カテゴリ

カテゴリ:イベント

ディアジオ リミテッドリリース2017-2018 一斉テイスティング会(4/14~15)

カテゴリ:
今回はイベントの紹介になります。
いつもお世話になっている日本橋のBAR 「Y's Land Bar IAN」さんが、毎年開催しているMHD(ディアジオ)社のリミテッドリリース一斉テイスティング会を今年も開催します。

ディアジオ社は、所有する著名な蒸留所や既に閉鎖された蒸留所の希少な長期熟成原酒を、カスクストレングス仕様でリリースする"スペシャルリリース"と、現在は7蒸留所から構成されるクラシックモルトセレクションをベースに、様々な個性の樽で後熟した"ディスティラーズエディション"を、リミテッドリリースの一つとして毎年発売しています。
リリースが行われる時期は1年の後半にかけてで、日本に正規品が入荷するのは、翌年の4月頃。多少時差はありますが、今年はスペシャルリリースが10銘柄、ディスティラーズエディションが7銘柄、計17銘柄が4月10日の発売を予定しています。

そのラインナップは以下のとおり。
IANで開催される会の進行はスクール形式というわけではなく、個人個人のペースでサーブしてもらいながら全17銘柄を飲んでいく形の会です。 
それでいてこのテイスティング会は、会費設定が仕入れ価格に対しての原価。メーカー希望小売価格で単純計算すると、原価割れしている採算度外視の会でもあります(笑)。

ポートエレンやブローラなど、宝石か貴金属でも溶け込んでいるのかという希望小売価格ですが、この2蒸留所は昨年再稼動が発表されており、再び話題になるとなれば閉鎖前の原酒はさらに貴重となっていきます。なおさら原価で飲める機会はありません。
また、比較的手を出しやすい価格の範囲にあるディスティラーズエディションは、それこそ試飲会感覚で参加し、気に入ったボトルをその場で追加で頼むか、後日購入するかという基準作りにも使えます。

募集人数は40名まで、平行してFBでも募集が開始されておりますので、特に都内ないし近郊在住のウイスキー愛好家の皆様は是非ご検討ください。

IMG_1646

【Bar IAN ディアジオ リミテッドリリース 一斉テイスティング会】
開催日:4月14日(土)&15日(日) 15時〜 
会場:Y's Land Bar IAN 
(東京都中央区日本橋本町1-4-3 B2F)
TEL:03-3241-4580

人数:最大40名まで
会費: ¥15,000 (現金のみ)

申し込み先:
https://www.facebook.com/events/353867888455317/
※同店来店経験がない方でも参加頂けます。
※FBアカウントが無い方は別途作成いただくか、当方までメッセージをいただければ代理で手続きいたします。
なお、代理登録を希望される方は、参加希望日時に加え、連絡先となる電話番号及びメールアドレスをあわせてご連絡ください。(確認のため、後日こちらから連絡させていただきますが、ご了承ください。)

【テイスティングラインナップ】
◆スペシャルリリース 
1 ラガヴーリン12年 (56.5% 税抜希望小売価格¥16,000)
2 カリラ18年アンピーテッド 1998年蒸留 (59.8% 税抜希望小売価格¥18,000)
3 グレンエルギン18年 1998年蒸留 (54.8% 税抜希望小売価格¥36,400)
4 ブレアソール23年 1993年蒸留 (58.7% 税抜希望小売価格¥48,100)
5 ブローラ34年 1982年蒸留 (51.9% 税抜希望小売価格¥198,000)
6 コレクティヴァム28 NAS (57.3% 税抜希望小売価格¥18,500)
7 コンバルモア32年 1984年蒸留 (48.2% 税抜希望小売価格¥148,000)
8 ポートダンダス52年1964年蒸留 (44.6% 税抜希望小売価格¥95,600)
9 ポートエレン37年 1979年蒸留 (51% 税抜希望小売価格¥460,000)
10 ティーニニック17年 1999年蒸留(55.9% 税抜希望小売価格¥33,300) 

