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グレンマッスル No,3 テイスターコメントやBAR入荷情報について

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4月13日に発売された、グレンマッスル No,3 New Born Little Giantおよびその構成原酒。
現在の社会的状況下でのリリース故、不安はありましたが、まさかの数分で完売。
今回のボトルは、イベント等で事前に飲む機会もなく。3作目とはいえ、素性のよくわからない決して安くもないウイスキーに、ここまでの関心を持っていただけて本当に感謝です。

SNSを見ると、買えなかったけど飲んでみたい、どこのBARで飲めるのかわからない。オフィシャルの○○に比べたら割高なのではないか等の様々な反響もありました。
飲めるBARについては、これまで第1作、第2作でも掲載しており、今回も可能な範囲で情報をまとめましたのでこの記事で紹介していきます。
また、先に公開したNo,3のレビュー記事では、ブレンドの行程や三郎丸蒸留所の紹介を主としており。”グレンマッスルとは”の部分を省略していましたので、メンバーのコメントと合わせて改めて記事にまとめたいと思います。

※記事構成
・グレンマッスルのブランド位置付け
・テイスターレビュー(座談会形式)
・グレンマッスルNo,3が飲めるBARリスト

※参考:本ブログでのレビュー

■グレンマッスルとは
グレンマッスルはウイスキー好きのためのオリジナルブランドであり、愛好家が飲んで楽しめるような、笑顔になるようなリリースを目指しています。それは何を基準としているかというと、オフィシャルスタンダードとは異なる領域で、”美味しいだけでなく、ちょっと尖った魅力のあるリリース”であることです。

尖った要素としては、ワクワクするようなバックストーリーや、あるいは特定の個性を強調するような、オフィシャルのそれとは異なるバランスであるとかです。
従来、このジャンルは主にボトラーズリリースが担っていた領域です。
もちろん現在もそうなのですが、原酒の枯渇や価格の高騰から、選択肢は減少傾向にあります。予算を増せば手に入るのは当たり前ですが、ボトラーズメーカーを介して1万円前後という価格帯で、該当するリリースを実現することは困難な状況と言えます。 

ならば自分達で作ることは出来ないか。具体的には国内蒸留所やウイスキーメーカー協力のもと、彼らが保有する原酒を用いてメンバーがブレンドやリリース全般の監修、テイスティング(評価)等を行うもので。。。言い換えると、実例と共にメーカー側に愛好家としての意見を伝えているとも言えます。
そしてそれを実際に作るか、アレンジを加えてリリースするかは、メーカーの判断に委ねられています。

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■グレンマッスルテイスターの評価
No,3に対する自分の感想は、先日熱く語らせてもらった通りです。ではメンバーはどう感じているのか。
本リリースは4月13日発売ですが、JWフェスに合わせてのもので、2月中旬の時点でボトリングは完了、うち1本をサンプルとして取り寄せ、都合のついたメンバーで状態確認をしていました。
その際のメンバーの感想を、トーク形式でまとめていきます。これからグレンマッスルNo,3を飲まれる方は、その手引きとしても楽しんでもらえたら幸いです。


※2020年3月 新宿ウイスキーサロンにて
”ありえたかもしれないマッスルトーク”

くりりん:三郎丸蒸留所からグレンマッスル3のサンプルボトルが届きました。我々がレシピを作った時点から、ちょっとだけ各原酒の熟成も進んでいるので、改めてテイスティングしてどうでしょうか。

静谷:度数はあるのに、思ったより香り立ちが優しいですね。ドライでそこから焚き木を思わせるスモーキーさが、柑橘系の要素と共にある。

木下:・・・(ええやん)。

倉島:黒土や根菜、内陸系のピート香ですが、潮気も伴うような。アルコールの刺激、あとはジンジャーやスパイスを思わせる要素が複数感じられる。ちょっとBBQっぽい煙と甘さも出てきます。

くりりん:香りはそうなんですが、口に含むと一気にきますね。

倉島:確かに。最初はオイリーな感じですが、生き生きとしたピートとスパイシーな刺激に切り替わる。それをふくよかなモルティーさが支えています。

静谷:オレンジビターズみたいな柑橘感、ほろ苦さは味でも感じます。スモーキーさは囲炉裏のような穏やかな感じにまとまっていくんですが、スパイス系のフレーバーが残りますね。

くりりん:若い原酒由来のニュアンスがありつつも、ネガではなくフレッシュな部分に現れていると思います。オイリーでボディのしっかりした酒質や柑橘系のニュアンスは、三郎丸らしさでもあります。

木下:・・・(味もええやん)。

倉島:若さはありますが、このバランスというか複雑さというか、杯が進んでしまうボディ感が良い。

静谷:加水も良いですね。柑橘系の酸味がはちみつ林檎酢みたいな柔らかい感じに変化する。ああ、これはハイボールも良さそう。ちょっと贅沢ですが(笑)

木下:・・・(これはロックやな)。あ、静谷さんロックグラスと氷もらって良いですか?

