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東京 インターナショナル バーショー2017(初日)に行ってみた

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先週は本当に仕事が忙しく、土曜日は起きられないか・・・と思ったのですが、目が冷めると午前10時。
準備すると開場時間にちょうど良い、ほんじゃまぁ行ってみますか~と東京ドームシティまで。
ウイスキーフェスといい、バーショーといい、イベント会場が自宅から近くて助かります(笑)。

この記事が公開されるのは、バーショー2日目の14日日曜日。2日連続の方も、今日が初参加という方もいらっしゃると思います。
昨年に比べてカクテルなどの"ライブ系の展示"が増え、ウイスキー要素は控えめだった気がしますが、その中でも「おっ」と思うものがいくつかありましたので、紹介させていただきます。

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まずは世界一を取って益々注目を集める、秩父蒸留所、イチローズモルトから。
ホワイトラベルなど通常商品に加え、2015年蒸留のニューポット、そしてシェリー樽とアメリカンホワイトオークIPA樽のカスクサンプルとブレンデッドウイスキーの3種が試飲できます。
ニューポットを飲むと発酵系の雑味が少ないだけでなく、アルコール感柔らかくコクのある甘みが感じられ、以前のようにツンとしたニュアンスの少ない、更に短期で仕上がりやすい酒質を感じます。
そして限定のカスクサンプル3種も中々。秩父らしい酒質をベースに、ブレンデッドはナッティーな香ばしさの後からオーク由来の華やかさ。シェリー樽は樽質の良さが感じられる、発売されたら秩父ファンによる争奪戦間違いなしというレベル。IPAカスクは以前リリースされた免税向けの毒々しいIPA感はなく、余韻にかけてじわじわと広がってくる感じでバランスの良いIPA感。
一緒に試飲していた某チャーハンBARのマスターと「気合入ってますねー」と唸ってしまいました。

続いて秩父蒸留所の隣、マルスウイスキー本坊酒造は出品数少なめながら、最近何かと話題のプレミアムジン和美人(WA-BI-GIN)が印象的でした。柚子、金柑の苦いニュアンスがある輪柑橘のアロマ、微かにシナモンのようなニュアンスもあり、これは「けせん(ニッケイ)」によるものだとか。
少しボディは軽めでしたが、爽やかで飲みやすいジンでした。

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この他、ジャパニーズメーカーとしては、サントリーウイスキーからはマッカラン12年ダブルカスクの大々的なPRに、メーカーズマークのカクテルブース。山崎を始め各蒸留所の原酒サンプルなどがバウチャー1枚からテイスティング可能。蒸留所に行かないと飲めないものがテイスティング出来るのが嬉しい。なお6月に発売されるというプレミアムジンROKUの試飲はなかったようです。
キリンウイスキーは新商品のシグネチャーブレンド、蒸留所限定品だったシングルモルト・ワインカスクフィニッシュ12年、スモールバッチシリーズからシングルモルト17年、グレーン25年(この3種はバウチャー必要)がテイスティングアイテム。加えて田中氏以下、ブレンダーチームがブースにスタンバイし、積極的にコミュニケーションをとられていたのも印象的でした。


ニッカウイスキーは5月と6月にそれぞれ発売するクロスオーバー、カフェジン、カフェウォッカの先行試飲が可能。ウイスキー側のカウンターには制作に関わられた森ブレンダー以下、開発チームがスタンバイ。ジンとウォッカはそれ単体の試飲だけでなく、海外から招聘(?)したバーマンによる各種オリジナルカクテルを飲むことが出来ました。
この3種、自分は過去の記事に記載したとおり総じて好印象だったわけですが、会場での反応も上々だった模様です。発売が楽しみですね!

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続いてはウイスキーショップ・インポーター関係の出展の紹介。
まずは精力的にプライベートボトルをリリースし、注目を集める信濃屋さんのブースから。試飲の充実度としては、信濃屋と後述する株式会社フードライナーが非常にがんばっていた印象でした。