◆ディスティラーズエディション
11 タリスカー アモロソシェリーフィニッシュ (45.8% 税抜希望小売価格¥8,500)
12 ラガヴーリン PXシェリーフィニッシュ (43% 税抜希望小売価格¥12,000)
13 カリラ モスカテルシェリーフィニッシュ(43% 税抜希望小売価格¥9,000)
14 グレンキンチー アモンティリャードシェリーフィニッシュ (43% 税抜希望小売価格¥7,800)
15 ダルウィニー オロロソシェリーフィニッシュ (43% 税抜希望小売価格¥9,000)
16 クラガンモア ポートワインフィニッシュ (40% 税抜希望小売希望¥8,500)
17 オーバン モンティージャ フィノシェリーフィニッシュ (43% 税抜希望小売希望¥11,000)
※1本あたり10ml、個別に15ml以上を希望する場合は別料金にて対応。

【ラインナップ補足説明】
コレクティヴァム28 NAS 57.3%:
ディアジオ社が所有する、現在稼働中のモルトウイスキーの蒸留所全28箇所の原酒をブレンドしたブレンデッドモルトウイスキー。28の意味は28年ではなく、蒸留所の数。こうした試みはディアジオ社にとって初めてのことで、メーカーコメントでは「一生に一度の出会い、類稀なる傑作」と評価されている。

ポートダンダス52年 1964年蒸留 44.6%:
ポートダンダスは2009年に閉鎖されたグレーン蒸留所。ホワイトホースのボトリング施設に建設されていたため、同銘柄と強い結びつきがあった模様。スペシャルリリースとしては最長熟となるウイスキーで、リフィルアメリカンオークホグスヘッド樽で熟成。 

スペシャルリリース(雑感):
前身であるUD社でリリースされていたレアモルトセレクションの流れを受け継ぐ、ハイエンドラインナップ。中長熟の原酒で構成され、年数表記なしのものでも決して安易に未熟な原酒が使われている傾向は感じられない。それでいてリフィルオークを中心に使われているため、樽感よりも酒質ベースの味わいであり、カスクストレングス仕様のバッティングから、奥行きやバランスの良さも備わっている。ウイスキーとしての完成度は非常に高い。

ディスティラーズエディション(雑感):
7蒸留所から構成されるクラシックモルトセレクションをベースに、様々な個性の樽で後熟したリリース。基本酒精強化ワインの樽でフィニッシュが行われており、どの銘柄も毎年違う香味に仕上がっているが、それなりの味わいにまとめられていて大外れがないのも特徴。
フィニッシュに使われる樽は、ディアジオ社が独自に作成したアメリカンホワイトオークのシーズニングカスク(鏡板は新樽、胴の部分はリフィル。それぞれチャー済み)。シーズニング期間は1ヶ月程度、フィニッシュは最低3ヶ月行われる。

笹の川酒造 安積蒸留所の現在

カテゴリ:
笹の川酒造が操業する、福島県郡山市の安積蒸留所。
2016年に創業、試験蒸留期間を経て2017年1月にニューポット発売、共同カスクオーナー制度開始、ニューボーン発売。。。などなど、同蒸留所にとってシングルモルトウイスキー業界への船出となった1年間が過ぎ去り。いよいよ今年3月24日には、2度目の共同カスクオーナー制度の見学会&交流会が開催されます。

これまでも何度か触れていますが、ウイスキー製造は作り手側の技術、ノウハウの蓄積に加え、設備の慣れ的な要素も原酒の仕上がりに少なからず関わってきます。特に規模の小さいクラフト系は、創業から1〜2年程度は香味の変化が大きい時期と感じています。
自分も共同カスクオーナー制度に参加しているので、ぜひ見学会にて安積蒸留所の進化を感じたいところでしたが、あいにくこの週末はとても重要な家庭行事があり、参加が叶わないのです。(いわゆるひとつの記念日というヤツでして。)

また自分以外にも、様々な理由から現地訪問が中々出来ない愛好家はいらっしゃると思います。
そこで見学会&交流会をちょっとフライングし、直近で蒸留されたばかりのニューポットをテイスティング。その変化を紹介するとともに、熟成中の原酒の成長をイメージ出来る指標になりそうな話など、安積蒸留所の"現在"を掲載していきます。


さて、2017年1月に発売された、安積蒸留所のニューポット。当時自分は以下のテイスティングレビューを掲載しています。

香り:酸味が強く、ドライなアルコール感と微かに発酵臭を伴うアロマ。加水すると乾燥させた麦芽、おかき、無糖のシリアルを思わせる香ばしさを感じる。

味:軽くスパイシーな口当たり、最初はニューポットらしい乳酸系で微かに発酵したような酸味、口の中で転がすとオイリーで香ばしい麦芽風味が主体的に。
余韻は麦芽系のフレーバーが後を引きつつあっさりとしている。 ボディはミドル程度、加水するとバランスがとれて口当たりは柔らかくまろやかに。


