カテゴリ

カテゴリ:ブレンデット・バッテッド

メインバライル 25年 1993-2018 キングスバリー 43.1%

カテゴリ:
MHAIN BARAILL
Kingsbury
Blended Scotch Whisky
Aged 25 years
Distilled 1993
Cask type Sherry Butt #7
700ml 43.1%

グラス:テイスティンググラス
時期:不明
場所:BAR LIVET
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:リッチなアロマ。しっかり目の甘さはチョコレートクリーム、ドライプルーン、微かにカカオ。合わせて干草とドライなウッディさ、少しひりつくような刺激も感じられる。

味:香りの濃厚さに反してやや軽さを感じるボディ感だが、味はチョコレートケーキやドライプルーンの濃厚な甘み。土っぽいニュアンスのある植物感、椎茸の出汁っぽさを伴う。余韻は湿ったようなウッディネスと共に、スパイシーで長く続く。

近年系シェリー感主体の濃厚なブレンデッド。ドライな刺激も伴うが甘みもリッチでタンニンもバランスよく、まとまった仕上がりである。少量加水するとバランスが崩れて、香味がバラつく。ストレートで。


キングスバリーがリリースする、シングルビンテージのブレンデッドウイスキー、メインバライルシリーズ。ブレンデッドでありながら、ビンテージ表記ありの熟成年数表記が特徴で、使われた原酒全てが同一年に蒸留されてバッティングされたものという意欲作です。

その構成はぱっと見「面白そうじゃん。」と思うものの、シングルモルトはともかく、ブレンデッドで原酒を同一ビンテージに統一する理由があまりないよなぁ、なんて思ってしまうロマンのない自分の思考回路。
ただメインバライルはゲール語でシングルカスクを意味する言葉。つまりニューメイクの段階でブレンドされたシングルカスクブレンデッドであれば、単一蒸留年度の意味もあり、飲んでみるとこれが中々悪くないのです。
メインバライルは初期リリースである32年も熟成感のある整ったブレンドでしたが、この25年はしっかりシェリー系でありつつ、ブレンドという仕様を活かして価格も抑えられているのが特徴。原酒の使い方に25年熟成でこの価格は、まさにボトラーズリリースという感じですね。

構成原酒はマッカラン、グレンリベット、グレンロセス、ハイランドパーク、ブナハーブン。モルト比率は70%と高く、各蒸留所由来と思しき特徴が端々に感じられます。
例えば干草っぽい感じはロセス、スパイシーな要素はグレンリベット、重みのある要素がマッカラン、土っぽさと若干ヘザー系に通じる植物はハイランドパークかなとか(ブナハーブン?わからんですw)。ただ、それらは長い熟成期間とグレーンとシェリーが繋ぎになって、一体感というか違和感のない仕上がりです。


先日、ロイヤルマイル・ブレンデッドモルトの記事を書いた際、モルト100%の難しさに多少触れましたが、今回のボトルのようなリッチなモルティーさのブレンデッドを飲むと、繋ぎ役となるグレーンの重要さを改めて感じます。
それは例えるならお蕎麦みたいな感じですか。十割蕎麦は香り豊かで美味いは美味いですが、二八蕎麦のほうが少し風味が軽くなるものの、喉越しやまとまりが良くなりやすいのは事実です。
モルトはどうしても主張が強いため、複数使うと馴染まないアタックの強さ、荒さが目立つことがあるんですよね。
それをグレーンが繋いで緩和することが、ブレンドとしてのまとまりの良さに繋がるわけです。

そして質のいいタレ(樽感)があれば文句なし。
今回のシェリー感は濃い目のシーズニングタイプではありますが、少し古酒っぽいニュアンスも感じられ、長期熟成に由来するメリットと思しき要素となっています。
突き抜けて美味いというタイプではありませんが、いずれにせよ冒頭述べたように悪くない仕上がりなのです。
少なくともシェリー系スコッチモルトで代表格で言えば、現行のマッカラン18年を飲むより、満足感は得られると思います。

※メインバライルの素性について、ニューメイクからのブレンデッドではないかとのコメントをいただき、改めて確認したところ該当する説明があり、一部表現を訂正させていただきました。(1/11修正)

VAT69 1980年代流通 特級表記 43%

カテゴリ:
VAT69
FINEST SCTOCH WHISKY
1980's
750ml 43%

グラス:国際規格テイスティング
場所:お酒の美術館 神田店
時期:開封後1ヶ月程度
評価:★★★★★(5)

