カテゴリ

カテゴリ:イチローズモルト

羽生蒸留所 伊知郎 1991-2014 三越伊勢丹 54.1%

カテゴリ:
羽生蒸留所伊知郎1991
ICHIRO 
HANYU DISTILLERY
Aged 23 years
Distilled 1991
Bottled 2014 
Cask type Madeira #1386 
700ml 54.1%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:個人宅@TWD氏
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(5-6)

香り:淡くサルファリーな煙っぽいニュアンス、樽香強くウッディで熟成した梅酒のような酸味、黒砂糖、若干の植物感を伴う。

味:かりんとうのような甘みと香ばしさ、スパイシーで徐々にサルファリー。樽由来の香味は香り同様に濃く、リッチな味わい。
余韻はほのかな酸味とローストアーモンド、樽由来の苦みやえぐみが強く残る。

やんちゃというか、アンバランスというか、ジャパニーズらしい強い樽感が特徴的。酒質としても度数以上にアタックが強く、酸味を伴うアロマが甘みとともに樽由来の香味で後押しされ、羽生らしさとして感じられる。 
開封後数年単位で時間が必要。加水は硫黄が強くなる傾向があり、ストレートで。


三越伊勢丹限定品で2014年に発売されたイチローズモルト、羽生のマディラカスク。下の写真にあるように、2000年蒸留のコニャックカスクと共にリリースされ、2組の翼が対を成す、美しいデザインのボトルです。
当時はジャパニーズウイスキーブームが一気に拡大した時期、特に大陸方面からの買い付けが増えた時期でもあり、コレクターズアイテムとしての側面もあったと記憶しています。

また今回のリリースに限らず、羽生蒸留所からは、シェリー、バーボン、コニャック、マディラ・・・他のメーカーと比べても多様な樽が使われており、当時どのような考えでこうした樽を調達し、熟成に使っていたのか興味深くもあります。

ISETAN伊知郎

テイスティングで触れた「ジャパニーズウイスキーらしさ」は、酒質のフレッシュさに対して強く出がちな樽の影響、その両者によるバランスです。
同じ熟成期間を経たウイスキーでも、ジャパニーズのほうが短い期間で総じて強く樽の影響を受けている印象があります。
しかし、ジャパニーズウイスキーはスコッチウイスキーの流れを汲むもの。スコットランドと何が違う事でそうした影響が出るのかとすると、それは「温度(気温)」にあると考えています。

例えばこのカスクに限らず、近年リリースされた羽生蒸留所の原酒はほぼ全て、羽生で1度熟成された後、福島県郡山市の笹の川酒造の貯蔵庫に移され、そこで5~6年程度の時間をすごし、さらに今度は秩父に戻るというプロセスを経ています。
気象庁で過去の統計データを見てみると、羽生市のすぐ傍、気象台のある熊谷では2000年時、最高気温39.7度を9月に記録(最低気温は2月にマイナス4度)。スコットランドの平均気温を見ていただければ違いは一目瞭然、日本の方が全般的に高い温度環境の中で熟成されていたことがわかります。 

熟成のメカニズムでは、気温が高くなると樽材が膨張するため、寒い時期と比較して圧倒的にエキスが出ます。あまりに出すぎて、えぐみ、タンニンが強くなりすぎることも珍しくありません。
また、熟成はエキスだけで成り立つものではなく、寒さも必要です。低音環境下では樽材が縮み、これにより樽が呼吸するとされる条件が整うだけでなく、ウイスキーそのものも温度による体積の膨張、縮小、アルコールなどの揮発を繰り返していきます。
ウイスキーの熟成は"樽の呼吸"を伴うものであり、寒暖の差が大きいほうが熟成が早いとされるのは、こうした経緯によるわけです。

一方で気温の変化が比較的安定して、かつ冷温な環境下で長期間熟成させるほうが、分子の結合(あるいは樽材の縮小により産まれる微細な隙間)によりアルコール感が落ち着きやすいとする説もあります。
日本のクラフト系のウイスキーの大半は、羽生のようにツンとしたアルコール感と強い樽香が特徴的と感じるのは、こうした熟成環境によるところもあるのではないかと考えると、スコッチウイスキーとのスタイルの違いと環境の整合が取れるなと感じています。

