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【BAR訪問記】Paradee (パラディ) @野毛 桜木町

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JR桜木町駅下車、"野毛の近道"と呼ばれる地下通路を通った先、ブリーズベイホテルの隣にプチダイニングバー パラディがあります。
ダイニングという表記そのまま、木目調の入り口から覗く店内は、近年流行りのライブカウンターのレストランと見間違うかのデザインですが、其処彼処にはレストランにないようなオールドボトルの数々。席に着けば、約300種類というバックバーのボトルが視界に飛び込んできます。


「ご無沙汰しております。」
先日、オーバン14年の投稿で触れましたが、パラディに足を運ぶのは実に4年ぶりのこと。
今から6年前、ちょうどモルトウイスキーの楽しさに目覚めた頃。地元のBARのマスターから紹介されて来店し、更にお酒の楽しさを教えて貰ったものの、居住地を都内に移してからは足が遠のいていました。


パラディに伺ったら、まず飲みたいのがガロンボトルのハイボール。
同店は現行品よりも1990年代以前に流通したウイスキーやリキュールの品揃えが豊富であり、特にブレンデッドウイスキーは通称ガロンボトルと言われる、1ガロン(英ガロン:約4.5リットル。米ガロン:約3.75リットル)サイズで販売されていてたオールドボトルをハウスウイスキー的に扱っています。
愛好家間の通説では「サイズの大きいボトルの方が、光、温度、空気、様々な要因に対して強く、状態が良い」ということ。今回はシーバスリーガル、ホワイトホース、マーテルが開封されており、この中からホワイトホースの1970年代流通を頂きます。

(一般的なタンブラーサイズのハイボール。。。ガロンボトルと対比すると、ショットグラスのように小さく見える。)

パラディのバックバーはウイスキーを中心にラインナップされていますが、オールドリキュール、シェリー、その他の酒類もコアなところが揃っており、マスターである赤羽さんの知識も豊富。
かつてウイスキー一辺倒だった自分ですが、最近様々な酒類を勉強中で、今日はシェリー酒に浮気です。
10年くらい前に流通したパロコルタド。深い酸味とコク、奥に潜むレーズン、樽由来の甘みが実に美味。オールドのハイボールで口に残った甘みをしっかり引き締めて次にバトンを渡してくれます。


さて、準備運動の2杯を終えたところでいよいよ本番。先日、パラディは開店15周年を迎えました。
同店は毎年周年記念としてレア物のウイスキーを開封して提供しており、15周年の当日は、15年ものを中心にマスターこだわりのウイスキーが15本開封されています。

ジュエルオブスコットランドのブローラ、エイカーダイクのポートエレン、ラガヴーリン陶器ボトル、そして赤羽さんの愛するスプリングバンク。。。
周年当日に行われた記念営業でいくつかのボトルは天に還ってしまったようですが、今回は残ったラインナップから1杯頂きます。

1980〜90年代流通のGMスミスズグレンリヴェットの15年。しっとりとした甘みを感じる口当たりから、麦芽風味、そしてスモーキーフレーバーが広がる、今とは異なるスタイルのグレンリベット。1杯目からでも楽しめるナイスな1本です。
「グレンリベットはモルトウイスキーの基本。味わいは変わっても、その時代その時代で基本になるキャラクターがあるよね」と。確かに近年のリベットはピートフレーバーが控えめで、今回テイスティングした15年とはキャラクターが異なりますが、華やかでバーボン樽の香味が主体的なキャラクターは、今の時代のトレンドでもあります。

赤羽さんは「ウイスキーの香味を育てる」という考え方で、ボトルを扱われています。
ウイスキーの香味はボトルの中で絶えず変化していて、それは熟成とは異なる、持っている要素の中で、ある要素が開いている時、別な要素が裏に回るという話であったり。
あるいは、ボトルの中の空間部分にウイスキーの香りが充満すると、それが再度溶け込み、香りが循環していくという考え方であったり。
科学的というより、感覚的な話かもしれませんが、そうして「これは良い」と感じる状態に至ったボトルを勧めてもらえるのは、単にニューリリースを探るだけではない、BARの個性や考え方をも飲むことができる楽しみでもあります。

関連するエピソードとして、以前オールドのアベラワー10年を頼んだ時のこと。至って普通の1990年代流通のアベラワー10年だったのですが、「これはもう最高の状態よ」と、グラスに注がれたそれが店内いっぱいに広がるほど香り立ち、なんでこれほど香るのかと、びっくりしたのを今でも鮮明に覚えています。
それは店内を清潔に保つ、グラスをしっかり磨く、室温を適切に管理するなど、飲食店としてある種当たり前のことを積み上げた上で引き出されたボトルのポテンシャルだったのだと思いますが、まさに"こだわりの仕事"だと感じます。