これが約1年間でどのように変ったかというと、ベースはもちろん同じながら、香味の中にあったネガティブな雑味、発酵したような感じが軽減され、綺麗な酸味から軽く香ばしい麦芽風味とコクを感じる酒質へと変化。この綺麗な酸味が、安積蒸留所の個性の一つですね。
ネガティブな要素が少なくなったことで、個性が洗練されてきた印象です。

日本のクラフト蒸留所なんてブームに乗ってるだけだろ?、と思う方も少なからず居ると思いますが、安積蒸留所は秩父蒸留所の協力でスタッフの研修を行うなど、秩父蒸留所がこれまでチャレンジしてきた試みのうち、成功事例、良い部分を引き継いでいるとのこと。
こうした知識に加え、1年間の操業を通じた経験の蓄積や試行錯誤の結果が、今回ニューポットに感じられた変化であるとすれば、既にそれは色眼鏡で見るものではなく。蒸留所としても業界としても、良い方向に進んでいると感じます。 

安積蒸留所ポットスチル
(定点観測:ポットスチルの外観。左が2016年7月ごろ、右が現在。使い込まれたことで色合いに変化が見られる。)

熟成庫
(定点観測:熟成庫の一画。2016年7月の試験蒸留時点(上)と現在(下)。貯蔵量が増えたことで、樽とウイスキーの香りが熟成庫を満たしている。新樽、ミズナラ、バーボン、シェリー、ワイン・・・様々な種類の樽が並んでいる。)

ニューポットに良い変化が見られたことは、この時期の原酒を樽詰めする共同オーナー制度だけでなく、蒸留所の今後に向けても明るい話です。
しかしもう一つ忘れてはいけないのが、熟成環境がもたらす原酒への影響です。

安積蒸留所は、"風の蒸留所"と名乗るように、盆地福島県の中心部に位置し、夏はカラッと暑く、冬は磐梯山と安達太良山からの冷たいおろし風が吹きすさぶ、寒暖差の激しい地域にあります。
本来、設立したばかりの蒸留所の原酒がどのように成長していくかは、相応の時間が経たなければ判りません。そのため、厚岸蒸留所などは試験熟成として建設予定地で原酒への影響を調べていたほどです。
では安積蒸留所はというと、先日掲載したニューボーンに加え、蒸留所設立前、笹の川酒造としてウイスキーを製造していた頃に購入した原酒があります。
そのうちの一つ、ニューポットからバーボンバレルで約8年間熟成させてきた某国産原酒を飲んでみると、これが日本らしい熟成感、蜜っぽい甘みとフルーティーさで多少樽は強いものの美味しいウイスキーに仕上がっているのです。

これは郡山の環境がもたらす熟成への影響を量る上では、重要な指標であると言えます。
樽にもよりますが、バーボンバレルでなら上記同様5〜10年程度の熟成期間を設定しておくのがこの環境では良さそう。その他の樽との組み合わせを考え、工夫を続ける必要はあると思いますが、現在の原酒との組み合わせで考えると、同様の系統に育つのではないかとも思うのです。

(オマケ:福島県南酒販がリリースする963の樽も安積蒸留所の熟成庫に置かれている。250リットルのシーズニングシェリーカスクでマリッジされているのはネットショップ限定品?、左奥には昨年高い評価を得たミズナラウッドリザーブのセカンドバッチの姿も。)

そんなわけで、安積蒸留所の現状と原酒の出来は比較的順調といえる状況であり、今後がますます楽しみになりました。
所縁の地にある蒸留所だけに、この成長と可能性は嬉しいですね。
今回はノンピートの原酒にフォーカスしていますが、ご存知のようにピーテッド原酒も昨年から仕込まれておりますし、さらには日本酒酵母で仕込んだ安積蒸留所独自の原酒もあります。
これらの成長についても、今後レポートできればいいなと思っています。

ウイスキーラバーズ名古屋2018 IANブースまとめ+α

カテゴリ:
いよいよ開催を明日に控えたウイスキーラバーズ名古屋2018(WLN2018)。
昨年は入場時に若干の混乱があり、今年は会場のキャパを増やしたそうですが、当日券は既に若干数しか残っていないとか。。。今夜は全国各地の愛好家が前日入りし、名古屋の夜はさぞ盛り上がっていることと思います。

