カテゴリ

カテゴリ:テイスティング

グレンスタッグ 15年 1980年代流通 特級表記 43%

カテゴリ:
IMG_20191128_234738
GLEN STAG 
FINEST BLENDED SCOTCH WHISKY 
Aged 15 years 
1980's 
750ml 43% 

グラス:国際規格テイスティング 
時期:開封後1ヶ月程度 
場所:お酒の美術館 神田店 
評価:★★★★★(5)

香り:ねっとりとしたみたらしやカラメルを思わせるアロマ。スワリングするとほのかに熟成したモルトの林檎系のフルーティーさ、スモーキーさも垣間見れるが、基本的には熟成グレーンのそれである。

味:マイルドでスウィート、鼈甲飴、あるいはみたらし、熟成したグレーンの甘味と少しピリリとした刺激。濃さはあるがやや単調。じわじわとスモーキーさを伴うほろ苦いフィニッシュへ。

モルトは70年代のものが使われており、現代にはないしみじみとしたピートフレーバーを味わえるが、同時にグレーン感が強く、味は濃厚であるものの奥行きと広がりがもうひとつ足りない。レシピは近年寄り、グレーン7のモルト3あたりで、モルトは没個性的なハイランド主体か。。。

IMG_20191128_234815

ブレンドメーカーのGlen Talla社がリリースしている輸出向けブランド。今回のボトルは日本市場向けで、他に10年と21年がある、バブルの産物とも言えるブランドです。
元々Glen talla社は自社の名を冠する10年前後のピュアモルトや、ブレンド銘柄のテイサイドをリリースするなど、小規模ながら活動を行っており。。。
今回のグレンスタッグにしても、リリースされた直後(あるいはほぼ同時期)に、大手インヴァーゴードングループの傘下に入るなどし、現在も細々と販売が継続している銘柄でもあります。

特徴はなんと言ってもグレーン感。15年熟成表記は伊達ではなく、香味ともとろりと濃いめの甘味がありつつ、一方でグレーン比率の高さを思わせる奥行きの少なさにも繋がっているようです。
モルトもハイランドのなかでも没個性的なものが主体なのか、柔らかくはあるもののフルーティーさやモルティーさが目立つ印象はありません。ただ、少量ながら使われていると思われるアイラ系の原酒のスモーキーさが、味わいに多彩さを与えており、古き良き時代を思わせる個性としても感じられます。

先に書いたGlen tallaとしてリリースされていたモルトウイスキーにアイラ表記のボトルがあり、その系統と同じものと思われます。真偽のほどは定かではありませんが、それはラガヴーリンという話も。。。
なお、この年代で従価表記があるということは、税率の整理で高級品区分だったのでしょう。
コアなオールドラヴァーには物足りないかもしれませんが、マイルドで飲みやすいウイスキーは、飲み始めの方や現在のスモーキーさが苦手な方にオススメと感じる1本です。



ガイアナ ダイアモンド 15年 2003-2018 For BAR Rum & Whisky 49.9% 

カテゴリ:
IMG_20191205_183144
THE FINE GUYANA RUM 
Distilled at Diamond Distillery 
Aged 15 years 
Distilled 2003 
Botteld 2018 
For 10th anniversary of Rum &Whisky, Kyoto 
Support by Shinanoya 
700ml 49.9% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:不明
場所:自宅@サンプルTさん
評価:ー

香り:トップノートはキウイフルーツやシトラス、カリンを思わせる微かに青みがかった要素のある爽やかなフルーティーさに、ザラメのような乾いた甘さ、干し草のような植物感。奥には溶剤やハーブ、メンソール、若干の金属っぽいニュアンスも漂う。

味:口当たりはソフトであるが、ワンクッション置いてバニラやジャスミン茶、仄かに漂うやや固い酸味は若いシャルドネのよう。しっかりと個性を主張する開きがあり、その後強くウッディで、口の中の水分を奪うようなドライさ、枯れた刺激や渋みが主張し、飲むほどに蓄積していく。

熟成はリフィル系の樽を使ってカラメルなども添加しなかったのか、序盤はプレーンでサトウキビ由来のソフトで独特の癖を伴う味わいが楽しめる。度数が高い傾向があるシングルカスクラムで、50%弱のスペックというのも親しみやすさの後押しとなっている。一方で、後半は枯れたようなウッディさと強めの渋みが、熟成環境と期間を感じさせる要素であり、好みが別れる要素とも感じた。
なお香味とも甘味のなかにハーブやメンソール、また微かに柑橘系の果実を思わせる要素があり、贅沢にモヒートに使ったら面白そうでもある。