(「今日はどのボトルの機嫌が良さそうですか?」と頼んで出てきた1本。パールズオブスコットランドのトーモア1995。トーモアらしい軽いオイリーさと、オークフレーバーが馴染んだ親しみやすい1杯。)

お酒ばかりの紹介になってしまいましたが、パラディはフードメニューも充実しており、食事とお酒を合わせて楽しむことも出来ます。
あるいはここは野毛、非常にディープな夜の街。そんなお店でちょっと1杯引っ掛けてから、締めの1杯を飲むために足を運んでも良い。
この日も古くからの常連さんや、デートで来店されたご夫婦、瞬く間に飲まれていったバーホッパーの方、様々なお客で静かな賑わいを感じました。
そう、最初に書くべきことでしたが、このBARは飲んでいて楽しいのです。
マスターのひととなり、雰囲気がそうさせるのだと思いますが、店内には必ず笑顔があります。

15周年という一つの区切りを迎えたダイニングバー・パラディ。自分がはじめて来店したのが9周年のあたりでしたので、そこからはや6年。月日が経つのは早いものです。
今後も20年、30年と、横浜の夜に、こだわりのお酒と笑顔の空間を提供して頂けたらと思います。
PUTI DINNING BAR Paradee
(プチダイニングバー パラディ)
住所:横浜市中区花咲町1-22-4
営業時間: 19時00分〜28時00分
定休日:日曜定休
TEL:045-260-6835
席数:カウンター7席

【BAR訪問記】 BAR LIVET(リベット)@新宿3丁目

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プロとはなんでしょうか。
考え方は様々であれど、飲食業であれば出してくるものが美味しいのは当たり前、そこから先にもう一つ何かがあるのがプロの仕事。それは喜びだったり、感動だったり、雰囲気だったり・・・あるいはそこでしか得られない知識、体験だったり・・・その何かがお店の魅力となり、我々はお金を払うのだと思うのです。

今回紹介するBARリベットのマスターである静谷さんは、プロの仕事をストイックに追求している若手バーマンの1人。
なんてことを書くと堅苦しい生真面目な方を連想するかもしれませんが、非常にフレンドリーで肩の力を抜くのが上手い、愛され要素溢れる方です。
プライベートでは何度か交流があったのですが、実はお店に伺ったことはなく。先日、同店が3周年を迎えられたとのことで、良いきっかけだと新宿三丁目まで脚を運んでみました。

BAR LIVET
営業時間:19時00分〜27時00分
定休日:不定休
住所:東京都新宿区新宿3-6-3 ISビル4F
TEL:03ー6273ー2655
アプリ:ハイドアウトクラブで最新情報を発信中

通い慣れた人なら、新宿三丁目駅から徒歩1分かかるかどうか。大通りから一つ路地を入った、いかにもという場所にお店があります。
エレベーターで4Fへ上がると、ドアが開いた瞬間そこはもう店内、初めて来た方は無機質なエレベーターの自動ドアからいきなり変わるその雰囲気に驚くかもしれません。
ただ、そこにあるのはまごうこと無きオーセンティックなBAR空間です。


前置きが長くなってしまいました。いい加減お酒の話に移りましょう(笑)
静谷さんはペルノリカール社が認定するグレンリベットブランドのアンバサダーであることから、BARリベットでは同社が展開するグレンリベットとアベラワー、この2銘柄の品揃えが豊富。特にグレンリベットはゲール語の"静かな谷"という意味から、ご自身の苗字とも掛けており、特別な思い入れがあるそうです。

勿論それ以外にも様々な銘柄を揃えていますが、折角ですから最初の1杯はハウスウイスキーの一つとなるアベラワー。同銘柄の12年を詰めたミニ樽から直接注ぐ、樽出しをハイボールで。
スムーズで柔らかい飲み口のアベラワーに、使い古されたミニ樽から適度な木香が追加され、バランスよく飲み易い1杯です。
2杯目はグレンリベットのハウスウイスキーで、オフィシャル18年をベースに計5種類のグレンリベットでブレンドした、オリジナルシングルモルト。これもミニ樽からの樽出しで、程よくシェリー系の樽感が効いた甘い香味に、近年のリベットらしくスパイシーな刺激が追いかけて来ます。