さて、WLNの目玉の一つと言えるのが、ウイスキーにとにかくこだわっている愛好家らが出展する「ディープラバーズ」ブース。昨年よりも規模を拡大し、参加者の酒量も財布も限界が試される布陣に・・・(笑)
既に一部の出展者のラインナップが公開されており、注目を集めていますね。

deeplovers
(Deep Lovers ブースの出展者情報
https://wln.themedia.jp/posts/3324797

このブログでは、昨年に続き出展するY's Land Bar IANが開催した"Whisky Lovers 名古屋2018出展用ボトル 先行テイスティング会"で試飲したボトルを中心に、記事を更新してきました。
イベント開催前日となる今日は、そのまとめとしてオススメと感じたボトル。そしてIAN以外では、個人的に繋がりのある方々のラインナップについても一部紹介していきます。

IMG_5941
IMG_5952

IANブース出展ボトルのテイスティングレビューはこちらから→#WLN2018
目玉のプライムモルトシリーズ→#プライムモルト

IANブースは20本以上のボトルがラインナップにあり、目玉はなんと言ってもプライムモルトシリーズですが、個人的にはそれ以外にも2枚目の写真にあるボトルも捨てがたい。
スプリングバンク15年、グレングラント30年、ミシェルクーブレ21年は現行品とは異なるオールド系のシェリー感が、ラフロイグはスモーキーさと華やかなフルーティーさ、ブラック&ホワイトはオールドの魅力とも言える現行品にはないピーティーさが楽しめるボトルです。

シェリー感で言えばグレングラント30年は頭一つ抜けています。
加水でバランスも良く、何より最近は見られないベリーのニュアンスを伴う、所謂リアルソレラシェリー樽と思われるその味わい。
当日数多あるラインナップの中では地味目なボトルだと思いますが、中身は心癒される一本です。

IMG_5947

続いて荻窪モルトクラブことOMCブースのボトルの一部は以下。
昨年のウイスキーラバーズ名古屋2017では、そのラインナップはIANブースと2強だったという評価もあるOMC。
今回も突き抜けたボトルをぶっこんできてますね。
ボウモア、グレンファークラス、スプリングバンク。。。中身の解説は不要とも思える実に愛好家のツボを抑えているラインナップです。


続いては世界有数のウイスキーコレクターにして、最近は積極的に対外的な活動を展開されてる山岡さん。
ウイスキーは名古屋に送ってしまって写真があまりなかったそうですが、ラインナップの一部はアードベック1976-2002イタリア向けシングルカスク、GMロングモーンリザーブラベル1965-2009日本向け。言うまでもなく激ウマです。

そしてそれ以上に山岡さんは昨年スペインのシェリー酒製造の現場をまわり、ウイスキーのシェリー樽についても様々な情報、ある種真実と言えるネタを数多く掴まれてきました。
この2本含のキーワードは「リアルシェリー」。そうした情報を伺ってみるのもいいかもしれません。


名古屋で本イベントの調整にも関わられているBARよっちさん。
各種オールドブレンデッド、オールドモルトを中心に得意のジャンルでのラインナップ構成となるようです。
この手のウイスキーは、カスクストレングスの合間の箸休めにも、そしてメインとして飲んでもしっかり仕事をするので、普段気になっていたボトルを存分に楽しむ機会と言えそうです。
ちなみに個人的に右側のアードモア、結構好きです(笑)。


最後は博多から参戦、BARキッチンさんのブースラインナップ。同BARはイチローズモルトカードシリーズの聖地とも言えるBARであるわけですが、今回のラインナップもそこを中心に攻めてきています。
ブームで超絶高騰してしまったカードシリーズは、最近飲み始めたドリンカーは、なかなか飲むことが出来ない高嶺の花。。。ですが、ここでの試飲価格は10ml1000円とのこと。
これを機会にカードシリーズを経験、あるいは久々に復習するのも面白いと思います。


なんと言うか、凄いとしか言いようがないラインナップですね。
東京開催のイベントでここまでのものはなく、ちょっとジェラシー感じてしまいます。
まして自分はパパ業務真っ盛りで遠方のイベント参加は非常に厳しいところ。。。うーん、時間が欲しいなあ。
くそう、羨ましいぞ!(笑)

参加される皆様、前夜から名古屋入りされてる皆様、適度にはめをはずし、素晴らしいウイスキーとイベントを楽しんで頂ければと思います。

(補足:当日配布される予定のパンフレットは以下です。開場前に目を通されておくとよさそうです。)