香り:ピリピリとしたスパイシーさ、ハッカやメンソール、干草っぽい乾いた植物感。カラメル系の甘みはあるが、あまり奥行きのないクリアなアロマ。

味:やや若さを感じるドライでスパイシーな口当たり。干草、バニラウェハース、ハッカ、ほのかなヒネ感とべっこう飴を思わせる甘み。
余韻はドライでほろ苦いピーティーさ、ヒリヒリとした刺激を伴う。

若くてプレーン、荒さの残る原酒の要素にグレーン感強め。淡いカラメルっぽさが古酒に通じるニュアンスとなっている。少量加水すると刺激が収まりマイルドな飲み口となり、特にフレーバーの幅は広がらないが余韻は長く続く。


100種類のブレンドの試作の中で69番目のヴァッティングレシピが採用されたことから、ヴァッティングNo,69を略してVAT69とする名称が採用された銘柄。。。というのは1882年のことであり、今となっては由来である原酒構成も大きく異なる時代のこと。
1980年前後の構成原酒はグレネスクやロッホナガー、また作り手であるWサンダーソン社は当時DCL傘下であったため、同社の内陸系ブレンド向け原酒の融通を受けていたものと思われます。

ロッホナガーがキーモルトとしてピックアップされることの多い銘柄ですが、今回紹介する1980年代流通になると、ロッホナガーではなく個性の穏やかなグレネスクがメインとする説があります。
加えて比較的若い原酒を使っているのか、あるいはローランドタイプのモルトもベースに使われているのか、飲み口に軽さとひりつくような鋭さが感じられるようにもなり、それ以前の流通品とは大きくキャラクターが異なる印象です。

(VAT69の各年代ラベル別。左から、1980年代後期から1990年代、1980年代、1970年代の流通品。この3種の中では1970年代流通が熟成感と共に最もロッホナガーを思わせる、独特のピーティーな味わいを楽しめる。1990年代はボディ軽く、グレーン感も強い。)

(1970年代よりもさらにロッホナガーを主体的に感じられるのが、右側の1960年代流通コルクキャップ。麦芽風味と柔らかいピーティーさがこの時代の魅力。なお、同様のニュアンスはジョンベッグのオールドボトルにも感じられる。)

この70年代と80年代の違いに仮説を一つ立てるとすれば、1980年にVAT69のデラックス版、上位グレードとなるVAT69リザーブがリリースされたことが関係していると推察。
1970年代までは熟成した原酒も、若い原酒も全て使って作られていたVAT69が、1980年代から原酒の使い方が整理されて上位と下位、リザーブとスタンダードに分けられたとしたら。。。70年代以前に比べて妙に若さが感じられるのも納得できます。

あるいは、この後1990年代、2000年代になるにつれ、VAT69はDCL、UD、そしてディアジオ内のブランド見直しでどんどん低価格ウイスキージャンルにシフトしていくことを考えると、この若さに通じる変化も1980年代から始まっていたと考えられるのです。

なお今回の時代のVAT69は、自分がオールドを探し始めた当時平塚や三浦半島方面の酒屋でだいぶモノが残っており、ありがちなサービス価格で買わせてもらったのを覚えています。
ホントは60年代〜70年代流通を見つけたかったのですが、結局実店舗では見つからなかったですね。オークションにはあんなに出品されてるのに、一体どこに眠っていたのやら。。。

ロイヤルマイル 40年 2015年リリース ブレンデッドモルト 47.1%

カテゴリ:
ROYAL MILE WHISKIES
Blended Malt Scotch Whisky
Three Cask Blend
40 Years old
Matured in Sherry Casks
700ml 47.1%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封後2年程度
評価:★★★★★★(6ー7)

香り:濃厚で香ばしくビター、カカオチョコレートやアーモンド、松の樹皮、ウェアハウス。スワリングしているとラムレーズンのような甘酸っぱいアロマも感じられる。

味:リッチな口当たり。レーズンなどのダークフルーツの入ったチョコレートケーキ、カカオパウダー、かりんとう。コクのある甘酸っぱいシェリー感から、ビターなウッディネスへと変化する。
余韻はタンニンを感じつつ、スパイシーな刺激と微かにサルファリー。少しねっとりとした樽感が口内に残り、長く持続する。

開封直後はサルファリーな要素が若干感じられたが、時間経過で変化した模様。全体的にこなれて現在はビターで香ばしい程度であり、少量加水するとカカオ系の苦味が和らぎドライフルーツやお菓子を思わせる香味が主体になる。