(おつまみにはグレンリベットを使ったお手製の生チョコ。今後はウイスキーに合うチョコレートとして、新しいメニューを検討中とのこと。)

ハウスウイスキーの2杯を飲んだところで「折角"リベット"に来られたのですから、くりりんさんこれ飲みましょうよ」と、静谷さんが出して来たのは蒸留所限定のハンドフィルボトル。
蒸留所を訪問された際に直接ボトリングされてたもので、写真左側はバーボン樽の18年モノ、蜂蜜やリンゴを思わせる爽やかな甘みとコクのある味わい。右側の逆さラベルはシェリー樽で、プルーン、チョコレートを思わせる深い甘みが広がる、王道的な構成です。

バーボン樽やシェリー樽のグレンリベットというと、ナデューラとしてリリースされているものが有名ですが、どちらもそこから頭一つ抜けた完成度で、流石ハンドフィル、良いもの出してるなあと月並みなことを感じてしまいます。

(この日は開店3周年の翌日。お客さんらと差し入れのシャンパンで乾杯することに。お祝い攻勢でマスターは既にほろ酔い気味?)

記事の前置きで「プロとは」なんて大層なことを語ってしまいましたが、こうして少ないながらBARを巡っていると、バーマンの皆様は様々な形で努力され、プロの仕事をされようとしているのが伝わって来ます。
静谷さんについて少し書くと、ウイスキーBARを名乗る以上、関連する知識はあって当然。その下積みとして、ウイスキー文化研究所主催の検定1級、2級、3級、を全受験者中1位で合格。シングルモルト級は唯一1位を逃し2位だったそうですが、この他にもソムリエ、ウイスキーコニサーなどの資格も有しています。
また、知識だけでなくテイスティング能力の向上にも余念がなく、相当訓練を積まれており、その上で、自分としてさらに何か出来るのか、今年は考えていきたいとのこと。
これだけのバックホーンですから、我々客側もまさに"勉強"させて貰えそうですね。

この日は開店直後から来店していたのですが、気がつけば週末でもないのにお店は満席。常連と思われる方々の雰囲気もまた良く、相乗効果でお店の空間を作り上げています。
眠らない街新宿で4年目のスタートを切った静谷さんとBARリベット、そこからどのようなプロの仕事が生まれ、個性ある空間を作っていくのか、愛好家の1人として今から楽しみです。

(写真上:グレンリベットベストアンバサダーに選ばれた記念品、ファウンダーズリザーブ21年。シェリー樽の香味にオークのフルーティーさが余韻にかけて広がる。)
(写真下:カクテルで締めの1杯と言うオーダーで出て来た、あまおうとグレンリベットを使ったフローズンカクテル。ふわりとした口当たりにイチゴミルク、微かにオーク、春の味。甘党の自分にはぴったり(笑))

追記:静谷さんは資生堂のWEBマガジンTreatment & Grooming At Shimaji Salonで島地勝彦氏による取材を受けており、記事は3月にも公開される予定。
当ブログの記事を読んで同店に興味を持って下さった方、常連の皆様。プロのライター、カメラマンが写すBARリベットとマスターの姿は要チェックです!

【BAR訪問記】Main Malt (メインモルト) @神戸 三ノ宮

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ウイスキー飲みの間では、聖地と呼ばれるBARが日本の各地にあります。
その一つ、西の聖地と呼ばれているのが、神戸は三ノ宮駅前にある「メインモルト(Main Malt)」。
その名の通りメインはウイスキーで、カクテルに関しては「ウチじゃなくて他のお店で頼まれたほうが・・・」と言うほどのウイスキー専門店。現行品からオールドボトルまで数多くのボトルが揃っているだけでなく、ここでしか飲めないものも多数あります。

BAR Mail Malt (メインモルト)
営業時間:17時〜25時(平日) 15時〜24時(土日祝日)
定休日:不定休(月一回程度)
TEL:0783317372
住所:兵庫県神戸市中央区北長狭通2-10-11-B1F

このBARのラインナップや雰囲気については、私などがあれこれ語るのもおこがましいので、実際に見ていただくのが1番。
というわけで、まずは以下の写真2枚をご覧ください。
2枚目の写真だけでもバックバーとしてあれば圧巻ですが、これはサブの棚。1枚目の写真に写っていない、椅子に座った際の背後にある棚なんです。
他にも写っていない棚があり、一度足を踏み入れたその先は、ウイスキー好きの桃源郷、多種多様なボトルに四方を囲まれた空間が待っています。