東京 インターナショナル バーショー2017(初日)に行ってみた

カテゴリ:
先週は本当に仕事が忙しく、土曜日は起きられないか・・・と思ったのですが、目が冷めると午前10時。
準備すると開場時間にちょうど良い、ほんじゃまぁ行ってみますか~と東京ドームシティまで。
ウイスキーフェスといい、バーショーといい、イベント会場が自宅から近くて助かります(笑)。

この記事が公開されるのは、バーショー2日目の14日日曜日。2日連続の方も、今日が初参加という方もいらっしゃると思います。
昨年に比べてカクテルなどの"ライブ系の展示"が増え、ウイスキー要素は控えめだった気がしますが、その中でも「おっ」と思うものがいくつかありましたので、紹介させていただきます。

IMG_4091

まずは世界一を取って益々注目を集める、秩父蒸留所、イチローズモルトから。
ホワイトラベルなど通常商品に加え、2015年蒸留のニューポット、そしてシェリー樽とアメリカンホワイトオークIPA樽のカスクサンプルとブレンデッドウイスキーの3種が試飲できます。
ニューポットを飲むと発酵系の雑味が少ないだけでなく、アルコール感柔らかくコクのある甘みが感じられ、以前のようにツンとしたニュアンスの少ない、更に短期で仕上がりやすい酒質を感じます。
そして限定のカスクサンプル3種も中々。秩父らしい酒質をベースに、ブレンデッドはナッティーな香ばしさの後からオーク由来の華やかさ。シェリー樽は樽質の良さが感じられる、発売されたら秩父ファンによる争奪戦間違いなしというレベル。IPAカスクは以前リリースされた免税向けの毒々しいIPA感はなく、余韻にかけてじわじわと広がってくる感じでバランスの良いIPA感。
一緒に試飲していた某チャーハンBARのマスターと「気合入ってますねー」と唸ってしまいました。

続いて秩父蒸留所の隣、マルスウイスキー本坊酒造は出品数少なめながら、最近何かと話題のプレミアムジン和美人(WA-BI-GIN)が印象的でした。柚子、金柑の苦いニュアンスがある輪柑橘のアロマ、微かにシナモンのようなニュアンスもあり、これは「けせん(ニッケイ)」によるものだとか。
少しボディは軽めでしたが、爽やかで飲みやすいジンでした。

IMG_4062 IMG_4060

この他、ジャパニーズメーカーとしては、サントリーウイスキーからはマッカラン12年ダブルカスクの大々的なPRに、メーカーズマークのカクテルブース。山崎を始め各蒸留所の原酒サンプルなどがバウチャー1枚からテイスティング可能。蒸留所に行かないと飲めないものがテイスティング出来るのが嬉しい。なお6月に発売されるというプレミアムジンROKUの試飲はなかったようです。
キリンウイスキーは新商品のシグネチャーブレンド、蒸留所限定品だったシングルモルト・ワインカスクフィニッシュ12年、スモールバッチシリーズからシングルモルト17年、グレーン25年(この3種はバウチャー必要)がテイスティングアイテム。加えて田中氏以下、ブレンダーチームがブースにスタンバイし、積極的にコミュニケーションをとられていたのも印象的でした。


ニッカウイスキーは5月と6月にそれぞれ発売するクロスオーバー、カフェジン、カフェウォッカの先行試飲が可能。ウイスキー側のカウンターには制作に関わられた森ブレンダー以下、開発チームがスタンバイ。ジンとウォッカはそれ単体の試飲だけでなく、海外から招聘(?)したバーマンによる各種オリジナルカクテルを飲むことが出来ました。
この3種、自分は過去の記事に記載したとおり総じて好印象だったわけですが、会場での反応も上々だった模様です。発売が楽しみですね!

