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オーバン 14年 1990年頃流通 43% 免税向け

カテゴリ:
OBAN
Aged 14 years
West Highland Malt
1990's
1000ml 43%

グラス:不明
場所:BAR飲み(Paradee@野毛)
量:30ml
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:オールドらしいこなれた感じと、奥行きのある香り立ち。ワクシーで甘い麦芽香、ドライイチジクやオレンジを思わせる酸味、オールブランの香ばしさ、ほのかにスモーキーでバランスが整っている。

味:オイリーで軽くスパイシーな口当たり。ママレードジャム、醤油飴、香ばしい麦芽風味やアーモンドナッツ。ボディはしっかりとして骨格がはっきりしている。
後半は染み込むようにピーティーで、塩水のコクを伴いほろ苦い甘みが長く続く。

オーソドックスなハイランドスタイルを感じる構成だが、スプリングバンクとは異なるブリニーさがピートと共に味のアクセントとなっている。どこか懐かしさを感じる味わい。加水しても特段フレーバーが伸びる印象はなく、チェイサー片手にストレートで。


先日、久々に訪問した横浜・野毛にあるBAR パラディでこのボトルと遭遇。パラディさんはかれこれ4年ぶり。この時期のオーバンは3年ぶりくらいでしょうか。随分ご無沙汰してしまいました。
パラディは本格的に飲み始めた頃、横浜在住だった自分がお世話になったBARの一つで、個体は違うと思いますが当時このオーバンも飲んでいます。
昔の記事もまだ残っていて、調べると感じ方に結構共通点もあり、昔の自分との比較を楽しみながら記事をまとめることが出来ました。
パラディさんの記事は追って掲載させていただくとして、今回はオーバンの紹介に移ります。

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(西ハイランドに位置する港町、オーバンの美しい街並み。蒸留所が街中にあり、このアングルからでも煙突が写っている。Photo by K67)

オーバンは個人的に好きな蒸留所で、ウイスキー仲間の間でも何気に評価が高い印象があります。
華やかだったりフルーティーだったり、決してわかりやすい「今時」なハウススタイルではありませんが、ハイランドタイプのしっかりとした麦芽風味や、アイラのようにオレオレ主張しない染み込むようなピートフレーバーという古典的な組み合わせがツボなようです。

現行品14年はそうしたキャラクターが弱くなり、特にボディは随分軽くなってしまいましたが、オールドボトルとなると話は別。1980年代以前の12年表記デキャンタボトル時代の酸味を伴うどっしり感は特筆モノですし、今回テイスティングした1990年代流通のオフィシャルも、ハウススタイルがしっかりとあり、いかにもウイスキー玄人好みという滋味深い味わいを感じることが出来ます。
機会があれば、是非テイスティングして欲しいボトルです。

トマーティン 25年 2000年代流通 43%

カテゴリ:
TOMATIN
Single Highland Malt
Aged 25 years
2000's
700ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml程度
場所:個人宅
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6ー7)

香り:華やかでケミカル、やや人工的でフルーティーな香り立ち。ピーチや洋梨、ほのかにパイナップルも混じったミックスジュース。乾いた麦芽を思わせる植物感、香ばしいアロマもある。

味:口当たりは甘く、香り同様にケミカルで、シロップのような甘み。熟した洋梨、ほのかにハッカの混じったリッチなフルーティーさが鼻腔に抜けていく。
余韻はハイトーンで程よくドライ。バニラ、ほのかに乾いた植物感、喉にヒリヒリとした刺激を残して長く続く。

70年代後半蒸留のトマーティンらしいケミカルフレーバーがしっかりあり、全体的なバランスも良いまとまり感のあるモルト。フルーティーさと合わさって同時期のハウススタイルを楽しめる。加水すると骨格がぼやけてしまうのでストレートで。


現在のトマーティンには無い25年、オフィシャルラインナップの2世代前ボトル。2005年ごろから5年間ほど生産されていたようです。
少なくとも自分が飲み始めた頃、このボトルは市場在庫が割と普通に残っていたわけですが、その後1976トマーティンのブームがあった後でも「まあトマーティンやし・・・」と完全にノーマーク、マガジンライブの試飲も出ていましたが飲みもせず。
先日ウイスキー仲間のRさん宅でテイスティングさせてもらい、らしいハウススタイルと熟成感のバランスの良さに驚きました。