くりりん:度数は58%ですが、なんだかんだみんな杯が進んでますね(笑)。

静谷:シェリー樽原酒の比率がちょうど良いですね。これ以上多かったら加水やハイボールでバラけてたかもしれません。

倉島:バーボンオーク由来の甘みだけでなく、シェリー樽由来の甘味もちゃんとあるのが面白い。ブレンデッドらしさですね。味で感動するウイスキーではないかもしれないけど、飲んで笑顔になる楽しさ、力強さがあると思います。

木下:・・・(ロックええやん)。

くりりん:将来性という点ではどうでしょう。マッスル4(仮)に向け、現在進行形で同じブレンドの熟成が進んでいるわけですが。

静谷:ちょっと樽の繋ぎというか、余韻にかけて樽感が足りない印象が補われてくれたら面白いですね。

倉島:これはこれでまとまってるけど、完成していない要素もある。追熟の樽はバーボンでしたっけ。

くりりん:バッファロートレースの1st fillだと聞いてます。それを三郎丸蒸留所の冷温熟成庫に保管です。サンプリングして、樽感が足りないようなら、リリース時期や熟成場所を変えて貰うのも手です。
※冷温熟成庫:若鶴酒造にある日本酒用の原料を保管するための倉庫。原酒の一部はここで保管されている。温度は夏場でも20度に届かず、湿度も保たれており、スコットランドに近い環境となっている。

倉島:比較してテイスティングしたら面白そうですよね。そういう意味でも今回のリリースは様々な楽しさがあると思います。

くりりん:比較という意味では、構成原酒もあります。三郎丸蒸留所の可能性を楽しんでもらうというコンセプトとして、現在地、将来のイメージ、双方を比較して楽しんでもらえたら嬉しいですね。

静谷:現時点でも美味しいですが、若さはある。それが熟成を経て良くなっていく姿がはっきりイメージ出来るのが、すごくポジティブな感じだと思います。飲んでて元気でてきました。

くりりん:リリースがますます楽しみですね。リーダー、尺もあるんで最後に今日の総括いただけますか?

木下:ええやん!(ええやん!)

くりりん:皆さん、本日はありがとうございました。


■GLEN MUSCLE No,3 が飲めるBAR
本リストは、ご購入いただいた旨のご連絡、確認がとれたBAR・飲食店のリストとなります。この他、新たに情報がわかりましたら、随時更新していきます。(2020年4月14日時点)

BAR BOTA (北海道 小樽)
BAR Fish born (北海道 帯広)
BAR 無路良(北海道 札幌)
バルハルヤ(北海道 札幌)
洋食屋さん りもーね(岩手 滝沢)
BAR Harry's 高岡(富山 高岡)
BAR 無駄話(茨城 下妻
BAR レモンハート(東京 大泉学園)
旬味 菜野(東京 北千住)
BAR Boushu 蔵前(東京 蔵前)
BAR Groovy(東京 神田)
BAR Eclipse first(東京 神田)
BAR Algernon Sinfonia(東京 赤坂)
BAR もるとや(東京 池袋)
Jam Lounge (東京 高田馬場)
BAR Unite(東京 新宿)
BAR Louge(東京 新宿)
BAR 新宿ウイスキーサロン(東京 新宿)
BAR LIVET(東京 新宿)
BAR Highlander Inn(東京 人形町)
BAR Shu-shu(東京 葛西)
BAR Shanty Shack(神奈川 横浜)
&BAR Old⇔Craft(神奈川 関内)
BAR BARNS(愛知 名古屋)
BAR Rubin's Vase(愛知 名古屋)
ANNIE HALL BAR (京都 ハトヤ瑞鳳閣)
BAR Kaguya(京都 宇治)
BAR シルバームーン(京都 伏見)
BAR TANKS(京都 今出川)
BAR MINMORE HOUSE(大阪 北新地)
BAR SIMON(大阪 難波)
BAR Hotaru (大阪 神山町)
憩処ありがとう(岡山県 笠岡)
BAR TRANSENDANCE(広島 中区胡町)
BAR Shamrock(香川 高松)
BAR Higuchi(福岡 博多)
BAR poco rit(沖縄 松山)

