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キングオブスコッツ 17年 ウェッジウッド 1980年代流通 43%

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KING OF SCOTS
Douglas Laing
Aged 17 Years
1980's
750ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml以上
場所:自宅
時期:不明
評価:★★★★★(5)(!)

香り:こってりとリッチで甘い香り立ち。カラメルソースやコーヒーチョコレート、古酒感、ほのかに油絵の具を思わせる癖。そしてグレーンの穀物系の甘いアロマが交じり合ってくる。時間経過でオロロソシェリーの酸味、ローストアーモンドを思わせる微かな薫香とほろ苦さ。

味:とろりとした口当たり。チョコレートフィナンシェの洋菓子を思わせる濃い甘さから、香り同様にコーヒーチョコレートの甘くビターなフレーバーが主体的に。余韻はドライでビター、序盤の濃さから比べれば余韻は軽く、グレーンの穀物感を伴う。

基本的にグレーン主体の構成で、その系統の癖はあるが、とにかくこってりとしたカラメル系のシェリー樽感・・・というかシェリー酒をそのまま押し付けたような印象すらある構成。
ブレンドとしてバランスが良いとは言えないが、この判りやすさは現行品では得難い魅力とも評価出来る。
オールドモルトカスクでおなじみ、今は分社してしまった旧ダグラスレインが展開していたブレンデッドウイスキーブランドの一つ。
ダグラスレインはボトラーズに転身する前はブレンデッドウイスキーメーカーで、様々な原酒を買い付けてブレンドし、リリースを行ってきました。

キングオブスコッツの生い立ちについてはWEB上または書籍を参考していただくとして、同銘柄にはノンエイジ3種類、17年、25年とラインナップがあり、その中でも17年、25年は同系列のどっしりとした甘みの濃い味わいが特徴です。
先日直接飲み比べる機会があったのですが、17年の方がシェリーを直接添加したような濃さで、同じ濃い味わいでも25年のほうがバランスが取れている印象を受けます。

ただその濃厚さゆえ、構成原酒の出元はさっぱり不明。まあモルトとしてはハイランドやスペイサイドが中心で、それ以上にグレーンが多いことは間違いないと思わせる香味が、この時代の同銘柄、全ラインナップで感じられます。
おそらく蒸留所を持たない旧ダグラスレインは、ブレンドの品質維持と飲みやすさを目的として、グレーンを多め(6から7割くらい)に加えていたのではないでしょうか。
現在のリユース市場に多く出回っていボトルでもあり、甘口のオールドブレンデッドが好みの方は試してみても良いかもしれません。

なおボトルに描かれたスコットランド国章のライオンにいくつか色違いがありますが、流通時期には関係がないようです。
ボトルはウェッジウッド系列のデキャンタ、未開封時はコルクがワインのように直打ちされ、変えコルクが付属。(今回のボトルはコルクを別なものに交換してあります)
1990年代になると容量が700mlになり、コルクが直打ちからボトルデザインと一体になるキャップにチェンジ。ネック部分のデザインにも、熟成年数がプリントされるなど変化がみられます。

キングオブスコッツ レアエクストラオールド 1980年代流通

カテゴリ:
KING OF SCOTS
Rare Extra Old
1980’s
43% 750ml
構成原酒:不明
評価:★★★★(4)

香り:グレーン由来の穀物系の甘さ、蜂蜜、うっすらとカラメル、薬草のような薬っぽい香りとややドライなアルコール感もある。

味:滑らかだがのっぺりとした口当たり。香り同様の構成で穀物系の甘さ主体、モルティーさは中庸的で特段個性は感じないが、後半はピーティーなフレーバーが感じられる。
 
OMCで有名なダグラスレイン社がリリースするブレンデッドウイスキー。日本ではあまり見かけませんが、現在もなお販売されている銘柄の一つです。
蒸留所を所有している訳ではないため、契約している蒸留所から原酒を買い付け、ブレンド製造を行っています。同社はもともとこうしたブレンド稼業から1990年代後半にボトラーズへと参入した経緯があり、他にリリースしていた銘柄ではハウスオブピアーズやJPS等があります。
 
そもそもキングオブスコッツはダグラスレイン社が商標権を1950年頃に購入したもので、スコッチの王という大それた名前はそれ以前からのもの。
ダグラスレイン社に商標権が移った後は拡大路線となり、時代背景もあって原酒はキャンベルタウンモルトにアイラモルトという構成から、ハイランドモルト、スペイサイドモルトの比率が増えていきます。
今回のボトルは1980年代流通のスタンダード品。1990年代に入ると17年や25年などリリースが増えてきます。
ハウスオブピアーズでは同社の製造方針が熟成したモルトに、若いグレーンを加えて調整するというスタイルでしたが、今回のボトルにおいてもその傾向は色濃く。このボトルもかなりグレーンの風味が強く感じられ、余韻にかけてピーティーなモルトの香味が出てくるという構成になっています。
ロックにするとグレーンの甘味がジワリと伸びて、ハイボールは爽やかに飲めますが、穀類のえぐみが少し口に残る。自分はあまり好きではない味わいです。
 
同品は見た目の豪華さからか、国内の正規流通ではなく海外のお土産品として購入されて、自宅保管から中古市場に流通するという経緯が多いように感じます。
中古市場で言えば25年はそこそこ評価が高いようで、陶器ボトルなので手を出しづらいですが、機会があれば飲んでみたいですね。

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