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ウイスキー飲みの間では、聖地と呼ばれるBARが日本の各地にあります。
その一つ、西の聖地と呼ばれているのが、神戸は三ノ宮駅前にある「メインモルト(Main Malt)」。
その名の通りメインはウイスキーで、カクテルに関しては「ウチじゃなくて他のお店で頼まれたほうが・・・」と言うほどのウイスキー専門店。現行品からオールドボトルまで数多くのボトルが揃っているだけでなく、ここでしか飲めないものも多数あります。

BAR Mail Malt (メインモルト)
営業時間:17時〜25時(平日) 15時〜24時(土日祝日)
定休日:不定休(月一回程度)
TEL:0783317372
住所:兵庫県神戸市中央区北長狭通2-10-11-B1F

このBARのラインナップや雰囲気については、私などがあれこれ語るのもおこがましいので、実際に見ていただくのが1番。
というわけで、まずは以下の写真2枚をご覧ください。
2枚目の写真だけでもバックバーとしてあれば圧巻ですが、これはサブの棚。1枚目の写真に写っていない、椅子に座った際の背後にある棚なんです。
他にも写っていない棚があり、一度足を踏み入れたその先は、ウイスキー好きの桃源郷、多種多様なボトルに四方を囲まれた空間が待っています。

自分は東京在住なので、あまり通うことはできませんが、妻方の実家が関西方面なので、帰省ついで等、だいたい年に1〜2回は来店させてもらっています。 
その際のルーチンとなっているのが、1杯目にハウスウイスキーのハイボールを飲みながら、チャームとして出てくるハムサンドを食べること。
ここのハイボールは所謂関西式で、キンキンに冷やしたウイスキーとソーダで作る、氷なしのスタイル(オールドブレンドなど、冷やしてないボトルは氷入りで作ります)。特別何があるわけでもないんですが、まずはこれで準備運動。

メインモルトのハウスウイスキーはフェイマスグラウス・・・だったのですが、先日注文したところ、アイリッシュウイスキーのブッシュミルズかジェムソンに。
「あれ、フェイマスはどうしたんですか?」
と聞くと「雷鳥は遠くに飛んで行ってしまったんや・・・」との返し。
マスターの後藤さんは、かつてはベンリアックに心酔して、それこそ聖地と称されるほどカウンターがベンリアックのリミテッドリリース一色になっていた時代もありましたが、最近はアイリッシュに宗教替えした模様。(背面の棚の上段に、その名残が見られます。)
バックバーの一部もアイリッシュ比率が増えていて、先日も現地蒸留所を訪問されるなど、その魅力を肌で感じていたようです。

ならば見せて頂きましょうか、アイリッシュの実力とやらを。
と、後藤さんがダブリンのティーリング蒸留所で購入してきた、バリンチボトルを1杯。
確かに美味い。ティーリングシリーズの長期熟成はフルーティーで美味いボトルが多いですが、これはシェリー系アイリッシュの中でも群を抜いて素晴らしい。
シェリー樽の質も良く、充実した1杯に仕上がっています。


写真で伝わるように、メインモルトには現行品からオールドボトルまで、とんでもない量のボトルがあり、中には都内のBARなら瞬殺されてるようなボトルも結構残っています。(例えば、アードベッグの70年代カスクとか、エデンのボウモアとか。)
せっかくなので、そうしたストックから「飲み頃なボトルはないですか?」と大雑把な注文をしてみました(笑)。
なんかあったかなーと棚を漁って出てきたのが、懐かしいBBRの3本。
少し緩くなっていましたが、今にはないシェリー感で懐かしい気持ちになれました。
他にも本当にレアなボトルが、目立たないところにしれっと転がっていたりするので、来店の際には宝探し気分で楽しんでほしいです。

後藤さんは日本のボトラーズであるWhisky Hoopの主幹事も勤められているため、当然このBARではフープのボトルも楽しむことができます。この訪問時はシメの1杯に同ボトリングのグレングラッサ1976を頂きました。
ただそれらを強制しない、自然体なキャラクターが、これだけのボトルに加えて聖地と呼ばれる場所でも、肩肘張らずにウイスキーを楽しめる雰囲気を醸し出しているように感じます。
だからついつい長居しちゃうんですよね〜。

実はこの記事が更新される12月5日も、前日から仕事で神戸に居るのですが、運悪く不定休の定休日にヒット。まあ仕事の出張ですし、素直にホテルに向かいますよと、訪問はお預け・・・。
そんなわけで、こうして前回訪問した際の記事だけでもUPして、気分を紛らわせておきます。
後藤さん、次回来店時もよろしくお願いします!
(入り口のドアが花と動物の木箱でデコレートされているのも注目。)