ちょうど先日、このトマーティンの後継となる1世代前の25年について記事にしていたので、タイミングも良かったです。
その25年に感じられた過熟気味なウッディさ、ボディの軽さがなく、香味共にケミカルなフルーティーさがしっかり広がるのがポイント。原酒はフレーバーから察するに25から30年熟成、つまり1975年から1980年ごろに蒸留されたものが使われているのではないでしょうか。

(現行品1世代前のトマーティン25年。2010年ごろの発売。1970年代中頃から後半らしいケミカルなキャラクターと長熟原酒らしい強いウッディネスから、原酒の残りをそのまま熟成させてベースにしているような味わい。)

2005年当時のオフィシャルハイグレードと言えば、例えばハイランドパーク、タリスカー、マッカラン・・・今となっては名だたる銘品の数々がひしめいているわけですが、その中にあっては地味なトマーティンもこのレベル。海外サイトでは55ポンドで販売されていた履歴も残っていて、良い時代だったなと、感じざるを得ません。
また、当時飲んだ方には荒さ、アタックの強さに個性的な味わいを指摘されている方もおりましたが、10年弱の経年変化でこなれ、そろそろ飲み頃になってきているのではと感じます。

そう言えば、トマーティンは最近ラインナップの全面リニューアルを行なったばかり。
2000年代のトマーティンは個性の穏やかなニュートラルな酒質で、70年代のケミカルなフレーバーとは異なる、新世代に突入した感はあります。
最近飲み始めた方々は70年代でケミカルと言ってもナンノコッチャという感じ。突き抜けて素晴らしいボトルは少ないですが、モルトの楽しみとしてこの辺りのトマーティンフレーバーは一度経験しておいても良いかなと思います。

ハイランドクイーン 1561 30年 40%

カテゴリ:
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HIGHLAND QUEEN 1561
Aged 30 years
Traditional Cask Maturation
700ml 40%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml程度
場所:個人宅
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:華やかでオーキー、軽やかで品の良い香り立ち。ドライアップルやナッツ、ビスケットを思わせる甘みと香ばしさ。徐々にスパイスを思わせるアロマ、微かに乾いた草っぽさを含んだウッディネス。

味:香り同様に華やかでドライな口当たり。皮むきアーモンドナッツ、乾いた麦芽、薄めた蜂蜜や砂糖をまぶしたオレンジピール。舌をコーティングする柔らかい甘み、スモーキーでピーティーなフレーバーがじわじわと開いてくる。 
余韻はスパイスが軽やかに口内を刺激し、ほろ苦いピートを伴うオーキーで華やかなフィニッシュ。

モルティーで嫌味の少ない、バランスの良いブレンデッドウイスキー。30年熟成らしくドライでライト、香味の余計なところはそぎ落とされているが、グレーンが効いているためか、フレーバーの繋がりが良く、モルトウイスキーとして飲んでも遜色のない仕上がり。
加水するとボディが薄くなり、バランスが崩れてしまうのでストレートで。


先日の持ち寄りブラインド大会で、「くりりんさんにはガチで飲んでもらいたいボトルがありますから」と、全ての回答が終わった後で、Jさんから出題されたエクストラステージ。 飲んでもらいたいボトルがあるって、本当に光栄です。
これは完全なブランドというより、キーモルトは何か→銘柄は何か、という流れで回答していたっため、最初の段階でブレンデッド系であることが指定されており、完全にブラインドというワケではありませんでした。
ただ、結果的には正解しているので、味わって感じたことと、中身のブレはあまりないものと思います。