IMG_4054
続いてはウイスキーショップ・インポーター関係の出展の紹介。
まずは精力的にプライベートボトルをリリースし、注目を集める信濃屋さんのブースから。試飲の充実度としては、信濃屋と後述する株式会社フードライナーが非常にがんばっていた印象でした。

信濃屋さんは直近発売のPB5種(カリラ、ブナハーブン、ベンネヴィス、ポートシャーロット、スペイサイドシングルモルト和)を含む新旧リリースで構成。
近年では非常に貴重となった、長期熟成の1970年代蒸留として注目を集めた"和NAGOMI"は、和み・・・というほどゆるくなく、樽感主体で硬さとスパイシーさのある構成でしたが、長期熟成らしいフルーティーさ、華やかさも備わっており、ボディもそこまで軽くない。今後の変化に期待したいです。
IMG_4055 IMG_4056
そんな信濃屋PBニューリリースの中で最も印象に残ったのが、モルトマンのベンネヴィス19年。
カスクタイプはシェリーバットなので、ともすると濃厚なシェリー感をイメージするかもしれませんが、飲んでみるとシェリー感というより、バニラ、クッキー、焼き林檎や桃を思わせる甘みとフルーティーさ。ベンネヴィスのリリースに見られる紙や植物っぽい癖もあまり感じられない、樽由来の香味と熟成感でコスパに優れた1本に仕上がっています。(是非試飲してみてください。)

IMG_4072
IMG_4071
ウイスキーではありませんが、大手グラッパメーカー、ベルタ社の正規輸入元である株式会社フードライナーのブースは、今回最も気合の入ったブースの一つと言えます。
同社が取り扱うベルタグラッパ通常ラインナップほぼ全てが無料試飲アイテムであるだけでなく、京都からK6の西田氏も参加。K6のオリジナルグラッパの試飲(特別価格での販売も有り)に、同氏によるカクテル、グラッパ業界の裏話も楽しめます。

近年、ウイスキーの高騰、原酒枯渇などからコニャック、カルヴァドス、ラムなどの他のスピリッツにも注目していたところ。10種類を越えるスタンダードからフラグシップまでのグラッパを一度に試飲出来たのは、これだけで参加した価値があると言える、素晴らしい体験になりました。
長期熟成のグラッパの濃厚な甘さ、樽由来のほろ苦さはウイスキーに共通するところもありますね。新樽以外に複数タイプの樽を使ったオルトレ イル ヴァッロは、甘さとナッティーな香ばしさ、樽由来のタンニンがウイスキー好きの琴線に触れそうな構成。フラグシップに当たるパオロ・ベルタ1996は食後酒としては極上、イベントの締めにもうってつけです。

IMG_4066 IMG_4064

ウイスクイーのブース。ウイスキーはキルホーマンのみでしたが、ニューポットと麦芽(ノンピートとピーテッド)の試食が出来たのは、イベントならではの出し物として楽しませてもらいました。
ニューポットは創業当時と比較してもあまり違いの無い、嫌味の少ないクリーンなピーテッドタイプ。「ニューポットから美味しくないとおいしいウイスキーにはならない」、とスタッフの方のコメントがあり、確かにこれなら短熟でリリースするにはうってつけだなと。
飲みつかれた身体には中々ヘビーな試飲になるかもですが、キルホーマン、アイラ好きの方は是非。

IMG_4087 IMG_4095

最後に、ディアジオのブースから、アードベッグのVRを紹介。
確かアードベッグのプレミアムテイスティング会で公開されていたモノだったと記憶していますが、ブースにも出展されていました。
これ、すごいです。正直1回では楽しみきれないほどの完成度で、何度でも見てみたいほど。
慣れない人は、そのままヘッドマウントの映像としてみてしまうかもしれませんが、360度全方位が映像として展開されるため、ひたすら顔を動かして蒸留所の周囲、中、全てを見渡すことが出来ます。
酔ってしまわない程度に、くるくるまわってみてください!(笑)

IMG_4092
(イベントのラストは、メインステージで「We Love Bar Show!!」)

さて、長くなってきたのでここらで筆を置こうと思います。
これまで紹介したブース以外に、京都の空気をそのまま持ってきたような季の美の出展ブース(レシピを構成する各フレーバーにフォーカスした原酒テイスティングも可能)、ディアジオ社のカクテルライブなど、見て楽しめる展示が多く、お酒を飲むだけではないエンターテイメント的な展示会として、1日かけて楽しむことが出来ました。

ちなみに、今回個人的に最も注目していた新生ソサイエティブースは、社会的地位によって何かが変わるアベラワーなど、4種類の試飲アイテムがバウチャー1~2枚(会員は無料)。
日本支部が設立され、これから大々的にPRしていく・・・という感じはない、少しさびしい内容。
アベラワーはソサイエティらしいトーンの高い、硬めの味わい。3.291のボウモアはシェリーカスクで、結構サルファリー。ウイスキー愛好家に大きな衝撃を与えた"投光照明石油掘削装置ムーンプール"こと29.206が無かったのは残念でした。
IMG_4058
では、本日はこれにて。
本日イベントに参加される皆様、飲み過ぎ注意でバーショーを楽しんできてください!