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■最後に
今回のグレンマッスルリリースは、新型コロナウイルスの感染拡大の最中という、大変難しい状況の中で行われました。
ご購入いただいた皆様もそうですが、製造元である若鶴酒造、ならびに三郎丸蒸留所の皆様は、別途ニュースにもなっている高度数アルコール製造対応の真っ只中で、本リリースを行っていただいたということになります。
本当に、頭が上がりません。。。

今回のリリースにあたっても、ジャパニーズウイスキーということを考えれば、価格設定は強気にすることもできたはずです。
しかし我々が贔屓目抜きにみても、プライベートボトルとして妥当(むしろ安い)と思える設定や、蒸留所見学やブレンド作りにおける各種サポート等、本企画に理解をいただいた、三郎丸蒸留所の稲垣マネージャーの「愛好家と一緒にウイスキーを楽しみたい」という心意気があったからこそ、今回のリリースは実現したのだと思います。

レビューや裏ラベルでも触れていますが、グレンマッスルNo,3は、三郎丸蒸留所の将来を、可能性を楽しんでもらうウイスキーです。
それは時間が経てばなんとかなるだろう、という無責任なものではなくて、間違いないというある種の確信を持ってリリースするものです。
その将来のイメージを形にしたのが、No,3 New Born Little Giantであり、現在地が同時にリリースした構成原酒#274です。

勿論、トータルでの完成度としてはオフィシャルの同価格帯でもっと良いものがあると思います。ですが、前置きのとおりグレンマッスルはその領域でトップを目指すものではありません。
このリリースから感じられる将来への期待、ワクワクする気持ち、そしてオフィシャル加水リリースにはない尖った個性、通常のリリースでは語られないようなバックストーリー。。。それらを是非楽しんでいただくと共に、次のリリースにも期待頂けたら幸いです。

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……Special thanks to Saburomaru distillery manager T.Inagaki

See you Next Muscle No,4.

グレンマッスル 3rdリリース 構成原酒 #274 三郎丸蒸留所 63%

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SABUROMARU 
GLEN MUSCLE No,3 KEY MALT 
Aged 2 years old 6 months 
Distilled 2017.8 
Bottled 2019.2 
Cask type Bourbon barrel #274 
200ml 63% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封直後
評価:-(!)

香り:注ぎたては焦げたオークの香ばしさ、立ち上るスモーキーなピート。キャラメルを思わせる甘さに、シトラス、あるいは皮ごと絞ったオレンジを思わせるフレッシュな柑橘香が混じる。徐々にシャープな内陸系のピート香と消毒用アルコールのようなアロマも目立ってくる。

味:スパイシーな刺激と合わせて、とろりとオイリーで粘性のある口当たり。焦げた木材や土、根菜を思わせる強いピート。柑橘系の要素もアクセントになっており、オークと麦芽由来の甘味と混ざり、香ばしさのなかに甘酸っぱさを伴う。
奥には仄かにニューポッティーさと煎餅のような香ばしさ、余韻は支配的なスモーキーさと、ハイプルーフらしい刺激を伴って長く続く。

若さに通じるニュアンスも顔を出してくるが、3年未満の熟成であることを考えれば当然というか、十分すぎる仕上がり。内陸系のピートと、適度なオークフレーバー。甘酸っぱさと香ばしさ、厚みのある酒質由来の香味。加水するとネガティブさに通じる未熟感のあるフレーバーが顔を出すが、熟成による伸び代は充分。
ニューボーン扱いのため評価は記載しないものの、素晴らしい可能性を持ったモルトである。

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先日紹介させていただいた、グレンマッスルNo,3 New Born Little Giant。明日4月13日正午の発売が予定されている訳ですが、同時に数量限定で発売される隠し球が、このグレンマッスル 3rd Release 構成原酒 ”三郎丸 Single Cask #274”です。

50PPMのヘビーピーテッド仕様の麦芽を原料に、三郎丸蒸留所で仕込み、蒸留した、正真正銘のジャパニーズウイスキー。そしてグレンマッスルNo,3の約50%を構成している、文字通りキーモルトです。
チームグレンマッスルメンバーが惚れた”三郎丸の可能性”を、そのままウイスキー好きに味わってもらいたいと希望し、少量ですがリリースしていただけることになりました。
販売はグレンマッスルと同じ、若鶴酒造オンラインショップにて行われるとのことです。