自分は東京在住なので、あまり通うことはできませんが、妻方の実家が関西方面なので、帰省ついで等、だいたい年に1〜2回は来店させてもらっています。 
その際のルーチンとなっているのが、1杯目にハウスウイスキーのハイボールを飲みながら、チャームとして出てくるハムサンドを食べること。
ここのハイボールは所謂関西式で、キンキンに冷やしたウイスキーとソーダで作る、氷なしのスタイル(オールドブレンドなど、冷やしてないボトルは氷入りで作ります)。特別何があるわけでもないんですが、まずはこれで準備運動。

メインモルトのハウスウイスキーはフェイマスグラウス・・・だったのですが、先日注文したところ、アイリッシュウイスキーのブッシュミルズかジェムソンに。
「あれ、フェイマスはどうしたんですか?」
と聞くと「雷鳥は遠くに飛んで行ってしまったんや・・・」との返し。
マスターの後藤さんは、かつてはベンリアックに心酔して、それこそ聖地と称されるほどカウンターがベンリアックのリミテッドリリース一色になっていた時代もありましたが、最近はアイリッシュに宗教替えした模様。(背面の棚の上段に、その名残が見られます。)
バックバーの一部もアイリッシュ比率が増えていて、先日も現地蒸留所を訪問されるなど、その魅力を肌で感じていたようです。

ならば見せて頂きましょうか、アイリッシュの実力とやらを。
と、後藤さんがダブリンのティーリング蒸留所で購入してきた、バリンチボトルを1杯。
確かに美味い。ティーリングシリーズの長期熟成はフルーティーで美味いボトルが多いですが、これはシェリー系アイリッシュの中でも群を抜いて素晴らしい。
シェリー樽の質も良く、充実した1杯に仕上がっています。


写真で伝わるように、メインモルトには現行品からオールドボトルまで、とんでもない量のボトルがあり、中には都内のBARなら瞬殺されてるようなボトルも結構残っています。(例えば、アードベッグの70年代カスクとか、エデンのボウモアとか。)
せっかくなので、そうしたストックから「飲み頃なボトルはないですか?」と大雑把な注文をしてみました(笑)。
なんかあったかなーと棚を漁って出てきたのが、懐かしいBBRの3本。
少し緩くなっていましたが、今にはないシェリー感で懐かしい気持ちになれました。
他にも本当にレアなボトルが、目立たないところにしれっと転がっていたりするので、来店の際には宝探し気分で楽しんでほしいです。

後藤さんは日本のボトラーズであるWhisky Hoopの主幹事も勤められているため、当然このBARではフープのボトルも楽しむことができます。この訪問時はシメの1杯に同ボトリングのグレングラッサ1976を頂きました。
ただそれらを強制しない、自然体なキャラクターが、これだけのボトルに加えて聖地と呼ばれる場所でも、肩肘張らずにウイスキーを楽しめる雰囲気を醸し出しているように感じます。
だからついつい長居しちゃうんですよね〜。

実はこの記事が更新される12月5日も、前日から仕事で神戸に居るのですが、運悪く不定休の定休日にヒット。まあ仕事の出張ですし、素直にホテルに向かいますよと、訪問はお預け・・・。
そんなわけで、こうして前回訪問した際の記事だけでもUPして、気分を紛らわせておきます。
後藤さん、次回来店時もよろしくお願いします!
(入り口のドアが花と動物の木箱でデコレートされているのも注目。)

【BAR訪問記】GOSSE Meguro (ゴス) @目黒

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今回紹介するGOSSEさんは、9月にリニューアルオープンしたばかりの新しいお店です。

リニューアルと書いたのは、お店としては2000年頃から目黒にあったのですが、以前はお姉さんのいるカジュアルバーで、ウイスキーは我々ウイスキードリンカーからすればお察しくださいという内容だったとのこと。
それが今年6月に一度閉店。現在のオーナーがご兄弟で店を引き継ぐに事となり、そのお一方がウイスキー愛好家だったため、ウイスキーも楽しめるお店に劇的ビフォアアフター!
オーセンティックバーというよりカジュアル ウイスキー バーとして、9月1日に晴れてリニューアルオープンされた、という流れになります。


BAR GOSSE Meguro (ゴス)
営業時間:19:00〜23:30
定休日:日曜日
WEB:https://m.facebook.com/pg/gosse.meguro/about/?mt_nav=1
TEL:03-3779-9779 

