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カテゴリ:クイーンエリザベス

QE2 クイーンエリザベス2 1970年代後期流通 特級表記 49%

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QE2
QUEEN ELIZABETH 2
(SPRINGBANK?)
Single Malt Scotch Whisky
Over 12 Years old
1970-1980's
760ml 49%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅@サンプル、Yさん
時期:開封直後サンプル瓶詰め
評価:★★★★★★(6)

香り:穏やかだが少し湿ったようなウッディネス、ハーブや蝋っぽさの混じる甘い麦芽香。あまり熟していない洋梨、ナッツ、徐々にフローラルで華やかなニュアンスも感じられる。

味:ややオイリーな口当たり。ローストした香ばしさとほろ苦い麦芽風味、レザー、薄めたキャラメルやべっこう飴のような甘みとあわせて潮っぽさ。奥には古酒系の要素。
余韻は麦芽の甘みと香ばしさ、樽由来の華やかさと馴染んで染み込むように残る。

度数より少し下がっている印象はあるが、麦系の味わいに存在感があり、個性も充分備わっている染み染み美味いモルト。パフュームは皆無。味わいで感じるこの塩気はやはり。。。
加水すると麦芽由来の風味が引き立つが少量までで留めたい。

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かつて豪華客船クイーンエリザベス号の中と日本のみ?で購入することが出来たという、同船の、そしてイギリス女王の名を冠したウイスキー。
自分が知っている限り、ジャグボトルでは1970年代から計5種類のデザインが販売されており、中身はその製造を請け負ったメーカーや時代によって、スプリングバンク→タムナヴリン→グレンギリー※が、遍歴の定説として知られています。

※モリソンボウモア社が手掛けた1980年代後期から1990年代流通品は、グレンギリー説以外にボウモア説、ボウモア・グレンギリー・オーヘントッシャンのブレンデッドモルト説と意見が分かれていますが、ボトルのハイランドモルト表記から、ここではグレンギリー説を採用しています。
ボトルデザインの遍歴については、こちらの記事も参照ください。

一連のQE2の中で最も鬼門かつ地雷とされるのが、1970年代後期から1980年代にかけて流通した、今回のボトルデザインのものです。
中身はタムナヴリンと言われる時代ですが、とにかくまあ"超"がつくほどパフューミーな中身で知られており、一度飲みましたがノージングでノックアウト。人の飲むものではないと、それ以来手を出していませんでした。

そんな時代のボトルを再び飲むきっかけを頂いたのが、FB繋がりのYさんから。
別なボトルでソーピーなボトルに当たり、誰か引き取りませんか?と里親を探していたところ、逆に「パフュームならこれ飲みませんか?」と開封直後のものを頂いてしまいました。
男は度胸、恐る恐るも飲んでみるとパフュームを感じず、むしろコクと蝋っぽさを伴う麦芽風味に甘みと塩気のブリニーさ。あれ、これってスプリングバンクでは。。。?
実はYさんはパフューム全開をお見舞いするつもりで新規開封したそうですが、飲んでみてその要素がなくちょっと拍子抜けしてしまったのだとか(笑)
何れにせよ、これまでのイメージを覆すサンプルをありがとうございます。


調べてみると、この時代のQE2には今回の1970年代後期の日食時代で760ml 49%表記の日本向けのものと、裏ラベルに「モルト100%なのに1級(普通は特級)」「750ml 43%(表ラベルは750ml 48.6% 97US Proof)」と意味不明な表記の書かれた"向け"の違う、時期的には1980年代に入った後のモノで2種類あり、自分が飲んだボトルでは後者が危ないという整理です。

勿論この760ml49%表記のQE2が全て大丈夫という保証はありませんし、ボトル考察としては全く逆の意見もあります。
同じ製造元であるアーガイル・シングルモルト12年では、スプリングバンクとされた時代のものでパフュームに当たった経験があるなど、個人的にどーもこの時代のアーガイル社は信用ならない苦い思い出もあったりします。
ただ1970年代初頭のQE2がスプリングバンクバンクである中、途中で切り替わって元に戻るよりは、そのまま行って途中から切り替わる方が整理としては自然かなぁと。

