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カテゴリ:テイスティング

バルブレア 23年 1993-2016 ロイヤルマイル 53.2%

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BALBLAIR
ROYAL MILE WHISKY
Aged 23 years
Distilled 1993
Bottled 2016
700ml 53.2%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml程度
場所:自宅セミナールーム持ち寄り会
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:華やかなでドライな香り立ち、ナチュラルな麦芽、淡いドライパイナップル、少し植物系のニュアンスを伴う樽由来のアロマ。

味:ピリピリとした刺激を伴う口当たり。トーンの高い甘さ、乾いた麦芽風味、バニラウェハース、ほのかにドライパイナップル。
余韻はスパイシーでドライ、ハーブの爽やかさを伴う爽やかなフィニッシュ。

樽感は淡く、口当たりでスパイシーな刺激を伴う一方で、青っぽさなどの癖はなく非常にニュートラルなハイランドモルトという印象。加水するとまろやかで甘みを感じやすいが、ボディが軽く水に負けやすいイメージも。

ウイスキーショップ、ロイヤルマイルのオリジナルボトルの1本。
同ショップ向けのリリースは、ソサイエティでバイヤーを務めていたアーサー氏がカスクチョイスを行うなど、業界との強いコネクションを活かしたレベルの高いものが多く、このバルブレアもロイヤルマイルと聞いた瞬間、まず間違いないだろうと感じていました。

使われた樽はバーボンホグスのリフィル辺りでしょうか、オークフレーバーが適度について、樽材由来の渋みや苦味は控えめ。そこに麦芽風味とドライなニュアンスが共存しており、同蒸留所のハウススタイルを感じさせる、らしい香味が備わっています。
思い込みが強いかもしれませんが、それこそ旧ラベル時代のソサイエティがチョイスしていそうなカスクだなとも感じます。



I.W.ハーパー 12年 43%

カテゴリ:
I.W.HARPER
Aged 12 years 
Kentucky Straight Bourbon Whisky
750ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml以上
場所:自宅
時期:開封1年程度
評価:★★★★★★(5-6)

香り:華やかで甘い香り立ち。ケーキシロップのかかったホットケーキ、ビスケット、樽と穀物由来の甘いアロマに微かにドライオレンジ、若干の酵母っぽいニュアンスもある。

味:マイルドでコクのある口当たり。メープルシロップやカステラを思わせるメローな甘み、軽やかな穀物風味。中間は軽くスパイシーで、すぐに焦げた木材のような苦味が広がっていく。
余韻はウッディでビター、ジンジンと染み込むような刺激を伴い長く続く。

熟成期間ゆえか原料由来の軽さゆえか苦味が目立つが、甘くコクのある口当たりと余韻にかけてのその苦味が、バーボンにおける12年という熟成期間を感じさせる。
ロックやハイボールではさらに飲み口が軽くなり、抵抗なく飲めてしまう。香味のバランスを考えるとオススメはロックで。

メーカーPRでは世界で初めて12年表記のスタンダードとして販売されたという、IWハーパー12年。名前の由来などは公式サイトかグーグル先生を参照のこと。独特のデザインのデキャンタに高級感が漂う1本です。

発売時期は1961年、確かに当時のラインナップを見渡すと、5年、6年などが一般的で、12年ないしそれ以上のバーボンが数多く出てくるのは1980年代あたりからのように感じます。(これには諸々の事情があるのですが。。。詳細は海老沢氏のコメントから推察ください。)
そのため、「世界初の長期熟成バーボン」などと謳うPRもあったりするようですが、1930年代の禁酒法明けには貯蔵され続けていた原酒がリリースされていたり、当時はスコッチウイスキーでもノンエイジのデラックス表記が主流の時代。一般的なバーボンもまた年数表記の流れはまちまちで、長期熟成バーボンが無かったわけではないようです。