お店の立地は目黒通りと山手通りの交差点すぐそばという、駅からもほど近いところ。看板が小さく、外観ややカジュアルなので見逃してしまうかもしれませんが、よくある路地裏一本入るような迷う場所ではありません。
また、以前は豹柄の壁に赤い照明という「いかにも」なルックスだった店内は、木目調でカジュアルな空気を残しつつ、何よりバックバーに鎮座するウイスキー群で旧店舗との違いは明らかです。 

 
オーナーである油井さんとはFacebook繋がりで、BARオープンについて伺っていたものの、中々伺えておらず不義理を詫びにいざ来店。
まずはお約束のハイボールから。こちらのスタンダードはジョニーウォーカーですが、ただのジョニーではなくオールドボトルの特級時代。いいですね、オールド好きの自分としては嬉しくなってしまうチョイスです。


ハイボールを美味しくいただきながら、今日はどんな組み立てで飲もうかなとバックバーを物色していると、「そういえばこの辺は飲まれてないですよね、イギリスでは相当人気みたいですよ」と、出てきたのは意外な1本。アイリッシュウイスキーはレッドブレストのシェリーカスク。
アイリッシュらしい素直な酒質に、こってりとしたシェリーカスクで、確かにいかにも本国で人気が出そうな感じです。

油井さんは、ウイスキー愛好者としての活動はそれほど長くないものの、ここ数年間で購入された量はかなりのもの。上記レッドブレストのように、海外からの個人輸入もされていました。
そのため、バックバーのウイスキーはここ5年間でリリースされたシングルモルトが中心となっており、そこにオールドはオフィシャルやブレンデッドの間違いないところが少々という陣容です。

(ウイスキー愛好家の間で評価の高いアバフェルディ28年やシガーモルト・モートラック18年。オーナーの好みでシェリー系のボトルが多いが、アードベッグ21 年、マスターピースのラフロイグ等話題のアイラモルトも揃えている。カティサーク25年 やロイヤルマイル40年はオススメの1本。)


先述の前店舗の経緯もあり、このBARの客層はウイスキー好きというより「ライトなお酒好き」の方が多いそうです。
もちろんウイスキー好きもオーナーの交友関係や口コミから徐々に増えているものの、GOSSEでは、そうしたウイスキー入門者に位置付けられる方々から、我々愛好者クラスまで広くウイスキーの楽しみを広めたいと、様々な工夫をされています。

その一つが以下、ウイスキーのメニューで、ボトル仕様や1杯の価格に加えてテイスティングノート、さらにはボトルを番号で注文できるというシステム。


これが結構ハマっているそうで、旧店舗 時代からの常連が、ウイスキーの美味しさを覚えて「今日は〇〇番で」と注文されることも多く、1番人気は41番、ダンカンテイラーのダルユーインなのだとか。
テイスティングコメントは、オーナーご自身のもの以外に、日本有数の飲み手である"ストイックドリンカーの日々"のT.Matsukiさんと、僭越ながら私くりりんのブログから引用されています。
自分の書いたコメントが、実際にお酒と飲み手の架け橋となっているのを見ると、光栄であり嬉しいですね。

この他、お客さんが注文されたボトルから、似たような味のモノや比較してほしいボトルを少量サービスでサーブされることも多く、価格もかなり勉強された設定になっているため、ついつい飲み過ぎてしまうことも(笑)。
これまで2回伺いましたが、どちらも終電間際までお世話になってしまいました。


BAR GOSSE Meguroはウイスキー愛好家はもとより、昨今のブーム等でウイスキーに興味を持ち始めた方々が、色々飲んで世界を広げていける、そんなきっかけの一つになれるお店だと思います。
雰囲気のあるアンティーク、洗練されたカクテルなどを求める空間ではありませんが、その分間口が広く、肩肘張らずにお酒を楽しむことができると感じます。

なお、オーナーは別業がある関係で日によってお店に出ていない場合もあり、もしウイスキー目的に来店される場合は、事前に電話やFacebookなどで確認されると良いと思います。

【BAR訪問記】BAR AES(アエス)@駒込

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近隣に住まれている方、営業されている方には大変辛辣な物言いとなってしまうかもしれませんが、数多くの飲食店、BARがある東京都内、それも山手線沿いにあって、BAR不毛地帯が「駒込」という駅前だと思っていました。
本郷通り沿いはマンションしかなく、下町っぽさの残る東口は多少飲食店はあるものの、風俗系の臭いは都内とは思えないほど少ない。
そんな中、先日友人との集まりで北千住のBAR BRASSで飲んでいたところ、このBARの3号店が駒込駅近くにオープンしていたことを知ったのです。