ちなみに、この羽生の原酒は2004年頃に笹の川酒造の熟成庫に保管場所を移したわけですが、郡山市の気温は羽生市に比べると低く、しかし寒暖差という点では大きい傾向にありました。
怪我の功名というか、ポジティブな経緯ではないものの、これらの背景を考えれば、福島での熟成はそれはそれで価値のあるものだったのではないかと思えてきます。

先日、ブラインドで羽生のモルトを出題したところ、ハウススタイルついでにそんな話をする機会がありましたので、こちらでも自分の考えをまとめさせて頂きました。

イチローズモルト カード キングオブハーツ 23年 1986-2009 55.4%

カテゴリ:
ICHIRO'S MALT
CARD "KING OF HEARTS"
Aged 23 years
Distilled 1986
Bottled 2009
1st Cask type Hogshead
2nd Cask type PX Sherry Butt
700ml 55.4%

グラス:テイスティンググラス(名称不明)
量:ハーフショット
時期:開封後3年程度
場所:BAR飲み(BAR Kitchen)
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:リッチでパワフル、ツンとしたアルコールのアタックから、サトウキビのような植物感、黒蜜、湿った樽材。奥からダークフルーツケーキを思わせる甘いアロマ。

味:粘性のあるリッチな口当たり。黒飴、チョコレートウェハース、シロップ漬けチェリー。度数高くパワフルで古酒感混じる。
余韻はヒリヒリとしたスパイス、ほうじ茶のような軽い渋みのウッディネスが長く続く。

樽感の強いウイスキー。羽生の原酒らしくパワフルなアタックに、PXシェリー樽由来のとろりとした甘さが程よく馴染んでいる。コシの弱い原酒ならベタつきが出て腰砕けになっていただろう。複数樽だからか多少時間がかかるようで、じっくり時間をかけて楽しみたい。

キングオブハート、初音ミクでもガンダムでもないですよ。思えば非常に久々となる、羽生蒸留所、イチローズモルト・カードシリーズのテイスティングです。

2014年にジョーカーがリリースされ、一連のブームの追い風を受けてカードシリーズの人気が大爆発したのを、どこか冷めた目で見ていたこの数年間。羽生の原酒は嫌いじゃない(むしろ好きな部類)ですし、飲んでないわけじゃないですが、なんとなく琴線に響かなかったんですよね。
熱意があるところには、それに類するものが自然と集まってくるものですが、熱意のない自分のところにのそれが来るはずもなく・・・。
このボトルについても、リリース当初に飲んでそれ以降は出会うこともなく。シリーズとしても、銘柄としても、本当に久々の再会だったわけです。

そんな再開の場所は、カードシリーズ全種一斉テイスティング会を行ったことで有名な、南の聖地とも言えるBARキッチン。
マスターの岡さんに「カードシリーズの中で、これはおすすめというのは?」と聞いて出てきた1本でした。
(写真のバックバー最上段、ずらりと並ぶカードシリーズの姿は、そもそものバックバーの規模と合わせて圧巻の一言です。)

朧げな記憶を紐解けば、イチローズモルトの"キングシリーズ"は、特にキングオブダイヤモンドの出来が良く。期待していた中でハートの口開け当初はウッディーな苦味、タンニン、アルコールのアタックが強く、甘みが中々開いてこないパワーの強いフルボディなモルトだったと記憶しています。
そのため、このお薦めを注文するかどうか躊躇い、逡巡し、折角だからと頂いてみると、強いアタックは相変わらずながら、黒砂糖系の甘みが開き、ダークフルーツの果実香も漂うようなバランスの向上が見られました。

このキングオブハーツはホグスヘッドで熟成された後、PXシェリー樽に移されたダブルマチュアード。羽生蒸留所は熟成環境からか樽感が強く出る傾向があるので、ボトリング当初は最初のホグスヘッド由来のウッディーな要素が強く出ていたということでしょうか。
それこそ、アルコールのアタックも強く、酒質も比較的重め、そこに濃い樽感という同蒸留所並びにカードシリーズの特徴は、ワインでいうボルドーの赤のように熟成(瓶熟)向きだったと言えるのかもしれません。

今や貴重なボトル。機会が巡って来るかはわかりませんが、他のボトルも狙って飲んで見たいと思います。

イチローズモルト 秩父 2010-2017 ウイスキー祭 WWA ワールドベスト受賞

カテゴリ:
秩父ウイスキー祭2017
ICHIRO'S MALT
CHICHIBU
Chichibu Whisky Festival 2017
Aged 6 years
Distilled 2010
Bottled 2017
Cask type Fino Sherry Hogshead
700ml 59.2%

グラス:リーデルヴィノテクスピリッツ
量:30ml
場所:BAR飲み(Nadurra)
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6)(!)