今から3年半ほど前、イギリスのウイスキーショップであるロイヤルマイルがリリースしたブレンデッドモルトです。
構成原酒はマッカラン、グレンロセス、タムデュー。トップドレッシングとして高い評価を受けた蒸留所の組み合わせに加え、それらの40年オーバーの長期熟成原酒のバッティングでありながら、価格的にもそこまでではないという良心的なリリースでした。

そんなわけで、当時仲間内でロイヤルマイルから共同購入していたボトル。
期待とともにテイスティングすると、1970年代前半から中頃蒸留の原酒にファーストフィル相当と思しきシェリーカスク、何より上記蒸留所の組み合わせは現代の飲み手垂涎のスペックであったのですが、開封直後は思ったほどでもなかった・・・なんて声も仲間内ではあったのです。

シェリー感としては良質な時代のそれを感じさせるニュアンスが感じられる一方、比率的にはタムデューとロセスが多かったのか、あるいは原酒の一つが度数落ちだったのでしょうか。
酒質の軽さが部分的に感じられるところに、それを上塗りする強いアタックのちぐはぐさ、そしてウッディな苦味。単に複数の原酒を使うだけでは混ざりきらない、ブレンデッドモルトの難しさを感じるのです。

一方今回時間を置いたものを飲んでみると、そうした要素が開封後の経年変化でいい具合に馴染んできたという感じ。個人的には開封直後もそれはそれで見るところがあるという構成でしたが、コクのある甘みとドライフルーツの酸味、好みの樽感がメインに感じられて楽しんでテイスティングできました。
シングルモルト、シングルカスクで単一の個性を味わうのも良いですが、複数が混じり合ったボトルをじっくり馴染ませながら変化を楽しんでいくのも、ウイスキーの面白さですね。

レアード ローガン 1970年代流通 八角スクリューキャップ 43%

カテゴリ:
LAIRD O' LOGAN
Deluxe
(Aged 12 years)
1970's
760ml 43%

グラス:国際規格テイスティング
時期:開封後1週間程度
場所:お酒の美術館 神田店 他
評価:★★★★★★★(7)

香り:落ち着きのある香り立ち。カラメルっぽい甘みから香ばしい麦芽香、かすかにダークフルーツ。ヨードを含む土っぽいピーティーさに加え、スパイシーな刺激もある。

味:とろりとした口当たりからカラメルソースやカルメ焼き、香ばしい甘みとともに、しっとりと存在感のあるピーティーさ。鼻腔に抜けるヨード、こなれたアイラのニュアンス。
余韻はスモーキーで奥行きのある甘み。ややドライで長く続く。

完成度高いブレンデッド。ラガヴーリンと思しきアイラモルトの個性がバッチリ感じられる。80年代に比べボディも厚い。加水するとカラメル感が少なくなり、ベースのアイラ系の原酒のニュアンスが引き立つ。


ホワイトホースの上位グレードで、構成原酒はラガヴーリンを中心にグレンエルギン、クライゲラヒ。。。という説明はもはや不要ですね。
今回のロットである八角形スクリューキャップ時代は、現在のリユース市場に比較的流通がある1950年代から90年代流通のローガンの中でも、最もオススメする時代のボトルです。今日の記事は当該ボトルの紹介と合わせ、ローガンの各年代違いを総括します。

価格は白ラベル時代以前のローガンほど高騰しておらず、それでいて状態も金属張りキャップほど悪いロットに当たりづらく、味わいは"オールドラガヴーリンらしさ"が厚みのあるモルティーさのなかに主体的に感じられる。様々な要素が高いレベルでまとまっているのが八角形スクリュー時代の特徴と言えます。
もちろん、オールドブレンデッドの強みとも言える価格面を追求するなら、下写真の1980年代は、安価でありながらラガヴーリンに通じる要素が感じられるオススメのロットなのですが。。。この時代は本ボトルに比べてボディが軽く、完成度を求めるなら、やはり70年代前半流通を推したいところです。

(1960年代流通のローガン(左)と、1970年代前半に流通した今回のボトル。60年代の方がカラメルっぽさが淡く麦感主体でピートも柔らかい。どちらもレベルの高いブレンデッドだが、流通量等からか左のほうが高騰気味・・・。)

(1970年代後期から1980年代前半流通。スモーキーさは健在だが、カラメル系の甘味は控えめで、ドライな印象を受ける時代でもある。)

(1980年代流通のローガン、小豆色キャップ時代。ボディは多少軽いが、安価で流通量多く、普段飲みでハイボールにガシガシ使える優等生。)