IMG_20191205_215736

ガイアナ共和国で1996年以降で唯一操業を続けるダイアモンド蒸留所(デメララ・ディスティラリー社)の原酒で、代表的な銘柄ではエルドラドやエンモア等。
某ドイツ系ボトラーが原酒を買い付け、その中から信濃屋及び、先日10周年を迎えた京都のラム&ウイスキー(つまり北梶バイヤーと定元オーナーバーテンダー)が選定したボトルです。

このダイアモンド蒸留所は同共和国内に創業していた複数の蒸留所の蒸留設備が移設され、デメララ・ディスティラリーズ社として立ち上がった経緯がある、言わば蒸留所の集合体です。
したがって、原酒の種類も蒸留器の数だけあり、それらによって作られた原酒が混合されて熟成されている模様。また、デメララ・ラムというと、多くはダークラムタイプで、黒砂糖やバニラを思わせる濃い甘味と、ラムらしいサトウキビ系の癖の少し残ったソフトな酒質が多くあるところ。今回は"繊細なデメララ"という真逆の位置付け。樽やカラメル添加等による後付けの風味ではなく、あえてそのベース部分の味わいにフォーカスしたようなリリースであり、ウイスキーで言えばリフィル系の樽で熟成させた原酒のようでもあります。

PRサイトには「ラム好きだけなく、ウイスキー好きにも薦めたい」というコンセプトが書かれています。
ラム&ウイスキーという店名からも伝わるように、両ジャンルに精通した定元さんだからこその提案でもあるわけですが、これは我々ウイスキー愛好家にとっては1歩先を行くリリースなのかなと。
個人的な感想になりますが、現在ウイスキーサイドからいくつかのラムが注目されており、それはニューグローブのようなコニャックを思わせる華やかさのあるタイプや、ダークラムなどの色濃く甘いシェリー樽熟成ウイスキーに通じる部分のあるタイプです。

同系統のラムについては、既に多くのリリースが市場にあるわけですが、ラムが今後さらに好まれ、ウイスキー愛好家に認知されていった時。じゃあベースの味はどうなんだろう?
と興味が沸くのは、すでにウイスキーであった流れと言えます。
あるいは、通常のデメララ・ラムを飲む前に、今回のリリースの経験があるのとないのとでは、どこまでが樽や添加物由来の香味で、どこからが酒質由来の香味なのか、という整理にも繋がります。
ラム愛好家にとっては興味深いリリースであると共に、ウイスキー愛好家にとっては手引きとなるリリースだと感じました。


今回、ウイスキー仲間のTさんから是非飲んで率直な感想を聞かせて欲しいとサンプルをいただきました。ラムについては評価軸が固まっていないため、通常のテイスティングにある★評価は避けますが。。。
ふと「このボトリングの意図や狙い」を考えた時、色々と腑に落ちたというか、素直に面白いボトルだなと思えました。
なおボトリングの意図についてもそうですが、それ以外にもいくつか気になる点があったのですが、それについては機会があれば質問させて貰いたいと思います。

グレンファークラス 19年 1999-2019 For J's BAR & 信濃屋銀座店 #7062 55.2%

カテゴリ:
FB_IMG_1574310825526
GLENFARCLAS 
THE NOSTALGIC DRAM 
Aged 19 years 
Distilled 1999 Dec 
Botteld 2019 Jun 
Cask type Refill Sherry Butt #7062 
For J's BAR & Shinanoya Ginza 25th Anniversary 
700ml 55.2% 

グラス:国際規格テイスティンググラス
時期:開封後数日以内
場所:ジェイズバー
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ややドライでハイトーンな香り立ち。粉砂糖にキャラメリゼ、スポンジケーキ、レーズンのアクセント。さながら焼き菓子のシュトーレンのようで、微かに香ばしさ、ほろ苦さも漂う。時間経過でドライフルーツを思わせる要素がさらに開く。

味:口に含むとスウィートでリッチ。とろりとした甘味は熟した杏子、キャラメルソース、樽由来の要素が始めに感じられ、徐々に強めのスパイス、やや青みがかったハイトーンな酒質由来の刺激が続く。余韻はウッディで、黒糖ふ菓子とカカオ粉末、軽い香ばしさと共にほろ苦く程よいタンニンを伴うフィニッシュが長く続く。