まずノージングで思い浮かんだ銘柄がハイランドモルト、グレンモーレンジの18年。一口飲むと同18年ほど硬さが無く長期熟成の印象。余韻はピートフレーバーがじわじわと出てきて、これは良くできたウイスキーだなーと感じていたところにキーモルトを指定する最初のクエッション。
これがグレンモーレンジで正解なら銘柄はおのずと限られてきて、長期熟成をリリースしている銘柄となるとマジェスティ30年のあるハイランドクイーンになるわけです。
つい先日、ブラックな酒屋さんが、平行で入ってきた30年モノを「コスパ良好!」としてPRしていたので、後は邪推で銘柄までたどり着くことが出来ました(笑)。


ハイランドクイーン1561シリーズは、同銘柄のプレミア品であり、30年は同銘柄120周年(1893年に製造元が創業)を記念してリリースされた限定品とのこと。メーカー情報では、1982年蒸留のモルトウイスキーと、1978年、1979年蒸留のグレーンウイスキーが、モルト75%、グレーン25%でブレンドされ、シェリー樽で6ヶ月間のマリッジを経ているそうです。 
シェリー感はそれほど強くなく、アメリカンオークのフレーバーが強い構成で、ダンカンテイラーのロナックシリーズやハートブラザーズの長熟度数落ち系統のフレーバー。
1982年蒸留のモルト原酒にグレンモーレンジか含まれているかはメーカー情報からはわかりませんが、類似の特徴が感じられます。

通常、現行品のブレンデッドウイスキーはグレーンが6、モルトが4という構成が一般的であるところ、75%は相当リッチであり、クラシックな造りです。そのモルティーな構成は香味からも充分感じることが出来る一方、飲み疲れないブレンドらしいバランスの良さも魅力。
30年以上のモルト原酒のフレーバーを楽しめつつ、価格がミドルエイジクラスに収まっているのも嬉しい、ナイスリリースだと思います。

アードベッグ ウーガダール 54.2% 近年流通品

カテゴリ:
ARDBEG
UIGEADAIL
(No Aged)
750ml 54.2%

グラス:木村硝子テイスティング
量:30ml
場所:BAR飲み(Ambrosia)
時期:開封後2-3年程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:甘くピーティーでスモーキー、ハイプルーフらしく強いアタック。キャラメル、アーモンド、ひじきの煮付けを思わせる樽香由来の甘みやヨードのニュアンス。時間経過で土っぽい香り、溶剤のような刺激も奥から感じられる。

味:パワフルなアタックとともに広がる、スモーキーフレーバーと磯っぽさ、とろりとした甘み。みたらし、ローストアーモンド、焦げたウッディネス。
余韻はピーティーでスモーキー。ヒリヒリとした刺激を伴い程よくドライ、ウッディーでカラメルソースの苦味を伴う長い余韻。

パワフルで実に飲みごたえがあるアードベッグ。
仕上がりは多少荒いが、少量加水すると最初のアタックが収まりバランスが良くなる。キャラメルナッツを思わせる樽由来の甘みが引き立ち、焚き木のような焦げたニュアンスも強く感じられる。葉巻との相性も実に良い。


アードベッグの水源である、ウーガダール湖から名付けられたリリース。
ウーガダールが発売されたのは2003年のこと。発売当初は1991年、1993年蒸留のバーボン樽熟成原酒に、1976年と1977年のシェリー樽熟成原酒を少量バッティングした、実に豪華な構成でした。
アードベッグは1980年代に操業を休止、再稼働後も1989年から1996年まで非常に不安定な状態だったため原酒の種類も少なく、バランサーというか品質を安定させるためのミドルエイジとして、1970年代の熟成原酒を使用していたようです。(結果、色合いがアイラ島のピートが溶け込んだ水と同じ茶褐色になったのか、狙ってのネーミングかは、とりあえず後者ということに。)

勿論これは発売当初のみのレシピ。2004年、アードベッグの所有がディアジオ社に移った後もしばらくは類似の構成だったようですが、少なくとも現代においては、2000年代以降に蒸留された10年熟成程度の原酒で構成されているそうです。
まあ今も当時のままのビンテージだったら何年ものだよ、っていうか先日リリースされたアードベッグ21年はどうなるんだって感じですよね(笑)。