正しい判断を下すにはまだサンプルケースが足りませんね。もしこっちのデザインはこうだったという経験談がありましたら、判断材料として活用したく。コメント頂けますと幸いです。


クイーンエリザベス デラックス 1980年代流通 43% 特級表記

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QUEEN ELIZABETH
De Luxe Scotch Whisky
A Very Rare Highland Whisky
1980's
750ml 43%

グラス:名称不明テイスティンググラス
量:30ml
場所:BAR飲み(Main Malt)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:華やかな香り立ち、林檎や洋梨、青肉メロンを思わせるエステリーなフルーティーさ。ほのかにシリアル、微かな青さがスワリングでハーブの爽やかさに。熟成感あるアロマ。

味:コクのある口当たり。軽やかなスパイスと穀物風味、シリアル、トーストしたパン生地を思わせる香ばしくほろ苦いニュアンス、淡いスモーキーフレーバー。奥には青林檎、薄めた蜂蜜、余韻にかけてじわじわと染み込む。若干コルキーだが長い余韻。モルティーでリッチなブレンデッド。


オールドブレンデッド好きの間で、味が良いと評判のブレンデッド、クイーンエリザベス。
ラベルに描かれているのはクイーンエリザベス1世の肖像画。クイーンエリザベスというと豪華客船クイーンエリザベス2(QE2)で発売されていたストーンジャグボトルのQE2が有名ですが、これは単に名前が同じというだけで今回のクイーンエリザベスとQE2は製造元が異なります。
また、ほぼ同時期の流通品で、クイーンエリザベス名称ですが違う企業製造のボトル(こちらはラベルに肖像画無し)もリリースされており、飲み手からすればややこしいことこの上ないわけです。

その素性、キーモルトはというと、はっきりとしたことは不明ですが、華やかで熟成感あるモルティーな味わいが特徴。ブレンドでありながらあまり例のないHighland Whisky表記を掲げるように、構成原酒はハイランドモルトにグレーンか。マイルドで洋梨のような甘みが、心地よく感じられます。
製造元であるAverys of Bristol社は元々ワイン商で様々なコネクションがあったようですが・・・グレンマレイ、グレンゴイン、トマーティン。当時ハイランド表記はスペイサイドも含む場合があり。。。すいません、候補がありすぎてギブアップです。 
(どなたか構成原酒についてご存知でしたら教えてください。)

日本には1980年代に角川春樹事務所が輸入し、自社映画とのタイアップも行っていたようですが、1990年代に入ってからは輸入が途絶えてしまいました。
しかしそれなりに量は入っていたようで、現在のオークション市場でもぽつぽつと出品のあるボトルです。

ただ、箱が横長で豪華だったこともあり、横置き保管されていたボトルが多い印象。過去2本購入したものの、2本ともヘビーにやられていて、泣く泣く流し行きとなったのは苦い思い出です(笑)



QE2 クイーンエリザベス2 モリソンボウモア 1990年代流通 43%

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今週は先週に引き続き怒涛の業務量な一週間、普段肩などこらない自分の肩が凝り、座って仕事してるだけなのに不定期に息切れしたのは流石にヤバイと思いました。

「はっきりとわかる・・・踏めば死ぬ・・・。」
脳裏にブラックバー〇のカットインが入った気がしました、ってこのウイスキーブログで湾岸ネタなんてわかる人居るんだろうかw

なんとか仕事をまとめ上げ、日付をまたいで帰ってきた自分を待つのは元気一杯のわが子。
今日は朝からプールでベビースイミング、そのまま東京駅まで行って電車見学。やっと昼寝してくれたので、ここから自分の時間です。
今日の1杯は昨日で介錯となった、素性がはっきりとわからないこのボトル。

Q・E・2
(Queen Elizabeth 2)
HIGHLAND MALT SCOTCH WHISKY
Distilled and bottled in Scotland by Morrison bowmore
43%  750ml
1990's
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評価:★★★★★(5)

香り:つんとしたアルコール感、麦芽香、バター飴を思わせる甘い香り。白い花のような品のいい植物香。
加水するとマイルドになりカラメルのような甘さが引き立つ。ほのかにスモーキー。