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三郎丸蒸留所(若鶴酒造)は、半世紀以上前からウイスキーを蒸留し、サンシャインウイスキーとして販売してきた歴史があります。
その後クラウドファンディング等を通じて愛好家の支援を受け、2016年から2017年にかけて大規模な改修工事を実施。老朽化した建物の改修、酒質の改善に必要な機器の導入等を行います。その様子は、関連するサイトや過去の記事を参照いただければと思います。

改修工事前の三郎丸蒸留所のウイスキーは、ボディに厚みがある点は良いとしてもオフフレーバーが強く、お世辞にも質が良いとは言い切れないものでした。
一方、工事を終えた2017年、新たに生まれた三郎丸のニューポットは品質が大きく改善され、厚みのあるボディはそのままに、ピーティーなフレーバーが溶け込んだ、将来性を秘めたものとなっていました。
当時、蒸留所を見学して受けた衝撃は鮮明に覚えています。そして、いつかこのウイスキーを使ってブレンドを作りたいと感じたことも・・・。

その後、三郎丸蒸留所の歩みとしては、2018年にマッシュタンを三宅製の最新式のものに交換し、ピートの馴染みがさらに良くなるなど酒質を向上。2019年には世界初の鋳造のポットスチルZEMONを導入。これにより、厚みのあるボディはそのまま、よりネガティブなフレーバーを軽減し、甘酸っぱさとスモーキーさの引き立つニューメイクが生まれています。また設備以外に糖化、発酵、蒸留、各行程において多くの調整があったことも触れておかねばなりません。
2020年は一部の発酵曹を木桶にするなど、更なる工夫が設備や素材の両面で行われており、その歩みは未だとどまらず。更なる進化を遂げようとしています。

三郎丸新旧ポットスチル
(三郎丸蒸留所のポットスチル。改修工事前のステンレス製のスチル・上と、改修後のネック部分が銅製に切り替わったもの・下。三郎丸のスチルは、ネックから冷却用コンデンサまでの距離が極めて短い配置であること(画像下、水滴の場所からコンデンサ)。コンデンサとワームタブの2つの冷却機構が、1つのスチルに連続して備わっていることが特徴で、これが重くボディのしっかりした酒質の要因のひとつであると推察される。)

今回、我々愛好家チームがレシピを模索するにあたり、複数の原酒をテイスティングするなかで「これは」と惚れ込んだのが、このCask No,274。グレンマッスルNo,3の裏ラベルに書かれた「2020年で3年熟成となる」という、2017年の改修後に仕込まれた三郎丸モルトです。
蒸留所の進化としてはまだ1歩目時点の原酒ですが、その1歩が限りなく大きかったことは先に書いた通りです。

熟成期間から当然多少の若さがあり、粗削りな部分はありますが、熟成に耐える厚みと削りしろの残された酒質。その酒質はジャパニーズウイスキーのなかでも特にピーティーでスモーキーなフレーバーが自然に溶け込んでいることから、原石と言えるウイスキーだと言えます。
プロスポーツのスカウトが、若手のなかに光り輝く逸材を見つけた時の気持ちは、こんな感じなのでしょうか。数年先を思うだけで実にワクワクしてきます。

ピートの産地の関係でヨード香はありませんが、その酒質は日本の中のアイラのような、ラガヴーリンを思わせるような・・・熟成を経ることで、まさに巨人と称される蒸留所に届きうるポテンシャルを秘めていると評価します
グレンマッスルNo,3のレシピは、原酒の魅力はそのままに、輸入原酒の力も使って若い部分を打ち消し、本来なら5年先にたどり着くようなシングルモルトとしての構成を表現することをテーマとしています。
このシングルカスクリリースでは、その原点たる味わい、大いなる可能性を楽しんでもらえたら幸いです。

三郎丸蒸留所 一口カスクオーナーを追加募集 7/5から

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7月1日、昨年に引き続き募集のあった、三郎丸蒸留所の1口樽オーナー制度。
同蒸留所の原酒をバーボン樽(バッファロートレース、ウッドフォード)でそれぞれ熟成させ、2本のシングルカスクウイスキーが5年後に手元に届くというもの。
昨年は数日で、今年は僅か1日で200口が埋まってしまい、その関心の高さが伺える結果となりました。