 BARの名前はAES(アエス)。オープンは2015年5月で、お酒の数はほどほどですが、ウイスキーやリキュールなどマニアックなモノが揃っているそうです。
これも何かの縁、ちょっと顔を出してみますか。
なんて金曜日の夜の終電後、ふらっと足を運んでみると、店構えはまさにBARという感じ。予想に反して軽く開くドア、カウンターはほぼ満席、奥にあるテーブル席も後からお客さんが入られて、なんだか非常に繁盛している様子。

あ、これは良いBARかもしれない。
どんな出会いがあるのか期待しつつ、まずはお約束、ハイボールからいってみます。(っていうかこの日は会社の飲み会があった後だったので、すっきりとしたハイボールが欲しかったのです。) 


「すいません、ハイボールお願いします。」
「どんな感じが良いでしょうか。」
「2軒目なので、すっきり目で、後はお任せでお願いします。」
かしこまりました、といって出てきたのはモンキーショルダーのハイボール。
ウィリアムグランツ社が作るブレンデッドモルトウイスキーで、オーク系の爽やかな樽香に、キーモルトであるグレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィーというスムーズな酒質のモルトの組み合わせらしく、さっぱりと飲みやすい。

常連と思われるお客さんとの会話をリズム良く切り上げて、マスターが次の注文と合わせ、BARの紹介をしがてら色々ボトルを見せてくれます。
バックバーのボトルは事前情報通りそう多くないものの、中々マニアックなボトルもいくつかあり、特級時代のウイスキーもちらほら。開店1年ちょっとでこの量ですから、状態の良いボトルをその時にしっかり扱っていくのが、この店のスタイルなんでしょうね。


バックバーのウイスキーに後ろ髪を引かれつつ、折角ですから2杯目はカクテルいってみましょう。
マスターの市川さんはこの道10年以上のベテラン。カクテルにも明るいそうで、ともすればこだわりのある1杯を飲まなきゃ失礼というものです。


BAR AESで一番こだわってるカクテル、ウォッカトニック。
ウォッカトニックのレシピはウォッカ、トニックウォーター、そしてライム等の柑橘類。AESではウォッカとの組み合わせから吟味しているそうで、柑橘類には国産のレモンを使用しています。
普通のウォッカと何が違うんですか?という問いには蒸留回数ですという答え。
自分はウォッカに関する知識は無いに等しいのですが、そんなに変わるモンかねぇと一口、クリアな甘さにレモンというよりオレンジを思わせるような優しい柑橘の香り、非常にさっぱりとした飲み口で、こりゃ旨いやと、細かいことはどうでもよくなりました。

後のウイスキーは最近1977年生まれのお客さん用に開けたというカナディアンウイスキー、クラウンローヤルの1977年流通に、アイルオブスカイ12年の1980年代流通。



クラウンローヤルは久しぶりに飲みましたが、この時代のカナディアンは「ライト&スムース」を地で行く、優しい飲み口ながら穀物由来の味があるウイスキーで、近年のただ薄いだけとは全く違います。
個人的には上品で淡いバーボンって感じで、時々無性に飲みたくなります。
アイルオブスカイは少しコルク系の臭いがありましたが許容範囲、スモーキーでリッチな味わいが楽しめるオーソドックスなオールドブレンデッドでした。


初めてのBARに行く時、ウイスキー好きであることは隠しませんが、自分から「こんなブログをやってて〜」なんて無粋な話はせず、ただ一人のウイスキー好きとして入るようにしています。
その方がいろんな話を聞けますし、会話のキャッチボールの中で"慣らし"ながら、自分に合うBARであるか見ていく事が出来ると感じています。

市川さんの語り口は丁寧ですが、おそらく慣れてくると随所にちょっとした毒が出てくるキャラクターなのでしょう。
その毒がお客を楽しませ、オーセンティックな雰囲気の中にリラックスした会話が弾む。まさに帰宅前の止まり木、仕事とか肩に背負ったものはここに置いていく、常連になってみる価値のあるBARだと思います。
このBARとも長い付き合いになりそう、そんな予感を感じつつ、長いようで短い夜が更けていきました。


BAR AES
http://brass-zincu.com/aes.html
営業時間:18:00~翌3:00 (日曜定休)
住所:東京都北区中里1-9-5
(JR山手線駒込駅東口より徒歩5分)

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