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グレンドロナック 21年 1993-2014 Cask No,37 58.1%

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GLENDRONACH
Aged 21 years
Distilled 1993
Bottled 2014
Cask type Oloroso Sherry Butt #37
Bottle No, 440/649

グラス:創吉テイスティング
量:30ml以上
場所:BAR飲み(TWD イベント)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★★(7) 

香り:リッチな甘みと濃厚なウッディネス。木香、黒砂糖、プルーン、嫌味の少ないスパニッシュオーク系のシェリー香主体。ほのかにオールドシェリーに通じるニュアンスもある。

味:濃厚なシェリー風味。黒蜜のようなねっとりとした口当たり、ボディは強くパワフルでレーズン、香木、皮付き黒ブドウなどの充実したフレーバー。
余韻はウッディでドライ。ほのかにシナモンなどのスパイシーな風味もある。


TWDのテイスティングイベントにて。Yさんの持ち込みボトル。
スパニッシュオーク感バッチリのシェリーカスクで、香木を思わせるウッディネスとダークフルーツの甘酸っぱさがしっかり感じられるリッチで嫌味の少ない味わい。近年のグレンドロナックの中ではレベルの高い部類に入ると思います。 
例えば山崎のシェリーカスクなどが好みな方は、ストライクゾーンど真ん中でしょうね。
(某S氏が飲みまくって記憶を飛ばしたというのも、まあわからないでもない味だなと。)

ぶっちゃけ旨けりゃ良いんですが、このボトルの大きな謎は、そのボトリング本数にあります。
ボトリング総数649本。つまり約450リットルを一つのシェリーバット(約500リットル、実際は満タンに詰めないので480リットル程度)から払い出したということになり、エンジェルズシェアが21年間で30~40リットルしかなかったことになるのです。

同蒸留所では、以前から同様のこと(500リットルのシェリーパンチョンから647本がボトリングされたり)が発生しており、良く言えばカスクマネジメント、悪く言えば詰め替えをやった可能性が濃厚であるわけです。
愛好家の間では詰め替え説というか熟成庫内での集約説は間違いないと、中には蒸留所に確認している方も居ます。

他方、スペインでは近年のウイスキービジネスにあわせ、250リットルという小さなシェリー樽、さらには500リットルを越える大型のものまで、通常のシェリー熟成行程とは別に造られているという話も聞きます。ひょっとすると600~700リットルクラスの大型樽を使っているのかもしれません。(それをシェリーバットと言うのかは疑問ですが。。。)
あるいは、通常のシェリーバットでも、熟成庫の環境で中身がほとんど減らなかった奇跡の樽があるのかもしれません。
ただ、そういうのはポンポン出るとは思えませんし、実際は詰め替え集約後に1年以上の熟成を行い、"マチュアード"表記とし、表記された蒸留年月日は最も若いものか、あるいは同一蒸留日。最終的には原酒を集約した1樽からボトリングするので、シングルカスクとしてリリースしているという整理の方が現実的かなと感じます。

しかしなんというか、この謎多き部分を考察するのもまた、ウイスキーの魅力と言えるのかもしれませんね。

グレンドロナック15年 46% リヴァイバル いよいよ終売へ

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GLENDRONACH
REVIVAL
Aged 15 years
700ml 46%
評価: ★★★★★★(6) 

香り:うっすらと香ばしさのある黒蜜やレーズンの甘いアロマ。ほのかに生木っぽさ、コクのあるバランスの良い近年系シェリー香。グラスの残り香はキャラメルを思わせる豊かな甘さ。

味:滑らかで濃厚な甘い口当たり。ドライプルーン、チョコレート、品の良いウッディネス、徐々に干した牧草。後半はべったりした甘さが口の中に残り、そこからコーヒーを思わせる苦味、微なピーティーさが戻ってくる長い余韻。
以前のロットよりエグミが少なく、ピーティーさを強く感じたような…。


グレンドロナックの正規代理店であるウイスクイーから、ついに15年リヴァイバル終売のニュースが届いてしまいました。
同蒸留所について直近10年間を振り返ると、2008年にベンリアック 社の傘下に入り、それまでのラインナップを一新。2009年には シェリー樽100%の15年リヴァイバル、18年アラダイスがリ リースされ、その仕上げとして12年もシェリー樽100%に切り替わり、 シェリー樽モルトの代表格の一角を締めるようになったのは記憶に 新しいところ。
当時自分はオールドドロナックのシェリー感に魅せられていたので、シェリー樽100%が復活するというニュースに歓喜したのを覚えています。