信濃屋さんは直近発売のPB5種(カリラ、ブナハーブン、ベンネヴィス、ポートシャーロット、スペイサイドシングルモルト和)を含む新旧リリースで構成。
近年では非常に貴重となった、長期熟成の1970年代蒸留として注目を集めた"和NAGOMI"は、和み・・・というほどゆるくなく、樽感主体で硬さとスパイシーさのある構成でしたが、長期熟成らしいフルーティーさ、華やかさも備わっており、ボディもそこまで軽くない。今後の変化に期待したいです。
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そんな信濃屋PBニューリリースの中で最も印象に残ったのが、モルトマンのベンネヴィス19年。
カスクタイプはシェリーバットなので、ともすると濃厚なシェリー感をイメージするかもしれませんが、飲んでみるとシェリー感というより、バニラ、クッキー、焼き林檎や桃を思わせる甘みとフルーティーさ。ベンネヴィスのリリースに見られる紙や植物っぽい癖もあまり感じられない、樽由来の香味と熟成感でコスパに優れた1本に仕上がっています。(是非試飲してみてください。)

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ウイスキーではありませんが、大手グラッパメーカー、ベルタ社の正規輸入元である株式会社フードライナーのブースは、今回最も気合の入ったブースの一つと言えます。
同社が取り扱うベルタグラッパ通常ラインナップほぼ全てが無料試飲アイテムであるだけでなく、京都からK6の西田氏も参加。K6のオリジナルグラッパの試飲(特別価格での販売も有り)に、同氏によるカクテル、グラッパ業界の裏話も楽しめます。

近年、ウイスキーの高騰、原酒枯渇などからコニャック、カルヴァドス、ラムなどの他のスピリッツにも注目していたところ。10種類を越えるスタンダードからフラグシップまでのグラッパを一度に試飲出来たのは、これだけで参加した価値があると言える、素晴らしい体験になりました。
長期熟成のグラッパの濃厚な甘さ、樽由来のほろ苦さはウイスキーに共通するところもありますね。新樽以外に複数タイプの樽を使ったオルトレ イル ヴァッロは、甘さとナッティーな香ばしさ、樽由来のタンニンがウイスキー好きの琴線に触れそうな構成。フラグシップに当たるパオロ・ベルタ1996は食後酒としては極上、イベントの締めにもうってつけです。

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ウイスクイーのブース。ウイスキーはキルホーマンのみでしたが、ニューポットと麦芽(ノンピートとピーテッド)の試食が出来たのは、イベントならではの出し物として楽しませてもらいました。
ニューポットは創業当時と比較してもあまり違いの無い、嫌味の少ないクリーンなピーテッドタイプ。「ニューポットから美味しくないとおいしいウイスキーにはならない」、とスタッフの方のコメントがあり、確かにこれなら短熟でリリースするにはうってつけだなと。
飲みつかれた身体には中々ヘビーな試飲になるかもですが、キルホーマン、アイラ好きの方は是非。

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最後に、ディアジオのブースから、アードベッグのVRを紹介。
確かアードベッグのプレミアムテイスティング会で公開されていたモノだったと記憶していますが、ブースにも出展されていました。
これ、すごいです。正直1回では楽しみきれないほどの完成度で、何度でも見てみたいほど。
慣れない人は、そのままヘッドマウントの映像としてみてしまうかもしれませんが、360度全方位が映像として展開されるため、ひたすら顔を動かして蒸留所の周囲、中、全てを見渡すことが出来ます。
酔ってしまわない程度に、くるくるまわってみてください!(笑)

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(イベントのラストは、メインステージで「We Love Bar Show!!」)

さて、長くなってきたのでここらで筆を置こうと思います。
これまで紹介したブース以外に、京都の空気をそのまま持ってきたような季の美の出展ブース(レシピを構成する各フレーバーにフォーカスした原酒テイスティングも可能)、ディアジオ社のカクテルライブなど、見て楽しめる展示が多く、お酒を飲むだけではないエンターテイメント的な展示会として、1日かけて楽しむことが出来ました。

ちなみに、今回個人的に最も注目していた新生ソサイエティブースは、社会的地位によって何かが変わるアベラワーなど、4種類の試飲アイテムがバウチャー1~2枚(会員は無料)。
日本支部が設立され、これから大々的にPRしていく・・・という感じはない、少しさびしい内容。
アベラワーはソサイエティらしいトーンの高い、硬めの味わい。3.291のボウモアはシェリーカスクで、結構サルファリー。ウイスキー愛好家に大きな衝撃を与えた"投光照明石油掘削装置ムーンプール"こと29.206が無かったのは残念でした。
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では、本日はこれにて。
本日イベントに参加される皆様、飲み過ぎ注意でバーショーを楽しんできてください!

