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BLUE HANGER 
YEARS 25 OLD 
LIMITED RELEASE SCOTS WHISKY 
Bottled 2003 
”First Release"
700ml 45.6% 

グラス:テイスティンググラス
場所:ー
時期:不明
評価:★★★★★★★(7)

香り:しっとりと角のとれた柔らかい甘さのなかに、やや枯れた要素のあるオールドシェリー香。サルタナレーズンやドライアプリコット、あるいは林檎のカラメル煮。微かにナッティーでシナモンのようなスパイスも仄かに漂う、多層的なアロマ。

味:香り同様に枯れた印象を感じさせるドライな口当たりだが、同時にダークフルーツや黄色系の果実に通じるフルーティーな甘味が、樽由来の濃い紅茶を思わせるニュアンスと共に感じられる。
徐々に徐々にウッディでオーキーさもほのかにあるが、タンニンが強めに残るビターなフィニッシュ。

リフィルシェリー樽で熟成したスペイサイドモルトの風味そのもの。圧殺ではなくほどよく効いたシェリー感、年数表記より長い熟成期間を感じさせる枯れた要素がフルーティーさのなかにあり、系統としてはGMのケルティック等で見られたタイプ。今のリリースには見られない味わい深さ、美味。

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2003年、英国で最も長い歴史を持つワイン商として知られるBB&R社が、所有する原酒のなかでも特別なものを使って仕上げたというブレンデッドモルトのリミテッドエディション。
この時期のBB&Rは、カティサーク25年に加え、シングルモルトボトラーズとしてのリリース開始するなど、ウイスキーのブランド戦略を大きく変更。ブルーハンガーは同社におけるブレンデッドの最高峰として、2019年現在で11作を数えることとなります。

ブルーハンガーのブレンドは同社が保有する原酒を用いるものの、シリーズを通じて必ず使う原酒が決まっておらず、ロット毎に異なる仕様や味わいに仕上がっているのも特徴です。
初期のものはシェリー樽熟成の内陸原酒を中心にブレンドしており、真偽は不明ながら1stリリースは僅か700本のみで、構成原酒はグレングラントとグレンリベット。2ndリリースについても蒸留所は同じ構成で、こちらは1974年蒸留の原酒で構成され、樽はシェリーバットとホグスヘッド、1000本限定。ここから徐々に使用する原酒の種類、生産本数が増えていくこととなります。

仮に今回の1stリリースを上記の構成としても、香味の印象からあまり違和感はありません。古き良き時代を感じさせる贅沢な構成が、しみじみと美味しい。
自分が飲み始めた頃に市場にあったブルーハンガーは4th~6thあたりで、既にその頃にはあまり良質なシェリー感とは言い難い状況になっていおり。当時の自分はこれがフラグシップなのかとも疑問に感じていましたが、こうして1stリリースを飲んで見て納得。これは確かにレベルが高いです。

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なお、同じ時期にBB&Rからリリースされたものでは、写真上のカティサーク25年のファーストリリースも、シェリー系の原酒のキャラクターが強く感じられるブレンデッドモルトです。
ただカティサークのほうがシェリー感が強く、ブルーハンガーはリフィルシェリーオークで熟成したようなフルーティーさもしっかりと備わっていて、原酒の系統の違いとして感じられます。


普段立ち寄らない遠方の地で、素晴らしいボトルに出会うことが出来ました。しかもモノは貴重なファーストリリースかつ、当時の価格を基準にしたと思われる1ショット設定は、都内じゃ考えられません。良いもの飲ませて貰いました。
店名については公開の確認をBAR側にしていませんでしたので伏せさせて頂きますが、外観、内装とも雰囲気あるBARで、チャームもご当地の旬のもの、縁のものが使われる我々外部の人間にとって嬉しいサービス。次の日がなければ看板まで腰を据えて楽しみたかった。。。

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