完売するとは思ってましたが、まさか即日とは。。。
思わぬ反響を受け、三郎丸では追加のオーナー50口を7月5日10時から募集するとのこと。
前回溢れてしまった方は必見ですね。

※応募はこちらから。

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この光景、新生三郎丸をまさにプロジェクト初期から見てきた自分にとって非常に感慨深いものがありました。
今から3年前、三郎丸がクラウドファンディングで改修資金を募った時。これまでのウイスキーの出来から、懐疑的な意見を述べる愛好家は少なくなく。昨年の原酒を飲むまで、自分もあれ程のものが出来るとは思ってなかったんですよね。(面白いものを持っているから、可能性は間違いなくあるとは某パンチョンの人と話していましたが。)

今、一度でも新生三郎丸のニューメイクを飲んだことがあるウイスキー関係の方であれば、少なくとも昔とは違うというイメージの払拭と、前向きな印象を持たない方は居ないと思うのです。
その点、小口でもカスクオーナーになれるという今回の試みが魅力的で、即完売するのも自然な流れだと思います。

一方、三郎丸蒸留所では今年の仕込みにかけて大規模な改修を実施しており、業界初の「鋳造製ポットスチル(ZEMON)」を2基導入。これまではステンレスと銅のハイブリット構造なスチル1基で初留も再留も行っていたところ。スチルを入れ換えて一般的な蒸留所と同様、初留と再留を同日に蒸留が出来るようになっています。

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(ポットスチル新旧。ネック角度と長さ、ラインアームの構造などは以前を参考に設計してあるとのことだが、鋳造という製造方法に加え、銅と錫の合金という新しい要素が酒質にどう作用するかは未知数。)

現在カットポイントや温度を探りつつ蒸留を行っている最中ということですが、昨年の酒質からどんな変化があるのか。実は後日伺う予定があるので、早速確認してきます。
本当は樽オーナー募集開始前に確認できていれば良かったのですが。。。きっと稲垣マネージャーのことです。今回も良いものを仕込んでくれていると期待しています。

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三郎丸蒸留所 ハリークレインズ クラフトハイボール缶 9%

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HARRY CRANES 
Craft Highball 
三郎丸蒸留所謹製 
350ml 9% 

北陸でただひとつの、ウイスキー蒸留所から、まさかの缶入りハイボールの発売。
3月12日、三郎丸蒸留所を操業する若鶴酒造が、クラフト蒸留所のリリースとしては恐らく初となる缶入りハイボールを発表。それも、香料やリキュールを添加したものではなく、BARで飲むハイボールを目指してウイスキーと水と炭酸ガスのみ、久しぶりにリリースされるウイスキー(発泡性)表記の本格缶入りハイボールのリリースです。

クラフト蒸留所からのブレンデッドウイスキーのリリースは珍しくありませんが、まさか缶入りハイボールのジャンルに参入してくるとは。。。
一般発売は3月25日とのことですが、既に現地で先行販売が始まっていて、早速飲ませてもらいました。


※350ml缶3本が100名に当たるキャンペーン(2019年3月31日まで)

キャラクターは、三郎丸蒸留所のハウススタイルともえいるスモーキーさの際立ったタイプ。クリアな飲み口で、強炭酸区分と言えるレベルの炭酸の刺激。若いモルト原酒を思わせるほどよい酸味とスモーキーなフレーバーから、キレの良い余韻へと繋がっていく。

ウイスキーと炭酸だけのハイボールは、余韻にしつこさがないというか、香味の引き際が良いですね。使われてないので当たり前ですが、べたつくような甘さだったり、レモン香料が目立つようなこともない自然な感じ。
また思った以上にモルティーで、ドライな飲み口というよりは、口内で香味が開いてくるような柔らかさも伴う印象。ベースは輸入原酒と思われますが、余韻にかけて感じられる微かにオリーブのような要素から、蒸留所改修前に仕込まれた原酒が一部使われているものと感じます。

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缶入りハイボールはハイボールブームが本格的に始まる前から、ニッカ、サントリー、キリンが度々市場に展開しており、特にサントリーの角ハイボール缶は代表的な商品。
2010年には、ニッカから竹鶴12年ハイボール缶がリリースされ、これが竹鶴らしく原料”モルト”のみというチャレンジングな1本でしたが、その後原酒不足で終売。2015年にはブラックニッカブランドから、クリアのウイスキー(発泡性)区分がリリースされましたが、大量生産時の品質安定が難しいのか単にそこまでこだわるジャンルじゃないのか、暫くブラックニッカクリアのみという状況が続いていました。