トーンが高く、酒質由来の骨格を感じさせるファークラス。いくつかのクリスマスモルト、特に1990-2000年辺りの系統のひとつ。ただし樽由来の要素であるシェリー感は中々レベルが高く、酒質の強さと樽由来の杏子やレーズン、洋菓子を思わせるオールド寄りの甘味を味わえるのが、このボトルがノスタルジック・ファークラスたる由縁だと思う。

※イベント中であったため、ボトルを撮影し忘れてしまいました。借り物の画像となります。氏曰く一緒に写っている水石が、ボトルのイメージとして重要なのだそうですが。。。WABI/SABIの世界は奥が深く、以下徒然と綴った自分の解釈が正しいのかは不明です。

IMG_20191115_214653

信濃屋銀座店、並びに池袋のジェイズバーが共に25周年を迎えることを記念し、銀座店の店長・堤さんが現地でカスク選定したジョイントボトル。
グレンファークラスでリミテッドと言えば濃厚なファーストフィルシェリー系が多くあるなか、かつ市場においても迷ったら濃い方を買うと言う傾向も見え隠れするなか。あえてリフィルシェリーを選ぶというのは、選び手の表情が見えてくるようなチョイスだと思います。

現実的なことを言えば、2000年前後の蒸留でファーストフィルシェリーの圧殺的な仕上がりのものに、突き抜けて素晴らしい原酒があるかというと。。。例えるなら下味の特にない肉に濃いソースで味をごまかしたような、それなりに食べれるけど一体感のない、無理矢理仕上げた印象が拭えない部分がどうしても残ります。
一方、リフィルバットであればシェリー感は淡くなっていても、ベースの樽が作られたのが70年代とか、昔の味わいを残している可能性はあり。今回のカスクはその系統だったのか、現代のそれとは違うフルーティーさが、熟成によって得られる角の取れた甘味と共に感じられる点がまずひとつ。

またグレンファークラスは、決して酒質がソフトとかマイルドなタイプではなく、むしろしっかりと強いタイプ。それ故、シェリー樽での長期熟成や加水を経てバランスが取れて仕上がるという傾向があります。
それは大きな岩が風雨と経年、あるいは自然の力で徐々に削られ、丸みを帯ていく様・・・つまり水石が作られているプロセスにも似て。リフィルシェリー樽由来の圧殺タイプではないフレーバーの中に、その削りきられてない"力強い岩の存在"が主張して見える点が、このリリースに込められたもうひとつの表情であるように感じられるのです。


近年、市場の状況、WEBによる情報伝達等の発達など、様々な変化によって「プライベートボトル」の垣根は間違いなく下がりました。
日本に居ながら、インポーターにメールで依頼し、カスクサンプルを取り寄せて、その中からボトリングする。10年くらい前までは、それをやること事態が特別だったプライベートボトルは、もはや昔ほど特別とは言えなくなりました。(もちろん、インポーターとの繋がりであるとか、金と覚悟が必要であるとか、決して気軽にやれるものではありません。)

プライベートボトルは間違いなくロマンです。ですが、上記のような効率化されたプロセスで選ばれたものに表情があるかというと、なにか物足りなさを感じてしまいます。嗜好品としてのウイスキーは情報と共に飲むものであり、バックストーリーは美味しさの引き立て役です。故に、最近増えてきた、特別なラベルでブランドを作る傾向は、ある意味で自然な流れと言えるのかもしれません。
そのなかで、自ら蒸留所で原酒を選定し、あえて売れ筋の濃厚系からはずし、中身にメッセージを込める。
個人的に今回のリリースには、選定者の不器用なプロ意識を見たように思うのです。

アラン 21年 ロックランザキャッスル エクスプローラーシリーズ 2nd 47.2%

カテゴリ:
IMG_20191125_224443
THE ARRAN MALT 
LOCHRANZA CATSLE 
THE EXPLORERS SERIES 
VOLUME TWO 
Aged 21 years 
Cask type Sherry hogsheads 
Amontillado Sherry Cask Finish 
700ml 47.2% 

グラス:グレンケアン 
時期:不明 
場所:BAR Eclipse 
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ドライで甘酸っぱく、発酵したような酸がトップノートに感じられる。淡くシェリーのニュアンスから干し草とオーク香。ブラウンシュガー、ドライイチジク、微かにハーブ。奥行きのあるアロマが広がる。