バーボンウイスキーはご存知の通り、ただでさえエキスの出やすいチャー済みの新樽に、寒暖差の激しい環境で熟成されることが多いため、スコッチウイスキーよりも早く熟成が進むとされています。
当時J&Bなどのライトなウイスキーが好まれた時代にあって、今より風味が強く、樽感も濃かったオールドバーボンで長期熟成を出そうというのは、事情はさておき中々チャレンジングな事だったように感じます。

ただ、IWハーパーはその点、材料比率でコーンを86%前後とバーボンの構成比率の上限80%よりも多く使用することで、軽やかで甘みのある酒質を作り上げており、抵抗なく飲み進める事が出来たのが、他社よりも早く長期熟成バーボンの市場を獲得出来た要素の一つではないかと推察します。
発売当初の12年は飲んだ事がありませんが、1970年代から1980年代に流通したIWハーパー12年は飲んだ事があり、最近のボトルの方が苦味は目立ちますが、そのスムーズでマイルド、しっかりとメローな方向性は今も昔も変わらないなと感じました。
むしろ、近年のバーボンのライト化が著しい中で、下手にウッディなえぐみや酵母っぽいニュアンスの強いモノを飲むなら、この辺でマッタリ飲むのも良さそうです。

モートラック 27年 1988-2016 ソサイエティ No,76.128 48%

カテゴリ:
MORTLACH
The Scotch Malt Whisky Society
No,76.128
"A Real Privilege"
Tasting Panel's Choice 2016 Japan Edition
Aged 28 Years
Distilled 1988
Bottled 2016
Cask type Sherry hogshead?
700ml 48%

グラス:木村硝子テイスティング
場所:自宅セミナールーム
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:スパイシーで樽の効いたウッディネスとフルーティーさ。アーモンド、アプリコット、熟したパイナップル、樽由来の濃縮感に加え、奥からおしろいを思わせる白っぽい麦芽香も感じられる。

味:甘くドライな口当たり。メープルシロップ、リンゴのカラメル煮、レーズンチョコレート、エステリーなフルーティーさから淡くベリー感のあるシェリー系のニュアンスも程よく広がっていく。
余韻はドライでウッディ、ほのかにビターでカカオのニュアンスを伴い長く続く。

酒質由来の麦芽風味、シェリー感とオークフレーバーが合わさった樽感、熟成による複雑さとバランスが取れた香味を楽しめる。
加水すると華やかさ、ナッティーさとオーキーで華やかなフルーツが開き、余韻にかけてのドライさが軽減されるが、個人的には古き良きシェリーカスクの姿が見えるストレートを勧めたい。


ソサイエティが2016年から約1年間かけてリリースしていた、日本支部向けリリースのうちの1本。
シェリーカスクというには色は薄めですが、アメリカンオーク由来のオーキーで華やかな香味に、オールドタイプのシェリーカスクに通じる懐かしいフレーバーも備わっている、複雑でナイスなモートラックです。

シェリー感はあまり強くないので、1960年代か1970年代初頭あたりに一度使われ、1980年代にウイスキーを払い出した後のアメリカンホワイトオークのリフィルが使われているのではと推察。樽由来の香味のバランスが丁度よく、モートラックらしい厚みのある麦芽風味が潰れず底支えとなって、近年ありがちな樽味のみでない仕上がりとなっています。
度数が48%まで落ちているので、ボトリング直後からすでに飲み頃という印象ですが、あえて古酒感を纏わせにいくのも面白そうです。

テイスティングパネルズチョイスは計7種類リリースされたようですが、このモートラックで打ち止め。新体制となったソサイエティから日本向けの新しいリリースがあるかはまだ分かっていません。
勿論今回のようなボトルばかりではないものの、原酒、樽共に揃いづらいボトラーズ受難の時代に、一定レベル以上のリリースを安定して展開出来るソサイエティの物量とコネクションは流石と言わざるを得ません。
先日記事にした通り、組織自体には設立初期に見られる混乱があったようですが、今後もこうした"シングルカスクでキラリと光る"リリースをお願いしたいです。

