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エドラダワー 14年 1999-2013 イビスコシェリー マチュアード

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EDRADOUR
Aged 14 Years
Distilled 1999 
Bottled 2013 
Cask Strength Sherry Matured
700ml 58.4%

【ブラインドテイスティング】
地域:ハイランド
蒸留所:エドラダワー(イビスコシェリーマチュアード)
蒸留年:2000年頃
熟成年数:15年程度
度数:55~58%
樽:シェリーバット
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:甘くリッチな近年系シェリー香。ドライプルーンや植物性クリーム、ブラックチョコレート、程よい苦味にやや生木っぽい香りもあるが、総じてよくまとまっている。

味:香り同様に嫌味の少ないリッチで濃い甘みのある口当たり。コーヒーミルクのようなクリーミーさ、ドライプルーン、レーズンバター、徐々にウッディーな渋み、苦味が感じられる。余韻はドライ、シロップのような甘みとハイプルーフ故のハイトーンな刺激が長く残る。


宮城のウイスキー仲間、Sさんから頂いたブラインドサンプル。気になっていたボトルのサンプルを頂いた際に、合わせて2問出題頂きました。
「どんな感じですか?」「サンプル送りましょうか?」と返していただける、山桜の件といい感謝しても仕切れません。
今回は「ブログに掲載されていないボトルですよ」とヒントがありましたが、後はいつもと同じ縛り無しです。 

口に含むとハイプルーフらしい酒質の強さ、濃厚で甘いシェリー感、嫌味な感じはあまり無く、その奥に独特なクリーミーな個性、味わいがある。
とりあえず銘柄は即エドラダワーに決め打ち。飲んだことの無いボトルでしたが現行品の10年とも共通するニュアンスが多くあり、近年のエドラダワーで濃厚シェリーなカスクストレングスというと・・・このボトルだろうなと、ボトル指定まで比較的簡単にたどり着くことが出来ました。
後はビンテージですが、イビスコシェリーマチュアードはエドラダワーから毎年リリースされているボトルで、ここ数年間のリリース全て濃いシェリーカスクであるため、1年毎の違いは飲んでないと判断できないところ。現時点での自分のゴールはこの辺でしょう。

エドラダワーはオフィシャル10年の脱パフューム以来評価を改めている蒸留所。このボトルもまたドライプルーンを思わせる近年系シェリー風味と、エドラダワーのクリーミーさがマッチして、嫌味の少ないリッチな甘口風味に仕上がっています。
この濃い甘みとクリーミーな口当たりをどう捉えるかは飲み手次第ですが、エドラダワーのクリーミーさが好みな濃厚民族はストライクゾーンか。シガーとの相性も良さそうです。
すぐ飲んでも、10年以上寝かせても力を発揮するタイプだと思います。
(むしろ10年後はエドラダワー自体がパヒューム周期に入ってさらに貴重かもw)

エドラダワーのパフュームは2000年初頭に消えたと思っていたのですが、この1999もパフューム香は無く、らしいクリーミーさが感じられました。昨年リリースされた15年のフェアリーフラッグといい、少なくとも1999年までは問題ないとわかったことも収穫。後は2014、2015リリースも、追って飲んでみたいと思います。

エドラダワー10年 (2004-2015) シグナトリー・アンチルフィルターコレクション

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ニューリリースがあったら試してみようと考える蒸留所の一つが、エドラダワー。
昨年飲んで思わず購入したオフィシャル10年、その特徴であるクリーミーさは、シェリー、バーボン、どちらの樽とも相性が良いようで、直近のリリースではフェアリーフラッグにバレッヒェン、良い出来だと感じるボトルでした。

エドラダワーはボトラーズからのリリースは少ないですが、シグナトリー資本の蒸留所であるため、シグナトリーからは年何回かのリリースが行われてるようです。
今回、2015年詰めのニューリリース、アンチルフィルターコレクションのエドラダワー10年をテイスティングすることが出来ました。


Signatory Vintage
The Un-Chillfiltered Collection
EDRADOUR
Aged 10 Years
Distilled 2004 Nov
Bottled 2015 Jan
46% 700ml

暫定評価:★★★★★★(6)(!)