グレンドロナック15年はリヴァイバル、"古き時代の復活"と名付けられた、まさに昔のグレンドロナックをイメージしたボトルの一つ。
12年、15年、18年、21年とオフィシャルラインナップがある中で、濃厚でありながらバランスが良く、コスパも良いシェリー樽モルトとして上位グレードの18年や21年以上にファンを獲得していたと思います。
自分は18年推しなので、それこそニコ生放送などでは少数派な立場に置かれることもありました(笑)。

確か1~2年くらい前だったと思います。 グレンドロナック蒸留所を訪問した方から「 そろそろシェリーカスクの質と在庫がヤバイ、15年と18年は買っておくべき」という話を聞き、潮目が変わりつつあるなと。 元々グレンドロナックは1996年に一時蒸留を休止し、2002年に再稼動するまで6年間分の原酒がありません。そのため、15年、18年に関してはいずれ6年間の"死の谷"にぶつかる状況にありました。
そして21年の通常生産終了の決定と、グレンドロナックヒーランの発売。 ヒーランはシェリー樽とバーボン樽のバッティングで、蒸留時期は再稼動後の新世代に当たるボトル。価格帯は12年や15 年の間に落ちる5000円前後で、どっちかが値上げか終売になるんじゃないか、なんて言う話もしていた矢先、いよいよ来るものが来たという感じです。

輸入停止ではなく蒸留所側での生産終了の一報ですから、在庫が並行品で入る可能性こそあるものの、いずれ本格的な終売となります。また、15 年だけでなく、18年についても上述6年間の休止期間から、2014~2015年生産までは原酒が確保できているものの、今年以降なんらか影響が出ていくことが予想されます。
まさに今飲んでおくべきシングルモルト。ファンの方はこれを機に何本か買われても良いかもしれませんね。

グレンドロナック 12年 ソーテルヌ カスク フィニッシュ 2015年リリース

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グレンドロナックソーテルヌカスク

GLENDRONACH
12 Years old
Sauternes Cask finish
700ml 46%
暫定評価:★★★★★(5-6)

グレンドロナックの2015年ニューリリース。
ヨーロピアンオーク樽で熟成させた後で、甘口白ワインであるソーテルヌワインの空き樽で追加の熟成を行ったもの。もはやハウススタイルとかシェリーとかどこに行ったって感じですが、新しい挑戦をしていかないとやっていけない今のウイスキー業界のリアル。
香りはフルーティーというか人工的なニュアンスのあるお菓子のフルーティーさで、平均的なハイランドモルトのいじった系の域を出ないものでしたが、口に含んだ後はバニラと麦芽風味からフルーツポンチのようなフルーティーさ、じわじわとスパイシー。
余韻はウッディーな渋みとべたつく印象があるものの、非常にわかりやすい構成。こりゃドロナックはすごいものを出してきたぞ、と即買いしそうになりました。

ところが2口目からそれが浮ついて作為的になり、3口目以降は驚くほど薄れて感じられなくなってしまった。
口の中が味に慣れるのは、ウイスキーのみならず食べ物飲み物全般に共通することですが、慣れた後でもフレーバーが積み重なって美味しく感じるか、印象がボケてしまうかもまたそのウイスキーの個性のひとつ。
この銘柄は後者で、チェイサーを入れてもあまり改善しなかったことからも、かなり口の中に影響を与えるウイスキーのようです。

とはいえ、先日の山崎もそうですが、最近ワインフィニッシュに関するノウハウがメーカーに蓄積したのか、フィニッシュでもまとまった味わいのモノがリリースされることが増えていると感じます。
このボトルに関しては、コアなファンはともかくとして一般的なユーザーの満足度はそれなりに得られるものと思います。特に1口目のフルーティーさは、一飲の価値アリです。

グレンドロナック40年 1972年蒸留 2012年ボトリング #710 オフィシャルボトル

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GLENDRONACH 
Aged 40 Years 
Distilled 1972 
Bottled 2012 
Cask #710 Oloroso Sherry Butt 
49% 700ml 
暫定評価:★★★★★★★★(8)

