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ブローラ 34年 1982-2017 リミテッドエディション 51.9%

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BRORA
Limited Edition
Aged 34 years
Distilled 1982
Bottled 2017
Cask type Refill American Oak Hogsheads
700ml 51.9%

グラス:サントリーテイスティング
場所:BAR飲み@Y's Land IAN
時期:開封後数日程度
暫定評価:★★★★★★(6-7)

香り:穏やかな香り立ちで酸味のある麦芽香、メレンゲ、ワクシーな甘みと若干の湿り気を伴うウッディネス。蜂蜜レモンやから柑橘系のニュアンスの奥から、燻したようなスモーキーさと土っぽさも感じる。

味:スムーズだがドライでスパイシーな口当たり。徐々に蜂蜜、麦芽の甘み、香り同様ワクシーでコクがある。果実味は砂糖漬けレモンピールのアクセント、やや青みがかったニュアンスも感じる。
余韻はドライでウッディ。干草、オークのえぐみ、淡いスモーキーさとスパイシーなフィニッシュ。

全体的に熟成によるまとまりの良さを感じる、ワクシーでモルティーな味わい。
アイラ系を目指したスモーキーで獣のようなブローラではなく、飼い猫のように大人しくなった頃のキャラクター。やや過熟気味なニュアンスも感じられ、熟成のピークと共に一つの時代が終わろうとしている。


1983年、グループ全体の生産調整を背景に閉鎖されたブローラ蒸留所。しかしシングルモルトとしての個性は愛好家から高く評価されており、今作でリミテッドリリースは16本を数えます。
他方、これだけリリースされていると、そろそろ使える原酒が尽きるのではと噂される中。2017年には再稼働が発表され、いよいよ閉鎖前の原酒を用いたリミテッドリリースは最後になるのではないかとも言われています。

補足:先日発表された2018年のスペシャルリリースラインナップには、ブローラ、ポートエレンの銘柄がありません。原酒不足もさることながら、同社のスペシャルリリースは閉鎖蒸留所の長期熟成原酒、あるいは稼働蒸留所の卓越した原酒を中心ににリリースすると位置づけられているためと考えられます。

(ついに再稼働に向けて動き出した、ブローラ蒸留所。どのようなスタイルの原酒が作られるのか、今後の動向に注目したい。Photo by K67)

ブローラとクライヌリッシュの関係は非常に有名なエピソードであるため、今更語るまでもないとは思いますが、今後の話含め避けて通れない部分もあるため、ざっと触れていきます。
ブローラは元々クライヌリッシュ名義で稼働していましたが、1960年代後半から1970年代にかけてディアジオの前身たるDCLが傘下蒸留所への積極的な設備投資を行なった結果、ブローラでは1968年に敷地内にまったく新しい生産設備が稼働。ここで新設された生産設備をクライヌリッシュ、元々あった古い設備は地名であるブローラとなり、両設備で原酒が生産されていきます。

この時、これまでブローラで作られていたライトピートでハイランドタイプな構成も、名前と共に新設備側へ引き継がれ。ブローラはブレンド用原酒の確保の為か、アイラモルトを模したヘビーピート路線を進むことになります。
当時のモルトは総じてピートフレーバーが強かったものの、クライヌリッシュ時代のブローラがヘビーピートだったかというと、そこまでではありません。

1970年代は、そういう意味で両蒸留所とも順風満帆だった時期。特に1970年代前半のクライヌリッシュ、ブローラの出来は秀逸で、フルボディで長期熟成にも耐える、愛好家垂涎のリリースがボトラーズ含め多数並びます。
1970年代後半のブローラは少しトーンを落としたものの、まだまだ明確なキャラクターを備えていた時期。一方1980年代に入るとウイスキー業界冬の時代の到来と、ライトウイスキー市場を意識してかブローラからピートの香味が弱くなっていき・・・そして1983年、ブローラは閉鎖されクライヌリッシュだけが残り現在に至ります。

こうした時代背景から今回のリリースを見ると、やはり1980年代のブローラ故にピートフレーバーは穏やかで、ワクシーな麦芽風味をベースにリフィルオークらしい品の良いフルーティーさが感じられる、現クライヌリッシュを思わせる構成であると言えます。
これは昨年リリースされたスペシャルリリース・ブローラ38年1977-2016とは明確に異なるスタイルで、仕込み時期の違いがキャラクターに大きく現れています。