(1980年代後期流通品。キャップ形状が異なっている。裏ラベルなどの遍歴から、上の1980年代流通でも近い時代のロットもある。香味も同様でアイラ系のスモーキーさが備わっている一方、ボディが多少軽いのと内陸系のニュアンスも目立ちはじめる。)

こうしたローガンを飲むと、経年を加味しても現行品とは原酒の質が雲泥の差。当時の上位グレードの位置付け、メーカーの気合の違いを感じさせられると言っても過言ではないのですが、ネームバリューの差か同年代のホワイトホースより安価であることも現代にあっては珍しくありません。

ラガヴーリンやホワイトホースが好みという人には、是非飲んで欲しいブレンデッド。また個人的に家飲みのブレンデッドは、重いタイプはローガン、華やかなタイプはセントジェームズ、複雑さのバランタイン、スモーキーさのジョニ黒やハイランドネクターといった具合でそれぞれ好みの年代を手元に置いておきたいです。

デュワーズ ネプラスウルトラ 12年 1980年代流通 40%

カテゴリ:
DEWARS 
Ne Plus Ultra
AGED 12 YEARS
SCOTCH WHISKY Deluxe
1980-1990's
750ml 40%

グラス:リーデルヴィノテクスピリッツ
時期:不明
場所:BAR Sanndrie
暫定評価:★★★★★★(6-7)

香り:モルティーな香り立ち。おしろい系の麦芽香を主体に、古酒感、蜂蜜やレモンバウム、しっとりとした甘みの奥に淡く柑橘感のある柔らかい広がり。内陸のピーティーさも伴う。

味:口当たりはマイルドで、香り同様に麦芽風味主体な構成。ボディは厚く、べっこう飴や色の濃い蜂蜜紅茶と ほのかにオレンジママレードを思わせるほろ苦さ。
余韻はドライでウッディ。干草や麦芽風味、微かにピーティーで長く続く。

モルティーで熟成感がある、柔らかい飲み口からボディのしっかりしたブレンデッド。アバフェルディ主体なバッテッドと言われても違和感がない。


デュワーズブランドの最高峰にして、その名の通り"至高"の一本と位置付けられている銘柄。リリース開始時期ははっきりとわからないものの、デュワーズ社がDCL傘下となった1925年から30年あたりではないかと推測。1930年前後 には日本にも輸入され、銀座のBARなどで提供されていた記録も残っています。

興味深いことに、現在の市場価格は他のオールドブレンデッドと比較して高価格帯で取引されている本銘柄ですが、当時の相場ではそれほど大きな差はなかったこと。 リリース直後と思しき1930年代流通のボトルに12年表記が確認出来ることから、 ブレンドのグレードは 当時のデラックスクラスだったのではないかと考えられます

(昭和9年の輸入業社カルノー商会の取扱商品一覧(上)と銀座のBARのラインナップ(下)。ネプラスウルトラに加え、ビクトリアヴァットなどの銘柄が確認出来る。

その後、世界大戦の影響で日本への輸入は途絶えたものの、1960年代に復活。1990年代から2000年代の一時期にかけてはリリースそのものが途絶えていたようですが、2015年ごろにネプラスウルトラ30年として免税店向けがリリースされ、現在に至っています。

自分はネプラスウルトラはこれまでファイネスト表記&グレートエイジ表記の70年代と80年代初期流通のみしかテイスティング出来ておらず、今回の80年代後半の12年表記で3種のみの経験ですが、印象は総じてモルティーでハイランド系の麦感や熟成感がしっかりある構成。
ネプラスウルトラの意味である"至高"という名付けは、原酒の選別もさることながら、同社の目指した形がこういうタイプのブレンデッドだったのでしょう。アンセスターあたりのデュワーズとも近いベクトルを感じますが、ネプラスウルトラの方がよりマイルドでモルティーです。

なお戦後流通品の遍歴をざっと調べてみると、向けや時期で比較的細かくラベルが変わっているのも本銘柄の特徴。
基本的にはボトルの色(ブラウン→グリーン)、キャップ形状(ティン→スクリュー)と、スクリューキャップ時代はネック部分の金色のメダルの表記がDか12かで1980年代前半以前かそれより新しいかがわかります。
また12表記でもラベルに The Very Finest Scotch Whisky of Great Age 表記がある場合は1980年代前半で、単にデラックスやブレンデッド表記の場合は後期以降の流通と見ることが出来ます。

このページのトップヘ

見出し画像
×