     
(ウーガダールのファーストリリース。ボトリングの年次は外箱に書かれている。野澤、国分の組み合わせが懐かしい。ラベルはトラディショナルストレングス表記が現行品との大きな違い。)

さて、前置きが長くなりましたが、このアードベッグウーガダール、現行品だからどうということはなく、中々良く出来たオフィシャルボトルです。
樽の構成は通常のバーボン樽原酒を主体に、リチャードバーボン樽、そして少量のシェリー樽といったところか。初期ロットと比べると、味わいの奥深さというか、1990年代アードベッグの現代とは違う荒さを包み込むまろやかさは得難いものがありますが、近年のアードベッグは中間がクリアで当時ほどの雑味がないので、はっきりとしたピートフレーバーに樽由来の甘い香味がうまく馴染んで、結果的に類似の系統になっている。
これはこれで良いじゃないかと思えるレベルに仕上がっています。

それこそ高騰するアードベッグのボトラーズリリースを追うなら、この1本で充分じゃないかと思えるクオリティとコストパフォーマンス。
テイスティングに記載したように仕上がりの荒さが多少あり、パンチも強いので初心者向けとは言えませんが、樽の使い方はラガヴーリンに近いものがあり、例えばアイリークのカスクストレングスを飲んで「美味しい」と感じるなら、このウーガダールもおすすめだと思います。

ニッカウイスキー ノースランド 角瓶 1970年代流通 特級表記

カテゴリ:
NORTHLAND
NIKKA WHISKY
SPECIAL GRADE
1970's
720ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封後2年程度
評価:評価無し

香り:埃っぽさを伴う乾いた穀物香、メンソール、ウォッカのようなアルコール感。時間をおいても香りがあまり立たない。

味:ピリピリとしたアルコールの刺激を伴う口当たりから、べったりとしたシロップのような甘み、淡いモルティーさ。
余韻はハッカ飴、ドライであまり強くなくじんわりと染み込むように消えていく。


ニッカウイスキーの、そして竹鶴政孝の理想を形にした記念すべきブレンデッドウイスキーが、ノースランド角瓶(1973年発売)です。
1960年代中頃、カフェ式蒸留機の導入で念願の本格ブレンデッドウイスキー作りが可能となっていたニッカウイスキー。その中で竹鶴政孝は、スコットランドでの経験からウイスキーをより味わい深くするには、異なる地域で蒸留、熟成したモルト原酒が必要であると考え、さらなる理想のために新しい蒸留所の建設に向けて動き出します。

そして紆余曲折の末、1969年に竣工した宮城峡蒸留所で蒸留、貯蔵されたモルト原酒に、余市蒸留所の原酒、さらに当時は大阪の西宮工場で生産されていたカフェグレーンをブレンド。
竹鶴政孝の理想がまさに結実した新商品が、このノースランドだったわけです。
(1970年にはグランドニッカや、リニューアルしたスーパーニッカがリリースされているので、宮城峡の原酒も使われているかもしれませんが、3年未満で理想とは言いがたく。)

ノースランドは今回紹介している特級規格の角瓶と、2級規格の丸瓶がリリースされていました。
背面ラベルやニッカのPRでは「北海道余市のハイランドモルト、宮城峡のローランドモルト、カフェグレーンをブレンドした、まろやかでコクと気品ある味わい、Gentleタイプのウイスキー」と、ハイランド、ローランドはこの時期から使ってたのか。。。とか、Gentleタイプなる聞きなれない単語に時代を感じます。
他方、ノースランド角瓶の1970年代流通は、理想が結実したと言いつつも、日本のウイスキー黎明期といえる原酒20%程度な味わい。経年を差し引くと当時はソフトでクリーン、飲みやすいウイスキーだったのではないかと思います。
1980年代になると比較的モルティーな風味もはっきりしてきて、原酒の熟成、ウイスキーメーカーとしての成長を感じることも出来ます。

時代の区別については、1970年代はラベルに埋め込まれている赤いエンブレムが、1980年代頃からラベルとしてプリントされるようになるので、非常にわかりやすいです。
ちなみに、ノースランドは1980年代に終売となったものの、余市蒸留所のショップ名称として現在まで息づいています。

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