2016年に飲んだボトルで高評価&印象に残ったものを振り返る(下)

カテゴリ:
前回に引き続き、2016年に飲んだウイスキーを振り返る特集記事。今回は、オフィシャルリリースでエントリーグレードとなる5000~6000円クラスまでを上限として、ニューリリースの中でコスパが良いモノや、これまでと比較して味わいに良い変化が見られたボトルなどを"Interesting Release Category"としてリストアップします。

ニューリリースはともかく、これまでと比較して・・・というのは何を意味するかというと、ウイスキーは同じ味に作られているようで、ロットで結構味が変わったりします。
このブログを閲覧されている方なら、何を今更という前置きかもしれませんが、ラベルチェンジなどを挟んだ場合はほぼ確実に変わりますし、そうでなくても突然変化することもしばしば・・・。
それはいい方向にも悪い方向にも変化することが起こり得るのですが、ここ最近はいい方向に変化しているボトルが増えてきたように思います。
私を含め、ある程度突っ込んでウイスキーを飲んでいると、オフィシャルスタンダードは中々手が出なかったりしますが、1年に1度くらいそうしたボトルをチェックすると、また新しい発見が見つかるかもしれません。
今回はそんなボトルも含めて紹介していきます。


【Interesting Release Category】
【アイラモルト】

・ボウモア 12年 43%

あえて1本上げるならいつの間にか美味しくなっていたボウモア12年、らしい柑橘とグレープフルーツを思わせるフルーティーな味わいが2〜3年前のロットと比べてはっきりと感じられました。
またそれ以外にも、ここ1〜2年間のアイラモルトの品質向上は著しいと感じます。
去年はカリラ12年が美味しくなったと話題を呼び、今年は今年でアードベッグTEN、ラガヴーリン16年も良くなっていると感じました。この2銘柄は、中途半端な旧ボトルなら、好み次第で充分対抗出来るクオリティがあります。
またラフロイグ10年は向けで結構味が変わっているような気がしますが、相変わらずの安定感。特にドイツ向けの評判が良かったようです。


【アイランズモルト】
・アラン 12年 カスクストレングス

アイランズのスタンダード全体を見ると、アイラと異なりやや厳しい1年だったように思います。
ニューリリースでは、タリスカーはNAとなるスカイが展開され始めましたが、これはハイボールには使いやすいものの、ストレートは少々苦しい。スキャパのスキレンは年始に流通したバッチ1こそ好調だったものの、バッチを重ねるごとに熟成感がライトに・・・。
既存リリースを見ても、ハイパやジュラは良くも悪くも安定していますが、目立った変化はなかったように思います。
そんな中、エントリーグレードから全般的に安定したリリースで気を吐くアイルオブアラン。1本を選ぶならラベルチェンジした10年か、バッチ的には2015になりますが12年カスクストレングス。アメリカンオーク由来のバニラやドライフルーツの香味がしっかり感じられ、もっと評価されるべき1本をだと思います。


【キャンベルタウンモルト】
・キルケラン(グレンガイル) 12年 46%

スタンダードクラスの中で、今年のベストリリースを選ぶなら、このキルケラン12年は間違いなく候補となる1本です。
ちょうどキャンベルタウンモルトを基礎から勉強し直すかと、色々飲んでいた中で、手元に届いたWIP終了を告げる完成品。しっかりとした麦芽風味、後半に広がるピートフレーバー。兄貴分であるスプリングバンクの特徴を備えつつ、スタンダードではそれ以上の出来栄えでした。
蒸留所限定品の複数年バッティングを飲む限り今年1年限りの味わいではなさそうですし、来年以降も期待しています。


【ハイランドモルト】
・クライヌリッシュ14年 46%

ハイランドもニューリリース含め、中々良いボトルが複数ありましたが、1番驚きと変化があったのはこのクライヌリッシュの2015〜2016年近辺ロット。
これまでドライで ライトで・・・などと言われていたクライヌリッシュのスタンダードですが、ふと気がつけばリッチでコクのある、食前酒ではなく食後酒というキャラクターに。ハイボール向きではなくなったように思いますが、ボトラーズなどにもあるクライヌリッシュらしいワクシーで白粉を思わせる麦芽風味がしっかり感じられる、良いスタンダードボトルになったなと感じています。