香り:甘く香ばしい香り立ち。ブラウンシュガー、かりんとう、ツンとした木材の刺激が混じる。徐々に灯油っぽいケミカルなニュアンスから、パッション系のフルーティーさも奥に感じる。

味:甘くパワフルでスパイシー、固さのある口当たり。ブラウンシュガー、サルタナレーズン、ドライイチジク、甘みに混じって少し樹脂っぽい癖が鼻腔に抜ける。
余韻はドライでスパイシー。ハイトーンで口内がヒリヒリする。かりんとうを思わせる香ばしさ、少々ケミカルな甘みを伴い長く続く。

秩父らしいスパイシーでハイトーンな酒質に、シェリー樽由来の甘みが上手くマッチ。フィノシェリーはどのへんがフィノなのかはわからないが、これまでのリリースにあった酸味、えぐみが上手くカバーされている。加水するとシロップを思わせる甘みと共にケミカルなニュアンスが更に開く。

秩父ウイスキー祭

今年で4回目を迎えた秩父ウイスキー祭における限定ボトルであり、ウイスキーマガジン社主催のウイスキー品評会、ワールドウイスキーアワード2017(WWA2017)における、シングルカスクウイスキー部門で世界一に輝いた記念すべき1本。
日本のシングルモルトウイスキーが同賞を受賞するのは、余市(2008年)、山崎(2012年)に次いで3度目。ブレンデッド部門では竹鶴や響が毎年のように受賞する中で、シングルモルト部門は高いハードルがあり、近年では台湾のカヴァラン蒸留所のウイスキーが評価されるなど、2012年の山崎25年から4年以上受賞を逃していました。
そんな中、稼動から10年に満たない日本のクラフトディスティラリーが、新たに作り上げた原酒で受賞するのは初めてのことであり、快挙と言えます。 

参照:【速報】ウイスキーアワード2017
http://whiskymag.jp/wm_award2017/ 
(グレーン部門では富士御殿場蒸留所が2年連続で受賞。ブレンデッド部門は響21年が世界一を受賞しています。)

まさに記念となる1本。296本限定でのリリースに加え、抽選販売だった事などから既に購入は難しいですが、1杯は飲まねばウイスキー愛好家の名が廃ると、ストックを持ってるBARでテイスティングします。
樽由来か従来の秩父モルトにはあまりないケミカル系の要素が潜んでいるものの、少々荒削りながら、甘くスパイシーで香ばしさとドライな果実味も伴うシェリー感が広がっていく。何より、これまでの秩父に感じられたえぐみなどの過熟を思わせる要素はなく、熟成のバランスも良好。
いい出来とは聞いていましたが、これは確かに今までテイスティングしてきた秩父の中で、ベストの一つと思える仕上がりです。

WWAの審査は、全てブラインドテイスティングで行われているとされています。
それだけ聞けばガチな審査であるコトがうかがえますが、過去の結果を見ると、違和感ある受賞も発表されており、その内容について不明瞭なところがないワケではありません。
しかしウイスキーの品質が箸にも棒にもかからないようなモノはまず選ばれないわけですし、何よりテイスティングの通りこの秩父は良い出来です。
何より審査結果にグダグダ言うのは野暮というもの。秩父蒸留所の皆様が成し遂げた成果を、ただ祝福したいと思います。


ちなみに、今回の原酒が蒸留された2010年は、ちょうど自分が秩父蒸留所を見学させてもらった時期。当時は、ハイボールブームが燻っているような状況で、まだウイスキーブームと言えるほどの動きは起きていませんでした。
周囲の声には、いまどき蒸留所なんて物好きな人もいたもんだという声が無かったわけでは無く、肥土伊知郎氏がベンチャーウイスキーを立ち上げた2004年、蒸留所稼動直後の2008年なんてなおのこと。
それでもコツコツと活動を重ね、今や世界的にも有名なクラフトウイスキーディスティラリーに成長。秩父でのウイスキー祭には3000人を越える参加者が足を運び、伊知郎氏においては、建設が進む他の蒸留所についてもアドバイザー的に活動されるなど、日本のウイスキー業界を牽引する中心人物の一人となっています。 

今回の受賞のみならず、さらなる活躍をいち愛好家として楽しみにしております!
WWA2017、ワールドベストシングルカスクウイスキー受賞、おめでとうございます!