味:口当たりはウッディでややタンニンを感じる。合わせて甘酸っぱさのあるイチジクの甘露煮、薄めたカラメルシロップ、カカオ粉末。序盤はシェリー系のフレーバーがメインだが、余韻にかけてオーキーな黄色系のフルーティーさの戻りが複雑さを加えており、広がるように長く続く。

アランらしい素直で癖の少ない、樽由来のフレーバーとの馴染みの良いボトル。
香味のメインは、シェリー系の要素とアメリカンオークのフルーティーさが合わさった構成。香りのトップノートで多少酸が感じられるのが、フィニッシュに使われたアモンティリャード樽由来なのかもしれない。違和感はあまりなく、オフィシャルらしい完成度の高さも伺える。6回3失点以内のモルト。


リフィルシェリーホグスヘッドで熟成された原酒をバッティングし、アモンティリャードシェリーカスクでフィニッシュしたカスクストレングスのリミテッドエディション。9000本の限定生産。
このエクスプローラーシリーズは、スコットランドのミニチュアと呼ばれるアラン島(知らなかった。。。)の美しい風景を、ウイスキーと共に味わってもらうというコンセプトのリリースです。

今回レビューする第2弾はロックランザ城、昨年リリースされた第1弾は20年熟成のブロディック・ベイ。ブロディックはアラン島を代表する集落のひとつであり、港町であることから、まるで島の玄関口から続く旅のようなイメージですね。

ファーストリリースは以前イベントでちょっと飲みましたが、フルーティーで中々纏まりが良く、安定しているなという印象。
というか、アランからリリースが多い20年前後熟成のリミテッドは、大多数がまさに熟成のピークと言える、安心安定のアラン味(アメリカンオーク由来の黄色系フルーティーさと、適度な熟成感が備わった柔らかいボディ)に仕上がっていることが多く、今回の1本にしてもユーザーの好みから大きく外さない点が魅力と言えます。

その安定感と言ったら、最近リリースされた通常ラインナップの21年が、良い原酒をリミテッドに回して、その残りを使っているのかと思えるほどでもあるのです。
また不思議なことに、アランのリミテッドリリースでは、シェリー樽熟成のみの原酒からも、バーボン系の樽の熟成によって得られるオーキーなフルーティーさが感じられることが多く。使われている樽がアメリカンオークのシーズニングシェリー樽なのか、あるいは鏡板部分をアメリカンオークにしてあるのか。(恐らく前者)
何れにせよ、近年のシェリー味一辺倒にならない仕上がりは、好感が持てる構成なのです。


IMG_20191128_163131
今日のオマケ:サッポロ黒ラベル 東北ホップ100% & じゃがりこ 激辛インドカレー味

仕事のみならず帰省も含め、東北に足を運ぶことが比較的多い自分ですが、サッポロから東北地区限定で所謂"とれたてホップ"系のビールがリリースされているとは知りませんでした。2009年から発売されててもう10周年を越えてるんですね。
瑞々しくさっぱりとした味わいは、単に苦味がないとか、味が薄いというわけではなく。ぐいぐい飲めるけど、ビール飲んだっていう満足感があるのが特徴。これは美味しい缶ビールです。

で、問題だったのが隣にある激辛インドカレー味のじゃがりこ。キヨスクに陳列されていたので何も知らずに買ってしまいましたが、とんでもない辛さです。激辛系のお菓子の代表格、暴君ハバネロやカラムーチョなんて比較にならない。刺すような辛さから痺れ、スパイスの香りと駄菓子にありがちなチキン系のうまみ成分で食べ続けることは出来るのですが。。。1パック食べると、専門店で辛口以上のカレーを食べた後のように、胃の中が煮えたぎるスパイス感が持続する。
カルビーさん、これはせめて18才以上限定とか注意書きしないとダメでしょうw

なお余談ですがポテトチップスのジャンルには本当に「18才未満禁止」を宣言している激辛カレー味ポテチが存在します。
それはもうこのじゃがりこをさらに凌ぐ辛さで、屈強な肉体をもつ業界きってのマッスラー達が、たった1枚でひいひい言わされます(笑)。
ウイスキーのアテになるとはお世辞にも思えませんが、興味がある方は是非。