【スペイサイドモルト】
・グレングラント12年 43% 2016's

アイラモルトが既存ラインナップなら、スペイサイドはニューリリースで光るボトルが多く見られた、収穫の多い1年間だったと思います。
その中で1本を選ぶなら、最近ようやく国内に流通し始めたグレングラントのニューリリース12年。ボディはライト寄りですが、華やかなオークフレーバーがしっかりと広がる、少なくとも終売になってしまった16年を惜しまなくても済みそうです。
また、この他にもグレンリベット12年ファーストフィル(写真)もグラント同様に華やかなタイプでいい出来ですし、ラインナップではミドルグレードながら価格的にエントリーに位置するノッカンドゥー15年、18年もナイスコストパフォーマンス。
また、グレンフィデック12年も今年のラベルチェンジで味が良くなったと評判です。


【ローランド付近のモルト】
・インチマリン(ロッホローモンド) 12年 46%

ロッホローモンドはハイランドとローランドの境界線付近にあるけど、厳密には南ハイランドだろうってそうですごめんなさい(笑)。
ただここでラインナップに入れないと、ローランド地方は該当なしどころか、あんまり飲んでないことがバレちゃう事態に。(オフィシャルはキンチーとアイルサベイくらいしか飲んでない可能性が・・・。)
というわけで、今年発売したニューボトルで一気にボトラーズリトルミルやアイリッシュ系統のキャッチーなフルーティーさを取り戻し、JIS向けシングルカスクで話題となったインチマリンの12年をリストアップ。これ、良く出来てると思いますよ。
ローランド地方の探求は、来年の宿題とさせてください(汗)。

【ジャパニーズモルト】
・余市NA 45%

2016年のジャパニーズのスタンダードクラスは中々寂しい感じでした。クラフトディスティラリー創業のニュースや、既存蒸留場からリリースされる限定品が時折市場を賑わしてくれましたが・・・。
ボトルではなく、ジャパニーズウイスキーの基準の話が盛り上がっちゃったりで、色々落ち着かない1年だったように思います。
そんなわけで「該当なし」でもよかったのですが、昨年リリースされてあまり評価されていなかった余市NAが、地味に味が変わって樽感が濃くなっていたので、リストアップです。
先日、イベントでのブースで試飲したところ、なんか濃くなったなと感じて営業の方にそう告げると、自分も飲んだ当時の試飲サンプルを持って来てくださり、一緒に比較テイスティング。「やっぱり濃くなってる」ということで、劇的な変化ではありませんが、ニッカも影で色々努力しているんだなと感じた出来事でした。


【ブレンデッドウイスキー(モルト含む)】
ブラックニッカ ブレンダーズスピリット 40%

はい、もうお約束です。多くを述べる必要はないですよね。ニッカブレンダー陣の気合いと本気を見た、ブレンダーズスピリットです。
この価格帯でスコッチまで見るとジョニーウォーカーグリーンが再販するなど、リリースはありましたが、個人的な好みやコスパではニッカに軍配です。
サンプルを頂いた後、自分も1本買って飲みましたが、ブラックニッカらしく飲むシーンを選ばない「普段飲み」というバランスに、決して安ウイスキーとは言わせない多彩なアロマ、余韻にかけて広がる余市10年を思わせるピートフレーバーとほのかな硫黄がなんとも懐かしい。来年以降も、定期的にこうしたリリースを出して欲しいです。
そういえば某BAR経由での情報によると、使われた1956年の余市原酒は1樽分だそうです。


以上、長くなってしまいましたが、2016年の振り返りとして、飲んだ銘柄から高評価だったもの、印象に残ったものをいくつかの整理の中でまとめてみました。
今年は意識してオフィシャルを多めに飲みましたが、2000年代の蒸留は突き抜けて良いとは流石に言えないものの、酒質、樽の使い方、全体的なバランスなど、良くなっているなという将来の光明となる発見が結構ありました。

そうした発見のモトはありながら、今回の上下2編のまとめ記事ではボトラーズの主戦場である1〜2円台の価格帯リリースなど、設定条件の関係から触れることの出来なかったボトルも数多くあります。
また、将来への光明とはあまり関係はないですが、当ブログのウリとも言えるオールドブレンデッドも。。。
次は違う条件でまとめてみるかと反省しつつ、そして来年も新しい発見と喜びがある事を期待して、今回の記事の結びとします。

このページのトップヘ

見出し画像
×