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今回紹介するGOSSEさんは、9月にリニューアルオープンしたばかりの新しいお店です。

リニューアルと書いたのは、お店としては2000年頃から目黒にあったのですが、以前はお姉さんのいるカジュアルバーで、ウイスキーは我々ウイスキードリンカーからすればお察しくださいという内容だったとのこと。
それが今年6月に一度閉店。現在のオーナーがご兄弟で店を引き継ぐに事となり、そのお一方がウイスキー愛好家だったため、ウイスキーも楽しめるお店に劇的ビフォアアフター!
オーセンティックバーというよりカジュアル ウイスキー バーとして、9月1日に晴れてリニューアルオープンされた、という流れになります。


BAR GOSSE Meguro (ゴス)
営業時間:19:00〜23:30
定休日:日曜日
WEB:https://m.facebook.com/pg/gosse.meguro/about/?mt_nav=1
TEL:03-3779-9779 

お店の立地は目黒通りと山手通りの交差点すぐそばという、駅からもほど近いところ。看板が小さく、外観ややカジュアルなので見逃してしまうかもしれませんが、よくある路地裏一本入るような迷う場所ではありません。
また、以前は豹柄の壁に赤い照明という「いかにも」なルックスだった店内は、木目調でカジュアルな空気を残しつつ、何よりバックバーに鎮座するウイスキー群で旧店舗との違いは明らかです。 

 
オーナーである油井さんとはFacebook繋がりで、BARオープンについて伺っていたものの、中々伺えておらず不義理を詫びにいざ来店。
まずはお約束のハイボールから。こちらのスタンダードはジョニーウォーカーですが、ただのジョニーではなくオールドボトルの特級時代。いいですね、オールド好きの自分としては嬉しくなってしまうチョイスです。


ハイボールを美味しくいただきながら、今日はどんな組み立てで飲もうかなとバックバーを物色していると、「そういえばこの辺は飲まれてないですよね、イギリスでは相当人気みたいですよ」と、出てきたのは意外な1本。アイリッシュウイスキーはレッドブレストのシェリーカスク。
アイリッシュらしい素直な酒質に、こってりとしたシェリーカスクで、確かにいかにも本国で人気が出そうな感じです。

油井さんは、ウイスキー愛好者としての活動はそれほど長くないものの、ここ数年間で購入された量はかなりのもの。上記レッドブレストのように、海外からの個人輸入もされていました。
そのため、バックバーのウイスキーはここ5年間でリリースされたシングルモルトが中心となっており、そこにオールドはオフィシャルやブレンデッドの間違いないところが少々という陣容です。

(ウイスキー愛好家の間で評価の高いアバフェルディ28年やシガーモルト・モートラック18年。オーナーの好みでシェリー系のボトルが多いが、アードベッグ21 年、マスターピースのラフロイグ等話題のアイラモルトも揃えている。カティサーク25年 やロイヤルマイル40年はオススメの1本。)


先述の前店舗の経緯もあり、このBARの客層はウイスキー好きというより「ライトなお酒好き」の方が多いそうです。
もちろんウイスキー好きもオーナーの交友関係や口コミから徐々に増えているものの、GOSSEでは、そうしたウイスキー入門者に位置付けられる方々から、我々愛好者クラスまで広くウイスキーの楽しみを広めたいと、様々な工夫をされています。

その一つが以下、ウイスキーのメニューで、ボトル仕様や1杯の価格に加えてテイスティングノート、さらにはボトルを番号で注文できるというシステム。


これが結構ハマっているそうで、旧店舗 時代からの常連が、ウイスキーの美味しさを覚えて「今日は〇〇番で」と注文されることも多く、1番人気は41番、ダンカンテイラーのダルユーインなのだとか。
テイスティングコメントは、オーナーご自身のもの以外に、日本有数の飲み手である"ストイックドリンカーの日々"のT.Matsukiさんと、僭越ながら私くりりんのブログから引用されています。
自分の書いたコメントが、実際にお酒と飲み手の架け橋となっているのを見ると、光栄であり嬉しいですね。

この他、お客さんが注文されたボトルから、似たような味のモノや比較してほしいボトルを少量サービスでサーブされることも多く、価格もかなり勉強された設定になっているため、ついつい飲み過ぎてしまうことも(笑)。
これまで2回伺いましたが、どちらも終電間際までお世話になってしまいました。


BAR GOSSE Meguroはウイスキー愛好家はもとより、昨今のブーム等でウイスキーに興味を持ち始めた方々が、色々飲んで世界を広げていける、そんなきっかけの一つになれるお店だと思います。
雰囲気のあるアンティーク、洗練されたカクテルなどを求める空間ではありませんが、その分間口が広く、肩肘張らずにお酒を楽しむことができると感じます。

なお、オーナーは別業がある関係で日によってお店に出ていない場合もあり、もしウイスキー目的に来店される場合は、事前に電話やFacebookなどで確認されると良いと思います。