香り:お菓子のカラメリゼを思わせる焦げ感の少しある甘い香り、バタークリーム、プルーン。生木っぽさも少々あるが、全体的には嫌みの少ないふくよかで濃いアロマ。

味:口当たりは甘口濃厚でしっかりしたシェリー感、そこにエドラダワーらしいクリーミーさ。濃い目のシェリー感と合わせてカフェオレのよう。プルーン、葡萄の皮、タンニンがフィニッシュにかけて感じられる。コクのある味わいで、余韻も長い。
このクリーミーさが無ければ、ひどく単調なただの近年シェリー系ウイスキーになっていた。


シェリー樽は影響が強いので、スペイサイド・ハイランド系は全体の完成度で比較することが多い中、エドラダワーは濃い味わいの中でも個性が感じられるのが特徴だと思います。
このボトルもこってりとしたシェリー感に現行エドラのクリーミーさがマッチ。先日記事にしたフェアリーフラッグにも似た構成です。加えて値段が5000円程度になるということで、流石資本元のボトラーズリリース。
猛暑の夏には閉口してしまう構成ですが、秋の新作としては店頭に並ぶのが楽しみなボトルです。

それにしても、エドラがここまで面白い蒸留所だとは思いませんでした。
まだ直近のリリースで突き抜けたボトルに出会ったことはありませんが、将来性を感じる味わいです。
昨今、ボディというかコクというか、ウイスキーそのものの味が薄くなったということは、たまにテイスティングの中で触れますが、このコクをクリーミーさが補ってくれて、飲み応えのある味わいに仕上がる傾向が感じられます。
オフィシャルの通常進化はもとより、例えば2000年頃の蒸留で、25年くらいでバーボン樽、ピーテッドで48%とか良さそうだなあと、先のリリースにも期待しています。

エドラダワー・ニューリリース2品 「フェアリーフラッグ」「バレッヒェン10年」

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ブログ開設から100日ちょい、気がつくとアクセス数が20万を越えていました。
っていうか6月のアクセスが月半ばにして10万越えですので、もうなんていうかニッカショックぱねェ・・・。

特段お祝いムードでもないなか、いつも情報を頂いているSさん経由で嬉しいボトルが手に入ったのは一昨日の事。それが郵送されてくるはず。
じゃあ毎日更新し続けた自分に、ささやかなご褒美をあげようじゃないかと、「俺、帰ったらボトル開けるんだ・・・」なんて余裕こいてフラグ立てたら…。
本当にフラグになっちゃったんですよね。

帰ったのは今朝の5時でした。エーエム5時(´Д` )
飲み会じゃないですよ、仕事ですよ仕事。
とある仕事で先輩社員の不手際で経理部門がブチギレし、明日までに書類雁首揃えて持って来いや!と。
それでなぜか自分だけが居残りで朝までコース。なので今回は飲んでる暇なんてありません。
暫定評価ですが、先日の面白かったボトル2本、ネタにしておこうと思います。


スコットランド最小の蒸留所、エドラダワー。高い評価とそうでもない評価が混在する蒸留所ですが、最近、このエドラダワー蒸留所が面白いと感じています。
最近と言っても今現在がどうかはわかりません。少なくとも10~15年前の蒸留の現行品エドラダワーが面白いのです。パフュームがなくなり、エドラの特徴とも言えるクリーミーなフレーバーが戻ってきています。
先日の衝撃を受けたオフィシャルスタンダード10年に始まり、今回の2本のファーストインプレッションも中々良い出来でした。


エドラダワー
フェアリーフラッグ
15年 46% 700ML
暫定評価:★★★★★★(6)

"ミルクチョコレートを思わせる甘いアロマ、砂糖漬けのレーズン、徐々にウッディネス。
口当たりは濃厚な甘さとエドラクリーミー、プルーン、徐々にタンニン、かすかに焦げた木。舌先に刺激を感じる。"

エドラダワー
バレッヒェン 10年 
700ml 46度 
暫定評価:★★★★★★(6)

"バニラ、スモーキー、時間とともにグレープフルーツピールと柑橘のアロマが裏からちらほら。ヨードっぽさも感じる。
口当たりはクリーミーでピーティー、しっかりしている。焦げたピート、バニラ、レモンピール。どこか軽い印象があるが、それをクリーミーさが補っている。スモーキーな余韻。"