タリスカー 1954 GM イーグルラベル 40%

カテゴリ:
TALISKER
Isle of Skye Pure Highland Malt
Gordon & Macphail
Distilled 1954
1980's
750ml 40%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml程度
場所:個人宅(KuMC)
時期:開封後2ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★★★★(9)

香り:ベリー感を伴う落ち着いたシェリー香に麦芽香。チョコレートクッキー、枝付きレーズン、古いウェアハウス。妖艶で土っぽいピート香も感じられる。

味:とろりとリッチな甘み、ベリージャム、カステラ、微かにカカオ。強い麦芽風味と染み込むようなピートフレーバー。40度加水とは思えないボディの厚みがある。
余韻は古典的な麦芽風味、序盤から続くシェリーの甘みを黒土を思わせるほろ苦さが引き締め、スモーキーで染み込むように長く続く。

オールドシェリーとそれを受け止める分厚い酒質、スモーキーフレーバー。加水で調整されたウイスキーならではの負担のない飲み口。蒸留所云々を差し引いても、長期熟成ウイスキーとして整った旨さがしっかりとある。
こうしたウイスキーを量産できていた当時のGMは、やはりどこかおかしい。


1954年蒸留のタリスカー。ーグルラベルのタリスカーは長い期間結構な種類がリリースされていましたので、ボトリング年の特定はできません が、ラベル形状等から1980年代流通で、中身は25から30年熟成といったところと思われます。

少しラベルが退色していたので、開封前はフェイク疑惑も話題にありましたが、中身は間違いなく本物です。
オールドシェリーの傾向の一つとも言える、カラメルソースを思わせるとろりとした甘さ、それを支える分厚い麦芽風味、タールや黒土のようなピートフレーバー。。。
これはGMが凄いのか、それとも1950年代のタリスカーのポテンシャルゆえか。あるいはそのどちらも凄かったというこというか。シェリー感の強いバージョンや麦芽風味が強いバージョンなど、構成にばらつきはありますが、兎に角、これまで飲んできたどのボトルを思い返しても、この時代のGMタリスカーはハズレなしどころか、安定して突き抜けている印象があります。

先日開かれたウイスキー仲間との持ち寄り会では、1950年代蒸留の短熟オフィシャルと、長熟タリスカーの超豪華な飲み比べとなり、それぞれの良さを堪能させていただきました。(写真の並びは参加メンバーが高評価したボトルの順。。。タリスカー2本はダントツでした。)

短熟オールドの経年で丸みを帯びつつも個性がわかりやすい味わいも文句なく良かったですが、個人的には熟成を経たことで備わったオールドシェリーの妖艶な甘さと、どっしりとしつつも落ち着きがあるピーティーなニュアンスがどストライク。
むしろ短熟を飲んでいたからこそ、このボトルの良さがわかりやすかったのかもしれません。

なお、これを飲んだからといって現行品不甲斐ないなどと言う話ではなく、もはや同じ名前をした別な何かと考えています。
言わばパラレルワールドのようなもの。機会があればこうして覗かせてもらうわけですが、その世界は困ったことにとんでもなく魅力的なのです。

オーヘントッシャン 12年 40% オフィシャル ブラインド

カテゴリ:
オーヘントッシャン12年
AUCHENTOSHAN
Aged 12 years
The Triple Distilled
700ml 40%

【ブラインドテイスティング】
地域:ローランド(オーヘントッシャン)
熟成年数:15年程度
度数:40%
熟成樽:シェリー樽を含む複数樽バッティング
暫定評価:★★★★(4ー5)

香り:ライ麦パンやアーモンドを思わせるやや酸を感じる樽香。使い古した油、微かに湿布のような薬っぽさ。奥から乾燥した植物っぽさ、エスニックスパイスを思わせる独特の癖。

味:軽い口当たり。パン、黒砂糖、若干の古酒っぽさを伴う甘み。サトウキビのような植物感、錠剤の薬のようなニュアンス。奥行きはあまりなく、すぐに余韻にある樽由来の苦味へと繋がる。
余韻はビター、チクチクとスパイシーな刺激が蓄積する。