2016年に飲んだボトルで高評価&印象に残ったものを振り返る(下)

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前回に引き続き、2016年に飲んだウイスキーを振り返る特集記事。今回は、オフィシャルリリースでエントリーグレードとなる5000~6000円クラスまでを上限として、ニューリリースの中でコスパが良いモノや、これまでと比較して味わいに良い変化が見られたボトルなどを"Interesting Release Category"としてリストアップします。

ニューリリースはともかく、これまでと比較して・・・というのは何を意味するかというと、ウイスキーは同じ味に作られているようで、ロットで結構味が変わったりします。
このブログを閲覧されている方なら、何を今更という前置きかもしれませんが、ラベルチェンジなどを挟んだ場合はほぼ確実に変わりますし、そうでなくても突然変化することもしばしば・・・。
それはいい方向にも悪い方向にも変化することが起こり得るのですが、ここ最近はいい方向に変化しているボトルが増えてきたように思います。
私を含め、ある程度突っ込んでウイスキーを飲んでいると、オフィシャルスタンダードは中々手が出なかったりしますが、1年に1度くらいそうしたボトルをチェックすると、また新しい発見が見つかるかもしれません。
今回はそんなボトルも含めて紹介していきます。


【Interesting Release Category】
【アイラモルト】

・ボウモア 12年 43%

あえて1本上げるならいつの間にか美味しくなっていたボウモア12年、らしい柑橘とグレープフルーツを思わせるフルーティーな味わいが2〜3年前のロットと比べてはっきりと感じられました。
またそれ以外にも、ここ1〜2年間のアイラモルトの品質向上は著しいと感じます。
去年はカリラ12年が美味しくなったと話題を呼び、今年は今年でアードベッグTEN、ラガヴーリン16年も良くなっていると感じました。この2銘柄は、中途半端な旧ボトルなら、好み次第で充分対抗出来るクオリティがあります。
またラフロイグ10年は向けで結構味が変わっているような気がしますが、相変わらずの安定感。特にドイツ向けの評判が良かったようです。


【アイランズモルト】
・アラン 12年 カスクストレングス

アイランズのスタンダード全体を見ると、アイラと異なりやや厳しい1年だったように思います。
ニューリリースでは、タリスカーはNAとなるスカイが展開され始めましたが、これはハイボールには使いやすいものの、ストレートは少々苦しい。スキャパのスキレンは年始に流通したバッチ1こそ好調だったものの、バッチを重ねるごとに熟成感がライトに・・・。
既存リリースを見ても、ハイパやジュラは良くも悪くも安定していますが、目立った変化はなかったように思います。
そんな中、エントリーグレードから全般的に安定したリリースで気を吐くアイルオブアラン。1本を選ぶならラベルチェンジした10年か、バッチ的には2015になりますが12年カスクストレングス。アメリカンオーク由来のバニラやドライフルーツの香味がしっかり感じられ、もっと評価されるべき1本をだと思います。


【キャンベルタウンモルト】
・キルケラン(グレンガイル) 12年 46%

スタンダードクラスの中で、今年のベストリリースを選ぶなら、このキルケラン12年は間違いなく候補となる1本です。
ちょうどキャンベルタウンモルトを基礎から勉強し直すかと、色々飲んでいた中で、手元に届いたWIP終了を告げる完成品。しっかりとした麦芽風味、後半に広がるピートフレーバー。兄貴分であるスプリングバンクの特徴を備えつつ、スタンダードではそれ以上の出来栄えでした。
蒸留所限定品の複数年バッティングを飲む限り今年1年限りの味わいではなさそうですし、来年以降も期待しています。


【ハイランドモルト】
・クライヌリッシュ14年 46%

ハイランドもニューリリース含め、中々良いボトルが複数ありましたが、1番驚きと変化があったのはこのクライヌリッシュの2015〜2016年近辺ロット。
これまでドライで ライトで・・・などと言われていたクライヌリッシュのスタンダードですが、ふと気がつけばリッチでコクのある、食前酒ではなく食後酒というキャラクターに。ハイボール向きではなくなったように思いますが、ボトラーズなどにもあるクライヌリッシュらしいワクシーで白粉を思わせる麦芽風味がしっかり感じられる、良いスタンダードボトルになったなと感じています。