シェリーのほうは限定品で、15年熟成のシェリー樽原酒。エドラダワーのクリーミーさがシェリー樽の濃厚な風味とうまくマッチし、近年詰めとしては珍しく嫌みの少ない濃厚系に仕上がってます。
これはこれで良いのですが、それ以上に面白かったのがバレッヒェン10年。
もうなんていいますか、ラフなんですよね。ラフロイグ(笑)。
注意深くしていると微かにエドラダワーのクリーミーなフレーバー、アロマが感じられるのですが、それ以外はほぼラフロイグだと感じる味わいです。

エドラダワーといえば2002にラフロイグを引退したイアン・ヘンダーソン氏をマネージャーに抜擢。そのイアン氏が仕込んだのがピーテッドなエドラダワーです。これがイアン氏がエドラダワーに再就職する条件だったとか・・・。
ラフロイグを思わせる風味に仕上がっているのは、偶然か、果たして狙い通りなのか。

オフィシャル10年のラフロイグよりちょっと値は張りますが、美味いし面白いボトルだと感じます。ここ数日で4本も買っているので財布と相談して自重しましたが、抱えて加水にハイボールにと、色々試してみたいと思ったボトルでした。
特にブラインドテイスティングで出したら、何も知らない参加者は全員驚愕だと思いますよ。腹黒認定はされるでしょうがw


追記:いつもご覧いただいている皆様、ありがとうございます!
これからもいろいろ試しながら書いて行きますので、よろしくお願いします。

備忘録:エドラダワー10年 オフィシャルボトル(2014/1/30ロット)

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今、ベテランドリンカーを中心に衝撃を与えている、エドラダワー10年現行品。
尊敬するドリンカーのM氏が感動の余り一晩でボトル2/3を飲みきり、自分も昨年飲んだ時に「パフュがない!っていうか普通に旨い!」と大騒ぎして即1本購入。
このボトルは2つの意味で評価出来る、近年希な出来栄えのシングルモルトと言えます。

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まずはテイスティングコメント。

評価:★★★★★★(6)(!)

”人工的なオレンジクリーム、レーズン、チョコレートを思わせるアロマ、奥にはウッディーな樽香もある。
レーズンバターや生クリーム(スタバのコーヒーにトッピング出来るアレ)を思わせる、
ほのかな甘酸っぱさに独特
のクリーミーさのある甘くまろやかな味わい。
フィニッシュはクリーミーさの後で、ぴりぴりとしたスパイシーさと微かな渋みが残る。”
(ボトルのロットは2014/1/30)

気がついたら2杯3杯と飲んでしまう、それくらいまろやかで嫌みの少ないシェリー感。
余韻で感じられる樽やハイランド系のピート由来とおぼしき渋みも良い仕事をしていて、非常に良くまとまっています。


このボトルの評価ポイントは2点。
・同価格帯のシェリー系ウイスキーの中では頭一つ抜けた味わいであること。
・もう一つは、脱パフュームだけでなく、かつての味わいを取り戻しているということです。

中身の出来については上述の通りなので、ここからは後者の評価点について。
エドラダワーと言えばパフュームという認識が定着しているように思いますが、以前はクリーミーな味わいのあるモルトでした。写真左のキングスランサム(1950-60年代流通)からも同様のクリーミーさが感じられます。
その後同蒸留所はパフューム主体のフレーバーとなっていくことから、現行品に半世紀前の特徴が復活したと言えるわけで、
これは全蒸留所を通して見てもなかなか無い事例です。

もっと安定して作れないのかとも思うのですが、最小の蒸留所だけにちょっとしたことでも大きく影響してしまうのでしょう。
最新版のモルトウイスキー大全(2009年発行)では良い評価がされていませんが、2013年頃の出荷分からクリーミーな味わいに変化しています。


先日の竹鶴17年の投稿でも触れた、5000円以下で輝
きのあるオフィシャルボトルの一つ。
入門者も、ベテランドリンカーも広く楽しめる、コスパ抜群の1本です。

ちなみに80-90年代頃の一時期、パフュームの無いロットがありましたが、長くは続かなかった印象があります
今回の復活は2002年に蒸留所をシグナトリーが買取り、マネージャーが変更したあたりで蒸留器の掃除をしたことが作用したという情報がありますが、だとすればその後の生産はどうなっているのか。
出来ればパフューム爆弾が仕込まれていないことを望むばかりです。


(この投稿は2月25日にFBに投稿しました。)

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