なので、今回のリリースは久々の”本格缶入りハイボール”なのです。
ベースのウイスキーは3~8年程度の原酒がブレンドされたと思われる、スモーキータイプの若いブレンデッド。単にそれのハイボールと言えばそういうことなのですが、ウイスキーの香味が活きる比率とブレンドが模索されているからか、缶から注いで飲むと何故か不思議と美味しい。
スモーキーでさっぱりと飲めるタイプなので、揚げ物、魚介類以外にジャーキーなどの乾き物。全般的に相性が良いと思います。

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蒸留所の稲垣マネージャー曰く「ハイボールを飲む時に準備して作るのがめんどくさかったから(笑)」というのが、動機のひとつだったとのこと。確かに冷蔵庫からさっと取り出してすぐ飲める手軽さが、ハイボール缶のメリットです。
また、旅行の際に電車の移動中などでも本格的なハイボールが楽しめるのも魅力。電車のなかでウイスキーストレートはハードルが高いですが、ハイボールは手軽に楽しめる。現在は、富山駅と金沢駅のお土産処で販売されているそうですが、例えば北陸新幹線で車内販売されたりすれば、地ウイスキーとしての宣伝効果がさらに見込めますね。

聞くところによれば、今後三郎丸蒸留所以外の複数のクラフト蒸留所からもハイボール缶がリリースされる予定だそうです。
これは面白い流れ。製造ラインの確保など、ハードルは決して低くないとは思いますが、手軽に楽しめるハードリカーの形として、少量生産だからこそ出来る新しい味をどんどん追求していってほしいと思います。

十年明 Half Decade 若鶴酒造 三郎丸蒸留所  40%

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WAKATSURU 
JUNENMYO 
Half Decade 
2019's 
700ml 40% 

グラス:テイスティンググラス
時期:開封直後
場所:BAR LIVET 
評価:★★★★★(5)

香り:クリアで柔らかく、若さに通じる軽やかな酸と乾燥させた穀物っぽさ、根菜感を伴うピーティーな香り立ち。しっかりとしたスモーキーさ。

味:少し水っぽいがマイルドな飲み口。乾いた麦芽風味と、主張の強い香り同様のピートフレーバー。口当たりは角のとれた柔らかさで、余韻にかけてはややオイリーなコクも伴う。針葉樹を思わせるウッディさ、ほろ苦くスモーキーなフィニッシュ。

若さはあるが、嫌みな要素は少なくそれなりにバランスのとれたスモーキーなブレンデッド。主な樽はバーボンの古樽系と感じられ、あまり強い主張はない。値段なりと言えばそこまでだが、ハイボールやロックにしても、悪くなさそうな印象も感じられる。

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三郎丸蒸留所を操業する、若鶴酒造が北陸地方向けでリリースしたスモーキーなブレンデッドウイスキー。
Half Decade は5年間という意味がありますが、ブレンドそのものは蒸留所改装前に仕込まれた旧世代のモルト原酒に、自社貯蔵庫で熟成させていた5年熟成以上の輸入原酒をブレンドして仕上げたもの。体感の熟成年数は10年弱といったところで、主に使われているモルト、グレーンとも原酒のレンジはその辺りなのではないかと推察します。

構成としては、若さが多少残りつつもピートとグレーンがいい仕事をしていて、角がとれてバランスのいいブレンデッドウイスキーという感じですね。
若鶴酒造がリリースする普及価格帯の銘柄にはサンシャイン・ウイスキー(プレミアム)がありますが、スモーキーさは同様ながら、それよりマイルドな飲み口で、原酒の熟成期間が少し長いのかなとも。
値段なりと言えばそこまでですが、新興クラフトがリリースする地ウイスキーとしては、ブレンドのまとめ方が上手く、着実に経験を積んで来ているなと思います。

三郎丸は古くから50PPMのヘビーピート原酒を一貫して仕込んでおり、それは今も変わらないハウススタイルですが、かつての原酒は悪い意味で癖が強いものが多く、それ故に悪評もあったのは事実でした。
一方、2017年に蒸留所の改装が完了し、作り手も変わった新世代の原酒は愛好家から高い評価を受けつつあります。今回のリリースはその新生三郎丸がハウススタイルのまま、将来リリースするであろうウイスキーを、現在ある原酒で構築した予行演習のようなブレンドでもあるなと感じました。

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