(BRORA Aged 38 years 48.6% 700ml オイリーでドライアプリコットや少し発酵したような酸味を伴う麦芽風味と、土っぽさに通じるピートフレーバーが主体。萌木の村 Bar Perchにて。)

とちらのキャラクターが良いかというと、今回のリリースはまさに閉鎖間際のブローラのスタイルが行き着く先として楽しめるもの。リフィルオークの熟成でじっくり時間をかけて作られた、さすがディアジオさんのハイエンドというバランス感です。一方、これは好みの問題もありますが、やはり"ブローラ"はヘビーピートスタイルも味わいたいと思うのは、自分だけではないはず。。。

今後稼働する新生ブローラはどのようなスタイルを目指すのか。60年代のキャラクターは麦の品種や様々な要因から多くの蒸留所で失われて久しいわけですが、願わくばブレンド向けでニュートラルな酒質にならず、70年代のブローラを思わせる構成を目指してほしいと思っています。

ブローラ 30年 リミテッドエディション 2010 54.3%

カテゴリ:

BRORA
Limited Edition
Aged 30 years
Bottled 2010
700ml 54.3%
   
グラス:グレンケアンテイスティンググラス
量:ハーフショット
場所:BAR飲み@エクリプスファースト
時期:不明
評価:★★★★★★(6)

香り:やや酸味と青さのある香り立ち。干し草にツンとした刺激、徐々に乾いたウッディネスからワクシーな甘み、ほのかにスモーキーで土っぽいアロマも開いていくる。

味:とろりとした口当たりから、やや青さのある麦芽系の甘さ。バニラ、乾いた牧草、胡桃のようなほろ苦さとじわじわスパイシー。コクのある味わい。余韻はドライで焦げたようなピートフレーバーが広がり、ほのかな植物感を伴うビターなフィニッシュ。

ブローラというよりはややクライヌリッシュ寄りの味わいが主体だが、余韻にかけてピーティーでらしさも感じられる。ストレートで充分バランス良く熟成感も感じられ、少量加水するとさらに麦芽系の甘みがメインになってくる。


失われた蒸留所、ブローラ。先日のクライヌリッシュ(花と動物)繋がりで、先代クライヌリッシュであるブローラのオフィシャルボトルを記事にしていきます。
こちらもご存知の方が多いとは思いますが一応前置きとして・・・ブローラはかつてクライヌリッシュとして操業していた蒸留所。増産体制を取るべく1967年に新しい蒸留所が建設され、その蒸留所がクライヌリッシュとなり、旧クライヌリッシュはブローラと名を変えて1967年から1983年までは平行して稼動していました。

ブローラの特徴は、ピーティーで荒々しく、ある種野生的とも言えるような力強い味わいが魅力として知られていますが、全ての期間がそうだったわけではなく、1970年代を中心とした10年前後の期間に限られるキャラクターとなっています。
クライヌリッシュとして稼動していた期間、すなわち1967年以前はオールドハイランドスタイルで、ピーティーですが染み込むような味わい。そして1980年代は総じてピートが弱まり、キャラクターもクライヌリッシュを思わせるワクシーな麦芽風味に草っぽさが混じるような構成の樽が増えていきます。
元々はブレンデッド用に使われていた原酒が、その役割を終えて新しいキャラクターを確立したものの、時代はやがてウイスキー冬の時代、魔の1980年代へ。当時のDCL社の主要な原酒のひとつとしてクライヌリッシュは生き残りますが、ブローラは1983年に100年以上続いた歴史に幕を下ろすこととなりました。

さて、今回のボトルは2003年ごろからディアジオが毎年リミテッドエディションとしてブローラに残された原酒を使って作っている、カスクストレングスのシングルモルトです。
2010年ボトリングで30年モノ、味の傾向から1970年代前半よりも1980年頃の原酒をメインに使ったのではと思われるスタイルで、上述のブローラらしい魅力全開というより、ちょっとピーティーなクライヌリッシュという感じですが、余韻にかけてはそうした時代の片鱗も感じることが出来ます。
近年のブローラはすっかり高嶺の花になってしまいましたが、今とは異なるそのキャラクターは唯一無二の個性だったと思います。