【スペイサイドモルト】
・グレングラント12年 43% 2016's

アイラモルトが既存ラインナップなら、スペイサイドはニューリリースで光るボトルが多く見られた、収穫の多い1年間だったと思います。
その中で1本を選ぶなら、最近ようやく国内に流通し始めたグレングラントのニューリリース12年。ボディはライト寄りですが、華やかなオークフレーバーがしっかりと広がる、少なくとも終売になってしまった16年を惜しまなくても済みそうです。
また、この他にもグレンリベット12年ファーストフィル(写真)もグラント同様に華やかなタイプでいい出来ですし、ラインナップではミドルグレードながら価格的にエントリーに位置するノッカンドゥー15年、18年もナイスコストパフォーマンス。
また、グレンフィデック12年も今年のラベルチェンジで味が良くなったと評判です。


【ローランド付近のモルト】
・インチマリン(ロッホローモンド) 12年 46%

ロッホローモンドはハイランドとローランドの境界線付近にあるけど、厳密には南ハイランドだろうってそうですごめんなさい(笑)。
ただここでラインナップに入れないと、ローランド地方は該当なしどころか、あんまり飲んでないことがバレちゃう事態に。(オフィシャルはキンチーとアイルサベイくらいしか飲んでない可能性が・・・。)
というわけで、今年発売したニューボトルで一気にボトラーズリトルミルやアイリッシュ系統のキャッチーなフルーティーさを取り戻し、JIS向けシングルカスクで話題となったインチマリンの12年をリストアップ。これ、良く出来てると思いますよ。
ローランド地方の探求は、来年の宿題とさせてください(汗)。

【ジャパニーズモルト】
・余市NA 45%

2016年のジャパニーズのスタンダードクラスは中々寂しい感じでした。クラフトディスティラリー創業のニュースや、既存蒸留場からリリースされる限定品が時折市場を賑わしてくれましたが・・・。
ボトルではなく、ジャパニーズウイスキーの基準の話が盛り上がっちゃったりで、色々落ち着かない1年だったように思います。
そんなわけで「該当なし」でもよかったのですが、昨年リリースされてあまり評価されていなかった余市NAが、地味に味が変わって樽感が濃くなっていたので、リストアップです。
先日、イベントでのブースで試飲したところ、なんか濃くなったなと感じて営業の方にそう告げると、自分も飲んだ当時の試飲サンプルを持って来てくださり、一緒に比較テイスティング。「やっぱり濃くなってる」ということで、劇的な変化ではありませんが、ニッカも影で色々努力しているんだなと感じた出来事でした。


【ブレンデッドウイスキー(モルト含む)】
ブラックニッカ ブレンダーズスピリット 40%

はい、もうお約束です。多くを述べる必要はないですよね。ニッカブレンダー陣の気合いと本気を見た、ブレンダーズスピリットです。
この価格帯でスコッチまで見るとジョニーウォーカーグリーンが再販するなど、リリースはありましたが、個人的な好みやコスパではニッカに軍配です。
サンプルを頂いた後、自分も1本買って飲みましたが、ブラックニッカらしく飲むシーンを選ばない「普段飲み」というバランスに、決して安ウイスキーとは言わせない多彩なアロマ、余韻にかけて広がる余市10年を思わせるピートフレーバーとほのかな硫黄がなんとも懐かしい。来年以降も、定期的にこうしたリリースを出して欲しいです。
そういえば某BAR経由での情報によると、使われた1956年の余市原酒は1樽分だそうです。


以上、長くなってしまいましたが、2016年の振り返りとして、飲んだ銘柄から高評価だったもの、印象に残ったものをいくつかの整理の中でまとめてみました。
今年は意識してオフィシャルを多めに飲みましたが、2000年代の蒸留は突き抜けて良いとは流石に言えないものの、酒質、樽の使い方、全体的なバランスなど、良くなっているなという将来の光明となる発見が結構ありました。

そうした発見のモトはありながら、今回の上下2編のまとめ記事ではボトラーズの主戦場である1〜2円台の価格帯リリースなど、設定条件の関係から触れることの出来なかったボトルも数多くあります。
また、将来への光明とはあまり関係はないですが、当ブログのウリとも言えるオールドブレンデッドも。。。
次は違う条件でまとめてみるかと反省しつつ、そして来年も新しい発見と喜びがある事を期待して、今回の記事の結びとします。

2016年に飲んだボトルで高評価&印象に残ったものを振り返る(上)

