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厚岸蒸留所 ニューボーン 2018 バーボンバレル 60% ファーストリリース

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AKKESHI
NEW BORN 2018
Single Malt Spirit
"Foundation No,1"
Non-Peated
Cask type Bourbon Barrel
200ml 60%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封直後
評価:-

香り:レモングラスやレモンピールを思わせる爽やかな香り立ち。少しの乳酸、ハッカ。奥から干草、乾いた籾殻のような軽い香ばしさを感じる。

味:クリアでフレッシュな味わいの中にコクと軽い香ばしさ、唾液と混じることで、ねっとりとした粘性のある甘みと酸味を感じる。
余韻はハイプルーフらしくヒリヒリとハイトーンな刺激もあるが、ほろ苦い殻付麦芽と淡いバーボンオークのウッディネス。しっかりと長く続く。

若く度数も高いため、ストレートでは多少の荒さが感じられるものの、酒質は洗練されていて綺麗な仕上がり。
味わいにはコクがあり、加水するとまろやかな口当たりが得られるが、水っぽくなりやすい印象も受けた。また、ハイボールは若いモルトらしい酸味と香ばしい麦芽風味が主体ですっきりとした味わい。
将来的には、大手蒸留所に匹敵するハイランドタイプのモルトへの成長が期待できる。

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近年、日本に数多く誕生している蒸留所の中でも、その環境や製法へのこだわり、掲げる目標などから、最も注目を集めていると言っても過言ではないのが、北海道厚岸に堅展実業株式会社が創業した厚岸蒸留所です。

同蒸留所の創業は2016年。生み出されるニューポットは将来性を強く感じさせる味わいであり、周囲の反応は上々。自分も2016年仕込みのピーテッドと2017年仕込みのノンピートをテイスティングする機会がありましたが、創業2年目の国産クラフトとは思えない仕上がりにびっくりしました。
当然、そうした機会を得た方々の評価は伝聞で広まるわけで、その要望に応える形でリリースする運びとなったのが、今回のニューボーン2018です。

"厚岸蒸留所のこだわり、創業者である樋田氏らスタッフの熱い想いは、公式ページを参照下さい。http://akkeshi-distillery.com/"

ファーストリリース、Foundation 1の構成原酒は、バーボンバレルで5ヶ月から14ヶ月熟成したノンピート原酒。これは2016年の創業から2017年のノンピートモルトの仕込み時期の最後までに生産された原酒であり、バッティングの後、若干の加水調整を加えたもの。ラベルの表記はシングルモルトスピリッツで、ウイスキーと表記しないところに、同社のこだわりを感じます。
ニューボーンシリーズとしては、今回のノンピートに加え、ピーテッドモルトやシェリー樽などのリリースを計4種類行い、3年熟成のシングルモルトウイスキーに繋げていく計画のようです。

今回のリリース、そして昨年のニューポットから考えると、厚岸蒸留所の原酒の特徴は、洗練された綺麗なコクのあるスピリッツと感じています。
勿論若さからくる雑味、荒さは多少ありますが、熟成を経ていくことで磨き上げられていくと考えられ、熟成期間としてはバーボンバレルで5年から10年くらいが飲み頃かなと。酒質の系統から、樽次第でハイランドタイプの美味しいモルトに仕上がっていくことが期待出来そうです。
また、厚岸は寒暖の差が大きいなど内地に比べ特色の濃い土地とのことで、確かに今回のボトルも最長14ヶ月熟成の原酒でありながら、既に淡い樽感とグラスの縁に残る白くくすんだ樽材由来のエキスも見られ、スコットランドとも異なる熟成の片鱗が感じられます。


しかしこの味わい、特に熟成に耐えうるボディのある酒質を作るには、相当な苦労があったと聞きます。 
蒸留所関係者から伺った話では、例えば試験蒸留時点では酒質がクリアすぎて香味に厚みが出ず、導入している蒸留設備のメーカー(フォーサイス社)から技術者を招いて技術指導を受けるなど、トライ&エラーを繰り返し、徐々に厚みが出るようになっていったのだとか。
今回のニューボーン2018にも最初期の原酒の影響があるのか、加水するとストレートで感じられたコクに対して、少し水っぽさ、口当たりの薄さが出てくるようにも感じられます。