IMG_3375
ちなみに、今もブローラの稼動が続いていたら・・・なんて思うのは愛好者の性。その可能性を一つ形にしたのが、今年の初めにリリースされていたクライヌリッシュのラガヴーリンカスク熟成。荒さの残る仕上がりながら、ブローラの姿に味わいを重ねた愛好者は少なくなかったのではないでしょうか。(テイスティング@BAR LIVET)


ここ最近ずっと激務が続いているくりりんです。
特に8月頃から1週間のうち2~3回深夜タクシー帰りが当たり前になってしまいました。1時2時くらいの帰宅なら全然書けるんですが、流石に連日4時退社では筆が追いつきません。。。土日もどちらか普通に出勤してますし。そんなわけで記事更新が飛び石になりがちです。そしてコメントにも返事が出来ておらず申し訳ございません。
昨日は朝5時退社で帰宅後シャワー&着替えからの東京駅、一睡もしないで新幹線に飛び乗って日帰り出張です。新幹線寝過ごさないでよかった(笑)
最新リリースのテイスティングもろくに出来ていないのはもやもやする気持ちになりますが、まずは一家の大黒柱として家庭が第一、そしてそれを維持するための仕事ですから、仕方ないですね。
まあそれにしても、来週は1日くらいBAR飲みでもしにいきたいです。

ブローラ 35年 2014's リミテッドエディション 48.6%

カテゴリ:

BRORA
Limited Edition
Aged 35 Years
Bottled 2014
48.6% 700ml

グラス:グレンケアン
量:30ml程度
時期:開封後1年程度
暫定評価:★★★★★★★★(8)

香り:華やかでワクシー、リッチな麦芽香に、粘土質な土っぽさ、上品な酸味とピート香の混じる香り立ち。淡くスモーキーでドライアプリコットやドライパイナップルを思わせる果実香。時間経過でカラメルプディングのような甘さも感じられる。

味:とろりと分厚い麦芽風味、バニラ、砂糖漬けのレモンピール、ドライオレンジ、徐々に乾いた干し藁、レザーのニュアンスもある。複雑でバランスが良く、後半はスモーキーフレーバーが鼻腔に届く。
余韻はウッディーでややドライ、土っぽいピートフレーバー、麦芽風味に混じる柑橘のニュアンス。ジンジンと舌を刺激しながら染み込む旨味。余韻の長さまで含め綺麗な仕上がり。

カリラ、クライヌリッシュ、ローズバンク、ダルユーイン。。。最近のディアジオの最上位グレードに共通して見られる、樽感が過度に主張せず、しかしボディや熟成感があって全体的に整っている。バランスが良い、完成度が高い、とはこういうかと感じる1本。
例えるなら一流料亭が丹精込めて作った懐石料理、京料理のようでもあります。

ブローラのリミテッドにフォーカスすると、そもそもブローラはクライヌリッシュとの並行稼働時の1970年代は「アイラモルト」の代替とも言える、ヘビーピートでパワフルな酒質が魅力の一つ。特に1970年代前半の原酒が使われていた初期の頃のリミテッドはそうした特徴が強いものの、1970年代後半蒸留に切り替わった最近のリミテッドはやや個性が穏やかで、らしさも感じますが「ディアジオ上位グレードの味」がより該当してくるように思います。

こういう綺麗な味をブローラに求めるかどうかという、ハウススタイル的な嗜好の問題はあります。
ブローラのラベルには山猫が描かれており、野性味溢れる70年代前半は山猫と言えますが。。。某社のS氏いわく、特に2015年リリースのリミテッド37年は弱腰だと言う意見も(笑)
しかし既に閉鎖した蒸留所の30年オーバーの原酒で、1ロット何千本を毎年毎年これだけのバランスで作り上げるディアジオの力と貯蔵量・・・。冷静に考えると相当凄いことです。

ブローラは2002年にリリースされたファーストエディションから、毎年リリースされる毎に価格が上がり、今年発売の38年はファーストの約15倍という途方も無い価格帯となってしまいました。
1ショット幾らになるかは正直考えたくないボトルですが、他方、直近リリースされたブローラ・リミテッドエディションを「一口でも飲んだことがあるかないか」という1か0の話にすると、フェスの有料試飲等でディアジオさんが大盤振る舞いされているので、飲まれた事がある方は意外と多い印象です。

こういう活動を含めて、日本のウイスキー業界を冬の時代から支えてきたディアジオの凄さが身に染みてわかるものの、なんだかディアジオマンセー感溢れる記事になってしまった気がするので、今回はここらで筆を置くとします(笑)。