イチローズモルト 秩父 ピーテッド 2016 54.5%

カテゴリ:

CHICHIBU
Ichiro's Malt
The Peated 2016
Distilled 2012
Bottled 2016
700ml 54.5%

グラス:サントリーテイスティング
量:30ml程度
場所:BAR飲み(GOSSE@目黒)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:スモーキーで強いアロマ、バニラやナッツを思わせる甘い樽香、ほのかにエステリー。淡いヨードとピートフレーバーの奥から乾いた木のアロマも感じる。

味:やや粘性を伴う口当たり、パワフルなアタック。香り同様にピートフレーバーとバニラを思わせる甘みと微かにドライオレンジ、柑橘のニュアンス。そして強くスモーキーな鼻抜け。
余韻はスパイシーでドライ、乾いた麦芽風味、ピーティーで強いアルコール感を喉に伴う長い余韻。

加水しても基本的な方向性は変わらない。アイラ島のピートを使ったのか、スモーキーさに淡いヨード混じるようにも感じる。香味の変化という点ではやや単調気味だが、4年少々でこの酒質なら、秩父の環境でも10年程度の熟成に耐えるのでは。


今一大ブームの中にある、秩父蒸留所のピーテッド。2016年リリースのこのボトルは、若いなりに中々よく出来た1本です。
秩父の原酒は蒸留開始初期のものだと多少バラつきがある感じですが、2010年くらいから蒸留ノウハウの蓄積か、だいぶ安定したように思います。
口当たりの若い原酒らしく荒さ、パワーはありますが、ねっとりとしたコク、変な酸味やえぐみの無さ、そこにラフロイグ系統のピートフレーバーで、秩父モルトに多く見られる癖を感じにくい仕上がりとなっています。
フレーバー全体のまとまりを考えると、これまでリリースされてきた秩父のピーテッドより良い出来なんじゃないでしょうか。

若いモルトはピーテッドだとそれなりに楽しめるものが多い、と言うのはウイスキーにおける定石の一つと言えます。 
料理で言うならカレーみたいなもので、多少脱線しても最後はスパイスのキャラクターでなんとかしてしまうあの感じ。
最近はボトラーズ側の原酒不足からカリラ、タリスカー等で短熟モルトがリリースされているだけでなく、日本では秩父以外のクラフトディスティラリーでも、ピーテッド原酒の生産が宣言されているところ。テイスティングする機会はさらに増えそうです。


なお、ピーテッドモルトウイスキーの需要増からか、仕込みに使うピーテッド麦芽の値段が上がっているそうです。(国内での流通価格は、昔はピーテッド麦芽のほうがノンピートより安かったのだとか。)
なるほど、これも時代の流れだなぁと。
そしてピーテッドをこれから仕込む蒸留所が、ピートの強い個性の中でどのように蒸留所毎のキャラクターを表現するのか。
また、ピートと一括りに言っても、内陸のものかアイラのものか、果ては日本産という選択肢に加え、その乾き具合などでもフレーバーは異なると聞きます。
楽しみな要素は尽きませんね。

イチローズモルト 清里フィールドバレエ 26th & 27th 記念ボトル

カテゴリ:

KIYOSATO FIELD BALLET
27th Anniversary & 26th Anniversary
Blended Whisky
Ichiro's Malt
2016's & 2015's 
700ml 48%

山梨県の"萌木の村"で開催されている、日本で唯一連続上演され続けているバレエの野外公演、清里フィールドバレエ。
その開催25周年を記念して2014年にボトリングされた第1弾から始まり、第2弾(26周年)、第3弾(27周年)で2016年まで計3種類、記念ウイスキーのリリースが続いています。

昨年末、同施設の村長である舩木さんから、手紙と共にこの記念ボトルのサンプルを頂きました。
本ブログをご覧になってくださっているだけでなく、こうしたお気遣いはただただブロガー冥利に尽きる話です。
折角なので、子育て中で外飲み出来ない妻と一緒に楽しませて頂きました。 