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2016年も残すところ後3日となりました。
本年、当ブログが投稿したテイスティングカテゴリーの記事は360本程度。平均すると1日1本はボトルを紹介していることになります。
また、これ以外にも書いていないボトルや、イベントでのテイスティングとしてレビュー記事に含めていないものも多数あります。そうしたモノを含めると、 おそらくはのべ500銘柄くらいはテイスティングをさせて頂いたのではないか・・・。結果、レビュー掲載が追いつかなかったものもあり、中には是非飲んでくださいとサンプルを頂いたものの、来年への宿題と成ってしまうものもありました。(ゴメンなさい。。。)
うーん、来年はペースを落としてでもちゃんとレビューまで書き終えるような形にしたいですね。

さて、これから年末にかけては2016年の振り返りをしていきたいと思います。
月並みですが、"今年飲んだボトル"の中から高い評価だったもの、印象に残っているボトルなどをまとめていくコーナーってやつです。
今回の記事では、特に多くの種類を飲んだ、スコッチ、ジャパニーズ、そしてその他のスコッチタイプウイスキーの中で、
「リリース年度問わず高評価かつ印象に残ったボトル」→<Open category>
「ニューリリースで高評価かつ印象に残ったボトル」→<New Release Category>
を選定します。

なお、レビュー記事の評価で上から順に決めていったのでは、飲んだボトル全てを振り返る作業にはならないので、「印象に残る」という要素も加え、個人的な思い入れとか、驚きとか、より一層の主観的な要素を踏まえ、今年1年を振り返りつつチョイスします。
また、1年を振り返るという位置づけから、ブログに掲載していないボトルも対象にしたいと思います。


【Single Malt】
<Open category>
・グレンギリー15年 1972-1987? Slim Cowell's Pearsonal Serection Ⅱ
・ハイランドパーク 1956-1985 or 1986 GM 54.3%
・ロングモーン 31年 1964-1996 キングスバリー 59%

<New Release Category>
・ラガヴーリン25年 51.7% オフィシャル 200周年記念ボトル
・サントリーシングルモルト 山崎ミズナラ サロンドシマジ向け
・ティーリング 24年 BAR ウォッカトニック 30周年記念ボトル

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候補多数だったシングルモルトモルト分野。今思うと各地域ごとに分けても良かったんじゃないかと思うくらいの物量で、その選定は困難を極めました。(まあ500銘柄飲んでいれば・・・w)
オールドのみならず、ニューリリースもここ最近のリリースに復調の兆しがあり、特にシェリー系のリリースは来年が楽しみという状況になってきています。
そんなシングルモルト区分ですが、新規にテイスティングした中では本年唯一10点を獲得したグレンギリー15年は文句なし。「神のギリー」という通り名まで広まったこのボトル、是非来年の名古屋のイベントのIANブースでテイスティングしていただければと思います。
また、キングスバリー・ロングモーン1964は、ベストな状態なら素晴らしい味わいであるのに、一歩間違えればソーピーに振れるという2面性の衝撃を体験させてくれたという「印象深さ」から、今年の1本にリストアップです。

ニューリリース部門ではラガヴーリン25年もまた即決。2016年のニューリリースの中でもトップクラスであることは間違いない1本で、先日改めてテイスティングしましたが、昨年リリースされたラフロイグ32年同様に「この200周年を迎える2015年、2016年に酒を楽しめる舌がと鼻があってよかった」と心から感じることが出来た1本でした。
加えてもう一つ、サロンドシマジ向けとしてひっそりとリリースされた山崎ミズナラが、2016年にリリースされたジャパニーズシングルモルトの中でもベストと言える1本。原酒の主体は公には1990年代とされながら、体感で30年以上と感じるサントリーのブレンダーの力量を感じる多層感とミズナラ樽由来の高貴なウッディネスは、一言で素晴らしい完成度。1飲の価値アリです。

なお、ニューリリース最後の1席は最近品質を上げてきた近年系シェリーやディアジオのハイエンド各種、あるいは直近リリースのあったベンリアック1975など、本当に様々なボトルが候補として有りました。が、印象深さという点で、ティーリング24年 BARウォッカトニックボトリングを今年1番ハイボールにして旨かったボトル、ベストハイボーラーとしてリストアップさせてもらいました。


【Blended Malt Whisky】
<Open category>
・サントリー センチュリー 21年 ピュアモルトウイスキー 43%
・サントリー 清里フィールドバレエ 25周年記念 ピュアモルトウイスキー 48%
・マクファイルズ 2000年記念ボトル GM 40%

<New Release Category>
・ロイヤルマイル 40年 ブレンデッドモルト 47.1%
・サンジバー スペイサイド ベリーオールドブレンデッドモルト サムライラベル Batch No,2 46.1%
・コンパスボックス フレイミングハート 5th 48.9%