使い古した油のような癖に、やや強めの樽感。その上で軽さが目立つ不思議なウイスキー。ローランドモルトだろうか。樽香は近年寄りで、昨年信濃屋からリリースされたOMCオーヘントッシャン2000と同じベクトルのアロマがあった。 


(今回のブラインドは、後述するウイスキーショップ・ドーノックの協力で実施。色の濃いほうがオーヘントッシャン。薄い方のコメントはまた後日。)

ローランドモルト伝統の3回蒸留を今に伝える蒸留所、オーヘントッシャン。
3回蒸留を行ったモルトの特徴は、香味成分がその分少なくなることに起因しての奥行きの軽さ、ツンとした刺激を伴う口当たりでしょうか。
今回のブラインド含め、これまで飲んできた3回蒸留のモルトには類似の点があるように感じます。
悩ましい出題でしたが、テイスティングの中でその要素に気がつけたのが今回の大きな収穫だったと思います。

ローランドモルト(3回蒸留)のルーツは、アイリッシュウイスキーにあると言われています。
ローランド地方はウイスキーが消費される都市圏にほど近い立地から、かつてウイスキーの一大産地としてブームを呼び、アイルランドやスコットランド全域から移民があった中で、アイリッシュの3回蒸留もまたローランド地域に持ち込まれたのだとか。 ただ、考えてみるとオーヘントッシャン以外で3回蒸留をしていたローズバンクやセントマグデランらは既に閉鎖。ボトルがリリースされる機会も少なくなってきました。

近年ではダフトミルなどの新しい蒸留所で3回蒸留が行われているようですが、オフィシャルボトルが一般に出回らない限り、ローランドモルト=3回蒸留とは言い難い状況です。
ではローランドらしさはどこにあるのか。「軽い味わいにある」なんて言い切ってしまうのも、ただ軽いだけならスペイサイドやハイランドの一部蒸留所も近年は軽さが目立っており、少々強引であるような気がします。
とすると蒸留所を取り巻く気候が影響もしての樽由来の香味や発酵への影響を考えるのが妥当か・・・テイスティングを通じてあーだこーだと考えてしまいました。


さて話は変わりますが、自分はブラインドテイスティング推進派です。
テイスティングスキルの向上はもとより、関連情報に左右されない素のウイスキー評価に繋げるため、積極的にブラインドを取り入れています。
ブラインドテイスティングは一人では出来ません。この点については行き着けのBARはもとより、ウイスキー仲間から現在進行形で多くの出題を頂いているわけですが、さらに「純粋なブラインドテイスティング」を行うため、酒販店にサンプルの選定をお願いしてみることにしました。

ドーノックブラインド

この依頼を引き受けてくださったのは、50mlの小瓶販売に特化したウイスキー販売店「ドーノック」。
「たくさんの人にウイスキーを楽しんでもらいたい」「ウイスキーファンを増やしたい」という考えから、昨年末に福井県にショップを立ち上げたばかりで、ショップページは徐々に内容を充実させているところだそうですが、既に様々なコンテンツが公開されており、見応えのあるサイトとなっています。

株式会社ドーノック

サンプルは写真の通り50ml。解答は糊付けで厳封された封筒に入って届くため、開封するまで判りません。 ボトルも1本1本シールで封止されていて、非常に丁寧な仕事です。(業界法の関係から背面に中身に関するラベルが貼られていますが、到着時に第三者に剥がして貰っています。)
通常商品の購入以外に、例えば何かのイベントやテイスティングスクールなどで使うアイテムの相談をすることも出来そうです。

今回は自分が参加しているウイスキーの勉強会、The Whisky Diversの中で有志を募って実施。第一回目ということで試験的に実施して見たところ、「出題者が見えない」このブラインドはことのほか面白く、良い刺激となりました。 
改善点等踏まえ、今後もテイスティングサンプルをお願いしていく予定です。

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