追記:ブローラ繋がりで近況を一つ。先日北の名店の1つに野暮用で連絡させて貰ったところ、ブログも読んでますよと返信が。
最近めっきり北の地が疎遠になってしまい、寂しい限りです。
来年こそは何処かで。。。

ブローラ 24年 1982-2006 GM コニッサーズチョイス 43%

カテゴリ:

BRORA 
Gordon & Macphail 
Connoisseurs Choice 
Aged 24 Years
Distilled 1982
Bottled 2006
Cask type Rifill Sherry Butts
700ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml
場所:自宅(サンプル@マッスルKさん)
時期:不明

【ブラインドテイスティング】
地域:ハイランド
蒸留所:ミルトンダフ
蒸留年:1980年ごろ
熟成年数:10~15年程度
樽:リフィルシェリーバット主体
度数:43〜46%程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:昔かいだことがある香り。青みがかった植物感、ハーブ、麦芽香、ほのかにレザー。
時間経過でリンゴっぽさ、おしろい、よりエステリーなフルーツが開く。

味:ピリピリとスパイシーな口当たりから、粥を思わせる麦芽風味、青みがかった植物、蜂蜜の甘み、ほのかに塩気を思わせるコク。
余韻はビターで穀物系のほろ苦さと、土っぽいピートが染み込む。

【総評】
単一気味だが樽が複数使われたニュアンスがあり、バッティングで加水っぽいシングルモルト。どこかで飲んだことがある青みがかったアロマが判別できず悔しい。
また、保管状況の影響か若干コルク臭があり、特級時代まで遡るまで古くはないがおそらくコルクキャップ仕様のボトルではないか。

ウイスキー仲間のマッスルKさんからのブラインドテイスティング。Kさんのブラインドは前回2問とも外しており、今回は名誉挽回と行きたかったところ・・・ですが、 今回も見事に撃沈。
とはいえこのブログでは初のブローラ掲載です。貴重な機会、しっかりと記事にさせていただきます。

ブローラはご存知クライヌリッシュ蒸留所の名称で稼働していたところ、現クライヌリッシュの建設を受けてブローラ名称となり、その後暫くは2蒸留所が稼働していましたが1983年に閉鎖しています。
自分は1960年代からしか、旧クライヌリッシュ含むブローラのキャラクターは知りませんが、1960年代はアインシュリーズなどのブレンデッドにも使われていたためか、華やかでモルティー、旨味の濃い味わい。
1970年代はハイランドスタイルでありながら、荒々しく無骨、酸味を伴うピートフレーバーに、島系のモルトに通じる強い個性と魅力を感じる。通常ブローラらしい味わいは、この辺りのビンテージを指すことが多いという印象。
そして1980年代は、ウイスキー不況により様々なところに販売しやすい穏やかな原酒製造にシフトしたのか、現クライヌリッシュに近いキャラクターとなり、今回のボトルのようにガラリとキャラクターが変わるのが特徴です。
(1965年、まだ名称がブローラに変わる前の蒸留。このW&Wのクライヌリッシュ1965は、個人的にブローラの中で5指に入る。)

今回のボトルはまさに1980年代、閉鎖間際のブローラの味わいで、言われてみれば納得。実は過去に何度か飲んだボトルで、この辺のビンテージの特徴はわかっていたはずですが、ブローラなんて出ないだろうという先入観から、すっかり抜け落ちていました。

ブラインドではハイランド予想の際にクライヌリッシュも頭をよぎるも、ピートに違和感を感じて除外。
結果、1990年代あたりに流通していた、オフィシャルのミルトンダフ12年トールボトル、あれなんかこんな感じで青い麦芽風味とほのかなピートフレーバーだったし、蒸留時期もぴったり、味わいもバッティング加水っぽいからと、ボトル指定に走って熟成年数も間違える結果に。
この手の要素は独立させて考えるべきだと分かってるのですが、つい。。。

その他の要素としては、今回の仕様はGMやシグナトリー等でたまに見られるRifill Sherry Butts表記。同一種類で同一ビンテージでありつつも、複数の樽が使われているバッティング加水であり、そのあたりの印象、樽の種類、蒸留時期などは印象通りでした。
色気を出して間違ってしまいましたが、自分の感覚が思い切り外れていたわけではないテイスティングだったのは収穫だったと思います。

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