3ヶ月程度
評価:★★★★★★(6)

香り:注ぎたては少しぼんやりとしているが、紅茶のような柔らかい甘さ、徐々にマスカットや林檎を思わせる、華やかでややドライな樽香。ウッディでしっかりとした熟成感を感じるアロマ。

味:とろりとしてリッチな口当たり。合わせてウッディなほろ苦さ、複雑な樽感に軽い穀物感のあるグレーンの甘味、バニラウェハース、キャラメリゼ、微かにドライアプリコット。バランス良く、多層的。
余韻はねっとりとした甘味、コクを感じたあとで程よくドライ、長く続く。

ストレートではシェリー樽原酒の重厚なニュアンスも感じられるが、少量加水するとより華やかな樽香が解けるように広がってくる。ロックの味の持ちも良く、ハーフロックにするとスイスイ飲めてしまう香味のまろやかさ。その日の気分で様々な飲み方を楽しめる。

サントリー渾身の逸品として1960年代に開発されたブレンデッドウイスキー、ローヤル。
詳しい話は公式サイトを確認いただくとして、1997年、そのローヤルが12年にリニューアルする過程で、上位グレードとして発売されたのが、今回紹介するローヤル15年です。

当時発売されていたローヤル15年は、ギフト向けのゴールドラベルと、通常品の青地のラベルがありますが、流通時期によるロット差程度なのか味にあまり差はない(友人談)とのこと。自分が縁があったのはゴールドラベルばかりで、まだ飲み比べが出来ていませんが、機会があればこちらも購入したいです。
ちなみに2007年には再度リニューアルがあり、ラベルが微妙に変わったものの、2008年にはローヤル12年と共に終売となっています。(現行品はノンエイジ表記です。)

聞き齧っただけの話を垂れ流してしまいましたが、肝心の中身はというと、複雑で熟成感あり、山崎モルトの香味も感じられる、良くできたブレンデッドウイスキーです。
発売時期からしてウイスキー氷河期真っ只中、原酒も余っていたのでしょう。自分の中では当時がフラグシップである響含めサントリーブレンデッド全体がうまい時期という印象。
ローヤル15年はややもっさりした重さというか、言い換えれば重厚さというか、響とはブレンドの方向性に多少の違いはありますが、その系譜を受け継ぐ原酒のニュアンスも感じられます。

流通量多く、現時点ではそこまで古くないのでオールドボトルにありがちなリスクが少ないのもありがたい。ただボトル形状は大口径コルク採用かつ横置きされやすい形状のため、今後劣化ボトルが増えていく可能性も。。。
そう考えるとローヤル15年はまさに今が飲み頃。我が家の家飲みボトルの一つとしても重宝しています。

キリン 富士御殿場蒸留所 ピュアモルトウイスキー 40%

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KIRIN FUJIGOTENBA
PURE MALT WHISKY
2017's
600ml 40%

グラス:サントリーテイスティング
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(サウスパーク)
時期:開封後1ヶ月以内
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:フルーティーで熟した洋梨を思わせる柔らかさに、バニラの甘み、ナッツ。華やかだが軽めのアロマで徐々に乾いた木材っぽいドライなニュアンスに振れていく。

味:とろりとした口当たり、はじめは乾いた麦芽、干し藁、ナッティーなニュアンス。すぐにオーキーなフルーティーさ、林檎のコンポートーや洋梨、バニラなどの甘み。熟成感あり。
余韻はドライでエステリー、華やか。染み込むように消える。

突き抜ける強さはないが、嫌味が少なくバランスが良く仕上がっている。
富士御殿場らしさは余韻にかけて感じられる。加水の必要性はあまりなく、そつなくうまいモルトウイスキー。


キリンがDrinx限定で販売を開始していた、"新しい"ピュアモルトウイスキー。元々は蒸留所創業20周年記念として1992年にリリースしたピュアモルトが、「評判いいので(スタッフ談)」と定番ラインナップとして定着していたところ、これをリニューアルした限定ボトルになります。

前述の20周年ピュアモルトからの変更点は、容器が旧富士山麓のボトルが流用されて100ml減の600mlとなったことと、当たり前ですがその中身。
旧ピュアモルトはブラインドで飲んでも、「富士御殿場」と言えるドライでエステリーな個性がメイン。硬さがあるというか、甘みが取りづらく、人によっては飲みづらいと感じることもあったようです。
実際過去には、ウイスキー仲間が飲み進まんとウチに置いていったことも。。。

(富士御殿場蒸留所 20周年記念ピュアモルトウイスキー。定番化したことが記録になく、いつまでも発売し続ける20周年として、ちょっとしたミステリーでもあった。)

しかしこの新しい富士御殿場蒸留所ピュアモルトウイスキーは、柔らかくフルーティーな香味が主体的。御殿場らしい個性もある中で、飲み疲れないバランスのとれた構成。これで旧ボトルと同価格(700ml換算でも3000円後半)は、今のジャパニーズでは嬉しい設定です。
何も知らずに飲んで、コスパの良さにびっくりしました。(竹○さん、これはうかうかしてられませんよ!?)

キリンDrinx 富士御殿場蒸留所ピュアモルトウイスキー

ピュアモルトウイスキーということは、一般的には複数蒸留所のモルト原酒が使われている事になります。
飲んだ感じ、前半にある味わいは、富士御殿場蒸留所のキャラクターとは異なるイメージ。メーカー表記では「タイプのの異なる蒸留器で仕込んだ原酒をバッティング」とありますが、連続式蒸留機で仕込んだモルトウイスキーに、別な蒸留所のそれか。
後者については、富士御殿場以外に蒸留所を持たないキリンが、一体どこから調達してきたのかは気になるところです。

ただまあ本音を言えば、美味しければ良いんです。うん、美味いは正義。
飲みごたえを求める人は、同じくDrinx限定の富士山麓シグネチャーブレンドという選択肢になりますが、バランスという点ではピュアモルトに軍配。ウイスキーを飲み慣れない方でも飲みやすいだけでなく、某蒸留所のマネージャーが見学した際もこのコスパの良さを絶賛していたとか。自分もこちらの方が好みでした。
キリンウイスキーの新しい試み、今後も何がリリースされるのか楽しみにしています。

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