清里フィールドバレエ記念ボトルはそれぞれ生産者が異なり、25周年はサントリー。26周年、27周年はイチローズモルトが所有する原酒を使って限定生産しています。
25周年ボトルについては以前記事にしており、今回改めてテイスティングしたわけですが、やはり素晴らしいピュアモルト。グレーンを使っていない中であれだけの一体感に加え、熟成した原酒が織りなす美しいフレーバーを妻も絶賛していました。

そして今回の記事では、イチローズモルトがブレンド、ボトリングした26周年と27周年記念のブレンデッドウイスキー2本にスポットを当てて、レビューをまとめます。
こちらは双方とも羽生蒸留所の原酒をベースに、川崎蒸留所のグレーンをブレンドしたロストディスティラリーの共演。ブレンダーは勿論、肥土伊知郎氏です。
なんとも贅沢な飲み比べですが、そうする事で見える共通のキャラクターや、ブレンドの違いもありました。

26周年記念ボトルは、1990年蒸留25年熟成の羽生モルト原酒に、1982年蒸留33年熟成の川崎グレーンがベース。
27周年記念ボトルは、同じく1990年蒸留の羽生モルト原酒に、グレーンは約40年熟成の川崎グレーンをブレンド。
樽構成はどちらもバーボンの古樽やシェリー樽が中心のようで、イチローズモルトの原酒保有状況を考えると、同メーカーで考えうる最長熟、気合の入った組み合わせである事が伺えます。
(実際、ブレンドにあたり肥土氏はサントリー響30年を越えるウイスキーを作る事を目標としていたそうです。)

まずどちらにも共通するのが、羽生原酒らしい強めの樽香。熟成環境や樽構成からくる、ウッディーで酸味を伴う香味がいかにもらしさとして感じられます。
そこにグレーンの存在感は26周年ボトルの方が強く出ており、バニラや蒸した穀類を思わせる甘みが強く。対して27周年はモルトが強いのか樽感メイン、シェリー樽原酒由来の甘みと燻したようなアロマ、ハーブのような爽やかなニュアンスも感じられました。

こればかりは原酒の質や選択肢にも限りがあったと思うので一概には比較できませんが、サントリーのそれとはそもそもの育ち、ベースが異なる感じですね。
都会的で洗練された味わいに対し、イチローズモルトのブレンドは田舎の古民家を思わせる、荒削りでありながらどこか懐かしい。。。そんな気持ちにさせてくれるウイスキーでした。
観劇の構成で言う序盤は美しく華やか、中間から後半は様々な動きと伏線が絡まる重々しい内容。今年は起承転結で言うフィニッシュに当たるわけですが、何かしらリリースの動きがあるとは聞いており、今から楽しみです。
舩木さん、貴重な体験をありがとうございました!


【テイスティングノート】
◆イチローズモルト 清里フィールドバレエ 26周年記念 48%
香り:濃い甘さと酸味を伴う木香。一瞬華やかな熟成香を感じるが、すぐに古民家を思わせる香り。徐々に焦げた木のニュアンス、微かにハーブの爽やかさが開いてくる。
少量加水すると蒸した栗のような甘みや、その渋皮を思わせる渋みが前に出てくる

味:ウッディーでえぐみも伴うドライな口当たり。焼き芋、カラメルソースがかかったバニラ、古い梅酒を思わせる落ち着いた酸味と古酒感。余韻は一瞬刺激を感じるがまったりとした甘みとほのかなえぐみが長く続く。
少量加水すると余韻にかけてスパイシーな刺激を強く感じる。

◆イチローズモルト 清里フィールドバレエ 27周年記念 48%
香り:香り立ちは甘い樽香、燻したような焦げたアロマ。梅のような酸味、ツンとハイトーンなエッジとハーブの爽やかさ。加水すると古い樽由来のえぐみを伴う。

味:スパイシーな口当たり、ブルーベリーやサルタナレーズンの甘み、じわじわと古樽由来のえぐみが開いてくる。
余韻はスパイシーでウッディ、梅ジャムの酸味、微かにハーブ、濃く出した紅茶の渋みを伴い長く続く。
加水するとくるみを思わせるナッティさ、モルティーな旨味がある。

このページのトップヘ

見出し画像
×