ただ、これはすべての蒸留所にありうる成長過程の一つ。今後はさらに、個性や特徴が強まった原酒が生産されていくのでしょうし、2017年仕込みのニューポットを飲む限りでは既に解決した課題とも感じます。それを裏付けるように、原酒の質は向上し続けているという話も伺っているところです。
様々な苦労を乗り越えて創業した、厚岸蒸留所の新しい歴史の幕開け。言わば目覚めの瞬間に向けた胎動。その原酒の発売を祝福するとともに、同蒸留所が掲げる「スコットランドの伝統的製法を受け継ぎ、かつ厚岸らしいウイスキー」の姿をイメージしながら、楽しみたいリリースです。


【以下、余談。】
厚岸蒸留所と言えばアイラモルトを意識したPRを行うなど、将来的にはピーテッドタイプのウイスキーをハウススタイルとすることを目標としています。(むしろ此方を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。)
現在、ピーテッドとともにノンピートが仕込まれている理由は、品質管理の意味合いとして、まずノンピートを仕込み、細部まで原酒の状態を確認できるようにするため。今後はピーテッドの比率を高めつつ、ノンピートも継続して一定量仕込まれていくようです。

なお、昨年テイスティングしたピーテッドモルト(ニューポット)は、ベースとなる酒質は上記のように綺麗な仕上がりである事に加え、若さからくる荒い要素がピートでマスクされたことで、ノンエイジにして既に仕上がっているような印象を受けました。
近いところとしては、キルホーマンとラガヴーリンを足して2で割ったようなイメージ。果たして熟成後の仕上がりはどうか。。。
このニューボーンシリーズで8月にリリース予定の第二作は、バーボンバレルのピーテッドとのこと。リリースが今から楽しみです。

北海道 厚岸蒸留所がホームページを開設

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先日、蒸留計画または蒸留そのものが進んでいる4箇所のクラフトディスティラリーについて、その状況を記事にしました。
そのうち北海道・厚岸蒸留所の公式ホームページが昨日8月10日にオープン。
厚岸蒸留所は熟成試験も含めれば結構前から建設準備を進めていたものの、メーカー側にホームページ等が無く、状況がわかりにくい部分がありました。
開設されたWEBページは、建設中の蒸留所が詳しくまとめられています。
既にご覧になられた方も多いと思いますが、まだの皆様は通勤途中のお供にどうぞ(笑)。
厚岸蒸留所公式WEBページ
 
スタッフ4名、生産規模も少量、樽はバーボン、シェリー、ミズナラの3種類ですか。お、見学も対応してくれるんですね。流石に早々行ける場所じゃないですけれど・・・
これで2016年の蒸留開始に向けて現実味がぐっと沸いて来たなと感じます。

厚岸は熟成実験を行った上で建設場所を決めているだけでなく、現地の海産物と合わせるという明確なビジョンも持ち、アイラモルトをイメージしたピーテッドタイプに特化していくそうです。
建物すら出来てない段階でこういうのも何ですが、ピーテッドタイプに拘るのは大いにアリだと思います。
ノンピート系のモルトは若さを覆い隠す香味が無いので、若さがモロにきてしまうことも多いのですが、ピーテッドタイプなら若い方がピートもクセも強く感じるので、逆にプラスになることもあります。
現地の牡蠣など、海産物との相性も良いかもしれません。
 
ただ、小規模な蒸留所ほど良いも悪いもクセが出やすい傾向にあると感じます。
それこそがクラフトディスティラリーのウイスキーを飲む面白さっちゃそうなのかもしれませんが、厚岸の産声は果たしてどのような響きなのでしょうか。
 
厚岸蒸留所には知人が勤めるようですし、今後の動きが楽しみです。
新しい情報が手に入りましたら、記事にしていきたいと思います。

 

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