ベンネヴィス 20年 1996-2017 AQUA VITAE #2028 50.6%

カテゴリ:
IMG_20191115_200537
BEN NEVIS 
AQUA VITAE 
Aged 20 years 
Distilled 1996 
Bottled 2017 
Cask type Sherry Butt #2028 
700ml 50.6% 

グラス:国際規格テイスティンググラス
時期:開封後数日以内
場所:ジェイズバー
暫定評価:★★★★★(5)

湿ったようなウッディネス。ブラウンシュガーやドライプルーンの甘いアロマから、サルファリーでオロロソシェリーそのものが混じったような椎茸っぽさを感じさせる。
口当たりはリッチで、かりんとうの甘味からカカオを思わせる苦味がすぐに開き、そのままサルファリーさとビターなフレーバーが主体。余韻はややハイトーン。ウッディで熟成感がある一方、評価が難しい。

ビターな樽感とサルファリーさで、90年代ベンネヴィスに求めるフルーティーさは潰れている。これもシェリー樽の系統のひとつであるが、AQUA VITAEのラインナップでは異端。
レビューすべきか迷ったが、エピソード的に厚みがあったので掲載。カスク選定の難しさ、サンプル通りの味わいにならないこともままあるという1本。

IMG_20191115_200556

先月、ジェイズバーで開催された信濃屋およびAQUA VITAEによるテイスティング会にて。
90年代中頃のベンネヴィスといえば、経緯は不明ですが所謂ジェネリックトロピカルと言われるケミカルなフルーティーさが特徴として挙げられます。
それ故、ボウモアのトロピカルフレーバーや、ホグスヘッドの華やかなオークフレーバーを好む同社代表のAllen氏なら、このスペックのボトルであれば間違いなくそっちの系統をチョイスしているだろうと飲んでみると・・・全くイメージと異なる味わいに驚かされました。

本人がその場に居るのですから質問しない手はありません。
くり「ベンネヴィスだけ他のボトルとイメージが違うように感じるんですが。」
Allen「サンプルの時はもっとクリアなシェリー感だったのに、ボトリングしてみたらウッディな感じになってしまったんだ。」
くり「ちょっとサルファリーですよね?(控えめに質問)」
Allen「ちょっとじゃないよ、かなりだよ(笑)」
Allen「でも、海外のイベントとかで人によっては美味しいって言うんだ。だから1本くらいはこういうボトルがあっても良いかなって思うんだよね。」
まあ僕は好みじゃないけど、というコメントが飲み込まれたようにも感じましたが、なるほどなあと。

この手の話は、樽の中身は場所によって味が異なる(樽感が一定ではない)ということからくる”ボトリングの罠”です。
樽の中のウイスキーは、樽の木材に触れている部分が濃く、ウッディであり。中心部分はクリアである傾向があります。これが熟成が長い樽であればあるほど全体が均一になってくるのですが、スコットランドで20年クラスのものは、その差が大きいのでしょう。
樽の”中取り無濾過”とかできれば良いんですが、払いだしの際は全部混ざってしまいます。結果、他のサンプルでも、カスクサンプルとボトリングのもので味が違うことはよくある話です。
(故に、店頭でサンプルを飲む場合は、これがカスクサンプルなのか、ボトリング後のサンプルなのかを確認すると誤差を減らせるという訳です。)

IMG_20191115_204322

という話は、自分の英語力では残念ながら翻訳することが出来ず。。。その場に居たウイスキー仲間も断念し、伝えることができなかったのですが、ボトラーの選定者が、どういう狙いで樽を選び、その結果に対してどういうイメージを持っているのかという感想まで聞くことができた。非常に実りの多いイベントだったと思います。

日本という国は、高度経済成長からバブル景気にまたがる洋酒ブームからの、不景気とウイスキー冬の時代の到来。また、日本の洋酒ブーム時には本国側がウイスキー冬の時代にあったという点も重なり、この落差が多くのオールドボトルを日本国内に産み出す結果になりました。
では台湾はどうかというと、アジア向けのボトルは多少ありますが、日本が埋蔵する在庫量とは比べ物になりません。
そうしたなかで、気軽にオールドを飲めないなら、自分がそれに近い味わいのものをリリースしたいと考えたAllen氏の行動力に、あれこれ動いている自分もエネルギーを貰えたようにも感じました。
近い将来、自分が関わったリリースが出た暁には・・・逆に感想を聞いてみたいですね。

このページのトップヘ

見出し画像
×