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【Blended Whisky】
<Open category>
・洛山 25年 サントリーブレンデッドウイスキー2015’s 43%
・ペニンシュラ東京 サントリーブレンデッドウイスキー2014's 43%
・ジョニーウォーカー オールデスト 15-60年表記 初期ボトル 43%

<New Release Category>
・響35年 47% 2016's
・響21年 43% 2016's
・おいしいウイスキー 36年 ハイランダーイン 46.2%
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ブレンデッド区分としてバッテッドモルトとブレンデッドウイスキーの2区分から12本をチョイス。この分野はある一定以上のクオリティを求めると、基本的にジャパニーズウイスキーが強いと言う印象で、とにかくまあ完成度の高いものが多い。今回のリストも半分がジャパニーズです。
オープンカテゴリーに唯一入ったオールドブレンデッドのジョニーのオールデスト。これは今年数々の挑戦状(ブラインド)の中で完全正解だったボトルの一つで、モルティーな熟成感とバランスの整ったスコッチらしい美味しさと思い入れから。
しかしそれ以外、洛山25年、ペニンシュラなどはブレンドらしい奥行きのある味わいに加え、ミズナラ、シェリーの各キャラクターが際立って文句なし。先日リリースされた35年なんて香りの高貴さ、バランスがとんでもないですね。味はウッディネスが強いですが、アロマだけで昇天できます。そしてどう飲んでも旨い響21年・・・「ええい、サントリーのブレンダーは化け物か!」という感じで日本勢がメインとなってしまうのです。

それだけスコッチ側で現行品を中心に魅力的なリリースが少なかった分野でもありますが、シングルモルトでのリリースが原酒的に難しいからか、あるいは多層的な味わいを求めてか、スコッチからもブレンデッドモルトウイスキーのリリースで光るリリースが少なからず増えてきたように思います。 
その代表格と言えるのがロイヤルマイルのブレンデッドモルト40年、あるいはサンジバーのブレンデッドモルト、一応スコッチ区分であるハイランダーインのおいしいウイスキー。舐めた程度なのでリストアップはしていませんが、ユナイティングネイションズ40年なども光る1本だったと思います。
後は期待していなかったのですが、往年のカリラを思わせる味わいで楽しませてくれたフレイミングハート5thは滑り込みでリストアップ。11月にリリースされたサマローリのレインボーも良かったですし、ジャパニーズが原酒枯渇で苦しむ今、来年はシングルモルト以外にブレンデッドスコッチに注目できる1年となるかもしれません。これは結構楽しみにしています。


と言う感じで高評価&印象深いボトルをリストアップしてみましたが、こうして改めてリストにしてみると、「ホント今年も良く飲んだよねぇ(飲ませて貰ったなぁ)・・・」という感想と共に、中々飲めないボトルも少なくないなと感じる内容です。
他方、2016年は昨年同様、オフィシャルスタンダードリリースの品質向上が目立った年で、エントリーグレードである5000~6000円くらいまでの価格帯で、面白いリリースや、味わいが良くなったと感じるボトルも少なくありませんでした。
そこで次回は、別枠としてコスパの良さや、品質の向上したリリースなどを<Interesting Release Category>として選定することとします。

<つづく>

武蔵屋 & ジャパンインポートシステム 試飲会レポート(後編)

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引き続き武蔵屋&JISさんの試飲会レポートです。
後編はGMのボトラーズリリースボトルから、印象深かったボトルを紹介していきます。
周年が関係していたこともあって、ウイスキーフェスの時から尋常じゃない数でしたが、その内容を引き継いで今回も登場です。
そのボトル本数は32本。フェスの時はここに上位グレードもいくつか含まれていて、より多くの本数が試飲できたわけですが、それを全部飲んでいたらその日が終わってしまうので、あえてスルーしていました。

そんなわけで、まずはコニッサーズチョイスから。
ただ正直なところ、コニッサーズチョイスは短熟はもう一つ複雑さが足りず、90年代蒸留で色の濃いめなボトルを見ると硫黄系のシェリーだったりで、自分的にはちょっと辛いところもありました。 
その中でも、というか今回のGMラインナップで、最も印象に残っていたのがトマーティン1996。後はレダイグ1998やカリラ2003は、ピートタイプの利を生かして"外さない"仕上がりだったように思います。