味:香ばしい麦芽感に、えぐみのような香味が感じられる。サトウキビ、びわ、ミドルボディで43%にしてはフレッシュで勢いがある。舌先にスパイス。フィニッシュはピーティーでドライ、エッジの立った麦芽風味。あまりヨードは感じない。


豪華客船クイーンエリザベス2の中で売られていたというスコッチモルトウイスキー。
先日記事にしたもしもしウイスキー(比べるのも失礼ですがw)的なOEM商品で、QE2はラベルデザインのみならず中身も時代によって変わっているのが特徴。最近のことはわかりませんが、皆様が目にするのは、1990年代以前に販売された4種類のQE2だと思います。 

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今回のボトルは1990年前後の販売品。中身は不明ですが、モリソンボウモア社によって作られているため、香味から推察してグレンギリーではないかと思います。
この時代のQE2は、ボウモア説、ボウモア、オーヘントッシャン、グレンギリーのバッテッド説などありますが、当時の各蒸留所のハウススタイルで考えると、個人的にはギリーが一番しっくりきます。
仮にボトリングを1990年ジャストとし、熟成感から中身は12年クラスと考えると、ボウモアはパフューム時代の真っ只中です。このボトルにはボウモアタイプのパフュームは無く、微かにソーピーに触れそうなアロマはありますが、どちらかというとギリータイプ。グレンギリーはまさにこの時期からパフューム時代に入って行きます。
また、ピートが効いているのでオーヘントッシャンでもない。バッテッド説については、ハイランドモルト表記なのと、Distilled and Bottledのみで、Blended表記が無いことから、シングルモルトなんじゃないかなぁと思います。まぁハイランドと書いてアイラまで読ませる事例もありますし、なにより表記も"いい加減"なので、あまりアテにはなりませんが。

さて、QE2の陶器ボトルについて、せっかくなので他の2種類も簡単に解説して、本日の締めとします。それぞれこの辺だろうという蒸留所のアタリは、諸先輩方によってつけられているのですが、それでもなお上述のように疑問というか謎が残っているのも、このQE2の特徴であり魅力でもあると思います。

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1980年代に流通していたQE2です。
1990年代よりもボトルが肩ばっていて、光沢もありますね。
中身はタムナブリンと言われています。
このボトル、個人的にいままで飲んできたボトルの中で最強のパフュームを備えており、1度飲んで後はノーセンキュー。トライしていません。
石鹸というか、バスマジックリン、洗剤だと、当時の自分は表現しています。
ただ旨いというコメントもネットでは見られるため、ボトルの切り替え時期によって中身の違いが出るのかもしれません。このボトルは確認するつもりも無いため、他の勇気ある飲み手にお任せしようと思います。

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こちらが1970年代に流通した、QE2。 同時期流通で光沢のないマットタイプのボトルもあります。
船のほうのクイーンエリザベス2は1967年の就航なので、このボトルが初版と見るのが妥当か。 アーガイル社が製造しており、中身はスプリングバンクと言われています。
横置き疑惑のボトルが多いのと、後述する理由からか、逆算して1960年代のバンク説が有力であるのに思いのほか市場で高値は付かないボトルです。
自分も買ってみたものの、あんまりバンクっぽくなかったんですよね。純粋に美味しいウイスキーですが。
スムーズでカラメル系、シェリー系の甘さが強く、そこにナッティーな香ばしさ、麦芽風味がある。上品というか酒質の良さは感じられました。

しかしつくづく凄いなと思うのは、当時高級品とされたウイスキーの数々を、こうして一般人の自分が手に入れ、気軽に飲めてしまうこと。その時代に生きていたら、自分の稼ぎじゃ絶対飲めなかったでしょうね。
物持ちの良い日本人ならではというか・・・今のこの時代にも感謝しないといけないのかもしれません(笑)。


なお、記事にしたQE2(モリソンボウモア時代)には後期デザインとなるボトルもあり、それが写真のものです。
1990年代以前の4種類と合わせ、計5種類がジャグボトルのQE2としてリリースされていたようです。

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