WL最古参会でのテイスティング。タケモトさん持参ボトル。
近年リリースされたシェリー系長期熟成の中でも、多くの飲み手が評価するであろうグレンドロナック1972ビンテージ、オフィシャルリリース。
濃厚なシェリー系ですが嫌味はなく、ややわざとらしいほどのベリー感、ライチ、白玉のような白っぽい甘さ。余韻には歳月の積み重ねを感じるウッディネス、タンニンが長く続きます。
現在同シリーズのリリースの中心となっている1990年代のシェリー風味とは別物、次元が違います。

同シリーズは、710番前後のカスクナンバーを中心に、かつては3万円ほどで販売されており、それでも若干の売れ残りまであったくらいでイベントでは無料試飲まで出ていました。自分と同じ頃から飲んでる人なら、結構口にしてるシリーズだと思います。
カスクによる評価の差は当然ありますが、自分が飲んだ中ではどれも素晴らしいシェリー感でした。

それが大陸方面からの引き合いが強くなると途端に強気の価格設定。今も同時期蒸留のリリースはありますが、10万円の大台を超えてしまいました。
「この価格でこれを飲めるのは今だけ」なんてみんな言い合ってたのに、当時にしては微妙に高い設定だった価格に躊躇して買っておかなかったことを後悔してる人は、きっと少なくないはずです。(もちろん私もその一人です(笑))。

ちなみに、素晴らしい長熟シェリー系であることに違いはないですが、開けたて直後のほうがベリー風味やランシオ系の熟成香は強く、徐々にこなれていく印象です。
また、今回のWL最古参会では多くの高レベルなシェリー系ウイスキーがラインナップとしてあり、いろいろ飲み比べた結果からか、レベルの高い中にも仕上がりの粗さというか、フルーティーさが浮ついているような、アラが見えてきたのは面白いところです。

テイスティング:開封時期不明
使用グラス:木村硝子 古酒

グレンドロナック8年 1960〜70年代初期流通

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GLENDRONACH 
Pure malt whisky 
8 Years old 
WM. Teacher & Sons ltd 
1960-1970’s 
JAPAN TAX 
760ml 43%
評価:★★★★★★★(7)

香り:柔らかい香り立ち、乾いた牧草、徐々にライ麦パンの軽やかな香ばしさ、パイナップルを思わせる黄色いフルーティーさも感じられる。全体的には古酒系のこなれたニュアンスがあり、抵抗なく飲み進められる。

味:穏やかで柔らかいコクのある口当たり。青みのあるパイナップルやパパイヤのフルーティーさから、徐々に麦芽とハイランド系の淡いピートが開いてくる。
余韻は麦芽風味とピートのほろ苦さ、染み込むように続く。


GSさん宅でのテイスティング。いつもありがとうございます!
一言で、古典的なハイランドスタイルのモルトウイスキー。良いですねぇこういう味、好きですよ。
このドロナックのグリーンダンピーはそれほど珍しくないのですが、JAPAN TAX付きの特級表記は非常に珍しいボトルです。時期的には60年代後期か1970年代初頭の流通と思われます。
また、この時代のドロナックは結構ロット差がある印象で、しっかりピーティーだったり、当時のモルトらしいトロピカル感があったり。今回は後者よりの構成で、1杯目のモルトとしてじっくり楽しませてもらいました。

グレンドロナックはシェリーの印象が強い蒸留所ですが、グリーンダンピーのドロナックは8年、12年、18年、共にリフィルシェリーやプレーンオーク的な構成で、シェリーが強いのは1980年代ごろに流通したクリアダンピーの18年。その後はトールボトルでもリリースされてますね。
ドロナックのシェリー感は1970年代初頭蒸留までベリー系の風味があるものが中心で非常にフルーティー、オフィシャルからリースがあった1968~1972年、この辺はシェリー樽熟成好きは一飲の価値アリというビンテージになります。
シェリー樽の質ももちろん素晴らしいのでしょうけれど、こうしたフレーバーを出す背景には、グリーンダンピーボトルで味わえるような、トロピカル系の要素を持つ酒質があるのかもしれません。

余談:グレンドロナックからピーテッドモルトがリリースされるようです。
ガチピートだったら閉口モノですが、こうした古典的なライトピーテッドレベルは歓迎です。どんな仕上がりになってくるんでしょうか・・・。

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