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・トマーティン (1996-2013) コニッサーズチョイス 46%
香りはチーズを思わせる酸味、少し湿ったアロマなど、他のボトラーズリリースでも極稀にある香り立ちで、個性的な構成ですが、口に含むと滑らかな口当たりからバタークッキーやバニラ、そして洋ナシの甘みとフルーティーなフレーバーが広がり、余韻はウッディー。香りと味の変化が大きい、印象深い構成でした。

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続いては蒸留所ラベルシリーズ。
これもほんの数年前は20年オーバーでこってりとしたシェリータイプだったり、オーキーで華やかなボトルが結構(それも安く)あったのですが・・・。最近は若年化が著しく、ストラスアイラやロングモーンなど、かつて長熟で鳴らした蒸留所ラベルは軒並み2000年代に突入。
これが10年、20年かけて訪れた変化ならわかりますが、ほんの3年くらいの間に起きた出来事ですから、未だに理解しがたいです。 

さて、この中で印象に残ったボトルを上げるなら、一つはバルブレア10年、そしてもう一つはアードモア1995になります。
・バルブレア 10年 43%
・アードモア (1995-2013) 43%

バルブレアは割りと近年のオフィシャル直系の構成ですね。華やかでライトボディーで、オーク系のフレーバーがしっかり感じられる。このボトルはメーカー終売が決まっているそうで、輸入代理店側にも30本程度しか在庫が残っていないようです。
アードモアは近年リリースされることが多くなった2000年代のボトルと比べて熟成感、落ち着きがあり、らしさもありますが全体的なバランスが整って、美味しく飲める構成となっていました。
ちなみに以前評価の高かったモートラックやリンクウッド15年は、樽構成が変わったのか、随分サルファリーな味わいに。。。

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カスクストレングスシリーズと、加水のマクファイルコレクション。
この中からチョイスするなら、クライヌリッシュ2001とグレンロセス1997です。

カリラの若いビンテージは、安定を求めるならこの辺は間違いないのですが、それ以上に可もなく不可もなくなのが ・・・。
ハイランドパークはニューポッティーな要素も残っていて、まだちょっと難しい印象がぬぐえませんが、クライヌリッシュは濃厚寄りなシェリー感にハイトーンで、比較的まとまりの良いボトルに仕上がっています。

また、マクファイルコレクションでは、グレンロセスがハウススタイルに忠実な味わいで、口当たりは草っぽさを感じるニュアンスから、熟成感のあるコク、ふくよかさ。BAR飲みして勉強するには良いボトルかなという印象です。
ブナハーブンは最近増えてきたピーテッドタイプ、若いですがカリラのような安定感。そしてグレンタレットはスワリングで淡いパフュームも。


この他、ラムやリキュール、コニャック、カルヴァドス、シェリーなどのラインナップも充実。特にコニャックとカルヴァドスはウイスキーよりもラインナップが良く、色々経験することができました。 
総評するとボトラーズ受難の流れは強く、逆にオフィシャルの方が完成度やコストパフォーマンス的にも良いものがあったように思いますが、中でもいくつか面白いと感じたボトルを紹介させて貰ったつもりです。

そして今回試飲会後は、印象に残ったボトル2本を注文。
強制ではないですが、そういう主旨の会でもありますので。後は主催者の皆様にに感謝しつつ、購入したボトルを後日個別に記事にしたいと思います。

武蔵屋 & ジャパンインポートシステム 試飲会レポート(前編)

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ウイスキーフェスティバル、そしてオールドブレンデッドテイスティング会とウイスキー尽くしの2週間が終わって間も無い中、続いて開催された武蔵屋&JISさんの試飲会(プロ・アマ問わず誰でも参加可)に出没してきましたので、その雑感をまとめておこうと思います。

ウイスキー関連のラインナップは、GM、OMC、キングスバリーの3種が中心。特にGMは先日のフェスからの流れで、非常に潤沢なラインナップが印象的でした。
なお、流石に全種類テイスティングしたのでは時間も身ももたないので、今回はプラカップに少量注ぎ、口に含んで「おっ」と思ったものだけをテイスティンググラスで試飲しました。
従って、いつもよりも精度が粗いかもしれませんが、ご容赦ください。

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それでは、まずはベンロマックのスタンダード各種から。
・ベンロマック オーガニック 2010 43%
・ベンロマック10年 43%
・ベンロマック10年 57%
・ベンロマック ピートスモーク 2006 46%
・ベンロマック 15年 43%

飲んでいて共通して感じたのは酒質の良さ、素直さ。最近のスペイサイドにありがちな軽くピリピリした感じは少なく、これなら樽と熟成次第でさらに美味しいスペイサイドモルトになれるであろう予感がします。
このラインナップ中で良かったのは10年のカスクストレングス。次点はピーテッド。
10年は微かに硫黄が混じっているものの、全体的には嫌味の少ないシェリー感で、飲みごたえも中々。ピーテッドは、若いなりにバランスよくまとまっていました。
続いてロッホローモンド。
・ロッホローモンド オリジナル シングルモルト 40%
・インチマリン 12年 46%
・インチマリン 18年 46%


いろんな意味でらしさを1番感じたのは18年。オイリーでクセのある・・・一言で濡れたダンボールちっくな味は飲み手を選びますね。インチマリンを製造するロッホローモンドはリトルミルの第2蒸留所として建設された経緯があり、その背景からも、らしさははっきり継承されているように思います。
他方で、ロッホローモンドNA、インチマリン12年はどちらも意外に、というか良くできたボトルで、NAは素直なハイランドモルトという感じの乾いた麦芽風味を伴う味わい。12年は青っぽさは若干あるも、しっかりとフルーティー。
この蒸留所については、後日また記事をまとめていく予定です。

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続いてはハンターレイン社のOMC。
ここからはボトラーズで1銘柄1銘柄記載すると記入量がハンパないことになるので、紹介するボトルだけビンテージまで記載します。        
OMCは気になる蒸留所が多かったので、ほぼテイスティンググラスを使用しました。
中でもヒットしたのが、2種類のグレンゴイン。

・グレンゴイン スペシャルカスク FORJIS 15年 (2001-2016) 58.8%
・グレンゴイン 17年 (1996-2014) 50.0%


日本向けのスペシャルカスクはフルーティーでモルティーな味わいのまとまりがよく、バランスの良い仕上がり。ノーマルな50%は多少植物感はあったものの、後半にかけて開くバニラ、洋梨、ドライフルーツの樽由来のフレーバーが好印象です。
その他のボトルでは、ここでも安定感のある短熟カリラ6年。リンクウッド FOR JIS 19年は花と動物直系の味わいというか、中性的で自分は求めている方向性が違うなと。グレンバーギー17年は一番期待していたのですが、シェリーカスク熟成ということで、普段のフルーティーさと違うまったりとしてウッディなタイプに仕上がっていました。
ちなみに先ほどオフィシャルテイスティングでいろんな意味で楽しませてくれたロッホローモンドは(以下略。

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姉妹ブランドに当たるプロヴェナンスのラインナップからは、ジュラ 11年 (2003-2014) 46%。
ピートのしっかり効いたジュラで、熟成感はオフィシャル10年と同等程度でやや短熟気味。少し酸味を伴うクリアな味わいとスモーキーフレーバーで、いかにもという味わいでした。
ちょっとこのラインナップだけは消去法で動きましたが、例えばBAR飲みで現行品との比較にこのジュラを使うなら面白そうです。

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キングスバリーのゴールドシリーズ5種類。こちらからはベンネヴィスとアランをピックアップです。
・ベンネヴィス 17年 (1998-2016) 57.9%
・アラン 18年 (1996-2015) 52.9%

ベンネヴィスは所謂圧殺系のシェリー感で、個性はあまり感じませんでしたが、時間経過で開くかもしれません。
また、ファークラスやマッカランなどに見られるシーズニングシェリーとは少し違う、黒蜜のような甘さが印象的な濃い味わい。好きな人は好きなボトルだと思います。
なお、アランは安定のアラン(笑)。リフィルシェリーホグスヘッドと思しき構成ですが、フルーティーさよりとろりとした甘さがあり、まったりとした味わいです。
この他短期熟成のタリスカー5年は、若いですが酒質の強さ、素性の良さを感じる味わいでハイボールにしても面白そう。また、こういうのをマイ樽に入れたいなと思うのですが、価格的に釣り合いが取れないんですよね(汗)。        

以上ここまでざっと26本。
オフィシャルボトルは復権、味が良くなってきている印象を受ける一方で、ボトラーズは短期熟成が目立ち、1990年代蒸留ですら「若干ありがたく感じる」のは、やはり世代が切り替わってしまったことの証なのかもしれません。
簡易レビューで恐縮ですが、参考になりましたら幸いです。
長くなってきましたので、ひとまずここで区切りとして、後編はGMのラインナップから紹介します。

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